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1315




 蓮とイデアが書き取りをしている横で、シュラとエリアも書き取りをしている。それは良いのだが、相変わらず何処かのお姉さんが厳しい。仕方がないのは分かるし、始祖の子なので汚い字ではいけないのも分かる。


 ただ、いつもより厳しいのは、蓮どころかイデアよりも汚いからだろう。それと、エリアは少しずつ上達しているが、シュラには上達の兆しが見えないのもあると思う。最悪は俺が【集中】と【忘却】を使う事になりそうだ。


 そんな事を考えながらの書き取りも昼になったので終わり、昼食を食べる為に食堂へ移動する。大銅貨13枚を支払って昼食を注文したら、席に座ってゆっくり待つ。雑談していると運ばれてきたので、さっさと食べて席を空けないとな。


 昼食後、王都を出て少し離れた場所で、魔力と闘気を扱う練習をイデアにさせる。魔力と闘気を感じる事も動かす事も直ぐに出来たので、身体強化の練習に入った。流石に知識としてあったみたいだが、簡単には成功しない。


 身体強化をしながらの動作は集中が切れやすく、歩いている最中に身体強化が解除されてしまう。何度も何度も繰り返し練習させ、慣れていくしか道が無いので反復練習をさせる。横で蓮が普通に身体強化をしているので焦るのだろう。


 仕方なく【集中】を使って自分の練習に集中させる。子供だから仕方ないんだけど、相手を見て対抗心を燃やすのは悪い事じゃないからな。が、それで練習が上手くいかなくても困るので、無理矢理に集中させた。


 どのみち何度も練習させていけば慣れるだろう。繰り返し練習させた事により、夕方には走る事が出来るようになっていた。久しぶりに赤と青の帯を使っているが、魔力も闘気も少ないのだからしょうがない。あくまでも普通の子供の量しかないし。


 呪人族は魔力と闘気が平均的にある種族のようだ。なので、身体強化自体はそこまで難しくない。しかし念力を加えるとなると少し事情が違ってくるな。威圧だって念力を加えると指向性が跳ね上がるんだが、イデアはそれが殆ど出来ない。


 そう言った事をイデアに教えながら、王都に戻り食堂へと歩いている。蓮は念力を扱うのが得意な方だし、そもそも苦手な分野が殆ど無いから気にしなくていい。色々な種族の血が混ざっている御蔭だろうな。


 イデアは逆に良い部分も悪い部分も、始祖なので強く出てしまうんだろう。そういった種族的な良い悪いよりも、自分の能力をどう伸ばして使うかを考えた方が良い。どのみち種族の特徴なんて変えられないんだからな。


 大銅貨13枚を支払い夕食を注文して席に座る。皆と雑談しながら待っていると、冒険者がゾロゾロ入ってきた。そいつらは席に座るなり話し始めたが、何故か周りをキョロキョロしている。……変な奴等だな?。



 「おい、コーレン樹海国の噂。アレってマジだと思うか? あの……王族が王族じゃないって奴だ。実は本当の王族は公爵家で、傍流の奴等が乗っ取ってたって話。アレが事実ならシャレになってないんじゃねえか?」


 「お前もそう思うか? アレって本当なら完全にシャレになってないよな? 公爵家の先代って、侯爵家からの入り婿に殺されたって聞くし、その裏には先代の王が居たっていうじゃねえか。あの国はマジでヤバイぜ」


 「傍流って言ったって王族は王族だと思うが、流石に乗っ取りはマズいよな。いつ、そんな事になったのか知らねえけどよ。嫡流の血筋を消して国を乗っ取ろうなんて尋常じゃないぜ。王様も含めて、国の偉いさんは警戒してるらしい」


 「そりゃ、そうだろ。国の乗っ取りなんてやらかす連中は信用ならねえだろうしな。しかも公爵家の先代は謀殺しているうえ、娘は盗賊に誘拐させてるんだろ。滅茶苦茶じゃねえか。頭がおかしいとしか思えねえぜ」


 「おい、声が大きい。樹海国の奴等の手先が居るかもしれねえだろ」


 「す、すまねえ」



 ………ワザとか? 怪しい情報だし眉唾もんだが、仮に本当だとしたらエリアは王女だという事になる。皆も一斉にエリアを見た後、「無いな」という顔をした。何よりエリア自身が嫌そうな顔をしているので、貴族とか王族とかいう地位が本当に嫌いらしい。


 しかしなぁ。エリアが本当に嫡流の王族なら、軍まで使って殺そうとしたのは分からないでもない。本当の王族、つまり嫡流の王族に生きていられると非常にマズいだろう。乗っ取りをやらかした方からすれば、絶対に死んでもらわないと困る相手だ。


 <国家転覆罪>も、あながち間違ってはいない。乗っ取りをやった連中の国を転覆させる怖れは十二分にあるからな。正統な血筋はエリアの方となる場合、乗っ取りをやった傍流の血筋なんて民も認めないだろう。


 ただ、そんな情報が他国まで漏れてくる事がおかしい。可能性としては、王族を打倒する為に適当な情報を流して反発を煽っている。もしくは、本当の事を流布しようとした勢力が樹海国の中にある。それか、誰かが国を潰そうとしている。


 後、可能性としては低いが、魔天族がサンズ王国でバラした。この可能性も無い訳じゃないのがなー。何故か樹海国の種族である魔天族が、サンズ王国に逃れてきてるらしいし。ソレも気になってたんだ。


 そんな話を、夕食後に戻ってきた部屋で話している。蓮とイデアは興味が無いのか、今日はリバーシで遊んでいるな。イデアはルールを直ぐに理解したらしい。とはいえ、現在は蓮が優勢なようだ。



 「エリアが王族にも公爵家にも復帰する気が無いから、どうでもいいと言えば終わるんだけどさ。それにしたって、あの冒険者どもの話が本当だとすると滅茶苦茶だね。傍流が嫡流を追い落とすって、乱世の国じゃないんだからさー」


 「しかも何処まで傍流かも分かりませんからね。もはや赤の他人だというぐらい血が離れているかもしれませんし、そこまで離れていないのかもしれません。公爵家の娘が婚約者だったのも、嫡流の血を取り込もうとした可能性があります」


 「だったら何故入り婿はエリアを2歳で誘拐させたんだろうね? 先代の王と侯爵家は協力していたけど、別の事を考えていたのかな?」


 「先代の王も侯爵家も、傍流の血を正統な血筋にしようとした。ただし、手法が違っていたという事か。王は嫡流の血を取り込もうとし、侯爵家は嫡流の血を排除しようとした。どちらも傍流を正統にしようとしている……?」


 「嫡流の血を取り込もうとしたのは、先代や今代の王じゃなくて王太子じゃないの? 何か、そんな気がするんだけど。力で排除しようとしたけど、王太子はもっとスマートな方法を使おうとした。こっちの方がしっくり来るよ、僕は」


 「あの冒険者達の言っていた事が事実なら、朧気ながら構図は見えてきた感じですね。とはいえ、私達にもエリアにも関わりの無い事ですが」


 「本当にね。あたしが公爵家の者だろうが王族だろうが、どっちにしたって興味なんて無いよ。そもそも樹海国がどうなろうが知った事じゃないってのにさ。盗賊団が無くなった時に、あの国に対する想いも無くなったよ」


 「まあ、盗賊団だから結局はそういう末路ではあったと思うけどな。だが謀略に巻き込まれてじゃ、納得は出来ないだろう。俺としては、敢えてこの状況で樹海国に行きたいんだが……どう思う?」



 そう言った後、皆は長考に入った。エリアもまた色々考えているらしい。想いは無くなったと言ったが、それでも盗賊団の仲間と生きてきた国だ。権力者を嫌っていても、盗賊団の仲間は嫌えないだろう。


 結局、どこかで超えなきゃいけないなら、敢えて混沌に飛び込んで超えるべきだと思う。ここまでグチャグチャだと真実が出てきやすいだろう。そんな事を、考えている皆に伝える。


 すると、最初に賛成したのはエリアだった。エリアもまた、真実を知りたいという思いはあったらしい。納得出来ない思いも、もやもやした感情も、それらを納得させるには真実を知るしかない。


 俺がコーレン樹海国に行き、王か公爵家の入り婿に【白痴】を使えば真実は分かる。今やらないと口封じをされるかもしれないからな。今の内に行くしかないと結論付けたようだ。


 おそらくは正しいと思う。乗っ取りなんてやらかす奴は、何でもするからな。



 ▽▽▽▽▽


 1315終了時点


 大白金貨61枚

 白金貨330枚

 大金貨1183枚

 金貨1305枚

 大銀貨1355枚

 銀貨1708枚

 大銅貨2134枚

 銅貨50枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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