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 皆も正気を取り戻したので、木像に乗って移動していく。カロモス、ドルギ、ラーデ、ヌゴー、レンファー、エムオー、サルホー、カラッグ、マホブ、ウィロ、フェズの町まで戻ってきたが、ここでは昼食を食べない。


 国境とフェズの間くらいまで移動したら、テーブルと椅子と焼き場を作って料理をしていく。フェズの町は異様に塩が薄かったからな、あそこで食事をするぐらいなら自分で作った方がマシだ。


 小麦の全粒粉に、ジャガイモを摩り下ろした物と神水を混ぜて捏ねていく。エリアとフォルに後を任せ、俺はフライパンにトマトを入れて【粉砕】する。ある程度の量が出来たら【加熱】していき、【熟成】しながら煮込んでいく。


 塩と甜菜糖にミードと香辛料を入れてコトコト煮込みながら、小麦とジャガイモを混ぜた物を一口大に分ける。鍋に神水を入れて沸かし、一口大にしたニョッキを茹でていく。トマトソースが出来たので【加熱】を止めよう。


 メルと蓮とイデアに頼んだ亀肉と野菜のスープは出来上がったようだ。茹で上がったニョッキにトマトソースを掛けて大皿に盛ったら、早速食べよう。いただきます。



 「これ、美味しいね。とまとそーすが絡まって食べやすいし、何だかおなかに溜まる気がする。こむぎだけより、こっちの方がれんは好きかな?」


 「うん、ボクもそうだね。何だか柔らかくてもっちりしてるから美味しく感じるよ。それにこのトマトソースが美味しい。あっさりしてるけど味は濃くて、でもしつこく無いんだ」


 「アルドがジャガイモの事をある程度話してくれたけれど、聞いた以上に美味しいわね。まあ、このトマトソースが美味しいのもあるんでしょう。でも小麦に混ぜて使えて、お腹に溜まるのはありがたいわ」


 「確かにメルの言う通りさ。アルドが言うには、ジャガイモもダルダン芋と同じで親芋? から育てられるらしいから増やしやすいしね。小麦と芋に米で、飢えからは遠ざかれそうで助かるよ」


 「悲しい話だが、それは無い。1つ目は作物の病気が蔓延すると飢饉になる可能性がある。2つ目は作物が増えれば、それだけ人間種も増えて必要な食糧も増えるんだ。結果として飢饉が起きる事は変わらない」


 「成る程。確かに食糧を必要とする者が増えれば、結果的に飢饉は起こってしまいますね。それでも今までよりは相対的にマシにはなりそうですけど」


 「まあ、そうだろうな。とはいえ、数が増えれば必要な食糧も増えるのは当たり前の話だし、避けられない事だからなぁ。どれだけ大地を耕しても、収穫量には限度がある」


 「それは、そうなんだけど……結局は増えた分だけ傭兵や冒険者になる者も増えて、魔物に間引かれると思うけどね。だから一定程度より増えるのは難しいと思う。身体強化が普及しても難しいんじゃないかな」


 「ああ、そうか。魔物の事をすっかり忘れてた。それに人間種が死ぬような病気が蔓延したら、一気に死者が出そうだしな。そうなると、この星では簡単には増えないように出来てるんだろう」


 「神様方がそうされているのなら、それは仕方のない事なんだろうな。まあ人間種の性根を考えれば、増えすぎても困ると思われても仕方ない」



 そんな話をしながらの食事は終わったが、ニョッキやトマトソースは好評だった。どちらも体に良い食べ物だから、ルーデル町に定着してほしいもんだ。さて、更地に戻してそろそろ出発しよう。


 木像に乗って再び移動していく。国境を越えて進み、キヌール、シャウ、サワ、サレンド、ガワック、ジェームン、ヤムリ、オルストの町で止まり、町中へと入る。既に夕方なので宿を見つけないと野宿決定となるが、見つかるかな?。


 宿を探したら運良く商隊用の雑魚寝部屋が空いていたので、大銅貨8枚で部屋を確保した。食堂に行き大銅貨13枚を支払って夕食を頼むと、席に座ってゆっくり待つ。出てきた料理を食べていると、妙な話が聞こえてきた。



 「結局、何があったのかは分かってないんだろ? 大体さ、急に貴族が変わるなんておかしいって。どう考えてもありえねえし、罠に嵌めようとしてんじゃねえの?」


 「いやいや、俺達のような一般人を罠に嵌めていったい何の得があるんだ? それを考えたら、何かしらおかしな事が起きてるのは間違い無い。俺達のようなのを騙す意味も無いんだし」


 「じゃあ、何が起きてるんだよ。貴族が急に善人にでもなったって言うのか? それなら明日金が降ってくるって言われた方が、まだ信じられるぜ」


 「お前も相当の貴族嫌いだなー、気持ちはよく分かるけど。そうじゃなくて、後ろから他の貴族に脅されてるんじゃないかって事さ。流行り病の時にもおかしな事をしてたろ? あそこの伯爵」


 「ああ。つまり中央のお偉い貴族が激怒したって事か。お偉い貴族様は妙に面目やら建前を気にするからなー、中身はバレてんのに。そんなに見た目が大事かね?」


 「さあ? 取り繕えればそれで良いんじゃないか。俺達のような庶民には理解不能だけどさ」



 王族も貴族も、公卿や公家に武士も面目の人だからなぁ……。何でああなのかと疑問を持つけど、毎回ああいう生物だからという結論になるんだよ。そうとしか考えられないし、あの生物を理解する気にもなれない。


 夕食後、部屋に戻って蓮とイデアと遊ぶ。単に2人がトランプで遊びたがっただけだ。最近書き取りが多かったからな、今日は遊ぶかね。ババ抜きをしたり、七並べをしたりしながら遊ぶ。


 2匹が甘えてくるのを捌きながら遊んでいると、2人が舟を漕ぎ始めたので布団に入れて寝かせる。2匹も左右に入ったので【昏睡】を使うと、女性陣に連れて行かれた。【房中術】と【鋭覚】で撃沈し、皆をベッドと布団に寝かせていく。


 部屋と体を綺麗にしたら、<浄化の三道具>で周辺を【浄化】して布団に入った。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界673日目>



 おはようございます。今日中にサンズ王国の王都まで戻ります。夕方になるかもしれないが、木像であれば間に合うだろう。朝の日課を終わらせて、紅茶を飲みながらゆっくりする。今日は誰も起きてこないので、優雅な朝になっているなぁ。


 結局、皆は同時に起きてきて、それまでぐっすりと寝ていた。最近は暖かい日が続いているから寝やすいんだろう。皆が紅茶や神水を飲んでいる間に部屋を片付けておく。飲み終わったら後片付けをし、忘れ物がないか確認して部屋を出る。


 食堂に行って大銅貨13枚を支払い頼んだら、席に座って雑談をしながら待つ。意外に早く来たので慌てて食べ、終わったら店を出て門まで歩く。町の外に出て多少離れたら、木像に乗って一気に進んで行く。


 メアッグ、ダーグ、ボーレ、ウェオル、コーエ、セアム、モビ、ビフ、小山を越えてサンズ王国へと入った。山の麓近くで焼き場などを作り昼食にする。エリアとフォルにサーサの麦飯を頼み、メルと蓮とイデアにスープを頼む。


 俺は秋刀魚を焼いているのだが、足元で誰かさんが五月蝿い。どうやら早く食べたいようなのだが、落ち着いてくれ。騒いだところで早くはならない。シュラが連れて行ってくれたが、しつこかったなー。


 塩を振って馴染ませた後、じっくりと【加熱】で焼いていく。サーサが炊けるのに合わせて焼いたが、上手く出来たようだ。皿に乗せて出すと早速ダリアが噛み付き、熱かったのか俺をペシペシ叩いてくる。


 全員の秋刀魚は、焼けた後で開いて骨を【分離】して外し、身の中の骨は【粉砕】しておいた。蓮とイデアに何かあったら困るし、子供達の骨を取ると大人達が五月蝿いからな。結局、全員分を取った方が手っ取り早い。


 面倒ではあるが、魚自体は美味しいんだよな。今回ので秋刀魚は無くなったから、次は鯵かヒラメだけどさ。少ししたら、また魚にしよう。美味しい食事が終わったら、焼き場などを壊して木像に乗る。


 この調子だと、王都までは十分に間に合うな。



 ▽▽▽▽▽


 1347終了時点


 大白金貨61枚

 白金貨330枚

 大金貨1183枚

 金貨1683枚

 大銀貨1389枚

 銀貨2111枚

 大銅貨2215枚

 銅貨164枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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