1336
皆の下に戻ると待たされたのか不機嫌そうな感じだった。なので秋刀魚とイカと蛸に、海老と蟹を出してさっさと焼いていく。皆も沢山獲ってきたのだと分かると機嫌が回復した。良かった、良かった。
蓮は一口大にした蛸とイカを焼いて喜んでいる。イデアは秋刀魚を焼いているな。皆も色々焼きながら、じっと出来上がりを待っている感じだ。そろそろサーサの蒸らしが終わるようなので、昼食の開始かな。
焼けたものから取っていき、豪快に食べていく。バーベキューなんてこんなもんだ。適当に焼いて豪快に食べればいい。冷凍して持ってきたとはいえ、そこまで品質は落ちてないな。獲ってきて直ぐだからか?。
皆も美味しそうに食べているし、ダリアの秋刀魚への食いつきが凄い。一心不乱に貪っているんだが、そんなに美味しいのか? 猫の味覚は人と違うからなぁ。リザードマンの肉にも食いついてたし。
皆が満足する昼食を終え、少しゆっくりと休む。食後に直ぐ動いてもしょうがない。適当に片付けながらダラダラし、終わったら焼き場とテーブルや椅子を壊す。それで気持ちを切り替えられたのか、皆の顔つきも変わる。
ここはダンジョンで、調子に乗っていると直ぐに死ぬ場所だ。それを思い出しながら木像に乗り、21層へと進んで行く。そこは水溜りの多い鍾乳洞だった。初めての地形だが、洞窟タイプと変わらない。
先ほどは北西だったので次は南東だろうと思ったが、反時計回りだと困るので南へと進む。洞窟タイプと同じでコウモリが鬱陶しいが、その都度倒しながら移動していく。南西に転移紋を発見したので、正直安堵した。
確実に方角が分かっている訳ではないので、転移紋の位置が分かり難いと俺でも大変だ。南西の転移紋から22層へ。22~24層を突破し、25層へと進むと川の流れる平原だった。しかし、川幅が50メートルくらいあるぞ。
間違いなく相当迂回してこなきゃいけないパターンだ。そのうえ【空間把握】で見えているが、鰐っぽいのとか肉食魚みたいなのとか色々居て、流石に木像があると言っても迂回した方が良い。落ちたら食われて死ぬ。
皆にも注意し、南東に向かって進んで行く。川の所為で大回りさせられて面倒臭いが、落ちて死ぬよりはマシだと思おう。そうやって進んでいると呪いを感知した。皆にそれを説明すると戦いたいそうだ。
呪いの強さはそこまで強くないので了承すると、木像を降りて準備し向かって行った。向こうも気付いたらしく皆を攻撃するが、盾で上手く防いだり流したりしながら戦っている、
吸血鬼姉妹は【神聖八重浄化】で、フォルは【聖浄四重浄化】で戦っている。後の皆は【聖浄】だ。それでも前よりは盾も増えて楽になっているので、そこまで苦労する事なく浄化する事が出来た。
勝った皆を労いながら、木像に乗って進んで行く。先ほどの呪いゴブリンは、心臓を残して全て【浄炎】で焼却して【粉砕】し埋めた。心臓は凍る寸前の温度で甕に入れ、アイテムバッグに保管している。
25、26層は南東だったが、27層から北東に切り替わっていて少々面倒だったが28層へ。ここも北東に進んでいると、再び呪いを感知した。どうやら転移紋の前に居るらしい。進んで行くと、黒いオーガが立っていた。
これもオーガだが、呪いの強さはそこまででもない。なので皆に任せて、俺はサポートに回る。黒い魔物だから軽く見る事は無いだろうが、俺はオーガである事を強調し緊張感を持たせる。成功ばかりしていると足を掬われるからだ。
皆もそれは分かっているようなので、大丈夫だと信じよう。黒いオーガとの戦いが始まったが、やはりオーガのパワーとスピードは怖ろしい。俺は奇襲で一気に動けなくして勝つからアレだけど、まともに戦うとやはり強いなぁ。
流石オーガとしか言えない。エリアの義腕が悲鳴を挙げてそうな気がする程だ。あれは希少金属で作ったんだけど、それが軋むレベルって……。やはり防御は駄目だな。回避か流すのを基本にしないと、どうにもならない。
それでも時間を掛けて何とか浄化する事が出来た。皆は緊張感から解放されたからか、地面に座り込んでいる。俺は素早くオーガに近寄ると、心臓を抜き出して他は穴に捨てる。【浄炎】で焼いて【粉砕】したら埋めて終わりだ。
さっきの黒ゴブリンの心臓も取り出して、もう1度完全に【浄化】したら蓮とイデアに食べさせる。2人は多少嫌がったものの、食べれば終わると思い食べ始めた。その間に、皆に神水を出しておく。
「いやー、本当にシャレにならないねぇ。呪いの魔物は毎回恐怖との戦いだよ。慣れたとはいえ、じゃあ恐怖なく戦えるかっていったら、そんな事はあり得ないからさ。だからこそ余計に疲れるよ」
「そのうえオーガだったからね。防御した時、アルドに作ってもらった義腕が軋んだんだよ。あの時は焦ったね、壊れるんじゃないかと気が気じゃなかった。呪いの魔物のうえにオーガはシャレにならないよ」
「本当にね。……あら? 蓮の眼が薄い金色? ………コレって大丈夫なの!? だって薄い金色って言ったらダリアと同じ……?」
「という事は、やっぱりダリアは神様の加護か祝福が付いてるな。もしくは両方か? まあ、どっちかだけでも、神様が認めれば不老長寿には成れるんだが……。フヨウは元々寿命なんて無さそうだし、この2匹は俺達と共に居られるんだなぁ」
「いや、そんな事より蓮の眼だと思うんだけど? 僕も金色の眼を持ってるから色々気を付けてるけど、蓮も持つ事になってるのは問題じゃないの? 今以上に誘拐の危険性が上がらない?」
「それは今さらだろう。そもそも危険性が上がったところで俺達が助ければいいだけだし、今まで以上に魔力と闘気が増大しているからな。後は努力するだけだ。そうすれば自分の身も自分で守れるようになる」
「イデアはあまり変わらない様ですが……? 今までよりも髪に艶が出てますね。後は、眼の黒が濃くなっているような? 変わったとしても、そんなところでしょうか」
「イデアは呪人族の始祖なのだから元々神様に近い者だし、その所為であまり変わらないんじゃないか? むしろ離れてしまった蓮の方が近付いているのかもな、始祖に」
「それならディルも近付いていると言える事になるわよ? 幽人族の始祖の紋様は、元々体の方に有ったという事になるんだけど……本当にそうなのかもしれないわね。最近のディルは首元からも紋様が無くなったし」
「そういえば、そうだね。上半身の広い範囲に紋様が出てるし、それが綺麗な模様になってるんだよ。元々始祖はそうだったと言われても、納得出来る程さ」
「2人も心臓を食べ終わってるし、そろそろ次の層へ行こう。恐らくだが次が最奥だ。緊張感が抜けたかもしれないが、最奥では死ぬ確率が高い。気を引き締めて進もう」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
「ニャー!」 「………」 「「はい!」」
十分休憩もとれたので、木像を全てアイテムバッグに仕舞ってから転移紋に乗る。29層は荒地で、周りに大量の魔物……と言うよりゾンビが居る。何で最奥だけゾンビなんだよ。
「皆、ゾンビラッシュだ! 円陣を組んで対処!! 円の中心には蓮とイデア!!」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
「ニャ!!」 「………」 「「はい!」」
周りから多種多様なゾンビが襲い掛かってくる。ゴブリン、コボルト、オーク、オーガ。兎系、狼系、羊系、山羊系、猿系、鹿系、虎系、熊系。更に上空から鳥系のゾンビまで。
面倒な奴等だが、落ち着いて浄化魔法を使い対処していく。蓮やイデアも浄化魔法を使って応戦しているし、皆も魔法を連発している。それぐらい数が多いのだから仕方ないが、枯渇狙いかと思うほど多い。
皆に対処を任せていたが、徐々に押し込まれ始めた。仕方なく、1度【神聖世界】を使用して仕切り直しをさせる。あっと言う間に周りのゾンビが倒れたのでビックリしたが、態勢を整えるように言う。
皆は気付いたのか直ぐに落ち着き、自分の魔力などをチェックする。どうやらまだ戦えるようだ。後続が襲ってきたものの、その後は皆だけで対処できた。俺は皆を【浄化】しながら、病気の危険性を無くしておく。
全て倒した後、皆は再び地面に座り込んでしまった。俺は「お疲れさん」と声を掛けてゾンビの死体を処理していく。放っといても臭いだけだし。
▽▽▽▽▽
1336終了時点
大白金貨61枚
白金貨330枚
大金貨1183枚
金貨1372枚
大銀貨1390枚
銀貨1768枚
大銅貨1986枚
銅貨94枚
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




