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町長が持ってきた芋と砂糖は成功だろうと言うと、機嫌良く帰って行った。砂糖に関しては精製するのに限度がある為、今の時点ではどうにもならない。
技術的な限界というヤツだ。【錬金魔法】や【錬成魔法】だと大きく劣化するので、八方塞がりでもある。
俺が教育すれば、砂糖の精製に絞れば出来るようになるだろうが、俺のやるべき事は浄化であって砂糖の精製ではない。【錬金魔法】や【錬成魔法】の普及でもない以上は、俺は浄化を優先しなきゃならないしな。それに面倒臭いのはお断りだ。
女将さんに大銅貨12枚を支払い夕食を注文したら、席に座ってゆっくりと待つ。傭兵が食堂に入ってきて注文を始めたが、本当に宿は繁盛しているなぁ。俺が初めて来た頃とは全然違う。あの頃は商人の客の方が多かったくらいだ。
それが、ここの食事の美味しさを知ったからか、今では傭兵の方が多い。元々知ってた人達は今もやって来てるんだろうし、商人もやって来るとは思うが……。商人って、傭兵が屯する所には近寄らない感じなんだよな。迷惑かけてなきゃいいけど。
夕食を食べていると、王女組がリク達と何かを話しているようだ。聞こうとすれば聞けるが、わざわざ聞いたりはしない。それよりも、あの2組に接点があったんだな。同じ王女ではあるんだが、大森林の向こうだからなぁ。
夕食後、リク達に話しておかないといけない事を思い出したので、近付いて話しておく。
「リク、ヴェスタの事があってすっかり忘れていたが、お前さん達を連れて行くのはダナやシュラにアルメアが帰ってきてからだ。3人は年末年始を魔眼族の里と吸血鬼の里で過ごさなくちゃならない」
「そうなんですね、分かりました。とはいえ、今から年末までで10日ですから、2週か……14日ぐらい先ですか?」
「そうだな。年末年始の前後3日ぐらいは向こうで過ごす事になるだろうから、早くて年明け4日目だが……休みを入れて5日目か6日目だろう。それまではゆっくりしていて構わない」
「何処かに行きますか? それとも町でゆっくりしますか? ダンジョンに行って色々探していましたので、お金はありますし……。無理に狩りをする必要もありません。年末も近いですし、休みましょうか」
「そうですね。魔石も十分稼げていますし、魔道具も使えます。音が漏れる心配はありませんので、好きな事がやっと出来ます! なので休みましょう!」
そう言ってヴェスタは、リクとセシルの腕を引っ張って部屋へと連れて行った。右腕が治って早速かー。色々あって強がってるとか笑い飛ばそうとしているんじゃなくて、アレは間違いなく本気だ。本気でヤりたいだけなんだよな。
俺達もそろそろ部屋に戻るか。そう言って、2階の大部屋へと戻る。部屋に戻ってすぐ、加熱機をセットして起動したら椅子に座って一息吐く。年末の10日前に戻ってきたが、後はゆっくりと出来そうだな。
そんな事を話しながら神水の白湯を飲んでいると、フヨウが首に巻き付いてきた。どうやらダリアが蓮とリバーシをしているらしい。今回は盤外戦術を使われないようにしているらしく、それでフヨウが巻き付いてきたんだろう。
そんな対決をスルーしていると、浄化魔法の練習をしている吸血鬼姉妹が居た。里帰りで使わされる可能性が高いからなー。今の内に練習しておこうって事だろうけど、まあ悪い事じゃないので放っとくか。アドバイスが欲しければ言ってくるだろうし。
……っと、対決はドローらしい。蓮とダリアはどちらも寝てしまったらしく、蓮は頭を盤にぶつけるところだったので【念動】でキャッチした。そのままスライドさせて布団に入れ、ダリアとフヨウも左右に入れる。
【昏睡】を使ったら連れて行かれたので、女性陣もキメて寝かせる。部屋と体を綺麗にしたら、<浄化の三道具>で周辺を【浄化】した。これでようやく寝られるな。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界631日目>
おはようございます。今日はゆっくり休もうと思います。色々忙しかったし、香辛料もタップリ買ってきたから買いに行く必要も無い。他にやらなきゃいけない事も特に無い筈なので、1日ゆっくりと休もう。
朝の日課を終わらせたら食堂に行き、紅茶を淹れて飲む。いつも通り蓮が起きてきたので用意し、戻ってきたので綺麗に【浄化】した。蓮がハチミツを入れて飲んでいるのを見ていたら、女将さんも来たので紅茶を入れて渡す。
皆が起きてきたので朝の挨拶をした後、大銅貨12枚を支払って朝食を注文しておいた。皆と紅茶や神水を飲んでいると、朝食が運ばれてきたので食べよう。今日はオーソドックスな朝食だ。
朝食後、蓮が書き取りを始めたのでエリアとシュラも始める。それを見ていると、それぞれのチームが起きてきた。アルエル達、王女組、リク達は朝食を注文している。遅いとはいえ、狩りに行かないならこれぐらいの時間か。
エリアに色々教えながら書き取りをさせていると、昼になっていたので大銅貨12枚を支払い昼食を頼んでおく。アルエル達と王女組は食堂でダラダラし、リク達は朝食後すぐに部屋に戻った。……ヴェスタは元気だな。
昼食後、今度はギルドの訓練場に行って指導する。シャドーボクシングのような練習をさせつつ、足運びや体重移動などの間違っている箇所を指摘していく。難しいものの、蓮はよく頑張っていると思う。横の大人達は反省するように。
ウチの女性陣もズレていたので、現在修正させている。正しい感覚は常に体に叩き込み続けるしかない。日常の生活で正しい動作を無意識に出来たら1流だ。そこまでは努力で到達出来るんだから頑張ろうな。
周りの3組が唖然としているが、お前さん達だって努力で到達出来るんだぞ? 何度も言うが、適切な行動を適切なタイミングで行うのには才能が要る。咄嗟の判断で正解を選択するのは至難の技だ。才能がある奴は感覚で出来るらしいけど。
俺には無理なんで何とも言えないし、説明する事も出来ない。そういう才能のある奴を見つけて聞くしかないな。もしくは神様に聞くかだが……ま、あの人達が答えてくれるとは思わないけど。
夕方になったので練習を止めて、宿に帰って大銅貨12枚を支払い夕食を注文する。夕食後、部屋に戻った俺達はダラダラと過ごす。蓮は紙とペンで絵を描いて遊んでいるようだ。楽しそうなので放っとこう。
女性陣は酒を飲んで良い気分らしいので、こちらも放っておく。床に胡坐を掻いて座り、ダリアとフヨウと遊んでやる事にした。2匹が眠ったので布団に入れようと思うと、既に蓮は布団で寝ていた。どうやらディルが寝かせてくれたらしい。
女性陣は酒で撃沈しているので手分けして寝かせ、ディルは【房中術】で撃沈して寝かせる。部屋と体を綺麗にしたら、おやすみなさい。
<異世界632日目>
おはようございます。今日もそうですが、年が明けるまでゆっくりしていようと思います。朝の日課を終わらせて食堂に下り、紅茶を淹れてゆっくりと飲む。ボーッとしているものの、誰も起きて来ないので良い時間が続いている。
女性従業員が来たので紅茶を入れ、大銅貨12枚を支払って朝食を注文した。ゆっくりしていると、皆が起きてきたので朝の挨拶をする。席に座り待っていると、直ぐに朝食が運ばれてきた。今日の朝はうどんで始まるようだ。
朝食を食べているとヴェルが来たが、何かまた妙な話を持ってきたんじゃないだろうな?。
「その嫌な顔を止めてもらえませんか? ……実はですね、皆さんが蓮に文字を教えていると聞きまして、それをギルドでもお願いしたいんです。読めるけど書けないとか、読む事も出来ない者はそれなりに居まして……」
「まあ、アタシの時にも居たけどねぇ。アイツ等は文字を覚える気が無いんだよ。何度言っても聞かないから、諦めたのはヴェルだって知ってるだろう?」
「もちろんです。ですが今は水の季節ですし、知りたい者にだけ教えれば良いかと思いまして」
「まあ、それなら良いけどねぇ……」
幾ら神様が文字や言葉を統一したからといって、覚える気が無ければ意味は無いわな。面倒でやる気が出ないんだろう、きっと。
そういえば、何故神様達はこの世界の文字を3種にしたんだろう? 実は<ひらがな>、<カタカナ>、<漢字>のように、この星では3種の文字の混合文章なんだよ。俺にとっては慣れたものだが、これはこれでハードルが高い気がするけどな。
俺が気にする事じゃないけどさ。
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1286終了時点
大白金貨51枚
白金貨305枚
大金貨1153枚
金貨1255枚
大銀貨1321枚
銀貨1620枚
大銅貨1547枚
銅貨50枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




