1294
<異世界640日目>
おはようございます。今年最後の日が来ました。今年はダナ、シュラ、アルメアが居ませんが、彼女達には立場があるので仕方がありません。さて、朝の日課を済ませて食堂に下りよう。
食堂の椅子に腰掛け、紅茶を淹れて飲む。静かな時間を過ごしていると、蓮と2匹が下りて来たので準備をしておく。戻ってきたので綺麗に【浄化】し、白湯と紅茶を入れてやると飲み始めた。
2匹も居るとはいえ、静かな時間を過ごせている。まあ、誰かさんは首に巻きつき、それを見た誰かさんは足をペシペシ叩いてくるんだが。それを見て蓮は笑っているし、とても静かとは言えないな。
そこに女将さんも追加されたが、深刻な顔で女将さんから確認を頼まれたので、さっさと答えを言っておく。単純に言うと、女将さんは妊娠している。【気配察知】でも分かるレベルなので、順調に成長していると思う。
女将さんは単に太ったのかもしれないと思っていて、微妙に信じきれていなかったようだ。暦が違うし、妊娠何ヶ月かは不明だが、順調に成長していると言って良いと思う。そもそも女将さんの息子さんは15~16歳だった筈。
それぐらい前の事なので、女将さんもあまり覚えていないんだろう。息子さんの後は上手くいかず、子供が出来なかったらしい。そんな事を嬉しそうに話していて、旦那さんも喜んでいる。どうやら厨房は息子さん1人みたいだ。
嬉しいのは分かるんだけど、俺達の朝食は出てくるんだろうか? そう思っていたら、後は息子さん1人でも何とか出来るらしい。”何とか”という部分に嫌な予感はするものの、何も言うまいと黙る事にした。
女性陣も起きて食堂に下りてきたが、女将さんと旦那さんの様子に戸惑っている。俺が説明すると「おめでとう!」と声を掛けていて、2人は嬉しそうだ。【空間把握】で確認した息子さんは、凄く大変そうなんだけど……。
喜んでいる女将さん達には悪いが、大銅貨9枚を支払って朝食を注文しておく。2人は喜び過ぎでアレだが、待っていれば朝食は出てくるだろう。
作り終えた息子さんが朝食を運んでくれたが、「おめでとう」という一言だけで終わった。「喜ぶのを後にして、今は手伝ってくれ」と言わんばかりだったな。気持ちは分かる。徐々に客が入って来て、忙しさが凄い事になってきてるし。
流石にそろそろマズいと思ったのか旦那さんは厨房に戻り、女将さんも食事を運び始めた。大丈夫なのかと思うも、メルはアレぐらい問題ないと言っているので大丈夫なんだろう。
あまり邪魔するのも悪いので、朝食後はすぐに部屋に戻った。昨日と同じく蓮は書き取りをしていて、他の皆は浄化魔法の練習をしている。おかげで部屋は物凄く綺麗だ。
「昼はどうする? 昼食から作ってもいいけど、そうすると何処で食べるか困るんだ。どこか良い場所ってあったっけ? 食堂で食べる訳にはいかないし」
「なら、あの子の家で良いんじゃないかしら? どのみち1人暮らしだし、自分で料理をしなくていいなら喜ぶでしょ。町長だって今日は仕事も無いでしょうしね」
「昼前だから、今から行って説明しておいた方が良いんじゃないか? いきなりだと町長も困るだろうしな」
ディルの一言で、早めに町長の家に行く事になった。町長の家は全く変わっていないので分かりやすく、メルは勝手知ったる我が家と中に入っていく。声を掛けているものの、それと同時に玄関を開けてしまった。
傍若無人な気がするが、どうせ町長が言い負かされて終わる気がする。そう思っていたら、町長は暖炉の前で寝ていた。これは声を掛けても駄目そうだと思うぐらい熟睡している。仕方なく、放っておいて台所を借りる事にした。
魚を3枚に【分離】し、表面を焼く。次に土鍋に神水と魚醤とハチミツなどを入れて混ぜてから麦飯を入れ、最後に表面を焼いた魚を乗せて炊いていく。土鍋はフォルとエリアに任せ、メルと蓮には野菜とかす肉のスープを作ってもらう。
リューにはヘビーブルとキャベツの味噌炒めを作ってもらい、俺は亀肉の唐揚げを作る。流石に五月蝿かったからか町長が起きたが、俺達は騒ぐ町長を無視して料理を仕上げていく。
よし、全て完成! 皆で作った物だから美味しいだろうし、早速食べようか。いただきます。
「せめて、起こしてから始めてくれませんか? 起きたら誰かが家に居るって、思っている以上に怖いんですよ?」
「そんな事よりも、町長が暢気に惰眠を貪っている方が問題だと思うけれど? 文句が言いたいなら、日が出ている間ぐらい起きていなさいな。そうでしょう?」
「まあ、それは……」
結局町長は言い負かされてるなー。そしてピッピは嬉しいのか、フヨウと同じ様にプルプルしながら吸収している。何が琴線に触れているのかは、相変わらずサッパリ分からないが。
「それにしても、美味しいですし贅沢ですね~。まさか海の魚を使った料理が食べられるとは思いませんでした。しかもスープで炊くという事をすれば、味が付けられるなんて」
「別にそれだけじゃないさ。フライパンに水と具材を入れて、米を煮込む料理もある。生米から作るのと、炊きながら作るという違いはあるが、どちらも然程変わらない物だ」
「「「「「「「へ~……」」」」」」」
何故か皆が興味を持っているので多少は話しておく。まあ、後は試行錯誤して町の料理として発展させていけばいい。そもそもこの程度の情報なら、宿の親子に伝えてあるし。その割には出てこないから、納得出来る味には到達してないんだろう。
町長もメルから習った料理くらいしか作らないので、色んな料理を知れて喜んでいる。まあ、薪か炭を大量に使わないと作れない料理もあるので、全部が全部作れるわけではないが。
町長の家で昼食を食べた俺達は、宿の部屋へと戻って魔法の練習と指導を再開する。蓮も魔法の練習をしており、【小浄】も使えるようになったみたいだ。昨日見せた【光球】も覚えたいらしいので、使って見せる。
相変わらずの魔道具の効果か、あっさりとコレも覚えて使ってみせる蓮。それを見て喜ぶメル。それらを見つつ、皆の間違いを指摘して直させる。覚えるのは簡単だが、【光球】の形を変えるにはコツと制御力が必要だ。
その部分は練習するしかないので頑張っている。物事を覚えやすくても、その先となると努力の領域だからなぁ。ここからは誰も変わらない。素早く本質を見抜いて覚えても、使い熟すには練習あるのみだ。
ある意味とても公平だと言えるかもしれないな。蓮が練習しているのを見ながら、そんな事を考えていた。
夕方になったので食堂に行き、厨房を借りて料理をする。基本的に年末最後の日は、食堂などは昼で店を閉めてしまう。当たり前だが家族で過ごす為だ。だからこそ、夕方からは屋台が繁盛する。
俺達は既に火を落とした厨房を借り、年末最後の贅沢料理を作っていく。2つの土鍋で白米を炊き、もう1つでは蛸を入れた混ぜご飯を炊く。コレはメルとエリアに任せた。蓮には亀の肉を入れた鍋を作ってもらい、リューに見てもらっている。
フォルにはサラダとマヨネーズを作ってもらい、俺は大きな竜の肉を塊のまま焼いている。もちろん味付けなどはしているが、出てくる脂の匂いだけで堪らない。超魔鉄の大きな串を作り、それで串刺しにして焼いているのだが、周りの視線が凄まじい。
頼むから自分の料理に集中してくれ。何度もそう声を掛けて正気に戻している。久しぶりの竜の肉だからか、メルでさえも集中が途切れてしまっているぞ。ちゃんと料理をしてくれ!。
ようやく皆も自分の料理に集中してくれたが、やはり竜の肉の破壊力は凄まじい。そんな訳の分からない苦労も乗り越え、やっと全ての料理が終わった。テーブルに自分達の料理を並べるが、何でお前さん達が待ち構えてるんだ?。
悪いがこれは俺達のだ。お前さん達の分は無いぞ? いや、マジで。
▽▽▽▽▽
1294終了時点
大白金貨51枚
白金貨305枚
大金貨1153枚
金貨1255枚
大銀貨1315枚
銀貨1616枚
大銅貨1322枚
銅貨50枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




