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 「実はですね、皆さんの容姿とそっくりな者達が樹海国の王都で暴れたという話が入ってきまして。樹海国がそう喧伝しているらしいのですが、皆さんは身に覚えがありますか?」


 「暴れた記憶は無いなー、襲ってきたので70人ほど殺した記憶ならあるが。俺を襲った理由は説明出来ないから、俺が暴れたって事にしたいんだろうな。まあ、分からなくはない」


 「私達<灰の乙女>の者は、各国にも色々浸透しておりまして……。今回の報告は魔鳥便で送られてきたのですが、樹海国の王都は凄く大きな騒ぎになっているそうです」


 「まあ、アルドが殺したのは少なくとも騎士。話を聞く限りは近衛だと思う。それが70人も殺されたというなら、そりゃ騒ぎにもなるだろうさ。挙句、侯爵が喧嘩を売って返り討ちにあったんだし」


 「元々エリアを始末したかったみたいですが、それを予想していたのでアルドだけで宿にキャンセルを言いに行ったのですよ。そうしたら、周りを囲まれたという訳です」


 「エリアはあたしさ。一応だけど、あたしは樹海国の王族らしくってね。今の王は傍流の王族で、あたしは嫡流の王族らしいよ。それを闇に葬りたい侯爵ってのが、アルドに喧嘩を売ったって訳さ」


 「「「えっ!?」」」



 面倒なので<灰の乙女>の連中に真実を話しておく。タダで情報をやる代わりに真実を拡散しておくように頼むと、<灰の乙女>の連中は直ぐに理解したようだ。樹海国の裏側に何があったのか知った3人は呆れているが。



 「流石に滅茶苦茶です。生贄に罪を着せるのも、公爵家を乗っ取るのも、偽物を用意するのも。あの国がここまで滅茶苦茶だったとは……。そのうえ嫡流の王族、本当の王族が盗賊として育てられるなんて……」


 「まあ、色々あるという事さ。エリアに関して言えば、そもそも盗賊として育てられているから、大の貴族嫌いだしね。本当の王族の血筋は樹海国には戻らないんだから、丁度いい結末と言えるんじゃないかな」


 「そうだね。傍流の王族だから、一応王族と言えるだろうし。それの国としてやっていけば良いと思うよ。偽者を用意した、偽物の国と言われかねないけどさ。どこまでいっても、傍流である事に変わりは無いしね」


 「しかし、樹海国は今回の事を余程広めたくないのが良く分かります。暴れたのがアルドさんだけにも関わらず、樹海国では皆さんが暴れた事になっていますので……あれ? 御一人で70人も殺したんですか?」


 「ああ。大した実力も無いザコ連中だったんでな。淡々と殺していたら魔法を飛ばしてきやがったんで、その後は魔法も使いながら殺してたら王太子が馬車に乗って来たんだよ。で、喧嘩を売ってきた侯爵と口論を始めたんで、逃げた」


 「成る程、そういう事があったんですね。……王太子は自分が傍流の王族だと知らなかったと。そして侯爵は嫡流の血筋を絶やしたかった。……その侯爵は、おそらく先代の王の正妃を出した家だと思われます。原因はそれでしょうね」


 「それは……何としてもエリアを殺そうとする筈です。自分の妹か叔母が嫁いだ先が、王族かそうでないか分かれてしまうんですから。嫡流の王族を殺してでも、自分の家が王族と関わりがある事にしたいでしょう」



 何とも言えない話になってしまったな。<灰の乙女>の連中も何も言えなくなり、そのまま俺達の部屋を辞していった。話の最中からウトウトしていた蓮とイデアは、既に布団に入って寝ている。


 <灰の乙女>の幹部は怪しい視線を送っていたが、メルが鉄壁のガードをしていたので視線を送るだけだったそうだ。俺には分からん。子供2人とダリアとフヨウに【昏睡】を使って深く眠らせたら、皆に連れて行かれた。


 【房中術】と【精気】を使い、じっくり丁寧に撃沈させて寝かせておく。今は椅子に座ってゆっくり白湯を飲んでいる。明日には王都に戻る事になるし、早めに寝るか。飲み終わった俺は、直ぐに布団に横になった。


 それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界661日目>



 おはようございます。今日は晴れていますので、王都へと移動します。その後はどうしよう? 久しぶりに湖の国のダンジョンでも巡ろうか、それとも湖の国の東に行ってみようか? 色々悩むなぁ……。


 下界の浄化を命じられている身としては、色々な国に行かなきゃいけないんだけどな。そんなに急ぐ事でもないし、元々は里帰りでこっちに連れてきただけだ。とはいえ、ダンジョン攻略で邪気を減らしておくのも重要だし、どうしよう?。


 朝の日課を終わらせて、紅茶を飲みながら悩んでいると2匹が起きてきた。神水を水皿に入れてやると、美味しそうに飲んでいる。もう2匹は白湯にする必要は無いようだ。最近温かくなってきたからだろう。


 吸い上げたフヨウが首に巻きつき、それを見たダリアが足をペシペシしてくるのも変わらないな。その後は膝に乗ってくるんだが。そんな2匹とゆっくりしていると、皆が起きてきた。静かな時間はいつも短いが、仕方ない。



 「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャー」 「………」 「おはよう!」 「おはようございます」


 「今日はサンズ王国の王都に帰るんだけど、他に何か用ってあったかい? 無いなら、今後どうするか決めておいた方が良いと思うんだけどね。東の国に行くのか、それともガイアルムに帰るのか」


 「湖の国の東にある国ですか……。確かに行った事は無いですからね、行ってみても良いとは思います。ですけど去年のダンジョン貴族の事がありますから、あそこは一気に突破するしかないでしょう」


 「ああ、ゾンビダンジョンで病が蔓延していた所ね。あそこの領主の娘や息子が、病気で亡くなったんだったかしら? それで私達に懸賞金を懸けたんだったと記憶してるけど……」


 「それも、どうなったか分からないね。懸賞金が掛かったままなのか、それともとっくに取り下げたのか。どちらにしても、行ってみないと分からないよ」


 「後片付けも終わったし、そろそろ食堂に行こうか。ここで喋っていても、食堂で喋っていても変わらないしさ」



 そう言って部屋を出た。子供2名はお腹が減っているらしいので、早めに移動したかったのもある。宿の従業員に今日出る事と返金は不要だと言い、食堂に移動した。大銅貨13枚を支払って朝食を注文したら席に座る。


 次に何処へ行くかを話していると、横の席に<灰の乙女>のトップと幹部が座った。またかよ、今度はいったい何だ。



 「朝早くから、申し訳ありません。ですが、今日街を発つと昨日お聞きしましたので、今の内にお伝えしておこうかと。昨夜、再び樹海国から魔鳥便が来たのですが、王太子が何者かに殺害されたそうです」


 「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」


 「またキナ臭い事になったなぁ……。あの国はそんな事ばっかりか? 王太子は清廉潔白を理想とするように育ってしまったというか、教育されてしまった人物だ。傍流の王族が乗っ取った事が許せなくなったか? それとも……」


 「まあ、過去の事で騒ぐ邪魔者を殺したんだろうね。可能性として1番高いのは王だけど、その次が侯爵かな? 結局は、碌でもない国。その一言で終わる話ではあるけどね」


 「姉上が仰るように碌でもない国ですね。建前でさえ満足に整えられず、突発的にこんな事をする。そんな国だからこそ、傍流と嫡流が入れ替わるんでしょうね」


 「昨日、その話をお聞きしてから本部の資料を色々漁ったのですが、3代前の王の時に王子がすり変わっているという噂があったそうです。おそらくですが、その時に嫡流と傍流が入れ替わったのではないかと……」


 「それで、本当の嫡流は公爵家にしたと。公爵家も、王族の血を絶やさない為の公爵家と、王の親族という意味の公爵家と色々ありますからね。樹海国では、王族の血を絶やさない為の公爵家だったんでしょう」



 そこの血を入れ替えたと。どのみち当時の馬鹿な王が原因なんだし、碌なもんじゃないな。



 ▽▽▽▽▽


 1325終了時点


 大白金貨61枚

 白金貨330枚

 大金貨1183枚

 金貨1305枚

 大銀貨1355枚

 銀貨1701枚

 大銅貨1972枚

 銅貨50枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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