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1312




 蓮がダリアにブラシを掛けているのを見ていると、皆が起きてきた。朝の挨拶をした後、部屋を片付けて食堂に移動する。大銅貨12枚を支払い朝食を頼み、直ぐに運ばれてきたのでさっさと食べた。


 朝食後、ダンジョン街へと進み、迷宮紋からダンジョンへと入る。中の構造は変化していなかったので、木像に乗って一気に進み17層までやってきたが……。あからさまに呪いと邪気を感じるので、間違いなく黒い奴が居る。


 俺は皆にそれを伝えると、皆は戦う決断をした。俺と蓮は後ろで見ている事にするが、万が一の時は助けに入る準備をしておかないといけない。転移紋は北東だが、黒いのは南西に居るのでそちらへと進む。


 遠目に見えるまで接近すると、1メートルの球体を想像すると分かりやすい、でっぷりとした黒い蛙がそこに居た。おぞましい呪いを感じるが、皆は気合いを入れて戦闘を開始する。


 メルとエリアとリューが前に出て盾を使い、相手の長い舌を弾き流していく。その隙に、シュラとアルメアが【神聖八重浄化】を使って弱らせつつ、ダナとディルとフォルも【聖浄】を使っていく。


 武器で攻撃されるよりも、浄化魔法の方が大きなダメージを受けるのだろう、移動しようとするが前衛3人に阻まれている。そうこうしていると、メルが弾いた舌をリューが神銀の剣で切り落とした。


 舌が地面に落ちてビチビチ跳ねているが、黒い蛙は何の痛痒も感じていないようだ。とはいえ舌が飛んでこなくなったので、楽になっただろう。問題は修復される可能性が高い事だ。舌は無いという思い込みは危険だぞ。


 前衛3人が守備、残りのメンバーが浄化魔法を使うという形で少しずつ弱らせていく。最後に全員で浄化魔法を使って止めを刺したら、無事に倒せたようだ。所要時間は30分というところか。



 「皆、お疲れさん。時間は掛かったが、皆で倒す事は出来たな。とはいえ時間が掛かり過ぎていると思う。後、2人か3人は【聖浄四重浄化】が使える者が欲しいな。でないと、ズルズルと時間だけが掛かる」


 「やっぱりそうかい。アタシ達も浄化魔法の練習をした方がいいね。ある程度は使える様にならないと、焦って妙な失敗をしかねない。ヒリつく戦いというのは、本来良くない事だからさ」


 「そうだね。戦いというものは余裕をもって勝利する事が望ましい。とはいえ、そう簡単な事ではないけれど。でも、それを目指さないと危険な事に変わりは無いか。私もシュライアも使い熟す練習をしないとね」


 「そうですが、【神聖八重浄化】を使い熟すのは簡単ではありません。流石はかつての最高峰と言うしかありませんが、今は”アレ”がありますからね……」



 とにかく沼地の地形では休めないし、ダラダラしていてもしょうがない。疲れているだろう皆を連れて転移紋の近くまで移動する。沼地といえども転移紋近くは普通の地面なので、そこで休むついでに早い昼食にする。


 皆も体力的に疲れたと言うよりは、精神的に疲れたんだろう。呪いと対峙しなければならず、それだけで神経の磨り減る戦いだ。更には呪いを受けないようにしつつ、相手を根気強く浄化しなきゃいけない。


 俺は土鍋で御飯を炊きつつ、シルバーチキンを竜の脂で揚げている。その横では蓮に、乾燥椎茸の粉末を使った大根と人参の味噌汁を作ってもらう。久しぶりの料理に蓮は楽しそうだ。そして足元では誰かさんが甘えてきている。


 いつも言う事だが、甘えたり急かしたりしても早くはならないぞ。そう言っているにも関わらず、「早くしろ!」と言わんばかりに鳴くだけだ。本当に人の話を聞かないな。今日はいつもより早いっていうのに。


 出来上がったので土で作ったテーブルに並べていき、椅子に座って食事を始めよう。いただきます。



 「今日は昼食が早いけど、むしろありがたいよ。正直言って、1体だけでも猛烈に疲れる相手だからね。特に精神的にクるんだよ。おぞましさに耐えながら戦うのは、普通の魔物相手とは全く違う種類の辛さだし」


 「仕方がありませんよ。アレらは多分ですが、私達が浄化するしかありませんからね。今回の蛙は何も落としませんでしたから、そこまで強くない相手なんでしょう。それでも私達では大変ですが」


 「そもそも【聖浄】ではあまり浄化出来てなかったみたいだし、やはり主様の仰られる通り【聖浄四重浄化】が最低ラインだね。そこまでは使えるようになるしかない」


 「簡単ではないが、その辺りまで使えないと足手纏いなだけか。あそこまでの強さと呪いを持っていると、半端な力では対抗も難しいな。何とか練習をして使えるようになっておこう」


 「そうだね。あたしも初級を使い熟す事ばかりしていて、中級なんて手を出して無かったよ。流石に呪いのヤツ相手だと、中級や上級じゃないと威力不足になるんだね。それが知れただけでも良かったかな?」



 皆も色々思うところはあるらしいけど、そうやって自分達のスタイルを作っていくんだから、今回の事はプラスに働くだろう。なおフォルとリューは疲れていて会話に混ざらず、メルと蓮はいつも通りだ。


 ちょっと早い昼食後、呪い持ちが出てきたら俺が対処する事で決まり、転移紋から18層へと進む。19、20、そして21層へと進んで行き、21層は夜の平原だった。あからさまに上空に反応があるので、明かりは点けずに進んでいこう。


 蓮にもその事を注意しておき、試しに遠くに【光球】を使う。すると、ドドドドドッ! という音と共に槍鳥が降ってきた。それを見た蓮は、明かりを点けてはいけない意味を完璧に理解したようだ。まあ、見れば分かるか……。


 俺が背負う形で進んでいるので特に遅れたりなどはしない。蓮には【暗視】の使い方なんかを教えているのだが、直ぐに使える様になるのはいつもの事だと諦めよう。もちろん使えるだけなので下手ではあるのだが、直ぐに使えるという時点で十分凄い。


 21層は北西だろうと当たりを付けて移動していたが、どうやら予想は当たっていたみたいだ。西に移動していたんだが、北西に転移門を発見した。素早く転移紋に移動し、22層へと進む。


 22~24層を突破し25層へと進むと、そこは夜の砂漠だった。面倒な地形が続くが仕方ない。次はおそらく南西だろうが、まずは南へ進もう。蠍系の魔物やミミズ系の魔物が出るが無視して移動して行くと、南西に転移紋を発見した。


 25~28層を順調に突破し29層への転移紋に乗る。29層は夜の氷原だった。どうしてこうも厄介な地形が続くんだろうか? しかもこのままだと30層を超えるぞ。もはや進むしかないので、気合いと根性で南東へと進んで行く。


 呪い持ちは出ないが、代わりに面倒な地形とか……厭らしいダンジョンだな。前はこうじゃなかったぞ。そんな思いを持ちながら29~32層を突破した。もう最後だろうと思い33層への転移紋に乗る。


 光が止まずとも分かる、周囲一面が真っ白だ。まるで久しぶりに神界に戻ってきたかのような錯覚を覚えるが違う。目の前の遠くの方には、真っ黒なオーラを持つナニカが見える。


 俺は即座に蓮をダナに預け、身体強化を使って一気に接近し【浄化】の権能を使う。そこに居る人型のナニカは信じられない速さで移動し、【浄化】の権能をかわした。これ……マズイぞ。


 俺は【瞬閃】で接近し【神聖世界】を使うと、少しだけだが呪いが削れた感じがした。【神聖世界】で少しとか、完全にバケモノじゃないか! 呪神に文句を言いたくなるが、そんな暇は無い。コイツを釘付けにしておかないと、間違いなく皆が殺される。


 その後も錫杖を使用しつつ、【神聖世界】を連発して少しずつ相手の呪いを削っていく。正直に言ってシャレにならない持久戦だ。正しくは、俺でさえ持久戦をせざるを得ない相手というのが、あきらかにおかしい。下界に存在してはいけないレベルだぞ。


 必死に呪いを削りながら、皆の方へと行こうとするコイツを邪魔している。やる事が多過ぎて大変だが、そんな事は言っていられない。皆を、俺の女達を殺させる訳にはいかないし、そんな奴の存在を許しはしない。ここで滅ぼす。


 【神聖世界】を受けると一瞬止まるのを利用し、止まった直後に【浄化】の権能を全力で使う。呪いが大きく削られたからだろう、慌てたような反応をした。直ぐに高速で移動するが、再び【神聖世界】と権能のコンボを喰らわせ一気に弱体化させる。


 その後は動けなくなった黒い人型に、【集中】からの【浄化】を喰らわせて完全浄化を果たした。その場に座り込んでしまったが、何とか無事に全員が生き残る事が出来たか。


 ここまでの奴が居るっておかしいぞ。ついでに言うと、目の前には倒れている男の子が居るんだが……。



 ▽▽▽▽▽


 1312終了時点


 大白金貨61枚

 白金貨330枚

 大金貨1183枚

 金貨1305枚

 大銀貨1355枚

 銀貨1708枚

 大銅貨2186枚

 銅貨50枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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