1344
結局、冒険者達はジロジロ見てくるだけだった。まあ、それが1番鬱陶しいのだが。さっさと食事を終えて俺達は宿の部屋へと入る。ゆっくりと休みながらも、【探知】と【空間把握】は切らしていない。
とはいえ、先ほどのベテランのような冒険者は食事を終えたら出て行った。結局、何だったのかよく分からないが、いちいち関わる気も無いので放っておこう。蓮とイデアは書き取りをしているが、これは最近移動ばかりだからだ。
勉強もしないと忘れるし、書き取りも形が崩れたり言い回しを間違えたりする。2人は丁寧な手紙なら書ける程度の語彙は覚えたらしい。もちろん、全て問題ないと言う程でもないが、それでも優秀だろう。
そんな話をしながら書き取りを見ていると、皆は飲み始めたので放っておく。2人が舟を漕ぎ始めたので布団に連れて行ってやり寝かせる。2匹も布団に入れて【昏睡】を使い、今度は女性陣を寝かせる。
起きているのはディルとリューだけなので、皆を布団に寝かせ、ディルとリューをリクエスト通りに撃沈した。部屋と体を綺麗にし、<浄化の三道具>を使って邪気を吸引して【浄化】する。
外に居る奴等さぁ、入ってくるならさっさとしろよ。昨日も同じ様な事があって、こっちは眠たいんだ。さっさと侵入してこいよなー、そうすれば大手を振って叩き潰せるっていうのに。……そうそう、それでいいんだよ。
宿に侵入してきた奴等は、一直線に”俺達の居ない部屋”の鍵を開けようとしている。何やってんだ、コイツ等? と思いながらも【衝気】で気絶させて枷を嵌めて尋問する。すると、冒険者の中の素行の悪い奴等だと分かった。
5人居たんだが、そいつら全員に2つ枷を着けて3分待つ。終わったら【昏睡】を使ってから枷を外し、【念動】を使って移動させて宿の外に捨てておく。不良冒険者から聞き出した、あのクズどもを潰しに行くか。
宿でジロジロ見てきた奴等が情報を売ったらしいので、覚えている魂魄反応を王都の中から探す。6人の内4人は表通りの宿に泊まっていたので、【昏睡】を使った後で窓から侵入する。枷を2つ着けて3分放置したら脱出。残りは2人か。
残りの奴等は別々の娼館に居るので、侵入しては枷を着けて3分待つ。同衾している男娼も眠らせているので問題は無い。それにしても、2人とも男娼が相手かよ。ついでに両方ムキムキの奴に掘られてるんだけど、勘弁してほしい絵面だ。
地獄の3分だったが、終わったのでさっさと宿に戻る。宿の前で全て綺麗に【浄化】し、部屋に戻ってさっさと布団に入る。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界671日目>
おはようございます。今日はダンジョン攻略ですが、最悪は明日に持ち越しとなるかもしれません。木像があるから1日攻略は楽になってるけど、それでも絶対じゃないからなぁ。最初の頃のように脱出紋の方角がランダムだと大変なんだよ。
それが無いという保障が何処にも無いので、攻略は2日を考えておいた方が良いな。朝の日課を終わらせて紅茶を飲んでいると、2匹が起きてきたので水皿に神水を入れる。後は静かな時間を2匹と過ごす。
皆が起きてきたので朝の挨拶をし、少しゆっくりした後に食堂に行って大銅貨13枚を支払う。席に座って待っていると、直ぐに出てきたので食事を始める。余計な連中が居ない間に食事を終えたいところだ。
朝食後、王都を出たらダンジョン街へと移動し、迷宮紋の前の列に並ぶ。それなりの人数が待っているので俺達も待っていると、妙な奴がやってきた。
「おっと、お前等がカラッグの町から連絡のあった奴等か。あそこのアホ男爵はどうでもいいが、確かに子供を連れて入るのは関心しないな。ちょっとこっちに来てもらおうか」
そんな事を言ってくる阿呆が居るが、俺達は当然スルーする。何言ってんだ、コイツ? という感じだ。そうしていると周りの連中が騒ぎ始めた。
「グランドマスター、コイツら舐めてますぜ! グラマスが不老長寿だって知らねえんじゃないですか? ちょいとシメちまった方がいいと思うんですがね?」
「まあ、待て。コイツらにも言い分はあるのかもしれん。少なくとも話は聞かねえとな。俺は一方の言い分しか聞かねえっつう生き方は出来ねえんだよ」
「ほーん。ならお前が不老長寿なのは間違い無さそうだな。それにしても、この国の不老長寿はチンピラかよ。俺達不老長寿の品性が問われるから、これ以上口を開くな。まったく、お前に加護を与えたのは、どの神だ?」
「はぁ? ………ちょっと待て、お前等まさか!」
「俺達は殆ど全員が不老長寿だが、それとお前が喧嘩を売ってきた事は別の話だ。不老長寿相手に喧嘩を売ったんだから、覚悟しろよ? が、ここの攻略が先だ。後で死ぬほど後悔させてやるから大人しく待ってろ。どうやらグランドマスターらしいしな?」
「………」
相手は顔を引き攣らせているが、俺達の番が来たので迷宮紋に乗る。1層は荒地でジャガイモとトマトが見える。まあ、それは置いといて、さっさと木像に乗って攻略を始めよう。向かう方角は北だ。
北の転移紋から2層へ進むが、2層は人の流れが北東にズレている。何となく分かったので3層へと進み、人の流れを確認すると東だった。やっぱりか。これで分かったので攻略は楽になる。
3層~5層を東から南。6層は山の地形に変わったので、5層毎に変わるらしい。6層~10層は南西から北東で、11層は再び荒地だった。今度は東だろうと思って進むも転移紋は無し。
仕方なく南へと移動すると、南に転移紋があった。もしかして10層毎に切り替わるんだろうか? 南の転移紋から12層へ。試しに南西へ行くと転移紋を発見したので、13層へと進む。
14~15層を突破し、16層へと到着すると山の地形だった。北東へと進み転移紋から17層へ。17~20層を進み、南西の転移紋前で昼食を作る。少し早いが、今の内に食べておこうと決まった。
テーブルと椅子と焼き場を作って、料理を開始する。エリアとフォルにサーサの麦飯を炊いてもらい、メルと蓮とイデアはスープ作りだ。俺は亀の肉に下味を付けたら、竜の脂で揚げていく。
「アルド、あの不老長寿はどう出てくると思う? アタシ達の知っている不老長寿と違うんだよね。あんなチンピラの親分みたいな不老長寿は初めてだからさ。何と言っていいか、分からないよ」
「まあ、国と言いますか、地域が違いますからね。不老長寿に違いは無いのでしょうが、アレは流石に……。アルドが居なくても、アレは選ばないですね。姉上は……」
「流石に私もアレは無いね。幾ら主様にお会い出来なかったとしても、アレを選ぶ事は絶対に無い。むしろ殴り飛ばしているだろうさ」
「そうよねえ……。不老長寿がチンピラの纏め役とは驚くけれど、そうしなければいけない事情があったのかしら? 不老長寿という名前で抑えつけるしか無かったとか?」
「分からないから何とも言えないが、私達がいちいち関わってやる必要もあるまい」
「そうだね。面倒な連中と関わるなんてゴメンだよ。獣人の不老長寿みたいだったけど、アレって何の種族だったんだろう?」
「大して特徴も無かったですから、特定するのは難しいですね。まあ、どうでもいいという理由もありますけど」
「そりゃねえ。不老長寿のイメージを悪くしている気すらするよ。とはいえ、荒くれを抑えるには仕方ないのかもしれないけど、実力で抑えられない程度なのかも。アルドから言われた後、黙ってたし」
割と好き放題に言われているが、不老長寿といえども神様から習うなんて出来ないので、不老なだけで実力はピンキリだ。努力しなければ強くならないのと同じで、大した実力の無い者も居るだろう。
それ自体はどうしようもないので諦めるしかない。まあ、偉そうにしていないとグランドマスターの威厳が保てないのなら、付き合ってやっても良いんだが……最初が悪すぎたからなぁ。
今さら無理だな。
▽▽▽▽▽
1344終了時点
大白金貨61枚
白金貨330枚
大金貨1183枚
金貨1683枚
大銀貨1389枚
銀貨2111枚
大銅貨2275枚
銅貨164枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




