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 情報には感謝しつつ、食事をした俺達はマデルの街を出発して王都へと進んで行く。街の外に出て木像に乗った俺達は一気に進み、イノ村、アノ村、サウンズの町を越えて、王都サンズの手前で木像を降りる。


 王都前の列に並び順番を待っていると、前に並んでいる商人が話をしていた。聞きとれない程の声で耳打ちをしているが、【空間把握】なら問題なく聞こえる。皆も【天耳】で聞いているかもしれないな。



 「樹海国で王太子が殺害されたそうですが、御存知ですか? 私はいつもの乙女から情報を買って知りましてね。驚くやら納得するやら」


 「そんな事が……。あそこは最近の噂では、公爵が娘を攫わせたとか言われているでしょう? 何やらキナ臭い事を続けていた感じがしますな。王太子が殺害されるなど、余程の事が無いとありえぬでしょう」


 「そうなのですがな。他にも買った情報はあるんですよ。先ほど言っていた公爵家。その公爵家の者が全員行方不明だそうですぞ。いつかは分かりませんが、朝になったら全員が屋敷から居なくなっていたそうなのです」


 「行方不明……? 申し訳ありませんが、額面通りには受け取れませんな。貴族が行方不明など、秘密裏に始末されたと考えるべきでしょう。となると、公爵家の血では無いと言われていた現公爵が邪魔だったと」


 「でしょうな。元々あそこは王族の血を絶やさぬ為にあると聞いた事があります。で、あるならば当然始末するでしょう。前公爵の娘は盗賊に攫われ、その後に前公爵は不審死。入り婿が公爵家の当主になった。怪しすぎます」


 「それは……。それは乗っ取りではありませんか!?」


 「しっ! 声が大きいですぞ」


 「も、申し訳無い」



 俺達にとっては知っている話でしかないが、<灰の乙女>は公爵一家が行方不明になっている事も掴んでいたか。おそらくは俺達がやったんだろうと当たりをつけて、ワザと言わなかったな。強かなところは高得点だ。


 諜報組織なんだから、余計な情報は与えずに相手から情報を抜き取る。それぐらいはやってくれないとな。ただ……幹部はポンコツな気がしないでもない。アレもワザとなのか、それとも本当にダメな奴なのか。俺には判断がつかないな。


 王都に入ったら宿に行って銀貨2枚を支払い、部屋を5日間確保した。さて、部屋に行こうかと思っていたらリク達が部屋から出てきて話し掛けてくる。何かあったのか?。



 「いえ、特に何もありませんよ? どこに行っていたのかと思いまして、それで話を聞こうと……」


 「姫様は暇みたいでして……ダンジョンなどにも行くのですが、私達では最奥に挑戦するのは危険過ぎますから」



 そんな話をしながら部屋に入り、ゆっくりと寛ぐ。俺達も目的をまだ決めてないが、リク達も今のところは目的が無いらしい。ダンジョンに行っても良いし、ダラダラしていても良い。そんな感じで過ごしているようだ。


 とはいえ、稼げる傭兵って大抵そんな感じじゃないか? そこは冒険者でも変わらないだろうしな。一応だが樹海国であった事を話してやると、3人ともが何とも言えない顔をした。気持ちは分かる。



 「登場人物、全員悪人。確かにそんなキャッチコピーを聞いた事はありますけど、現実だと碌なものじゃないですね。エリアさんだけ完全なとばっちりですし、盗賊に育てられた方がまともって……」


 「本当に。盗賊に育てられた方がまともというのは、分からなくもありません。政治の裏側なんて、ドロドロした汚物のようなものですしね。それでも国家国民の為に、そのドロドロした汚物と戦わねばなりません。とはいえ……」


 「王もドロドロでは駄目なんですけれど、そこを樹海国は忘れたのでしょうね。君主は清廉でも汚物でも駄目なんですが、それ故に器と手腕が問われます。欲に塗れて非道を行う王では、血筋を入れ替えられても仕方ないでしょう」


 「皆様には大変申し訳ありませんが、この事は陛下に御報告せねばなりません。流石に隣国の裏側がここまで酷いと、我が国も対処を誤らないようにしなければなりませんので……」


 「別に構わないさ。ただ、あくまでも俺達が調べてきた範囲では、という事は忘れない様にな。事実は違うかもしれないし、見る方向が変われば意味も変わるしな」


 「それはそうですけど……隣国の王太子が殺されたという時点で、既に裏づけが成されたようなものだと思いますよ? とりあえず、直ぐに城に行ってきます。リク、ヴェスタ。行きますよ」


 「「はい」」



 2人を連れてセシルは出て行ったが、どうせ報告は齎されるだろうし急がなくても良いような気はするがな。それでも一日のズレで状況が変わったりもするから、急いで報せないと何を言われるか分からないのか。


 王女と言う立場も大変だなー。そんな雑談を挟みながらも、次の目的地について話す。子供2人と2匹は何処でもいい。ダナと吸血鬼姉妹にディルは東の国で、メルとフォルにリューとエリアはガイアルムへ帰る事を主張。


 最終的にどうするかはトランプで決める事にした。俺がディーラーをするブラックジャックだ。ただし駆け引きは無し。21に近い者が勝者で、その勝者の言う目的地に行く。恨みは無しの一発勝負だ。


 その結果、勝ったのは何とディルだった。それもAと10のブラックジャックであっさり勝利。配られた時点で終了という悲しい結果になったからか、俺はディーラーを続けている。どうにも納得出来ないらしい。


 ただ、今は子供2人と2匹も混ぜてやっているのだが、その子供2人が強い。尋常じゃないくらいAを最初に引くので、明らかに勝率が違う。そんな事が続いた為、余計に大人達は躍起になっている有様だ。


 子供達は段々飽きてきていたのでダウトに変えたのだが、これも白熱する結果に。ダナと俺は横で見ているだけだが、他のメンバーは腹の読み合いで必死だ。尚、俺とダナは分かってしまうので参加は取り止めた。


 俺は出されたカードが【空間把握】で分かるし、ダナは【神眼】で嘘か本当かが分かってしまう。なので、コレ系のゲームは楽しめない。とはいえ、目の前で醜い争いを繰り広げているのを見ていると、同じ事をしたいとは思えないけどね。


 昼になったので無理矢理終わらせて食堂へと行く。何故か子供2人の勝率が高いが、そういう運命なのかビギナーズラックか……って、よく考えたら全員ビギナーだった。という事は、何かあるんだろうなぁ。


 食堂に入り大銅貨13枚を支払って昼食を食べていると、リク達と剣聖の爺さんに筋肉男が来た。何でこいつらが来たのか知らないが、おそらくはリク達に話した事が原因だろう。



 「申し訳ありません。ウェルド老とオルダー騎士団長が、陛下の代わりに話を聞きに来られました。……あの、何かありましたか?」


 「いや、そこの筋肉男の名前を初めて聞いたなと、そう思っただけだ」


 「これは、すまない。私はオルダー・ドムント近衛騎士団長だ。そういえば、最初がああだったので名乗っていなかった。申し訳ない」


 「そういえば、そうじゃったな。ワシはウェルド・ファニールと申します。一応ファニール侯爵家に籍は置いておりますが、しがない爺でしかありませぬ」


 「何を言っているのですか、今の当主が上座を譲るほどでしょうに……。まあ、それでは駄目なのでしょうが、ウェルド老の名の大きさでは仕方の無い事ですよ」


 「だからこそ、実家には帰らぬのですがな。墓参り以外では帰らなくなったのも、窮屈だからという理由しかありませぬ。いちいち面倒なのは御免被りますからな」



 そんな下らない話をしながら食事を終えて、宿の部屋に戻ってから話を始める。リク達に聞かせた事以外に話す内容なんて無いので、同じ話をして終わりだ。そのリク達は皆とトランプで遊んでいる。


 お前ら自由だなぁ。剣聖の爺さんも、筋肉男も呆れてるぞ?。



 ▽▽▽▽▽


 1326終了時点


 大白金貨61枚

 白金貨330枚

 大金貨1183枚

 金貨1305枚

 大銀貨1355枚

 銀貨1699枚

 大銅貨1959枚

 銅貨50枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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