1352
後ろから尾けて来ていた奴等は全部で5人、【衝気】に耐えたのは1人だけだった。そいつにも枷を着けたので尋問していく。すると兵士の中に入りこんでいる奴が、王都の誘拐犯どもの元締めだという事が分かった。
門前で品定めしてやがったって訳か。しかし、今までにも蓮を連れていたし、アルエル達を連れていた事もあった筈だがな? ロロットとマロットなんて狙われそうだが……。聞いたところ、目立たない為に季節毎に数は決まっていたらしい。
他に奴隷組織の名前やアジトの場所を聞いたが、場所は王都の東の子爵領のようだ。こいつらは、そこまでしか知らされていなかった。なかなか用心深いと言うべきか、面倒な連中だ。俺は枷を2つ嵌めて3分待つ。
聖人になったので枷を外して回収したら、【昏睡】を使って放っておく。少なくとも聖人になった連中に邪魔をされても困るんで、こいつらは活動するなら明日からにしてもらいたい。奴隷組織に逃げられても困るし。
全ての処理が終わったので、表通りに出て散歩の続きだ。その後、色々な物を見ながらウロウロしたが、悪意を向けてくる者は現れなかった。そこまで数は多くないみたいだな。まあ、多く居ればそれだけ見つかりやすくなるか。
宿に戻った俺達は、女性陣を連れて食堂に行く。大銅貨14枚を支払って夕食を注文したら席に座る。皆は早速聞いてきたので、【止音】を使ったうえで話し始める。
「悪意を向けて尾行して来たのは5人。なかなか尻尾を出さないというか襲ってこなかったんで、意図的に暗い路地の方に3匹に行ってもらったんだ。3匹に引っ張られるように見せてな」
「馬鹿どもが大喜びしそうだねぇ、その後で酷い目に遭うとも知らず。それで、どんな情報を持っていたんだい?」
「あまり変わらなかったな。王都の東の子爵領に奴隷組織のアジトが在るというぐらいか。ただ、下っ端だったからな。根本的に正しい情報を与えられていない可能性もある。とはいえ、王都の誘拐犯を纏めている奴は分かった」
「その纏め役なら情報を持っているという事ですね。とはいえ、アルドが何もしていないという事は、夜にでも動くという事ですか?」
「ああ。纏め役は兵士の中に入り込んでいる奴だ。名前を聞いても分からなかったが、顔は一致した。今日入る際にイデアに悪意を向けていた奴だ。つまり、王都の門を守るフリをして誘拐する相手を確認しているんだろう」
これ以上は怪しまれるかもしれないので、普通の会話をする事にした。口が動いているのに音が聞こえないって怪しいからしょうがない。部屋に戻って話せば済む事でもあるし。さっさと食べて部屋に戻るか。
夕食後、宿の部屋に戻ってトランプをしている皆を見ながら酒作りを始める。ダリア達は相変わらずツバキに身体強化を教えているようだ。体が小さいから力はそこまでだが、代わりに猪らしく走るのは速い。突撃も強力そうだ。
そんな皆をゆっくりと見ていると、蓮とイデアが眠りかけている。気を張りながら歩き回ったからか疲れたんだろう。身体強化の練習をさせていたものの、精神的な疲れは溜まるしな。まだ維持し続けるのは難しいか。
酒を作り終わるまでに2回、水を汲みに行く羽目になったが仕方ない。神水だとアルコールを滅殺してしまうので聖水で作るしかないからな。とにかく作り終わり渡し終わったので、ようやく解放された。やれやれ、疲れたよ本当。
2人を布団に寝かせると、ダリアとフヨウは左右に行き、ツバキは足元に潜った。2人と3匹に【昏睡】を使った後、女性陣をキメて寝かせる。部屋と体を綺麗にした後、<浄化の三道具>で邪気を吸い込むと、今までよりも少なかった。
おそらく浄化所の奴等が頑張っているんだろう。少々良い気分になりながら、隠密の4つの技を使い部屋を出る。兵士が使っている宿舎を確認しているものの、【探知】には魂魄反応が無い。宿舎には居ないな、コレは。
王都の中を【探知】で調べていると……見つけた! が、ここは住宅街か。どうやら奴は自分の家があるらしい。役職持ちかどうかは知らないが、そいつの家に行って窓から中に侵入する。
門番の奴の他に男が2人と女が4人居るな。全員に【昏睡】を使い、白い枷を嵌めたら順番に聞いていく。すると、女は娼婦で男は組織の人員だった。娼婦には【忘却】を使って忘れさせ、男の方には枷をもう1つ着ける。
最後に門番をしていた兵士に確認すると、そいつは奴隷組織の幹部の部下だった。微妙だが、それでも今までで1番大きな奴か。奴隷組織に関する事を十分に聞きだした後、2つ目の枷を着けて放置する。
この奴隷組織そのものは、かなり規模が小さいらしい。もちろんワザとそうしているみたいだが、いつでも逃げ出せるようにして活動している様だ。規模が小さいなら掃除が楽なので、俺にとってはありがたい。
ちなみに連れて行かれた子供達が何処に行ったかは、こいつも知らないらしい。なかなか徹底してるなー、結局辿っていけば済むんだけどさ。アジトの場所は聞いたので、今の内に潰してこよう。白い枷を回収して……と。
地球で言っても、まだ夜の10時30分~11時くらいだ。1日が28時間のこの星なら、まだまだ時間はある。逃げられないように、夜の内に止めを刺そう。では、さっさと王都の外へ。
王都を出て木像に乗りイーストアルムへ。そのまま通り過ぎ、バッレの街、オルブの村、セタンの村を通り過ぎる。ここまでは伯爵領で、ここからが問題の子爵領だ。子爵領のワルコの町に辿り着いた。
ここがアジトのある町なんだが、早速中に入るか。門が閉じられているものの、壁の高さは3メートルほど。俺の行く手を阻むには低すぎる。さっさとジャンプして登り、中に侵入した。
聞いていた酒場に着いたので裏口に回り、閂を開けて中に入る。酒場の一角にある床を動かし、地下への階段を下りる。当然【止音】を使っているので音が漏れる心配は無い。下に行くと、組織の幹部とボスが寝ていた。
ここは更に奥へ行くと、町の外に出られるようになっているな。何と言うか、よくあるパターン過ぎてガックリ来る。中に居る連中に【昏睡】を使った後、1人ずつ話を聞きながら枷を追加していく。
13人居たが全員を聖人にし、最後の1人であるボスに話を聞く。すると、奴隷の中でも特に見た目の良い者は、聖王国の中央神殿と傭兵国家の中央神殿に売っている事が分かった。とりあえず両方潰すか。
世界最古の神殿を浄神が潰そうとする筈だ。自分の建てた神殿を、奴隷を買っているクズどもが我が物顔で牛耳っているんだからな。むしろキレて当たり前だろう。枷を作ったのも浄神だし、せっかくだから大掃除といきますか。
聞きたい事は全て聞いたので、全員を聖人にして金銭を半分没収していく。その後、裏で協力していた子爵の屋敷へ。裏口から閂を外して侵入し、子爵家の家族1人1人に聞いていく。全員クズかよ……。
纏めて聖人に変えた後、金銭の半分を没収していく。ワルコの町を出て、一路バッレの街へ。ここの伯爵も関わっていたので、屋敷へ進入。伯爵家の家族に話を聞くも、ここも全員クズだったので聖人に変えた。
ここでも金銭の半分を没収していくが、犯罪者と言える貴族が多すぎないか? それとも帝国がやらかしていた事に便乗してたのか? どっちでもいいが、面倒な連中だよ。
やっと終わったので王都に戻り、宿の部屋まで帰った。お金を数えるのは明日でいいや。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界677日目>
おはようごいざいます。正直に言って眠たいのですが、そうも言っていられません。朝の日課を終わらせたら、紅茶を淹れて飲みつつ、奪ってきたお金を数える。
途中で蓮とイデアが起きたので、戻ってきてから【浄化】して紅茶を入れた。後は好きにさせ、その間に金銭を数えていく。……やっと終わったが、無駄に溜めこんでやがったな。
大白金貨3枚、白金貨26枚、大金貨173枚、金貨314枚、大銀貨39枚、銀貨433枚、大銅貨611枚、銅貨98枚。半分ずつしか取ってきてないのにコレだぞ。本当に嫌になってくるな。
奴隷売買で儲けたのがどれだけか考えただけで、怒りが込み上げてくる。まあ、聖人にしたんだから2度と悪さは出来ないがな。没収してきたもので悪いけど、金は金だから収納しておいてくれ。
そう言って、蓮とイデアに大金貨から順に10枚ずつ渡す。買い食いでも何でも好きに使いなさい。こんな金は適当に使って、社会に還元するのが1番良い。
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1352終了時点
大白金貨64枚
白金貨356枚
大金貨1336枚
金貨1977枚
大銀貨1408枚
銀貨2520枚
大銅貨2708枚
銅貨242枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




