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 穴を掘ってゾンビを放り込み、【浄炎】で焼いた後【粉砕】する。それを繰り返し穴の6割まできたら、上から土を被せて埋める。それを繰り返して死体を全て処理した。【探知】や【空間把握】で調べても、どうやら何も無い。


 最近はダンジョンの最奥まで達しても何も無い事が多いが、おかしな物を渡されても困るので無い方がマシだろうか? 特に変な薬は止めてほしいからな。皆はまだ休憩中だが、休むなら帰ってからにしよう。


 そう言って皆を立たせ、脱出紋に乗って外へ出る。外に出た俺達は、ダンジョン街を出てサレンドの町の宿へと戻った。まだ夕方にもなっていない時間なので、俺達は部屋でゆっくりと休む。


 子供2人の疲弊も大きく、蓮もイデアも頑張って浄化魔法を使っていたのが分かる。浄化魔法はいくつも教えているし、2人は【聖浄】程度なら既に使える。あくまでも使えるだけではあるんだが。



 「れんね、がんばって【聖浄】をぞんびに向かって使ったんだよ。それでもこっちに来るんだもん。すっごくつかれたー」


 「ボクも大変だったよ。もっといっぱい魔法を使って、今より使い熟せるようにならないと駄目だ。皆さんの足手纏いにしかならない」


 「そこまで考えなくてもいいさ。そもそもアンタ達はまだ5歳なんだ。例えベテランの傭兵であっても【聖浄】が使えない奴なんて沢山居るんだし、まだまだこれからなんだから気にする事も無いよ」


 「そうですね。2人はまだ体が出来ていませんから近接戦闘はさせられません。そうなると魔法が主体になるのですが、その魔法も一朝一夕では上手くならないんです。日々の練習によってしか上達しませんしね」


 「そうなのよね。それを言われると私達も耳が痛いんだけど……。日々の練習をしているかと言われれば、そこまでしていないのが事実だもの。練習していたら忘れ、思い出しては練習する。その繰り返しなのよ」


 「まあ、それが人間種と言えばそうなのだろうな。私は毎日練習しているが、これは今までと変わらず暇潰しのようなものだ。だから上達しよう、上手くなろう。そんな意志は薄い」


 「仕方ないよ。誰も彼もがストイックに鍛錬をし続けられる訳じゃないし、それが出来る人は本当に一部だけだよ。ある意味では、異常な人達だと言えるしね」


 「確かにそうですね。毎日毎日ひたすら向上心を持って努力し続ける。思っているよりも遥かに大変です。努力している自分に酔っている人か、ちょっと何処かがおかしい人ぐらいでしょう。そんな事ができるのは」


 「惰性で続ける事は出来ても、ずっと向上心を持ち続けるっていうのがね。普通の奴なら絶対に無理な部分さ。どんどん出来る事が増えて、どんどん上達するんだ。何処かでもう十分だと思ってしまうし、そこで止まるのが普通だよ」


 「1度止まったら、後は維持すると言いつつ後退していくだけだな。いつしか向上心を持って努力しないと、維持する事すら出来なくなってしまう時が来る。そうなったら、どんどん実力が落ちていくだけだ。あくまでも寿命がある種族の場合だがな」



 皆も愚痴を言いながらダラダラ過ごす事で、大分回復してきたようだ。精神的な疲労はなかなか回復しない場合もあるからな。引き摺っていないようで良かった。夕日が出てきたみたいだし、そろそろ食堂に行こうか。


 食堂に入り、大銅貨13枚を支払って夕食を注文する。席に座って待っていると、冒険者が入って来て話し始めた。が、普通の声量で何やら困惑しているらしい。何があったんだ?。



 「なあ……聞いた通りだったけど、どう思う? 別に神殿の奴等が俺達を騙してる訳じゃねえと思うんだが……。何で急にお布施があんなに安くなったんだ? いままでの半額以下だぞ」


 「俺に聞かれたって知らねえよ。俺だって一緒に居たけど、あの金額を聞いた時に変な声が出たくらい驚いたんだ。それに神官どもの雰囲気が何かいつもと違ってるしよ」


 「そうそう。いつもならスゲー面倒臭そうな顔で、俺達の獲物を適当な感じで浄化すんのによ。今日は何だか丁寧な感じで浄化してくれたんだよな。嫌な顔とかしなかったし、面倒臭がってもいなかった」


 「今までの事を思い出して反省したんじゃねえか? 今まで高い金額だったしよ、これからは真面目に生きていきます……って、それは絶対に無いな」


 「無い無い」



 まあ無いな。強制的に聖人にでもされていない限りは。つまり、聖人にされた連中が早速色々やり始めたようだ。それはいい。腐った奴を洗脳している様なものだが、腐っている奴だけなら問題ない筈だ。


 白い枷を作ったのは浄神と善神だし、【世界】も否定していない。今でもアイテムバッグの中に白い枷は存在している。だから犯罪者とか、社会の汚物は聖人に洗脳してしまえって事なんだろう。認められている訳だし。


 俺が気を付けるのは安易に使わないという事だけだな。気に入らない奴を片っ端から聖人にしていくのはマズい。逆に俺の方に何かをされかねないので、どうしようもない悪人やクズに対して使っていこう。


 夕食を終えて宿の部屋に戻り、椅子に座っている。皆はトランプで遊んでいるが、今回も七並べをやっているようだ。今日は誰が止めているんだろうな。ディルは練習している事が多いので、見ている事が多い。


 ダリアとフヨウも見ている事が多く、参加しない事が多数ある。カードだからな、2匹には持ちにくいので仕方ない。リューも同じで参加したりしなかったりだ。そしてメルは蓮と一緒にやっている。


 そして今日はシュラが止められていて怒っているな。誰かがずっと止めているらしく、既にパスを3回使って……あー、駄目だったようだ。シュラの持ち札が並べられていき、そのままゲームが続いていく。


 ……うん、だと思ったよ。シュラが置けないように止めていたのはダナだった。今回シュラを潰すべく【神眼】を使ってまで止める場所を探っていたらしい。前回の怒りはそれだけ大きかったんだなー。


 呆れてくるが、娯楽ほど真剣になるので仕方ないのかね? 七並べが終わりダウトに移ったので、ダナはこちらに来た。流石に嘘が見破れると反則過ぎるからな。アレ系は俺達には無理だ。まあ、ゆっくり観戦していよう。


 ゲームの最中だが、蓮が限界らしく舟を漕いでいる。メルが布団に連れて行ってやると、イデアも眠たかったのか布団に入った。ダリアとフヨウを左右に入れて【昏睡】を使ったら、皆に連れて行かれる。もうトランプを片付けたらしい。


 【房中術】のみで満足させて皆を寝かせる。部屋と体を綺麗にしたら<浄化の三道具>で周辺を綺麗に【浄化】し、椅子に座って神水を飲む。辺りを警戒するも異常は無し。じゃあ、さっさと寝るか。


 今日も一日お疲れ様でした。



 <異世界668日目>



 おはようございます。今日は東に向かって移動していく日です。ここからは一度も行った事が無い場所へと行くので、情報収集しながら行く事になる。とはいえ、隣国である以上は道などは聞けば分かると思うが……。


 朝の日課を終えて紅茶を淹れたら、静かに1人で飲む。そうやって朝の時間を過ごしていたら、イデアだけが先に起きた。部屋を出て戻ってきたので浄化魔法の事を聞き、綺麗にした後で紅茶を出す。


 ハチミツをそれなりに入れて混ぜている。ここら辺は性格なのだろうが、イデアは溶けきるまで飲もうとはしない。それに比べ、蓮は多少混ぜたら飲み始める。この2人は綺麗に分かれてるなー、と思ってしまう。


 そうやって2人で過ごしていると、皆が起きてきたようだ。蓮は自分だけが寝ていた事に悔しそうだが、体が寝たがっていたなら仕方ないさ。そう言って宥めながら紅茶を出してやる。すると機嫌は直ったようだ。


 皆にも紅茶や神水を出して飲ませている間に、布団などを片付けておく。皆が飲み終わる頃には片付けは殆ど終わっていたので、後は皆の物だけだ。皆が片付けたら、忘れ物が無いか確認して部屋を出る。


 宿の人には今日出る事と、返金は要らない事を話して宿を出た。まずは食堂に行こうか。



 ▽▽▽▽▽


 1337終了時点


 大白金貨61枚

 白金貨330枚

 大金貨1183枚

 金貨1372枚

 大銀貨1390枚

 銀貨1768枚

 大銅貨1973枚

 銅貨94枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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