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1311




 バカは肩で息を吐いていて魔法は止まったが、ウチの女性陣がキレかけている事に変わりは無い。正直に言って、このバカよりもキレかけている女性陣をどうするかの方に頭を悩ませている。宥めるにしても大変だぞ。


 そう思っていると、バカは何を考えたのか急に笑い始めた。壊れたか?。



 「ハッハッハッ。不老長寿と聞いているからな、どうやら我々の知らない強力な魔道具を持っているらしい。それで私の魔法を打ち消しているようだが、所詮は出来ても初級魔法ぐらいであろう。私の実力はそんなに低くはないぞ!」



 バカは強力な魔法なら大丈夫とでも思ったのだろう、中級魔法の【疾風弾】に切り替えて使ってきた。使ってきたが、結局同じ魔法と魔力で相殺できる。あっさりと相殺されてしまい唖然としているバカは放っておいて、俺は第3部隊の指導をしていく。


 正直に言って実力が低すぎる。上のランクの魔法を使おうと努力してきたのだろうが、基本を疎かにしている所為でポンコツでしかない。使い熟せない中級や上級よりも、初級魔法を使い熟した方が優秀なのは当たり前だ。


 ただ、こういう見た目や面目を気にする奴は、とにかく上のランクが使える事を誇るんだろう。そんな事を考えながら相殺していると、バカが突然倒れた。何かと思ったら、魔力枯渇を起こしたらしい。バカ過ぎる。



 「おい、そこのバカども。そこの下手クソは魔力枯渇を起こしたらしい。邪魔だから連れて行け。お前らの上司だろ? そんなゴミがあっても迷惑なんでな」


 「ええ。まったくもって仰る通りです。そこの目障りな愚か者を、さっさと連れて行きなさい」


 「「「「「……ハッ!」」」」」



 バカの手下どもは仲間扱いをされた事を嫌がりながらも、魔力枯渇を起こしたバカを連れて何処かへ運んで行った。それはいいんだが、セシルが荒ぶってたと思ったら今度はウチの女性陣が荒ぶりそうだ。


 クソ貴族なんてあんなものなんだし、それは皆だって知ってるだろうに。それに、俺からすれば蓮に魔法を撃たなかっただけ良かったと思うぞ? 俺が1番警戒していたのは、それだからな。俺なら幾らでも対処出来る。



 「まあ、それはそうだろうけどね。でも、それとこれとは別さ。この怒りをどうするべきか……クズは勝手に魔力枯渇で苦しんでいるしね。あの状態のクズをボコっても面白くないし」


 「そうですね。五体満足で元気な状態からボコらないと意味がありません。生まれてきた事を後悔させないと、この腹立ちは治まらないでしょう」


 「「「「「「「「………」」」」」」」」



 うん。第3部隊の連中は関係無いから止めてやろうか。無意識か知らないけど威圧を使ってしまっているからさ。第3部隊の連中が訓練に集中出来ないんだよ。解除して貰えて助かるんだけど……やっぱり無意識で使ってたのか。


 怒りに塗れても何処か冷静で居るべきなんだが、これは理想論でしかないからな。我を忘れると使っていたりするし。人間種は感情がある生き物だから仕方ないね。


 色々あったものの、その後は夕方までに3人合格者が出て終わった。全部で4人合格したのだから十分だろう。セシルに話しても問題なしとの事なので、これで依頼は終わりだな。ガイアルムよりも大分早いが、それはしょうがない。


 こっちは腐っている部隊とはいえ近衛のみ。向こうは元神官とか元傭兵とか居たんで、その分時間が掛かった。後、全員合格するまでやったし。とはいえ近衛になるぐらいの奴等だ、練習を続ければ直ぐに合格水準になるだろう。


 そんな事を話して聞かせ、近衛の本部を立ち去った。最後にバカが現れたが、アレ1度で終わるのか、まだちょっかいを掛けてくるのかは分からないな。少々様子見といったところだが、我慢が出来るタイプには見えなかったけど。


 傭兵ギルドに行き、依頼完了をセシルが宣言してサインしたら、その紙を受け取って提出。依頼完了を認められて、依頼料が支払われる。傭兵ギルドと大した違いは無いが、こういう形に落ち着くのは当然なんだろう。


 食堂に移動し大銅貨12枚を支払って夕食を注文する。席に座って待っていると気になる事が聞こえてきたので、近くの傭兵の話を聞く事にした。



 「ダンジョンの中で異様に強い魔物が現れたらしいけど、お前知ってるか? 何でも真っ黒な蛙だったらしいんだが、舌が物凄い速さで伸びてきて突き刺されたらしい。鎧も体も貫いて即死したそうだ」


 「何だよ、その怖ろしいバケモノは。本当にダンジョンの中に居るのか? また何かを見間違えたっていう勘違いじゃないだろうな? そういう話は多いからなー」


 「さあ? ただ、実際に殺された奴の仲間がそんな話をしてたらしいぞ。それに、真っ黒で怖ろしい蛙を遠くから見たって奴等は他にも居るらしい。だから居るんじゃないかと思う。ただし17層だったらしいけどな」


 「何だ、俺達の実力で見に行ける層じゃないのかよ。だったら本当かどうかなんて分からないし、調べる事もできないだろ。何て言うか、実力も無いのに見たって言ってるだけじゃねえの?」


 「いやー、俺は居ると思うけどな。実際にそこまで行く実力は無いけどさ、妙な魔物がダンジョンで出るようになったって聞くし」


 「それって色違いの奴だろ? 滅茶苦茶強くて黒い奴なんて聞いた事が無いし、適当にホラ吹かれただけだろ」


 「そうなのか……」



 いや、黒くて強いダンジョンモンスターは居るから。ただし17層には出なかったな。しかし俺達が脱出した後に配置されたなら分からないし、調べるのは明日だ。ダンジョン攻略ついでに、黒い奴を【浄化】するか。


 夕食後、さっさと部屋に戻り、さっきの傭兵の話を皆とする。皆も聞こえていたらしく、本当かどうか怪しんでいたそうだ。まあ、17層には普通に行ってたしな。だからこそ、嘘か本当か分からない。


 どのみち明日行って調べれば済むんだから、今気にしても無駄か。皆はバカの所為でストレスが溜まっていたのか酒を飲み始めた。流石に酒飲みに関わる気は無いので、蓮とディルと2匹と一緒に遊ぶ事にする。


 舟を漕ぐ蓮と2匹を布団に入れて【昏睡】を使うと、酒を飲みながら我慢していた皆が一斉に襲い掛かってきた。見極めながらも強めの【極幸】でキメて寝かせると、ようやく一息吐ける。


 思っている以上にストレスが溜まっていたみたいだが、解消するのも大変だよ。危険な技でもあるので見極めが難しいが、失敗はしていない。俺もそれなりには使えるようになっているので、そこの失敗をするほど下手じゃないし。


 部屋と肉体を綺麗に【浄化】したら、<浄化の三道具>を使って王都を綺麗にしておく。ダンジョンの事もあるし、そろそろ寝よう。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界654日目>



 おはようございます。今日はダンジョンアタックの日です。俺達だけで攻略する気なので、リク達は連れて行きません。そもそも里帰りに連れて来ただけだし、リク達だって自力で金は稼げるからな。


 特に手助けしてやらなきゃいけない程でもない。今は十分な強さを持っているんだし、好きに生きていけば良いだけだ。それに生命神の実験的には、そろそろ一人立ちさせた方が良い気もする。


 ずっと俺達が教える意味も無いし、それでは実験の価値も無いだろう。とはいえ、無理にどうこうとも考えてないんだよな。そのうち流れで決まるとは思うが、流れに任せるくらいでいいと思う。


 リク達の人生は、リク達のものだ。自分達で決めて歩いて行けばいい。そんな事を考えながら紅茶を淹れて飲んでいると、蓮が起きて部屋を出た。準備をして待っていると戻ってきたので、浄化魔法の事を聞いて紅茶を出す。


 そろそろ忘れずに使うようになってきたが、聞かないと忘れるかもしれないので聞いた方が良いか。蓮と2人で静かに紅茶を楽しんでいると、2匹が起きてきたので挨拶する。


 2匹の水皿に白湯を入れてやると、飲み始めたのでゆっくりしていよう。いつも通りに首に巻き付いてくるフヨウと、それを見てペシペシ叩いてくるダリア。蓮は面白そうに見てくるので、ブラシとダリアを渡す。


 梳かれている時は、静かなんだよなー。



 ▽▽▽▽▽


 1311終了時点


 大白金貨61枚

 白金貨330枚

 大金貨1183枚

 金貨1305枚

 大銀貨1355枚

 銀貨1708枚

 大銅貨2198枚

 銅貨50枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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