1307
下らない話は直ぐに終わり、リク達は一旦城に戻るそうだ。昼頃にもう1度来るので、それまでには戻っておいてほしいとの事。まあ、おそらく大丈夫だとは思うけどね。
俺達は食堂を後にし、王都を出てダンジョン街へと移動する。迷宮紋に入って少し進むと、俺はアイテムバッグから木像を取り出した。皆を乗せて直ぐに出発し、一気に沼地の層まで進む。
流石は神木製の木像と言える速さで進み、1時間半ほどで辿り着いた。それから全員でサーサを回収し、20層まで回収し終わったら脱出する。昼前どころか、遥かに早く終わったな。その分疲れたけど。
王都の宿に戻って少しゆっくりする事にした。流石に木像を使えば早いものの、それだけ集中力も必要になるし大変だ。慣れてくれば大丈夫だとは思うが、今日は初めてで急いだからな。皆も少し疲れている。
昼までゆっくり休み、昼食を食べに行こうと宿を出ると、丁度リク達が来るところだった。3人と合流して食堂へと入り、大銅貨12枚を支払って昼食を食べる。リク達も食事をしているが、アベリアはどうした?。
「あの子なら城に居ますよ? お母様がやたらに気に入られたので、今はお母様の部屋に居るのではないでしょうか? あの子って綺麗好きなので、ちょこちょこ浄化魔法を使うんですけど、それが気に入った理由みたいです」
「それはそれで、どうなんだ? 自分で魔法を使うか、下の者に使わせれば済むだろうに。何でアベリアにやらせるんだよ。そんな事してるから、いつまで経っても上達しないんじゃないか?」
「それを仰られても困りますが、どちらかと言えばペットなうえで綺麗好きだからではありませんか? 後、アベリアは静かな事もあると思います。暴れたり、吠えたり、唸ったりしないので……」
「ああ、それはな。人間種と同じぐらいの知能はあるんだ。獣みたいな行動はしないし、そもそも白い魔物だしな。白い魔物って浄化魔法が得意だったり、浄化系の能力持ちだったりするからなー」
「「「へ~………」」」
まあ、アベリアが嫌がってないなら問題ないか。それに、アベリアって妙に大物なんだよな。子供に触られても気にしてないし。だから心配する必要も多分無いだろう。
昼食後、リク達に連れられて近衛の建物へと移動していく。どうやら近衛の訓練場で教えるようだが、魔法兵の実力次第では時間が掛かるだろうなぁ。それに近衛自体がエリートだから、まずは鼻っ柱を折るところからか。
だから面倒臭いし嫌いなんだよ。いちいち俺がそこまでしてやる義理が無いし、そんな仕事を請けなきゃいけないほど金に困ってない。更には、成り上がりたいなんて野心は欠片も無い。面倒なだけだ。
それでも請ける理由は1つ。リク達には本当の事を言ってないが、下界の浄化を進ませる為だ。俺の神命である、下界の浄化に関わる仕事だから請ける。というか、請けざるを得ない。神様連中に何を言われるか分からないからな。
冒険者ギルドに行き仕事を請けたら、その足で近衛の本部へと移動する。到着した近衛の訓練場では、早速やる気の無さそうな魔法兵どもが居た。セシルが注意しているものの、態度を改めるものは殆どいない。
「貴方達! 不老長寿の方々がお教え下さるというのに、その態度は何ですか!」
「まあまあ、いいじゃないか。俺は言ったよな、やる気の無い奴は見捨てると。ここにやる気のある奴は、どう見ても居ない。つまり、これで仕事は終わりだ。王と姫の顔に泥を塗った奴等の末路が楽しみだな」
俺がそう言うと、ようやく自分達のやった事を理解したのか慌て始めたが、俺達の知ったことではない。踵を返して近衛の訓練場を去ろうとすると、魔法兵から魔法が飛んできた。どうやら怒ったらしいが、随分稚拙な魔法だな。
訓練場だからか飛んできた魔法は【土弾】や【風弾】だったが、俺はそれを【風砲】で吹き飛ばす。その後、近衛の魔法兵全員を【風砲】と【土砲】でボコボコにしていく。この2つの魔法は中級に分類されるからか、俺でも同時16個が限界だな。
もう少し上手く使えないものかと思いながら練習していると、起き上がれる奴が誰もいなくなっていた。
「随分弱い連中だな。この程度で俺に手を出してくるとか、あまりにも馬鹿すぎる。こいつらは本当に近衛の魔法兵か? 冒険者でも、もうちょっと頑張るぞ。近衛の実態は唯のザコ集団か」
「本当にねぇ。王と王女の顔に泥を塗るわ、相手の実力も分からず喧嘩を売るわ。サンズ王国ってこんなもんなのかい? 何と言うか、小さい国だね」
「おやおや。怒っている気配がしますが、貴方達に怒る権利などありませんよ。近衛がその程度という恥を晒しておいて、まだ怒る権利があると思っているのですか? その程度の分際で?」
「実力も無ければ、頭も悪いのね。そんなだから大恥を晒すんでしょうに、未だに自分達は悪くないとでも思っているのかしら? だとすると、本当に近衛を解雇されるわね。まあ、どうでもいいけれど」
「近衛というのは、その国を代表するエリートだ。つまり無様に地に塗れるような者ではないし、礼儀も無い蛮族ではない。気に入らなければ攻撃するという時点で、エリートではない唯の蛮族なんだよ」
【念話】で馬鹿どもをネチネチ口撃してくれとは頼んだが、皆は一切の容赦が無いな。とはいえ、王と王女の顔に泥を塗っているのは間違い無いので、その1点だけでもかなりマズい。こいつらの立場は今、急激に悪くなった。
そこら辺で凹ませれば言う事を聞くだろうが、セシルが圧のある笑顔でいるのが微妙に怖い。どうやらここに居る60名ほどが、俺1人に何も出来ずにボコられた事に怒っているらしい。
まあ、実力不足に怒る気持ちはよく分かる。こんな役立たずどもに高い給料を払ってたなら怒って当然だ。そんな事を言うと、ようやく解雇されるという現実を正しく認識したのか、慌てて謝罪を始めた。
それを見ながら、幾らなんでも実力が低すぎるのを不思議に思っていると、ヴェスタが魔法兵の第3部隊だと教えてくれた。ようは1番実力の低い部隊で、その実力から腐っていた連中だったらしい。
そういう奴等を底上げしてほしいという気持ちは分かるが、お荷物を不老長寿に放り投げる意味を理解してるのか? そう言うとヴェスタは目を逸らした。リク達に決定権は無いだろうし、仕方がないな。
王か王太子か、はたまた宰相か。誰かは知らないが、面倒な事を押し付けやがって……。これが浄化に繋がらないなら、問答無用で首を落としているところだぞ。その思いは腹の中に仕舞っておき、どうするのかを聞く。
このまま見捨てて終わりか、こいつらを鍛えるのか。セシルは鍛えてほしそうだが、やる気の無い奴は上達しない。そう言うと考え込み始めた。考えていたものの、平身低頭に謝罪する奴等に溜息を吐きながら、俺に再度頼んでくる。
なので、コレが最後の1回だと言っておく。次にやる気の無い奴が出たり、指導を聞かない奴が出た時点で連帯責任とし、全員の指導を終了する。それを宣言しておいた。既に失敗しており、本当ならもう終わりなんだからな。
チャンスをやるだけ、ありがたいと思え。そう言って訓練を開始する。ダナ達には見張っていてもらい、蓮は横で訓練をしている。久しぶりに体が動かせるので楽しそうだ。
下手なら下手で構わないが、やる気の無い奴が出た時点で終わる。その事は改めて言い、魔力を感じるところから始めていく。いつも通りではあるが、基本や基礎を疎かにして良い事など何も無い。
まずは基本の基礎から始め、指導を進めていこう。魔力を感じる事が出来るようになったら、次は魔力を動かしていく。そもそも自分の体の中にあるものを把握するのは、基本中の基本だ。近接戦闘でさえ、自分の肉体を把握して戦うんだからな。
近衛に選ばれるくらいだから、そこまでセンスの悪い奴は居ないようで何よりだ。
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1307終了時点
大白金貨61枚
白金貨330枚
大金貨1183枚
金貨1305枚
大銀貨1355枚
銀貨1708枚
大銅貨2318枚
銅貨50枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




