0130
宿の食堂に行き大銅貨14枚を支払って朝食と昼食を購入する。食後、北門から町を出て出発。侯爵領はどんな所なのか、どういう魔物がいるのか、楽しみな事は多い。
北へと進んで行くのだが、王都からノースアルムへの道よりも人が多い気がする。馬車に荷物を載せて運んでいる商人も、北へと向かう傭兵も結構な数が居るようだ。
「王都の周りの町は、他の領との交易を担っている部分があるからね」
「王都に沢山の者が押し掛けてきても、邪魔だし迷惑だろうさ」
「成る程。分散させる為の町なのか」
「そういう形になっていった、というのが正しいでしょうね」
「最初は違っていたけど、色んな事によって自然とそうなった。……そういう事ね」
「その移り変わりを、私達は見てきたからね。この国が建国して300年くらいかな? その前の国が250年くらいか……。時は残酷だと思うよ」
「姉上は、前にあった国の最後の王妃と関係があったんですよ」
「関係って……そういう関係かしら?」
「そういう関係だね。結局彼女は処刑されてしまったんだが、王妃であった以上は仕方がない事さ」
「平民が蜂起して打倒されたんだったかね?」
「そうですね。民衆を煽っていたのは将軍で、その将軍を打倒したのがこの国の建国王です」
「散々気を付けるように助言していたんだけどね、結果的には意味が無かった。私は子供達を逃がすので精一杯だったよ」
「ちなみにですが、二代目の王の正妃が、その子供達の一人です」
「「「えーーーっ!!」」」
「建国王は知っていてね、我等の里まで来て自分の子の妻になってほしいと頭を下げたんだよ。それで、私も許したんだ」
「他の子供達は里の者と結婚したんですよ。里には前の国の、王家の血が入っている訳です」
「へーっ、驚きだね。そんな事があったなんて知らなかったよ。その頃なら里に居た筈なんだけどね」
「ダナは400歳くらいだったかしら? 300年くらい前の事だから、100歳ぐらいの時の事なのね」
「それぐらいなら里に居た筈だよ。でも、知らないね。あの頃は……里の奴等に嫌気が差してた頃か。特に興味が無かったんだろうね」
「まぁ、知らなくても良い事さ」
本当に”人に歴史あり”だな。こんな事は普通の人に聞いたところで、誰も知らないだろう。ここに居るのは歴史の生き証人だし、改めて長く生きてきたんだと思う。
途中で昼休憩を挟んで進んで行くと、夕日が差す頃に村に到着した。村の名前はナームと言うそうだ。村に入り宿を探すと、直ぐに見つかったので部屋をとる。
4人部屋で大銅貨5枚だったのでさっさと支払い確保した。俺達の後ろからも村に来てる人達は居たので、ここでとらないと多分泊まれる部屋が無くなる。
村の酒場に夕食を食べに行くのだが、そのついでに遠隔で浄化していく。宿からも遠隔で浄化すれば、明日の出発時の浄化で完了するだろう。遠隔での浄化も、距離は伸びている。
色んな事が修行になっているので、これからも頑張ろう。夕食で大銅貨7枚を支払い、食後は部屋に戻って浄化を再開する。……よし、出来る範囲は全て終わったな。
浄水を飲みながら遠隔浄化を続けていると、浄水を欲しがったので水筒を渡した。この水筒もそれなりに使ってきたからか、味わいが出てきたな。
水筒の中から神聖な気配がするので、残念ながら売る事は絶対に出来ない。何故かアルメアがやたら感動しているのはスルーしよう。水筒に感動されてもなぁ……。
気付いたら2匹は既に寝ていた。酒は飲んでないが寝るのは早かった様だ。1人ずつ【房中術】で優しく撃沈し、今日も丁寧に4人を浄化する。少しでも病気などの危険度は下げたい。
浄化が終わったので、布団を敷いて寝よう。久しぶりの布団も良いなぁ。今日も1日お疲れ様でした。
<異世界76日目>
おはようございます。今日は更に北へと進み領都に行きます。その領都にダンジョンがあるらしいので、そこを拠点に攻略を進める事になる。浄化していると、2匹が起きた様だ。
「おはよう。ダリア、カエデ」
「ニャー」 「ガゥ」
2匹は昨日と違い、俺の横で体を擦り付けてくる。何が楽しいのか分からないが、ちょっと暑い。適当に相手をしながら2匹を浄化していると、4人が起きて来た。
「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」
「おはよう、皆」 「ニャン」 「ガルッ」
「今日は領都まで行くんだろう?」
「そうだな。出発時に残っている部分を浄化して、そのまま村を出て領都を目指す」
「戦闘ダンジョンか……久々だよ。1人だと行く気にならないからね」
「戦闘ダンジョン?」
「戦闘ダンジョンは、内部に魔物が多いダンジョンの事です」
「ああ。そういえば、侯爵領のダンジョンは戦闘ダンジョンだった。すっかり忘れてたよ」
「私は凄く苦労をした記憶しかないわ。戦闘ダンジョンって本当に大変だもの」
「そんなに魔物が多いのか?」
「捌くのが大変なくらい居る層もあるんだよ。魔物の素材は沢山手に入るから、優秀なダンジョンなんだけどね」
「それも持って帰れたらの話ですけど。多くの傭兵は荷車を牽いてダンジョンに入っていきますよ」
「傭兵達が多く居て簡単に進めるのよ。でも、進み過ぎると強い魔物の層で殺されてしまう。ある意味、とても怖いダンジョンね」
「身の丈に合った層で戦えって事なんだけど、弱い傭兵ほど実力を勘違いするんだよ。それに、戦闘ダンジョンは傭兵にも気を付けないとねぇ」
「ああ。襲ってくるバカどもが多いのか」
「戦闘で疲弊したところを狙ってくるのさ。襲われたら殺したところで文句を言う奴もいない、そんな無法地帯でもあるんだ」
「その辺りは、アルドには問題ないですね」
「全く問題ないね。暗殺組織の奴等を皆殺しにするぐらいだから」
「成る程。それなら全く問題は無いね」
会話もいいが、そろそろ朝食を食べよう。食堂に行って大銅貨14枚を支払い、朝食と昼食を購入する。食後、浄化が終わっていない所を浄化して、そのまま村を出る。
道中、身体強化と感覚強化の訓練をさせながら浄化していく。今までの旅で歩いてきた道とその近くも浄化しているが、この辺りは思っているより邪気が多くないな。
王都周辺が1番多かったが、ルーデル村を含む伯爵領より少ない。誰かが浄化してるんだろうか? それとも人が少ない……いや、そんな事はないだろ、ダンジョンがあるんだし。
「この辺りは定期的に侯爵軍が巡回してるからか、結構綺麗だね」
「成る程。それで綺麗だったのか。南の伯爵領より綺麗だから、不思議に思ってたんだよ」
「伯爵領も王都周辺に比べたら、マシなんだけどね」
「王都周辺と比べると、どこでも綺麗でしょう」
「人が多いと、その分だけ汚れが澱むから仕方ないわ」
それでも俺が浄化したから、かなりマシにはなったんだよ。王都の一部は汚物レベルで汚れてたからさ。アレでよく住民が邪生にならなかったもんだ。
途中で昼食をとりながら先へと進んで行く。すると、夕方前には領都の門が見えてきた。結構な高さの石壁……高さは8メートルぐらいか? 立派な門も含めて、儲かってるんだなぁ。
門番に登録証を見せて領都の中へと入る。まずは宿へ行き部屋を確保しよう。前にアルメアが泊まった宿がまだあるそうなので、その宿に泊まる事にした。
10日間の宿泊を伝え大銀貨1枚を支払い、銀貨2枚と大銅貨10枚を受け取る。まずは街に出てウロウロしながら浄化を進めていく。皆もついてきたので散歩のようなものだ。
宿から遠い所を重点的に浄化していると、既に夕方になっていた。3分の1程しか浄化出来ていないが仕方がない。宿に戻って大銅貨7枚を支払い夕食にする。
アルメアのお薦めだけあって料理が美味しい。満足して部屋に戻り、2匹と遊んでやりながら遠隔浄化を行う。出来る範囲が終わる頃には2匹は眠っていた。
4人は酒も飲まず、俺が用意した浄水を飲みながら待っていた様だ。申し訳ない事をしたので、【房中術】と【至天】で幸せにしておいた。4人を丁寧に浄化し、俺も寝よう。
ベッドに入り目を瞑る。おやすみなさい。
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0130終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨14枚
金貨50枚
大銀貨29枚
銀貨38枚
大銅貨44枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
真っ黒な金砕棒
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ