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 <異世界641日目>



 新年明けましておめでとうございます。今日は風の季節1日目であり、1年で最初の日です。念入りに朝の【浄化】を行い、皆を綺麗にしたら食堂へと下りる。紅茶を淹れながらボーッとしていると煮出せたようだ。


 コップに入れて飲みながら食堂を綺麗に【浄化】していると、厨房に旦那さんが入ってきた。今日はいつもより少し遅いが、新年の始まりの日ならこんなものだろう。十分に早い。


 そのままボーッとし続けていると、女将さんが来たので挨拶をする。紅茶は妊娠中の女性に良いのか悪いのか分からなかったので、神水の白湯を出しておく。残念な顔をされたが、諦めてほしい。


 今までは言わなかったが、それは良いか悪いか分からなかったからだ。妊娠を自覚したのなら気をつけてもらいたいし、分からない事は止めておいた方がいい。そんな話を女将さんとする。


 蓮が起きてきてトイレに行ったので、いつも通りに準備していると、女将さんは蓮を見ながら「次は女の子がいいねー」と言っている。まあ息子さんが既に居るし、厨房を継ぐのは確実だろうからなぁ。


 蓮が戻ってきたので紅茶を出してやると、ハチミツを自分で入れて飲んでいる。微笑ましい光景なのか、女将さんも笑顔だ。胎教としては良いのかね? まあ、ストレスを感じてないなら良いんだろう。


 そろそろ準備を開始するかと思い、鍋に神水と灰を入れて掻き混ぜる。その灰入りの水を【念動】で持ち上げ、瓶に少しの神水と炭酸カリウムを【抽出】する。


 次に小麦の殻やふすまを【分離】し胚乳だけにしたら、細かく何度も【粉砕】して綺麗な小麦粉にする。小麦粉と神水と炭酸カリウムで練っていき、麺の生地を完成させたら休ませておく。


 スープの方は後でするので、今は麺の生地を量産していこう。十分に作り終えたので、一旦アイテムバッグに収納して休憩する事にした。まだまだ女性陣も起きてきてないし。



 「さっきのはなんだい? 何かの生地のような感じだったけど、灰を水に入れておかしな事をしてたね。そもそも灰を入れた水を料理に使うのもよく分からないんだけどさ」



 俺は炭酸カリウムの説明と、小麦に混ぜると多少は柔らかいパンになると聞いた事があると伝えた。ただし灰を入れて1晩放置し、次の日に上澄みを掬うと含まれているというアバウトな説明だが。


 そんな事をしていると皆が起きてきたので朝の挨拶をし、寸胴鍋を取り出してスープの用意をする。まずは神水を入れ、シルバーチキンの骨から旨味を【抽出】していく。その横で鍋を使い金牙の角煮を作っておこう。


 骨から十分な旨味が出せたら、次は野菜を入れて旨味を【抽出】する。それが終わると【加熱】していき、スープ全体に味を馴染ませていく。やはり加熱しないと全体に行き渡らないんだよな。


 十分に馴染んだら、アイテムバッグから生地を取り出して麺状にしていく。それを神水を入れた鍋で茹でながら、大きな椀に竜の脂と魚醤とスープを入れてよく混ぜる。


 茹で上がった麺を入れ、ネギと蒲鉾と薄く切った角煮を乗せれば完成だ。次々に作っていき、どんどんと食べさせていく。蓮は手伝いたかったみたいだが、すまないな。


 途中で起きてきた連中の分も作る羽目になり、結局2度目のスープ作りまでしてやっと終わった。リク達だけの筈なのに、何でアルエル達や王女組に女将さん達の分まで作る事になったんだ?。


 まあ、いいや。自分の分をさっさと食べよう。いただきます。



 「らーめんってね、つるつるしてておいしいの。でね、つるつるに濃いすーぷがついてて、それが合わさるともっとおいしいの!」


 「ん~……麺自体の味が美味しいって事かしら? 蓮にとってはスープの美味しさは予想できたって事ね。まあ、あれだけアルドの料理を食べてきていたら、予想ぐらいできるようになるのかしら?」


 「相変わらず味覚が鋭いですけど、それが蓮なのですから、それで良いのでは? それよりも今日のラーメンはちょっと違いましたね。何と言うか、麺が違う感じでしたが……」


 「いつもは勿体ないから、ふすまとかも混ぜるんだけど、今日のは小麦のみだからじゃないか? その辺りを蓮も感じ取ったんだと思う。流石としか言い様が無いが」


 「成る程ね。まあ細かい事なんて放り投げて、あたしは最後までラーメンを楽しもうっと」



 そう言ってエリアはスープを飲み始めた。元の世界だと塩分がどうとか五月蝿い奴が居るが、こんな時代に居たりはしない。皆は満足するまで食べたようだが、相変わらず料理人親子の追及が激しい。


 それでも何とか答え、解放してもらえた。何だか最近追及が厳しくなっている気がするんだが、気の所為だろうか。他の客は俺達には触れもせずに注文してるし、そろそろ戻った方がいいですよ。


 そう言ったので、やっと厨房の方に戻ったな。職人は皆あんなものとはいえ、さすがに勘弁してもらいたいところだ。あくまでも多少の知識がある素人でしかないんだからさ。職人に聞かれてもキッチリ知っている訳じゃないんだよ。


 全て片付けたら俺達は部屋へと戻る。どっと疲れたが、まだ朝なんだよなー。今日は勉強会も無いし部屋でゆっくりとするか。そう思っていると、いつも通りに蓮は文字の練習を始めた。


 エリアも始めたので一緒に見ててやる。そうして過ごしていると昼になったので、食堂に行き大銅貨9枚を支払い昼食を注文すると、席に座って白湯を飲みながら待つ。


 そうしていると革鎧姿の傭兵達が入ってきたので、どうやら新年明けてすぐに狩りに入ったらしい。実入りの低い新人には見えないので、風の季節の調査だろうか? だが雨はまだ降ってないしな。となると、違うか。


 まあ、分からないんで放っとこう。ベテランでも大変な連中はいるだろうし、何かの失敗で金を何処かから借りているのかもしれない。


 昼食後、部屋に戻ったのだが、朝のラーメンで神水が減っていたので川に行く事にした。皆に声を掛けてから宿を出て、村の門番に挨拶したら川沿いを遡って進む。森の拠点を横目に見ながら更に遡り、人目が無い所で水を汲む。


 汲んだ水を神水にして仕舞っていくのだが、残っている樽の水は捨てて新たに水を汲む。相変わらず下流が【浄化】されているが、そこは気にせず水を汲んで神水に変える。


 【探知】と【空間把握】を使っても周囲に人はいないので、【念動】で水を浮かせ神水にし川に捨ててみた。すると、川幅全体の水を【浄化】しながら下流へと流れていく。まあ、予想した通りか。


 何匹か川の水面に顔を出した魚が居たが、再び潜ってしまった。アレは何だったんだろう? よく分からないが、美濃で見た鯰と似たようなものだと思っておく。これ以上余計な事をするのもアレなので、さっさと帰ろう。


 宿の部屋に戻り川でやってきた事を説明すると呆れられたが、単に綺麗に浄化されたので魚が元気になっただけじゃないかと言われた。邪気は吸引してるんだが、それだけじゃない力が神水にはあるからなー……その辺りかね。


 そのままダラダラと夕方までダリア達と遊び、食堂に移動して大銅貨9枚を支払って夕食を注文する。席に座って待っていると直ぐに出てきたので慌しく食べ、食事が終わったらすぐに部屋に戻った。


 新年の最初の日だからか、客がかなり多かったな。年末年始はここで食べるとか、そういう決まりでもあるのかと思った程だ。もちろん他の食堂やらも繁盛しているとは思うが、旦那さんの料理は特に美味いから仕方ないか。


 今日も部屋に戻ってきたら蓮が舟を漕いでいる。なので椅子に座らせておき、布団を敷く。30分ほど座らせて置いたので大丈夫だろうと思い、布団に入れて寝かせる。ダリアとフヨウも入れて【昏睡】を使ったら女性陣の番だ。


 【房中術】と【精気】で満足させたら寝かせ、部屋と体を綺麗に【浄化】する。最後に<浄化の三道具>で周辺を綺麗にしたら、おやすみなさい。



 ▽▽▽▽▽


 1296終了時点


 大白金貨51枚

 白金貨305枚

 大金貨1153枚

 金貨1255枚

 大銀貨1315枚

 銀貨1616枚

 大銅貨1304枚

 銅貨50枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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