1339
現在、東へ向かって移動中だ。既にウィロの村とマホブの村は通り過ぎていて、カラッグの町を目指している。2つの村の畑を確認したが、ジャガイモは植えられていなかった。栽培方法を知らないのかもしれない。
ジャガイモの植え付けは春か夏だった筈だ。つまり植えるなら今の時季だと思うんだが、植えられていたのは多分だけどサーサ。何で水が少ないところでサーサを育てるんだろう? 訳が分からない。
水田ではなかったけど、それにしたって妙な……。井戸の水などでやっていけるって事だろうか? それなら水が少ないなんて言われないと思うんだけどなー。何か不思議というか、奇妙な感じがする。
木像に乗って銅鏡で邪気を吸い込みながら、思案しているとダリアとフヨウに怒られた。余所見しながら運転しているようなものだからな。反省しよう。それはともかく、結構進んだのでそろそろ町が見えてき……たな。
商人が一日掛けて移動するぐらいの距離に村があるので、村と村の間が50キロぐらい離れている。つまり国境から既に200キロほど移動していて、普通の商人がどれほど苦労しているか理解したよ。
国防の観点からは優秀だと思う。そこまで水が多くない村で、それが1日で商人が移動できるギリギリの距離だ。軍だって足が遅いんだから、この距離があれば安全度はかなり上がる。そしてダンジョンのあるカラッグを死守すればいい。
そうすれば村を取り戻すのは難しくないだろうからな。とはいえ、湖の国はそんな面倒な事をする気が無いようだが、土の国としては国を守る策を用意しておく必要がある。そんなところか。
カラッグの町の手前で木像を降り、門番に冒険者証を見せて中に入る。この国にも冒険者ギルドは在るようで、冒険者証は使えるらしい。良かった、良かった。ダルダン聖国みたいに使えない可能性を考えていたからな。
町の中に入り、早速宿をとろう。近くの人に銅貨4枚を渡して宿の場所を聞く。この町には6軒の宿があるらしいが、うち3軒は冒険者用の格安の宿だそうだ。残りの3つの宿に行こう。……表通りのあそこは駄目だな、完全なボッタクリだ。
2軒目は……部屋が埋まってる。最後の1軒は……良かった、雑魚寝用の大部屋が余っていた。その大部屋を5日間、銀貨2枚で借りる。やれやれ、さっさと夕食を食べに行こう。
宿の人に食堂の場所を聞くと、隣に宿が経営している食堂があると宣伝された。表通りでもないので大丈夫かと思い、横にある食堂に行く。大銅貨13枚を支払って席に座り、食事を待っているとまさかの料理が出てきた。
そう、マッシュポテトだ。昼に食べたんだけど、またかよ。そんな気分になってくるが、食べないという選択肢は無い。……あれ? 普通に塩が掛かってる。じゃあ、何でフェズの町では味が薄かったんだ?。
ダンジョンで岩塩でも採れるのかね? まあ塩味がちゃんと付いているだけマシだ。昼は味気なかったからな。皆も最初見た時はちょっと嫌な顔をしていたが、今は普通に食べている。横にある野菜スープも、まあ普通だな。
肉は普通の味なので、総じて言えば普通の食事だ。主食のマッシュポテトがこれでもかと盛られているけど……。そこだけが普通じゃないところだ。やはり聞いていた通り、ダンジョンで大量に採れるんだろうな。
しかし体に良いのは知っているが、ジャガイモを主食のように食べるのは初めての経験だ。思っているよりは腹に溜まるという事が分かったが、元日本人で主食が米の国の人間としてはビックリだよ。
夕食後、宿の部屋に戻って布団を敷いた後はダラダラしている。皆はトランプで遊んでいて、2匹はリバーシ。子供2人は書き取りをしていて、メルとアルメアが見ている。俺は【探知】と【空間把握】で調べものだ。
調べているのはスラムや神殿なんだが、何処も変わらないなと言うしかない。神殿では宿舎の一室でおかしな事をしているし、スラムの方では妙な組織がある。とはいえ、スラムの方は1つの組織が牛耳っているらしい。
既に秩序もあるだろうし、迂闊に崩すと余計な争いを作り出す原因になりかねないな。こっちに手を出してきたら潰すが、そうでなければ放っておくか。まあ、いつも通りとも言うが……。
子供達は書き取りを続けていたが、眠たくなってきたらしく舟を漕ぎ始めた。メルとアルメアが敷いてある布団に連れて行って寝かせると、2匹も左右に潜り込んだ。俺はいつも通り【昏睡】を使って深く眠らせる。
腕を持って引っ張っていくのも、どうかと思いますよ? 聞いてます? ……女性陣をキメてしまいさっさと寝かせていく。全員を寝かせたら部屋と体を綺麗にし、<浄化の三道具>で邪気を吸い込んで【浄化】した。
【探知】や【空間把握】で調べても、こちらに悪意を向けている者は居ない。神水を一杯飲んでから、俺も布団に横になった。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界669日目>
おはようございます。今日はダンジョンアタックの日です。この町の近くにダンジョンはあるが、おそらく素材ダンジョンだと思われる。まあジャガイモやトマトが採れるダンジョンなんだし、間違ってはいないだろう。
朝の日課を終わらせて、紅茶を煮出して飲んでいると2匹が起きた。水皿に神水を入れてやると、美味しそうに飲んでいる。今まで宿の井戸水なんかを入れて神水に変えてきたが、そろそろ全ての樽を満タンにしておきたい。
ダンジョンに水場があれば、そこで満タンにしておこう。そう考えていると、早速2匹は甘えてきた。雑魚寝用の部屋なので、テーブルが1つに椅子が2脚しかない。なので最初から床に座っているのだが、それが甘えやすかったんだろう。
2匹を好きにさせていると、突然邪気が膨れ上がった。すぐに【探知】と【空間把握】で調べると、スラムの一角で何だか偉そうな奴が邪生に殺されている。邪生は女性で、何と言うか……デカイ。
横に大きい女性だが、何があったのかは不明だ。部屋に突入してきた部下っぽいのが、張り手で吹き飛ばされている。そのうえ壁に叩きつけられて死んだようだ。あーあー、あの体のデカイ女性かなり強いぞ。
何で邪生になったのか知らないが、次々に殺していってる。スラムのボスっぽい奴を殺してしまってるみたいだけど、これってスラムが荒れたりしないよな? ……何か嫌な予感がするな。っと、皆が起きたか。
「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ」 「………」 「おはよう!」 「おはようございます」
「何だか朝っぱらからアルドが妙な表情をしてるね? 何かあったのかい?」
「あったというか、現在進行形で起きている。突然スラムの方で邪気が膨れ上がったと思ったら、偉そうなボスっぽい奴が殺されていた。邪生になったのは女性で、ビックリするほど体が大きい。よく、あそこまで太れるもんだと思う」
「あー、たまにそういう人は居ますけどね。そういう者は大抵体の動きが鈍く……成る程、邪生になっているから動けているんですね。しかもパワーがあると……」
「それだけじゃなくて、太っているから致命傷を与え辛い。浄化魔法じゃなく物理的に倒すなら苦戦するだろうな。頭を潰せばいいが相手は邪生だ、全力で動き回る。その頭を狙うのは、普通の人間種には難しい」
「それは仕方がないと思うけど、神殿の連中は何もしていないのかい? まあ、朝早い時間だから起きてないのかもしれないけど」
「そんな事は無いようだが、スラムの連中だからか神殿には伝えてないな。自分達で何とかするみたいだ。アレかな、自分達の場所に余所者を入れたくないんだろう。ああいう連中は、そう考えるらしいし」
「まあ、スラムの連中なんてどうでもいいよ。それより片付いたんだし、食堂に行こう。蓮もイデアもあたしも、お腹空いたからさ」
まあ、後片付けも終えてるし、隣の食堂に行くか。
▽▽▽▽▽
1339終了時点
大白金貨61枚
白金貨330枚
大金貨1183枚
金貨1372枚
大銀貨1390枚
銀貨1766枚
大銅貨1934枚
銅貨50枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




