1343
俺は昨夜何があったのか皆に話していくのだが、男爵家から奪ってきた金があるので、それを数えながら話す事にした。皆は紅茶や神水を飲んで幾分落ち着いたようだ。
「まずは監視者の話だが、兵士と冒険者にスラムのチンピラだった。最初に宿に踏み込んできたのはチンピラだが、こいつらは【衝気】で気絶させて枷を嵌めて放置。次に宿の裏に回った冒険者も、気絶させて枷を着けた」
「まあ、いつも通りのアルドと言えばそれまでだし、侵入してくる奴がやる事も変わらないね。と言うより、変わる訳が無いか。侵入しようとしてるんだから」
「兵士は最後まで動かなかったが、遠隔で気絶させて枷を着けた。兵士に冒険者にチンピラを一纏めにして尋問し、8人を全員聖人に変えてからスラムに移動。チンピラ組織の全員を聖人にしておいた」
「……ああ、成る程。この町ではスラム自体が小さいというか、そういう奴等を一纏めにした区画があるんですね。意図的にそういう場所を作り出す事で、スラムを作られないようにしているのでしょうか?」
「さあ? それはともかく冒険者は男爵の子飼いだったので、そいつらの借りている家に行って全員を聖人にした。その後、兵士の宿舎に行って幹部どもを根こそぎ聖人化し、住宅街に家を持っている奴も聖人にして男爵家に乗り込んだ」
「何と言うか、一晩でやる事ではないくらい大変ねえ。ついでに、お金を数えてるって事は、男爵家から慰謝料を貰ってきたんでしょうし……」
「男爵家に入ったら、直ぐに喧嘩を売ってきたバカに枷を嵌めて尋問。そうしたら、俺を潰して皆を手に入れようという魂胆だったんで、さっさと2つの枷を嵌めて聖人にした」
「頭が悪すぎるね。相手の実力も見極めようとせず、下種な欲望で下らない事をしていたとは……。流石貴族だと言うべきな行動だよ」
「その後、男爵の寝室に行って枷を嵌めて尋問。こっちも皆を手篭めにする事しか考えてなかったので、聖人にして帰って来た訳だ。この町は馬鹿ばっかりだったな」
「呆れるほど愚かだが、それが貴族だと言ったらそれまでか。まあ、聖人になったのだから、これからこの町は良くなっていくだろう」
数えたお金はそれなりにあった。金貨が311枚、銀貨が345枚、大銅貨が419枚、銅貨が129枚。どうやら大金貨や大銀貨は無かったようだが、使い難いとでも思っていたのかな?。
全てアイテムバッグに入れて、部屋の後片付けを開始する。終わったら宿の玄関へ行き、今日出る事と返金不要を言って食堂へ。大銅貨13枚を支払って朝食を注文したら席に座る。雑談していると運ばれてきたので食べよう。
朝食後、さっさと町を出て南へと向かっていく。昨夜、尋問ついでに国の地理に関しても多少聞いているので問題ない。ここから南へ行くとサルホーの村、エムオーの村、レンファーの村、ヌゴーの町とある。
この辺りから、そこまで村と町の距離は離れていない。男爵領の村や町の距離の半分くらいだと言っていたので、25キロ~35キロぐらいだろう。俺達なら30分ぐらいの距離でしかない。だって木像だし。
現在ヌゴーの町に着いたんだが、ここに入って一旦情報収集しなきゃいけない。今は列に並んで待っているが、それなりに商人が多いのが気になる。しかも町の西側から商人の馬車が来てるんだよな。
冒険者証を見せて中に入り、町中で分かれて情報を集める。俺は蓮とイデアと2匹で情報収集だ。町中をフラフラしながら【浄化】し、2人と2匹が遊んでいるのを見ながら移動していく。
イデアにはイヤホン型の魔道具を着けさせているので、【念話】は問題なく使えている。俺達が情報収集する相手は子供達だと伝えてあるし、何かあっても【念話】でアドバイスが出来るようにした。
ダリアやフヨウと遊んでいると、早速町の子供達が近寄ってくる。子供達は相変わらず目敏い。町の者じゃない異物が居ると、すぐに気付くんだよな。まあ、単なる好奇心からだから、警戒されたりは殆ど無いけど。
2人と2匹は子供達と遊びながら、暇な老人や主婦から話を聞いていく。子供達の保護者なんだろうが、こちらも2人や2匹を連れているので警戒はあまりされていない。御蔭で色々な話を聞く事が出来た。
昼に近くなってきたので解散となり、女性陣にも【念話】を飛ばして食堂の前に集まる。分かれて情報収集をする前に集まる為の食堂は決めておいたので、そこに行って皆を待つ。直ぐに集まったので店の中へ。
大銅貨13枚を支払って昼食を頼んだら、席に座って情報の擦り合わせを行う。皆はどんな話を聞いてきたんだろうな?。
「俺の方は2人と2匹の御蔭で上手く話を聞けたよ。ここから西には鉱山街が2つあるらしい。西に行くとデダの村、ウィアブの村、そしてグッデ鉱山街。その南西にオトム鉱山街とあるらしい。どっちも王の直轄地だ」
「成る程。この国では鉱山は王の直轄地なんだね。まあ、貴族に任せている所もあれば、国が直接やっている所もある。どっちが良いかは何とも言えないね」
「私達の方は、ここから東の情報です。東に行くとラーデの村、ドルギの村、カロモスの町、そして王都ハーノンがあるそうです。王都は随分近かったようですが、ここの王都も近くにダンジョンがありますね」
「あたし達の方も似た様なものだけど、南の情報も少し得られたよ。南はずーっと先に行くと海に出るんだってさ。それと田舎の方だから、村とか町は少ないらしいよ。それと塩作りをしてるみたいだ」
「その辺りは触れない方が良いと思います。この国では塩作りの方法を厳重に秘匿しているそうですので、毎年盗もうと入り込んでは首を刎ねられる者が居るらしいです。そういう情報を流しているのだと思いますが……」
「まあ、そこら辺はどうでもいいな。俺達が行くべきはダンジョンであって、海に行ったりする必要も無い。いつも通り攻略したら、今度は戻らなきゃいけないしな。この辺りをずっとフラフラする訳にもいかない」
「そうだね。元々は戻るか、この国に来るかで意見が割れてたんだし。この国でやるべき事が終わったら、一旦帰ろう。ゆっくりするならガイアルムでゆっくりしたい」
昼食も終わったので食堂を出る。そのまま町を出たら、一路東へ。ラ-デの村、ドルギの村、カロモスの町を越えて、王都ハーノン前の列に並んでいるのだが……。ハッキリ言ってデカイ。王都がビックリするほどにデカイ!。
こんな大きな王都初めてだぞ、どうりで周りに町が無い筈だよ。とはいえ、これじゃあ分散されないんで、逆に大変だろうとは思う。そんな事を考えながら2列あるうちの、右側の列に並んで待つ。
混雑するからか、列が2本あったんだよ。ちなみに左の列は商人用で、右が一般用だ。普通はこうやって分けるよな? 何で他の国は分けないんだろう。代わりに分散する為の町があるけどさ。それでも王都に来る奴は多いだろうに。
そんな事を考えていると、俺達の番が来たので冒険者証を見せてダンジョンに来たと言っておく。それ以上は何も聞かれなかったので、一応で聞いているだけなんだろう。さっさと王都に入って宿をとろう。
近くに居る人に銅貨を渡しながら聞いていく。すると穴場の宿を教えてくれたので、行ってみると誰も泊まっていなかった。小さな宿だから仕方ないのだろうが、食堂メインの宿だったので、宿だと気付いていないのだろうか?。
大銀貨1枚を支払い、宿部分を5日間貸し切りにしてもらった。子供と女性陣を見たら貸し切りにするのも納得してくれたので、話が早くて助かる。雑魚寝用の大部屋が2つしかない宿なので、ある意味で穴場なんだとは思う。
既に夕方だし、食堂で大銅貨13枚支払い夕食を注文したら席に座る。ゆっくりと待っていると、ベテランという雰囲気の連中が店に入って来て注文を始めた。俺達の方をジロジロと見てくるが、気にする必要もないか。
鬱陶しい事に変わりは無いんだけど、子供達が気にしていないので俺が気にしてもな……。
▽▽▽▽▽
1343終了時点
大白金貨61枚
白金貨330枚
大金貨1183枚
金貨1683枚
大銀貨1389枚
銀貨2111枚
大銅貨2288枚
銅貨164枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




