1305
「ワシ等が来たのは結果をお教えする為ですな。彼の者が全て吐きましたが、どうやら弟と父親の仇だと思うておるらしく、それで此度の事を行ったようです。探しても見つからぬ為、何者かに殺されたのであろうと」
「その可能性は極めて高いだろうが、死体が出てこぬ以上はどうなったのかも分からん。分からぬ以上は捕縛する事は出来ん」
「私達としては不老長寿の方々と争う気も無く、伯爵家を取り潰すという事だけです。どのみち暗殺者を嗾けた証拠はここにありますし、何処かの暗殺組織は誰かさんが壊滅させてしまいましたしね」
「姫様、それはもしや……。いえ、何でもありませぬ。まさか、件の暗殺組織が既に壊滅しておるとは思いませぬでしたが、それならばそれで楽になっただけですな」
「ええ、そうでしょう。町ぐるみで暗殺組織の支配下にあったらしく、私達の泊まっている部屋にも侵入しようとしていた様です。根こそぎ潰され、兵士の中に入りこんでいた者も皆殺しにされたようですが」
「「………」」
そんなに驚く事かね? 起きたてなので紅茶を淹れていたんだが、早速横で蓮が待っている。ハチミツの小瓶とスプーンを出してやり、コップに紅茶を入れて出した。俺も自分のコップに入れて飲むが、皆は自分で入れてくれ。
「まあ、アタシ達にとったらいつもの事さ。前にも言ってやったけど、朝起きたら暗殺組織が壊滅していたなんて事は普通にあるんだよ。そして、アルドに喧嘩を売るのが悪いのさ。それで終わる事でしかない」
「本当にそうですよね。アイテムバッグなどをチラつかせれば、馬鹿みたいに襲ってきて返り討ちに遭い。殲滅された挙句、根こそぎ全てを奪われる。たとえ餌をチラつかされても、襲ってくる方が悪いのですよ」
「滅茶苦茶だと思うかもしれないけど、唯の事実さ。そもそも普通に生きている者は、他者の物を奪おうなんてしないよ? 襲っている時点で犯罪者でしかないんだ。容赦をする必要は何処にも無い」
「「………」」
色々言いたい事はあるのかもしれないが、飲み込んだうえで爺さんと筋肉男は帰って行った。リク達も少し話した後で帰って行く。今日は城に泊まるので、自分達の事は気にしないでほしいとの事だった。
リクが緊張していたので話を聞くと、今まで教えられてきたマナーの発表の場らしく、それで緊張しているらしい。というか、マナーなんて教えられていたのか。お前さんも大変だな。そんな話を3人とした。
ウダウダと下らない話を続けていたら夕方になっていたので、皆を連れて食堂に行き大銅貨12枚を支払って夕食を注文する。それなりに待たされたものの、出てきたので早速食べる事にした。
夕食後、宿の部屋に戻りゆっくりしていると、明日の予定を聞いてきたのでダンジョンに行く事を言う。蓮に関しては俺が守ってやれば済むので、そこまで問題にはならないだろう。
王都近くのダンジョンが素材ダンジョンだったか戦闘ダンジョンだったかは忘れたが、どちらにしても十分に守れる筈だ。どのみち下界の浄化を考えるならば、ダンジョンに連れて行く事は避けられない。
話題の本人は絵を描いて遊んでいるので、そのまま放っておくけども。なのでサーサを探すついででもあるし、攻略してしまおうと思っている。そんな話をしていた。
蓮が舟を漕いでいるので布団に入れ、左右に2匹が入ったら【昏睡】を使って寝かせる。襲ってきた女性陣もキメて寝かせたら、少しゆっくりとしよう。今日は少し寝たからか、まだ眠たくならない。
<浄化の三道具>を使い邪気の吸引と【浄化】を行うが、驚くほどに汚いな。久しぶりだという事もあるのだろうが、それにしても汚い。ここの神殿も碌なものじゃなさそうだな。自分達の住む所さえ、綺麗にしないとは……。
白湯を飲みながら【探知】で監視するものの、こちらに敵意や悪意を向けている者はいない。なら、そろそろ寝るか。横になって目を瞑っていれば、そのうち寝るだろう。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界649日目>
おはようございます。今日はダンジョンアタックの日です。ただ、サーサが有るか無いかで微妙に予定が変わります。サーサが有るなら炊いて味を確かめて、美味しいなら攻略せずに回収。普通なら攻略という感じだな。
美味しい場合は王都を離れる前日に攻略する事になるだろう。地形が変わったらサーサが出てこなくなる可能性もあるし、地形が変わらないと出てこないかもしれない。とりあえず、確かめてからだな。
朝の日課を終わらせて、紅茶を煮出して飲んでいると蓮が起きたようだ。すぐにトイレに行ったので準備をしておく。戻ってきた蓮に浄化魔法の事を聞くと忘れていたらしい。
使ってから飲み始めたが、ゆっくりとはいえ癖を付けさせないとな。そんな事をボーッと考えながらの静かな時間も、いつかは破られる時が来る。皆が起きたので朝の挨拶をし、紅茶と白湯を渡していく。
飲んで落ち着いたら、部屋を片付けて食堂に移動する。大銅貨12枚を支払って朝食を注文したら、席に座って雑談をしながら待つ。今日の朝は早く出てきたので待たされる事も無く食事をし、終わったら店を出た。
王都の門を出てダンジョンへと行き、迷宮紋から中に入る。1層は昨日と同じく平地で疎らに木が生えているだけだ。人の流れは東なのでさっさと移動し、2層へと進む。ちなみに蓮は俺が背負っている。
実際には背負っているフリをしているだけで、【念動】を使って固定している。2層~4層も平地で東だったので、一気に移動し5層へと進む。5層は山の地形だが、そこまで起伏は激しくない。小山ばかりだ。
ここは北に人が流れているので、北へと移動し転移紋で6層へ。6層~8層は山だったのでパターンはほぼ確定だろう。9層に着くと、そこは荒地だった。そこまで厄介な地形は今のところ無いな。
9層~12層は西だったので、そちらへと進んで突破していく。13層に到達したが、遂に洞窟の地形だ。それでも南だと分かっているだけマシなので進んで行く。悪辣な所もあったが突破して、17層に着いた。
目の前には沼地があり、大量のサーサが生えている。攻略せずともサーサがあったようだ。そして1名、凄く荒ぶっている人物が居る。まあ言わなくとも分かるが、エリアだ。とりあえず早速刈り取っていこう。
皆にも手伝ってもらいながらサーサを収穫していき、邪魔な魔物は始末する。出てくる魔物は鳥系だが、スワロー系とかホーク系なので食べる気にはならない。肉質が美味しくなさそうなので、浄化だけして捨てておく。
この層の全てのサーサを収穫したと思うので、転移紋近くの陸地で遅い昼食にする。メルと蓮が土鍋でサーサを炊き、エリアが鍋でサーサを茹でながら、俺はシルバーチキンの唐揚げを作っている。
フォルとシュラにはサラダとマヨネーズを任せ、残りのメンバーにはかす肉と野菜のスープを頼んだ。1番時間の掛かる土鍋の蒸らしと、笊に上げたサーサの蒸らしが終わったので、早速食べよう。いただきます。
「うん! このお米もおいしい! おみせで食べたさーさよりも、こっちのほうがおいしいの!」
「……うーん。私には差は分からないけど、蓮にはハッキリと差が分かるのね。という事は、それぐらいの差はあるのかしら?」
「あるよ。あたしは長くサーサを食べてきたからね、よく分かる。ダンジョンのサーサの方が遥かに美味しいよ。別格だね!」
「そこまでですか……まあ、エリアと蓮が言うなら間違いでは無いのでしょうし、ここで根こそぎ収穫していきますか?」
「そうだな。炊いても美味しいし、笊で蒸しても美味しい。ガイアルムでは米の作付け自体が始まったばっかりだし、向こうの主食は小麦だからな。出来る限り収穫していくか。冷やして収納しておけば数年保つんだし」
「そうと決まれば、アルドが言ってた通りギリギリまで収穫を続けようか。ここの王都を離れる前日に攻略して終わりだね。それまでは収穫か……」
ここで採らないと、また米が足りないって言わなきゃならなくなるからさ。しょうがないね。
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1305終了時点
大白金貨61枚
白金貨330枚
大金貨1183枚
金貨1305枚
大銀貨1355枚
銀貨1708枚
大銅貨2354枚
銅貨50枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




