1314
宿の部屋で3人と話しているが、<封呪界>で出てきた黒いナニカを【浄化】した跡にイデアが倒れていた話をした。そして呪神と会って話しダンジョンの1層に戻された事と、その後にイデアから聞いた事を話す。
「つまり、その子は新しく生まれた種族である呪人族の始祖であると……。そして呪神様は、この子をアルドさんに頼むと仰られたんですね」
「ああ。呪人族がどういう種族かは分からないが、新しい種族なんだし気にしなくても良いだろう。そこまで強い能力を持つとは思えないし、おそらくだが呪いに強いぐらいだと思うぞ?」
「そうですね。ボクに与えられた知識では、呪人族は呪いに強いのと邪気に強いようです。ただし念力を扱うのは不得意なようですが……」
「成る程な、そういう種族特性か。まあ念力を扱うのが下手でも、呪いと邪気に強いのは非常に大きなメリットだろうさ。【念術】なんて下界の奴等は殆ど使えないんだし、むしろ得なだけだな」
「むー! つぎはイデアのばん!」
「ごめん」
イデアは蓮と神経衰弱用の木札で遊んでいる。そこだけ見ると、可愛い系の蓮と天使系のイデアで華があるんだが……。その向こうに酒飲み連中のオッサン臭い姿が見えているので、何とも言えなくなってくる。
3人は話を聞いた後もウダウダしているので聞いてみたら、ようやくセシルが満足したのでゆっくり出来るそうだ。どんだけ欲求不満だったんだよ。そう思ったが、ヴェスタが怪我をしていた間は抑えていたらしい。
王城で嫌味に晒されていた時にそれを自覚して、限度を超えて爆発したようだ。今はスッキリしているので大分マシなんだそうだが、それに付き合ったリクは苦笑いしているだけだ。流石は【健康】の権能だと思うよ。
夜も遅くなってきたので3人は部屋に戻り、蓮とイデアも電池が切れるように舟を漕ぎ始めた。似つかわしくない知識と知能をしていても、本質は5歳児のようだ。イデアから聞くと5歳児として創られたと知識にあったらしい。
蓮が居るので合わせたんだろうか? まあ、聞いても思っても無駄だな。【世界】が答える事は無い。俺は布団にイデアと蓮を入れ、その左右に2匹を入れた。【昏睡】を使って深く眠らせたら、襲ってきた女性陣との戦いだ。
【精気】のみで大満足させた俺は、全員をベッドと布団に寝かせた後で綺麗に【浄化】する。<浄化の三道具>を使って周辺を綺麗に【浄化】したら、白湯を飲んで少しゆっくりしよう。落ち着いてきたので、そろそろ寝るか。
今日も一日お疲れ様でした。
<異世界655日目>
おはようございます。今日は1日ゆっくり休もうと思います。イデアに色々教えなきゃいけないし、練習もさせないといけない。どうも知識だけを与えられたっぽいので、実際に経験がある訳ではないようだ。
朝の日課を終わらせて紅茶を飲んでいると、蓮が起きたものの、その動きでイデアも起きたようだ。蓮はさっさとトイレに行ったので、イデアにも行ってくるように言う。俺はその間に準備をしておくか。
戻ってきた蓮に浄化魔法の事を言うと、蓮もイデアも使ったようだ。あれ? と思ったが、イデアは知識にあったので使ってみたら出来たらしい。一応2人を【浄化】しておき、紅茶を出した。
蓮はいつも通りハチミツを入れて飲んでいるが、イデアはよく分からないらしいので最初にストレートで飲ませた。あらビックリ、渋味に耐えられなかったらしい。つまり味覚は子供と同じ……と
ハチミツを入れて飲めば大丈夫だと、横から蓮が教えている。言われた通りハチミツを掬って入れて溶かしていく。随分長くスプーンを回していたが、どうやら全部溶けるまで回していたようだ。
溶けた後、意を決して飲んだら普通に飲めたらしく、美味しいと言っている。それは良いんだが、一気に飲んでまた入れているぞ? そしてハチミツを……って、ハチミツが目当てなだけかい。まあ、いいけどさ。
蓮が小さじ一杯で、イデアが大さじ一杯ぐらいだ。そこまで大量に使っている訳でもないし、まだまだ樽単位で余ってるから問題は無い。それよりも、そろそろ皆が起きそうだな……っと、丁度起きたらしい。
「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」 「………」 「おはよう!」 「おはようございます」
「紅茶を飲んでたのかい? アタシは神水を頼むよ。それで、今日はどうするんだい? ダンジョンの攻略は昨日で済んだけど、この後の事は話して無かったろ? このまま別のダンジョンに行くかい? それとも……」
「コーレン樹海国ですね? 言った事の無い国ですし、警戒しながら行ってみるか、それとも今回も止めておくか……。イデアも居ますし、無理に危険の可能性に飛び込む必要も無いと思いますけど」
「今日は休みにしてイデアに色々教えなきゃけいけないんだ……っと、忘れてた。イデア、これを飲んでおいてくれ。君には必要な物だが、リクを含めた3人には伝えないようにしてくれ」
「あー。それ、れんも飲んだおくすりだ。美味しくなかったけど、のんだほうがいいよ」
「薬ですか……分かりました、頂きます」
「薬なんて言って飲ませたの? ……今さら言ってもしょうがないわね。それは神血。神様の血と言われる物だけど、本当に神様の血という訳じゃないの。でもね、その人の才能を全て開花させるという、とんでもない飲み物なのよ」
「………」 「かみさま?」
蓮はどうやら分からなかったようだが、イデアは理解できたらしく固まっている。まあ、意味が理解できたら唖然とするわな。もう飲んだ後だから意味は無いし、甘んじて効果を受けなさい。
部屋を片付けた後、食堂に行き大銅貨13枚を支払って朝食を注文する。席に座って待っていると、冒険者が入ってきて大声で話し始めた。蓮とイデアは五月蝿そうにしているな。気持ちは分かる。
「……ふぅ~っ! 今日も朝からダンジョンだい♪ っとな。それよりも聞いたか? 侯爵家のボンボンが家を追放されたって話。オレは聞いた時に大笑いしちまったぜ!」
「知ってるよ。何でも王女様を侮辱したってんで、近衛騎士団は大騒ぎになったらしいな。侯爵家のボンボンは魔法兵隊の隊長だったらしいけど、侯爵家の後ろ盾を利用して隊長の地位を得たんだってさ」
「おう! 何でも子爵とか男爵とかの取り巻きも居たそうだな。次男だったそうだけど、貴族の次男なんて直ぐに切り捨てられるって知らないのかね? そこまでバカだから切り捨てられるんだろうけどよ」
「違いねえ。何でもそのボンボン、王都のとある店に売られたらしいぜ? 昨日運良く初物を味見した奴が居てな、そいつが自慢気に語ってたんだよ。くそ~っ! オレも行ってりゃ良かったぜ!!」
「お……お、おう。そっか………」
話を始めた側が、最後にドン引きするって珍しい会話だな。聞きたくないから、もう聞かないけどさ。それにしても侯爵家のバカは、これで俺達に関わってくる事も無いだろう。それが分かっただけでも、聞いておいて良かったと思おう。
朝食後、部屋に戻ってイデアに教えていく。まずは字の練習だが、頭に知識があっても実際に書くのとは違うので頑張ってくれ。蓮も横で書き取りをしているが、それを見て対抗心がちょっと出たらしい。良い傾向だ。
知識があるだけに感情の揺れ幅が少ない印象を受けたが、こういう部分から少しずつ自分を出せばいい。それを続けて行くと、やがて本物のイディアルマとなるだろう。偽者という事ではないが、創られた者だからなぁ。
今は色々な経験をするべきだし、そうやっていけば生まれた者との差は無くなるだろう。それにしても、元々知識があるからか簡単に覚えていくなー。とはいえ、蓮よりも汚いのが納得出来ないのか削って書き直してる。
イデアは意外に負けず嫌いなようだ。
▽▽▽▽▽
1314終了時点
大白金貨61枚
白金貨330枚
大金貨1183枚
金貨1305枚
大銀貨1355枚
銀貨1708枚
大銅貨2160枚
銅貨50枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




