1357
王都を出発し北へと歩いているが、まだ走ってはいない。皆に昨夜の事を説明しているからだ。王の直轄地と北の侯爵領の領都であるエルンドは終わっていて、後はクーデアの街と辺境伯の領都ガンダスで王国は終了となる。
「早いと言えば早いけど、遅いと言えば遅いねぇ。何と言うか微妙なところさ。とはいえ、これはアルドの神命に直結する話だし、神様が望まれている可能性が高いからね。やらなきゃいけない事さ」
「ああ、本当にそうだ。不老長寿の男性を探してウロウロし続けたけど、主様と共に旅をするようになってからさ、ここまで神殿の中が腐っていると知ったのは。今なら神様がお怒りなのも、よく分かる」
「そうですね。私も帝国の潜入工作員として、ある程度は知っていましたが……。御主人様が暴いた事は、私が知っていた事の比ではありません。ここまで腐っていたなんて、神殿の者以外知らなかったでしょう」
「そうかな? 僕は神殿の孤児院に居たけど、たぶん上層部以外は知らないと思うよ。1部の奴等以外は騙されてるんだと思う。何処から情報が漏れるか分からないし」
「成る程な。腐っている国の組織と考えれば構図は分かりやすい。とどのつまり、やっている事は両者変わらない。腐っている組織というのは、結局似ていくものなんだろう」
そんな話をしていると、横の林からゴブリンが2体飛び出してきた。何かに追われているのか? と思ったら、ウチの子供達が目当てらしく、粗末な木の棒を振り回して襲ってきた。子供達は冷静に【土柱】の魔法を使う。
「「ゴブッ!?」」
股間を強打されたからか悶絶しているが、止めを刺してあげなさい。そう言って俺は神石の直刀を蓮に渡す。蓮は身体強化をして持ち、股間を押さえて悶絶しているゴブリンの頭を突き刺して殺した。
そして戻ってきて神石の直刀をイデアに渡す。イデアも身体強化をして持ち、緊張しながらもゴブリンの頭を突き刺して殺害した。俺は2人に【心静】を使いながら、拍手をし「おめでとう」と言っておいた。
ゴブリンの死体を【浄化】し、血抜きをしたら【冷却】してアイテムバッグに仕舞う。2人は初めて魔物を殺したが、そこまで動揺はしていない。もちろん【心静】は使っているし、2人を【浄化】もしている。
だが、思っている以上に2人とも強いみたいだ。そこに関しては胸を撫で下ろした。トラウマを持っても困るし、この星には魔物は付き物だ。魔物と戦えませんでは、話にもならない。農家でさえ戦うのが、この星なんだし。
女性陣も上手くやった事を褒めながら、北へと移動して行く。その後は魔物も出なかったが、エルンド、クーデアを越えて領都ガンダスまで来た。中に入り、宿に行ったら大部屋をとる。1泊で大銅貨8枚だった。
お金を支払い部屋を確保したら、昼食を食べに食堂に行く。大銅貨14枚を支払って食事をし、部屋に戻って休む。子供達は書き取りをしているが、本当に心に傷を負ってないかは見守る必要がある。
とはいえ、魔物との戦いは俺達がしているのを散々見てきているので、そこまで重大な事になるとは思っていない。いつもと違うと2人も気にするから、いつもと同じ様にしているのが1番だろう。
3匹の相手をしながら4人の書き取りを見ていたが、夕方になったので食堂に行く。シュラも最近はちょっと改善してきたかな? といったところだ。アルメアが溜息を吐いていたが、少しでも改善してきたんだから、良かったと思うけどな。
食堂に入り大銅貨14枚を支払って夕食を食べたら、さっさと宿の部屋へと戻った。最近は揉め事とか、大きな事は無いので食堂の中も馬鹿話しかしていない。まあ、情報収集する所ではないしな。するなら酒場に行くべきだ。
部屋に戻り、トランプで遊んでいる皆を見ながらゆっくりしている。最近はどんなゲームでも、それなりに子供達は大人と戦えるようになってきた。カードゲームに身体能力は関係無いからな。運の要素が大きいゲームは、大人が負ける事も普通にある。
その方が楽しいし、意味がある遊びだ。自分が負ける可能性を許容しないと遊びとは言えないし、何より面白くならない。今もシュラとフォルが最下位決定戦を繰り広げているが、2人とも必死に相手の手札を読もうとしている。
あそこまで必死になるから面白いのであって、当たり前に勝つようなものは詰まらないんだよ。俺がやると大半はそうなってしまうので、そこまで楽しめない。むしろワザと負けたりしているくらいだ。だって【空間把握】使えば見えるし。
白熱した戦いも終わり、子供達は布団に入れて3匹も含めて【昏睡】を使った。その後すぐに襲われたので返り討ちにし、皆も寝かせて綺麗にする。<浄化の三道具>を使って邪気を吸引し、【浄化】したら準備完了だ。
隠密の4つの技を使って宿の部屋を出たら、まずは神殿に行く。主要な役職の奴等は全員アウトだったので聖人へ。その後は多少聞くも、問題無かったのでクーデアの町へと移動する。木像に乗って一気に移動し、町の中へと侵入した。
神殿に入り役職のある者達を1人1人探るも、ここもそこまで腐ってはいなかった。主要な役職の者だけ聖人にし、木像を使って全速力で移動をする。頑張って聖王国の辺境伯領まで来た。いやぁ、やれば出来るもんだ。木像さまさまだな。
領都デリンサに侵入した俺は、真っ直ぐ神殿に行き上層部から順番に話を聞いていく。軒並みアウトな連中だったので次々に聖人に変えていると、スラムの組織と関わりのある奴まで居た。腐り過ぎてないか?。
神殿内の腐った奴を全員聖人に変えた後、仕方なくスラムの組織の方へ行く。見張りを【昏睡】で寝かせ、強制的に聖人に変えて中に侵入する。中に居た連中も次々に聖人に変えていき、ボスらしき奴も聖人に変えたら調べていく。
どうやら領都で暗殺なども請け負う奴等だったらしく、ここの辺境伯とも懇意にしている連中だったらしい。そこら辺はどうでもいいのだが、こいつらは元神官で構成されていたようだ。どうりで神殿の奴等と関わりがある筈だ。
まあ、聖人になっているんだから使うのは無理だし、こいつら自身も他に色々腐った事もやってきている。聖人にするのに何ら問題の無い連中だ。それじゃあ、そろそろ皆の所に戻って寝るか。ここ聖王国だしな。
街を出て木像に乗り、国境を越えて領都ガンダスに戻った。宿の窓から部屋に戻り、自分を念入りに【浄化】して布団に横になる。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界681日目>
おはようございます。今日は国境を越えて聖王国へと行く日です。向こうも聖人化するんだが、王国ほどキッチリしなくて良いと思っている。その方が神殿同士が争うと思うし、その争いが続けば内部の膿も沢山出るだろう。
朝の日課を終わらせたら、いつも通り紅茶を淹れて飲む。少しゆっくりしていると3匹が先に起きたらしいので、水皿に神水をいれてやる。3匹とゆっくり過ごすも、皆が起きてきて静寂は終了した。
朝の挨拶をし、皆が紅茶や神水を飲んでいる間に片付けてしまう。飲み終わったので後片付けをし、忘れ物がないか確認したら宿を出た。食堂に行き、大銅貨14枚を支払って朝食を食べたら領都を出発。
歩きながら昨日の話をし、王国の主要な町は全て終わった事を伝える。そして聖王国や傭兵国家はむしろ適当にやる事で、揉め事を起こそうと思っている事も話した。全員からジト目で見られたが、誰も否定する事はしないな。
なので適当に聖人にしていこうと決意する。いや、正直に行って町1つ1つって面倒臭いんだよ。いちいち泊まって夜中に動かなきゃなんないしさ。流石にそれをずっと続けるのもね。
そんな事を話していると国境が見えてきたが、相変わらず緊張感の無い兵士が居るな。まあ、王国と聖王国には揉める様な事も無いからな。懸念する事が無ければ、こんなもんか。
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1357終了時点
大白金貨64枚
白金貨356枚
大金貨1336枚
金貨1976枚
大銀貨1408枚
銀貨2519枚
大銅貨2520枚
銅貨242枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




