1321
俺は夕食を作りながら、何があったか1つずつ説明していく。皆と分かれた後の事だが、別に難しい事でも面倒な事でも無い。なので暇潰し程度に話していく。
「皆と分かれた後、俺は隠密の4つの技を使って王都に侵入し宿に向かった。宿の近くの路地で解除してから宿に入り、従業員にキャンセルを言って出たんだが、外で騎士が待ち構えていた」
「騎士がかい? 明らかにキナ臭いね。どちらかと言えば、待っていたって感じがするけど……」
「ああ、ダナの言う通りだ。俺が宿に入った後、宿の周りを固めるように騎士どもが囲んでいた。その事は【探知】と【空間把握】で確認していたので分かっていた事だ」
「という事は、アルド1人で戻って正解だったという事ですね。相手の数が多いと、蓮やイデアを守りきれるかは分かりません。アルド1人なら相手を含めてどうにでも出来るでしょう」
「周りを固めている騎士から偉そうな奴が出てきたが、コイツが侯爵でエリアを探していたようだ。俺が嫡流の王族を渡す訳が無いと言ったら剣を抜いたんでな、殺される覚悟があると見做した」
「いつも通りの流れねぇ……まあ、貴族相手だからそんなものでしょうけど。それよりも、侯爵家はどうしても嫡流の血筋を消してしまいたいようね。いったい何故かしら? 今の王族なら分からなくもないけれど……」
「さあな。騎士どもの首を30ほど飛ばしたら魔法を撃ってきたんで、俺も魔法を返して70人ほど殺したら王太子が馬車に乗って来た。色々話していたものの嫡流の王族の話をしたら、知らなかったようで侯爵を問い詰めていたよ。で、俺はその隙に逃げた」
「まあ、面倒な話から逃げるのは当然だけど。それよりも、王太子には知らせてなかったんだね。今の王太子は綺麗なままでいいって思ってたのかな?」
「多分そうではないでしょうか? 汚いものは周りが何とかするつもりだったのでしょうが、そんなに上手くいくとは思えませんね。こういった事は、いずれ何処かからバレるものです」
今日の夕食は早く出来るタコスモドキにしたのだが、皆は文句は無いようだ。中の具はシルバーチキンのミンチを竜の脂で炒めた物とスクランブルエッグに、【破砕】したキャベツと玉ねぎだ。
魚醤を薄めた物とマヨネーズをかけて食べているが、皆にも好評なので良かった。ただでさえ今日は遅い夕食になってしまっているからな。これで不満の残る食事だと、皆のストレスが怖い。
イデアには心臓を食べさせたが、魔力と闘気が増えた以外の効果は無かった。大きく増えたものの、それだけとも言える。
夕食後、さっさとカマクラに入ってゆっくりと休む。皆は酒を飲んだりと色々しているが、蓮とイデアはリバーシをしている。蓮の方が先に始めたので有利だが、もう殆ど実力的には変わらないな。
勝ったり負けたりしながら楽しんでいるようだ。それは良いとして、久しぶりに酒を貰ったからか2匹が早くも撃沈している。カマクラの端に【念動】で移動させて寝かせたが、今日に限ってどうしたんだろうな。
最近は蓮やイデアが居るからか、あまり飲まなくなっていたんだが、今日は何かあったのかね? まあ、2匹の好きにしていいんだけど、珍しいから気になっただけだ。それより蓮とイデアが舟を漕ぎ始めたので、寝かせよう。
最近はそれなりに温かくなってきたので、熊のきぐるみだけで十分に寝る事が出来る。丁度イデアの分の熊のきぐるみも手に入ったしな。無ければ作るつもりだったんだが、手に入ったので熊革の使い道は保留だ。
2人と2匹に【昏睡】を使って深く眠らせたら、女性陣に媚薬を飲ませ、俺は精力剤を飲む。神様も何でこんな実験を俺達にさせるのやら? わざわざ説明の紙まで付けて、実験内容を書いてくるって……。
………流石は神様謹製の薬だと言うしかない。女性陣全員があまりにもダメな顔になっているが、コレは明らかに効き過ぎだと思う。精力剤の効果は、最高級精力剤より更に持続する感じかな? 特にどうこうという効き目じゃない。
しかし媚薬の方がアレ過ぎるな。何でこんな薬を作ったのか、何故ワザワザ俺達に実験をさせたのか、欠片も理解出来ない。皆を綺麗に【浄化】してから、<浄化の三道具>を使って周辺の邪気を吸引して【浄化】する。
全て終わったので、そろそろ寝よう。今日も一日お疲れ様でした。
『アルドゥラム、聞こえますね? 薬神が実験で作った媚薬ですが、狙った効果が出ていないので、貴方のアイテムバッグから回収しておくそうです。精力剤は問題ないそうですので好きに使いなさい』
<異世界658日目>
おはようございます。何故か念神から夢で一方的な通達がありました。そもそも薬神が狙った効果って何ですか? 実験しろとしか書かれてなかったんですけど? それと、アイテムバッグから無理矢理奪う事って出来るんだなぁ。知らなかった。
まあ、神様だから何でもアリって言ったらそれまでか。外に出て紅茶でも飲もう。朝の日課を終わらせた俺は、カマクラを壊して外に出たら閉じる。土の椅子に座って紅茶を淹れて飲んでいると、2匹が起きたらしい。
カマクラを壊して開けてやると2匹は外に出てきた。朝の挨拶をした後、神水の白湯を出してやると美味しそうに飲み始める。それを見ながらゆっくりしていると、フヨウは首に巻きつき、ダリアは膝に乗ってきた。
相変わらず自由な2匹と共に静かな時間を過ごしていたが、そろそろ朝食を作ろうと膝からダリアをテーブルに上げる。抗議してくるが、朝食を作るからだと説明して饅頭の生地を作り始めた。
今日はプレーンの饅頭なので練った生地は【熟成】して置いておく。かす肉と野菜のスープを寸胴鍋で作りつつ、チーズを溶かして味付けしていると皆が起きてきたようだ。フォルがカマクラを壊して出てきた。
朝の挨拶をした後、まずはイデアに最後の心臓を食べさせる。魔力と闘気が増大しているから食べるが、同じ物を食べさせられるのは苦痛だよな。今回で一旦終わりなので頑張ってくれ。
痛みに呻いたので、抱きしめつつ背中をさすってやる。直ぐに落ち着いたようだが、声が美しくなっているのと、何か美のオーラっぽいのが出てませんかね? コレ、色々な意味でヤバい? ……饅頭作ろうか。
2人には饅頭を成形してもらい、出来たら蒸篭で蒸していってもらう。蓮とイデアは楽しそうにしていたが、イデアも料理が好きになったのかもしれない。何に興味を持つかは好きにすればいいんだけど、食事は強いなと思った。
饅頭も蒸しあがったし、2個目をセットして食べようか。それじゃあ、いただきます。
「れんね、この伸びるチーズっていうの好きなの。美味しいし、色んな味付けができるんだよ。だからね、美味しい味をがんばって見つけるの」
「そうなんだ。いろんな味に出来るんだね。ボクも色々やってみようかな? 自分が美味しいと思うものは、人によって違うって聞いたし。ボクの美味しい物ってなんだろう?」
「ゆっくりでいいのよ、ゆっくりで。急いでやっても上手くはいかないから、まずは色々な物を食べて味を知る事からね。2人が食べた事の無い物も沢山あるでしょうし」
あっちは和気藹々としていて良いんだが、蓮の言葉使いが急速に変わってきているな。何と言うか、イデアが大人の喋り方をするので、それに引き摺られる形なんだと思う。悪い事では無いと思うので、このまま何も言わない方がいいな。
朝食後、カマクラや焼き場を壊して更地にしたら、木像に乗って一気に進んで行く。クェンタの街、ホスムの村、モウラムの町、ヴェムの村、クムの村、セブの街。そして国境を素知らぬ顔で越えた。
やれやれ、まだ国境までは情報が来てなかったらしいな。これで揉める事も無く越える事が出来た。2度と樹海国に行く気は無いので、出ればこっちのものだ。
国境から少し離れた所で、昼食をとる為にテーブルと椅子と焼き場を作る。エリアとフォルにサーサを炊いてもらい、蓮とイデアにサラダとマヨネーズを作ってもらう。俺はシルバーチキンの唐揚げだ。
ジュワ~、パチパチ。唐揚げの揚がる音がする度に、蓮とイデアの顔が此方を向く。その度にメルから注意が飛びマヨネーズ作りに戻る。そんな事を繰り返しているが、気持ちは分からなくもない。
2匹はジッとしているが、早く食わせろと言わんばかりに見てくるしな。メルはスープ作りをしながら注意しているが、蓮とイデアのサラダとマヨネーズ作りは終わったらしい。
椅子に座っているが、暴力的な香りに耐えられなくなっているようだ。そろそろ御飯も蒸らし終わるし、昼食にしようか。
▽▽▽▽▽
1321終了時点
大白金貨61枚
白金貨330枚
大金貨1183枚
金貨1305枚
大銀貨1355枚
銀貨1703枚
大銅貨2063枚
銅貨50枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




