表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1290/1948

1289




 追加で作ってやった分をヴェルが美味しそうに食べている。傭兵ギルドの建物内で作っている以上、こうなるのは仕方ない。亀の魔物はそれなりに残っているので、ヴェルの分が減った程度なら大丈夫だ。


 そろそろ年末に食べる物の事も考えておかないといけないが、それは竜の肉などで良いと思っている。年末年始で竜の肉。普通なら十二分に贅沢な事だろうから、それで文句は出ない筈だ。


 昼食の後片付けをし、勉強会を続ける。蓮は訓練場に行って身体強化と体操を行う訳だが、そろそろ好きにしてもいいと思っている。4歳の子としては十分になったので、後は肉体が成長しないと進められない。


 そう説明して、蓮の好きにしていいと言うと絵を描き始めた。最近、絵を描く事をよくしているが楽しいのかね? 本人が楽しいなら別に良いんだが……。っと、それよりも字の練習をさせないと。


 ジャンの弟や妹を含め、何人か字を習いに来ている連中に教えていく。読み書きを1度に教えているから大変だが、その方が覚えやすいだろう。読みと書きを別々に教えてもしょうがないし。


 夕方までみっちり教え、終わったら解散とする。ジャン達は弟と妹を連れて帰って行ったので、俺達も片付けて宿へと帰る。食堂に入り女将さんに大銅貨12枚を支払い夕食を注文したら、席に座りゆっくりと待つ。


 夕食後、部屋に戻ってようやく一息吐く。蓮はダリアとフヨウと遊んでいるみたいだが、女性陣は色々と話している。どうやらどこまで教えるかを話しているらしい。


 確かに、俺達が2季節や1年続けるなんて事は無いからな。何処まで教えるかは考えておかなきゃいけない。まあ、別に俺達でなくとも教えられるし、最初のキッカケとしてならこのまま教えていけばいいだけだ。


 そんな話をしていると、遊びながら眠ってしまったらしい蓮と2匹を布団に入れて【昏睡】を使う。深く眠らせると直ぐに引っ張られたので、皆もキメてさっさと寝かせてしまう。


 <浄化の三道具>で邪気を吸引して【浄化】し、皆を綺麗にしたら、おやすみなさい。



 <異世界634日目>



 おはようございます。今日も勉強会の日ですが、もしかしたらジャンに後を任せる事になるかもしれません。綺麗な字が書けなくても、アルメアが書いた字の見本を渡してやれば講師ぐらい出来るだろうしな。


 朝の日課を終わらせ、食堂に行って紅茶を飲んでいると蓮が起きてきた。戻ってきたので綺麗に【浄化】してやり、一緒に紅茶を飲む。静かな時間を過ごしていたが、女将さんが来たので紅茶を出す。


 大銅貨12枚もついでに渡しておいて、朝食を注文しておいた。その後、すぐに皆が起きてきたので賑やかとなり、静かな時間は終了する。皆と朝の挨拶をし、朝食をゆっくりと待っていると運ばれてきた。


 今日もオーソドックスな朝食なので早かったらしい。そんないつも通りの朝食を終え、部屋を片付けてから傭兵ギルドへと行く。今日もギルドに入って少しすると、屯している傭兵どもは建物を出て行った。


 俺達はテーブルに勉強道具を置いて待っていると、ジャン達や昨日の若手傭兵達がすぐに来たようだ。今日も昨日と同じ様に、字の読み書きを教えていく。古い時代は字が読めないだけで騙されたりすると聞くし、実際そうなんだろう。真剣だ。


 蓮の方は放っておいても問題ない領域なのでいいとして、若手4人とジャンの弟と妹に重点的に教えていく。特に若手4人は既に傭兵だし、ジャンの弟は傭兵志望だからな。あの後、その話がどうなったのかは知らないが。


 若者達に教えていると昼になったので、若手やジャン達は食事に行った。俺は小麦の全粒粉と神水と塩を渡し、饅頭を作っていってもらう。皆で作ったので直ぐに終わり、生地に【熟成】を使ってから成形する。


 鍋と蒸篭を使って蒸すのだが、蒸気は風を操って入り口から抜けるようにしておいた。蓮にチーズの味付けを頼み、終わったタイミングで饅頭も蒸しあがる。さっさと皿に上げ、2個目をセットしてから食べよう。いただきます。



 「のびるのは今日もおいしいね。それに、きょうのすーぷは玉子がはいってるから、やわらかいの」


 「ええ、卵が入ると味がまろやかになるのよね。チーズは相変わらず、味付けしてあるから美味しいわ。どのお酒で伸ばすかによって味も変わりそうだし……ちょっと贅沢だけど、色々試した方がいいのかしら?」



 2人は和気藹々と食べているし、ウチの女性陣は普通に食事をしているんだが、他のメンツが一心不乱に食べているのは何故だ。そこまでの料理じゃないんだが、何処にそうなる要素があったのやら。


 ヴェルはともかく、受付嬢が貪っている姿って見せていいものなのか? ……まあ、俺は見なかった事にしておこう。2個目も蒸し上がったので皿に乗せていく。そちらもチーズを付けたり、スープと一緒に食べたりしている。


 そんなおかしな昼食が終わり、若手やジャン達が帰ってきたので勉強を再開しよう。午後からも文字の読み書きを教えるのだが、昼食中に決まった事をジャンに伝える。それは勉強会をジャンが引き継ぐ事だ。


 いきなり言われてビックリしているが、誰だってビックリするものだから諦めろ。それよりも、今の内に勉強のやり方なども含めて学んでおけ。もちろんだが、綺麗な字を書けるようになるのも忘れないようにな。


 1度に色々言われたからか若干パニックを起こしているが、ミレイアとシャローがフォローしている。ヴェルからの依頼である事と、上のランクに上がりやすくなるボランティア的な依頼だと言う事も合わせて説明すると、理解したようだ。


 1箇所に留まる傭兵には、ある程度の優遇措置がとられる。その1つを利用して、ジャン達のランクを上げやすくしておく。それをダナとヴェルが決めていた。ヴェルは自分の次のギルドマスターにジャンを据えたいらしい。


 家族が町に居る以上は、勝手に辞めたりはしないし出て行ったりもしない。この町に根を下ろしている人物だ。そのうえ、まだ若くて先が長い。そして纏めるだけの強さを持っていて、貴族への対応もミレイアとシャローが居るので可能だ。


 という事で、ジャン以上に都合が良い人物が他に居ないという現実がある。クソ貴族の所為で余計な事になったが、ルーデル町の次代のギルドマスターはジャンでほぼ確定。まあ、色々言いたい事はあると思うが、こういう時は諦めるのが1番だ。


 そう言うとジャンは深い溜息を吐きながら、何とか自分を納得させていた。自分で努力して……と思っていたら、周りから驚くほどのお膳立てをされる。確かに、色々思うところはあるだろうなぁ。まあ、気を取り直して、今は書き取りだ。


 将来のギルドマスターが字が汚いのは駄目だ。だから今の内に頑張れよ。そう言って、午後からの勉強に気合いを入れさせる。


 夕方になったので、テーブルの上を片付けて俺達も帰ろう。宿に入り大銅貨12枚を支払って夕食を注文する。席に座って待っていると、直ぐに出てきたので慌てて食べ始めた。今日は客が多いから、一気に作れる料理みたいだ。


 オーソドックスな料理を食べて部屋に戻り、白湯を飲みながら一息吐く。蓮は帰って来てからも道具を出し、絵を描いて遊んでいる。身近な物を色々描いたりしていて、本人的には楽しいらしい。俺は絵に関して何も言わない事にしている。


 こういう事は肯定も否定もしない方が良い。子供のやりたいようにさせ、見せに来たら褒めるくらいだろうか。余計な事はするべきじゃない。そんな事を元の世界で聞いたので、そうしている。


 アレだ、本人が楽しそうにしているんだから水を差すなって事だ。何を言おうと、楽しそうにしている本人の邪魔でしかない。本人が納得してからでいいんだ、声をかけるのは。


 今は絵に関して色々聞いているが、何を描いたのかサッパリ分からない。蓮は説明してくれているんだが……困った。



 ▽▽▽▽▽


 1289終了時点


 大白金貨51枚

 白金貨305枚

 大金貨1153枚

 金貨1255枚

 大銀貨1315枚

 銀貨1620枚

 大銅貨1475枚

 銅貨50枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ