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1333




 普通に食事を終える事が出来て良かった。この世にマヨラーという怪物は生まれなかったのだ。いや、本当に安堵したよ。蓮はキョトンとしているが、俺は口を割る事は無い。それより昼食も終わったんだし、後片付けをしよう。


 片付けを終えて焼き場やテーブルに椅子を壊して先へと進む。木像に乗って転移紋に進むと、光が止む前から濡れてしまったぞ? 光が止んで分かったが、そこは雨の降る湿地帯だった。こんな地形まであるのかよ。


 しかもこの層では転移紋の位置が分からない。一応の予想で南東へ行くものの転移紋は無く、北西に行くと転移紋があった。無駄に時間を使ってしまったが、転移紋の位置が分からなかった以上は仕方がない。


 21~25層を突破して26層へ進むと、沼地の地形で1匹の反応しかなかった。間違いなく、ここが最奥だ。



 「皆、ここが最奥で目の前の蛇しか反応が無い。アレを倒せば終わりだが、慎重に行くぞ!」



 俺はそう言って、まずは【火弾】を23個同時展開で放つ。目の前の蛇は翼を広げ羽ばたくと、【火弾】を吹き飛ばした。……マジか? あんなのアリかよ! 相手がどうであれ、これは気合い入れて戦わないとマズい。


 目の前の蛇は胴体の直径が3メートルくらいで、長さは12メートル。翼の大きさは左右に8メートルくらい。正直に言ってデカ過ぎると思うが、神話の蛇ってこんな大きさなんだろうか? と、心の何処かでは思っている。


 相手の蛇が飛び上がろうと羽ばたき、結構な風が起きている中で16個同時の【疾風弾】を放つ。飛び上がって直ぐの蛇に直撃し、バランスを崩して落ちた。それを逃さず皆は攻撃を開始する。


 大きな蛇ではあるものの、神木製や神石製の武器で傷付かない筈は無く、次々に体に傷が付き出血していく。俺はそれを必死で【浄化】しているが、集中しなければいけない為に動けない。血が猛毒って何だよ!?。


 厄介な蛇だが諦めて戦うしかない。相手を攻撃したら出血し、その血が沼地に落ちて広がり猛毒の沼に変貌する。コイツも殺意が高すぎると思うが、気の所為か? 自動システムだと思うが、殺す気しか感じないぞ?。


 それでも【浄化】し続けているので毒は効果が無く、出血のし過ぎで急速に蛇は力を失い倒れた。皆に指示し、離れた所から魔法を撃たせて倒させる。嫌な予感がしたからだが、これが正解だった。


 最後には邪気の塊になって襲い掛かってきたからだが、【神聖世界】を使いつつ全て銅鏡で吸い込んで【浄化】してやった。これで終了だが、【探知】にも【空間把握】にも何の反応も無い。転移紋は出現したが、それだけだ。


 つまり、今回は倒しただけで終わりらしい。邪気の浄化は出来たからいいが、儲けは無しか。まあ、仕方ない。たまにはこういう事もあるだろう、納得はいかないが。とはいえ2回目の攻略だしな、諦めよう。


 脱出紋から出る前に、皆は濡れたままなので【乾燥】と【凝水】を使い水分を取っておく。ずぶ濡れのまま出たら怪しまれるからな。ちなみにダリアは首に巻きつき、フヨウは頭の上に鎮座している。


 沼地だから汚れない為には仕方ない。蓮とイデアを右手と左手で抱き上げ、脱出紋から外に出た。外に出ると、そのままさっさと王都へと戻る。まだ夕方にもなっていなかったので、宿の部屋でゆっくりしよう。


 ナンパや勧誘の連中は居なかったので、今の内に宿に戻りたい。面倒なのはお断りだ。そう思い部屋に戻った後、2人と2匹を降ろして椅子に座る。皆を綺麗に【浄化】し、ようやく一息吐いた。



 「それにしても、厄介な地形に厄介な最奥のボスだったね。途中から分かってたけど、血が毒で沼地って最悪だよ。あんなデカイのを一撃で倒せる訳が無いし、毒の血が落ちると沼地に広がるんだよ?」


 「本当ですよね。常に毒に晒され続けるって、どんな拷問ですか? アルドが居なければ攻略不可能な時点で滅茶苦茶過ぎます。神水を撒き散らせば良いのかもしれませんが、それもアルドしか作れません」


 「本当にね。流石にあんな大きな蛇は反則だし、アルドが飛べないようにしてくれなければ戦う事も難しかったわ」



 皆は口々に文句を言っているが、それだけ危険だった事の裏返しだ。すんなり勝っているものの、その内容はかなりヤバい。血もそうだし、羽ばたきもそうだ。あれほどの突風が羽ばたくだけで起きるんだから、普通は近寄れない。


 その状況で魔法なんて撃たれたら、沼地で足をとられて逃げられずに全滅する可能性もあった。皆が一斉に攻撃して的を絞らせなかったが、そうしないと巻きつかれて締め潰されていただろう。色んな意味で危険なボスだ。


 何と言うか、各神話で蛇が上位に来る筈だよ。納得の強さと言うしかない。……そろそろ夕食を食べに食堂へ行こうか。後ろ向きな会話をしていても仕方ないし、今回の事で気を引き締めなきゃいけないのも分かったんだ。


 宿を出て食堂に行き、大銅貨13枚を支払って夕食を注文する。席に座ってゆっくりしていると、近くの傭兵が面白い話をしていた。



 「おい、知ってるか? なんでも、何人かの娼婦や男娼が狂っちまったらしい。昨日の夜におかしな事になっちまったらしく、とにかくケツでヤってないと耐えられないほど疼くそうだ。何があったのかは本人達にも分からないんだとよ」


 「何だそりゃ? 意味が分からねえ。男娼は分からなくもないが娼婦もか? 本当に意味不明だな。単にケツでヤるのにハマった訳でもないんだろ?」


 「どうなのかね? 昨日の夜に何かあったのは確実なんだそうだが、ケツがおかしくなったのは事実らしい。何でもトイレでヒリ出すのも凄い気持ち良いんだと」


 「………」



 うん、唖然とする理由は分かる。お尻の開発は完了とか言ってたが、そのレベルじゃないじゃないか。完全にケツ狂いになってるぞ。コレ、本当に想定していた効果なのか? 俺は失敗作だとしか思えない。


 夕食を終えて宿の部屋に戻るも、フォルは憤慨している。娼婦や男娼に対して俺が薬を使ったと分かったんだろう。ただ、怒っているのはそこじゃない。ケツ狂いにしてどうする? という意味で怒っているらしい。気持ちはよく分かる。


 こう、神様の遊びが色々おかしいし、方向がズレてる気がするんだよな。もうちょっと手加減してほしいと思うし、いきなり壊すのは駄目だと思う。……そういえば、暗殺組織のボスだった女は大丈夫かね? とはいえ、俺が心配する事じゃないか。


 そんな事を考えていると、舟を漕いでいる2人に気付いたので布団に入れてやる。絵を描いたり、字の練習をしていたらしい。そんな2人の道具を片付けながら、左右に入った2匹も纏めて【昏睡】を使う。


 その後、腕を掴まれて女性陣に連れて行かれたが、【極幸】と【至天】でキメてさっさと寝かせる。部屋と皆の体を綺麗にした後、<浄化の三道具>で周辺の邪気を綺麗にしたら全て終了。


 椅子に座って神水を一杯飲んだら、さっさと布団に入って目を瞑る。今日も一日お疲れ様でした。



 『アルドゥラム、聞こえていますね? 薬神が作った薬2つと、魔神が作った赤い枷と青い枷。そして呪神が作ったナイフと短剣と杭は、善神が貴方のアイテムバッグから没収しておくそうです。代わりに強化した白い枷と元の白い枷を交換したらしいので、実験しておきなさい』



 <異世界666日目>



 おはようございます。今日は下界に降りて666日目ですが、悪魔の数字なのでおかしな事が起きたのでしょうか? まあ、それは冗談として、深夜のノリで遊んでた神様達に対して善神が怒ったってところか。


 朝の日課を終わらせて、紅茶を淹れて飲みながらアイテムバッグを探る。薬神の薬2つ、赤い枷と青い枷、ヒュドラーの毒ナイフとキマイラの短剣に山羊角の杭が無くなっていた。本当に取り上げられたらしい。マジかよー。


 白い枷も微妙に変わってる? 説明書が入っ………おい、マジか? 前回よりパワーアップしてるぞ。手枷と足枷をして3分ほどで聖人が出来上がるらしい。カップ麺かよ! 色々おかしいだろうが。


 しかも1つ着けた段階で、精神を浄化しつつ放心状態になり、質問に何でも答えるようになると。これは普通に悪魔の所業と言うのではなかろうか? なお善神と浄神の力を合わせた自信作のようだ。


 善神と言っても、やっぱり神様連中らしい。



 ▽▽▽▽▽


 1333終了時点


 大白金貨61枚

 白金貨330枚

 大金貨1183枚

 金貨1372枚

 大銀貨1390枚

 銀貨1770枚

 大銅貨2038枚

 銅貨94枚


 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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