1323
「昨日ダンジョンの中が変わっちまったけど、何かおかしな事になってるらしいな。俺達は休みだったけどよ、他のチームから聞いたが真っ暗な所があったらしい。灯りを点けるとモンスターに襲われるんだとよ」
「そんな所があんのか? 灯りを点けると上から降ってくるってのは聞いた事があるが、そいつらは大丈夫だったのかね。失敗すると頭の上に降ってきて即死するって聞いた事があるが……」
「それは先の方の層だろ? 何でも9層辺りから真っ暗な層になってるらしくってさ、だから上から降ってくる危ねえ鳥は居ねえんじゃねえかって話だ。とはいえ、真っ暗な層が早く出てこられてもなぁ……」
「確かにな。儲からねえし、困ったもんだ。真っ暗な層を越えればいいんだろうが、そう簡単じゃねえしなー。俺達みたいな対して実力の無い奴等は、外の魔物の間引きに切り替えた方がいいかね?」
「そう考える奴等は多そうだけどな。とはいえ、儲からねえんじゃダンジョンに行ってもしょうがねえし。明日ぐらいに、また地形が変わらねえもんかね」
「そりゃ、無理だろ。浅い層の物でも持って帰ってくるか、モンスターを狩るかぐらいだな。なあに、地道にやってりゃ地形もまた変わるさ」
おかしな地形になると、実力の無い奴等は稼げなくなって大変だな。それはそうと、前にもこんな事なかったか? 俺達が来たら地形が変わったっていう事。皆も話してるが……ああ、帝国だったっけ。あったよな。
そんな話をしながら運ばれてきた朝食を食べ、終わったら食堂を出てダンジョンに向かう。ダンジョン街へと入り、迷宮紋の前の列に並ぶ。蓮やイデアが居るのでシロシロ見られているが、声を掛けてくる奴は居ない。
俺達の番が来たので迷宮紋に乗り、ダンジョンへと入る。1層は普通の草原だった。ネイルラビットや、ビッグラビットを追いかける冒険者が見える。そんな中を、人の流れがある北へと木像に乗って向かう。
1~4層を北に行き、5層に進むと荒地だった。今度は東に向かっているので、俺達もそちらへと進む。5~8層を突破し、9層に入ると夜の平原だった。食堂の冒険者の話通りだが、南か西しかないので南西へと進む。
南だと判明したので、南の転移紋から10層へ。10~12層を突破し、13層へと進むと今度は洞窟だった。このダンジョン面倒臭くね? 西へと進みながらも、転移紋に到達する道を確認しながら移動する。
おそろしく面倒な迷路になっており、木像に乗っているのに時間が掛かった。何と言っても、魔物が居ないのでウロウロするだけになったのが厳しい。コウモリや毒コウモリが良いとは言わないが、全く居ないとそれはそれで辛い。
13~16層を突破し17層に入ると、今度は夜の山だ。何か攻略させる気が無いのか、それとも俺達を苦労させる為の地形って感じがする。皆も似たような事を感じとっているのか無言だ。
転移紋の方角が分からないのでウロウロしていると、北西に発見したのでそちらへ進む。17~20層を突破し、21層へ入ると今度は雪山だった。直ぐにきぐるみを着て、カマクラを作り中に入る。
ついでに昼食を作る事にしたが、このダンジョン地形が滅茶苦茶すぎる。俺達なら問題無いが、普通の冒険者じゃ絶対に攻略不可能だぞ。自動システムは俺達に何をさせたいんだ? 流石に難易度がおかしい。
雪で椅子とテーブルを作り、まな板がわりの木板を取り出して全粒粉と米粉を神水で練っていく。練り終わったら【熟成】し、1人分ずつに分けて焼き網で焼いていく。肉も出して焼かせながら、俺はスープを作る。
かす肉と野菜のスープだが、ここまで寒いと温かいスープなら何でもよく思えてくるな。【熟成】を使いながらスープを作り、出来たらさっさと椀に入れていく。皆は食事をしながらも、やっと一息吐いたようだ。
「しっかし、いきなりの雪山とか久しぶりだねぇ。邪気が溜まってるダンジョンならまだしも、ここは何回か攻略してる筈なんだけど……。どうしてこうも厳しい地形ばっかり続くんだか」
「寒い地形なんて出さなくていいんですよ、まったく。自動システムは何を考えているのか、もしかして嫌がらせですか? それなら良く出来ているとでも言えばいいんですかね?」
「まあ、怒りたくなる気持ちも分かるけど、怒れば怒るほど自動システムの狙い通りなのよね。厄介な事だわ。このダンジョンも30層を越える覚悟をしておいた方がいいかしら?」
「お肉で野菜をまいて食べるとおいしいね。このね、ニンニクのタレがおいしいの。野菜でサッパリするから、タレは濃い方がいいとおもうんだ」
「うん。野菜と一緒だと確かに濃いタレの方が合うね。肉だけだと、塩だけのシンプルなのも良いよ。肉の旨味がよく分かるから、余計な物は無くても美味しいと思う」
お子様2人が子供らしからぬ会話をしている。とはいえ、いつもの事ではあるんだが……。あの子達が何処を目指しているかは不思議だが、あのまま放っておくのが1番だな。子供は子供で勝手に育つし。頭を抑える必要は無い。
昼食後、十分に温まったので準備を整える。トイレも済ませ、準備が整ったらカマクラの外に出た。直ぐにカマクラを壊し、木像に乗って出発するのだが方角が分からない。北東か南西だと思うが、困った事に正反対なんだよな。
皆と相談し北東に行く事にした。しかし進んで行くも転移紋は無い。戻って南西へと進むと、転移紋を発見したので22層へ。どうも時計回りだったのが、反時計回りに変わったらしい。
22~24層を突破し、25層へと進む。25層は一転、日差しが厳しい砂漠だった。全員すぐに熊のきぐるみを脱いで進んで行く。急激に変わり過ぎだと思うが、ダンジョンに文句を言っても始まらない。
予想していた通り南東に転移紋があったので、乗って先へと進む。25~28層を突破して29層へと移動する。今度は火山地帯だったが、ここも一気に進んで行く。北東なのは分かっているので、無心に進む。
29~32層を突破し、もう終わりだろうと思いながら33層へと進むと、一転して海の地形だった。円状に直径100メートルほどの台地みたいにして地面があり、周りは全て海だ。間違いなく最奥だろう。
北と南の方角に1匹ずつのモンスターを感知したが、コレってマジか? どっちがどうなんだ? いや、混乱している場合じゃない、皆に指示を出さないと。
「皆、北から巨大な蛸のモンスターが来る。南からは巨大なイカのモンスターだ。腕が異様に長いから、掴まれて海に引きずり込まれると脱出は無理だろう。くれぐれも腕に捕まるな! 注意しろ!」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
「ニャー!」 「………」 「わかった!」 「分かりました!」
しっかし、どっちがクラーケンなんだ? 確か原点のクラーケンって蛸の方だったんじゃなかったっけ? いつの間にかイカのクラーケンも普通になったけど、デビルフィッシュの名の通り、蛸の方が元々だった筈。
まあ、今はそんな事どうでもいいので、半分ずつに分かれて迎撃する事にした。普通は戦力を分けるなんて事はしないんだが、片方と戦っている間に、もう片方に海に引き摺り込まれるおそれがある。
その危険性がある以上は、戦力を分けて牽制せざるを得ない。どちらにも【火魔法】を連射して牽制し、腕を伸ばしてきたらぶった斬る。そうすると、斬られた腕が邪気になって襲い掛かってきた。
慌てて皆に注意をするも、勾玉を使っていて正解だったな。使っていなかったら、向こうの邪気を直接受けていた。誰かが邪生になってしまう可能性を孕んでいるのは勘弁してほしい。
ただ、その事で分かったが、この巨大な蛸とイカには【浄化魔法】が非常に良く効く。正直に言って、弱点さえ分かればそこまで強い相手じゃなかった。浄化されると明らかに苦しむし、どんどん小さくなっていっている。
最後は普通の蛸とイカの大きさで突撃してきたが、切り裂いて浄化すれば終了だ。蓮は大きな蛸が食べられなくてガッカリしているが、それ以外には大したイベントも無く終了。何だか悲しい最奥のボスだったな。
邪気は減ったからいいけどさ。……うん? アイテムポーチか、コレ? 急に反応が出てきたな。
▽▽▽▽▽
1323終了時点
大白金貨61枚
白金貨330枚
大金貨1183枚
金貨1305枚
大銀貨1355枚
銀貨1701枚
大銅貨2037枚
銅貨50枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




