表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1279/1948

1278




 昼近くになったので、昨日と同じくメルに麦飯と神水を入れた土鍋を渡す。そのまま昼まで続け、浄化所の連中は昼食に行った。俺は鍋に神水と乾燥椎茸に冷凍松茸を【粉砕】して、蒲鉾とネギの味噌汁を蓮に作らせる。


 その横でシルバーチキンの唐揚げを作っていき、出来たものは皿に盛っていく。全て完成したので食べようか。周りの傭兵連中が鬱陶しいが、いただきます。



 「きょうもね、おにくがおいしいの。からあげからじゅわって出てきて、ごはんといっしょに食べるとおいしいんだよ」


 「今日のは魚醤とか色々な物で作った調味液に漬け込んでるからな。外から味を足し辛いが、代わりに何も付けなくても食べられるようにしたからか? 蓮はえらく喜んでるな」


 「そうね。とはいえ、竜の脂とシルバーチキンの脂に魚醤などの味が混ざって美味しいわ。ダリアもフヨウも喜んでいるのがよく分かるもの」


 「ニャー!」 「………」



 ダリアは一心不乱と言いたくなるほどガッついてるし、フヨウはプルプルしながらゆっくり溶かしている。2匹とも気に入ったらしい。そんな昼食も終わり、続々と浄化所の連中が帰って来た。


 午後からは蓮も一緒に練習しているが、合格者が増えていて良い流れになっている。このまま全員合格となってもらいたいところだが、そう簡単には終わらないか。元々浄化所は15人態勢だったのだが、現在4人が残っている。


 不器用なのが2人、上手くいかなくて段々とやる気を失っているのが2人いる。もう4人しか居ないので、こっそりと【集中】を使って無理矢理に集中させて教えていく。今までの下手なやり方は【忘却】で忘れさせて強制的に教えると、夕方には全員合格を出せた。


 かなり強引なやり方だったが、こうでもしないと終わらなかったと思う。後は明日だなと思い、魔法士隊の者に後を任せて宿へと帰る。蓮にもいつも通りの練習をさせていたが、昨日の女傭兵達が午後からは居たな。


 蓮を守ると言うのは本気だったらしいが、王太子からの仕事期間だけにしてくれよ? ついて来られても迷惑だぞ。まあ、流石にそんなストーカーみたいな事はしないだろうけど。


 宿に戻ると皆が居たので、すぐに部屋を出て食堂に行く。大銅貨12枚を支払い夕食を注文して席に座ると、近くから大きめの声で傭兵達の会話が聞こえてきた。



 「なあ、知ってるか? 何でも不老長寿の偽物が出てるらしいが、そいつが捕まったんだってよ。何故かそれぞれの国に同じ不老長寿を騙る偽者が出てるらしいぜ。何がしたいのか訳が分からねえよな」


 「確かにな。誰かを騙そうっていうなら1人だろうし、何で各国に1人ずつ居るんだ? ………おい、それって不老長寿に喧嘩売ってねえか? 俺は嫌な予感がするんだけどよ」


 「俺も同じ事を思ったぜ。そいつら間違いなく不老長寿に喧嘩売ってるよな。何より、聖王国の不老長寿の偽物は誰かに殺されたんだと。どう考えても怪しいだろう?」


 「それって仲間割れか? 裏にいる奴等がマズイってんで殺したとか、そういう事だろう」


 「俺もそう思う。そもそも何考えて不老長寿に喧嘩売ったのか知らねえけどよ、末路なんて古くから変わらねえだろうに。何で下らない事すんのかねえ?」


 「馬鹿だからじゃねえの? それしか考えられないだろ」


 「「アハハハハ………」」



 傭兵達は笑っているが、割と知られた事なのかね? 不老長寿に喧嘩を売った奴の末路って。俺は詳しく知らないし、権力者なら首を挿げ替えるってぐらいしか知らないな。そういえば、権力や権威が無い相手だとどうなんだ?。


 聞くにしても宿の部屋に戻ってからだな。そう思い、さっさと食事を終わらせる。宿の部屋に戻って聞いてみるも、大した事じゃなかった。単にボコられるか、殺されるか。概ねそんなところのようだ。



 「そもそも、平民にとっては不老長寿といっても関係ないからね。こっちも関係ない相手として喧嘩をするだけさ。それでも今までの不老長寿が積み上げてきたものは守らなくちゃいけない」


 「だからこそ、それを崩そうとする者が出てきたら殺すしかない訳です。新しく生まれてくる不老長寿が迷惑しますし、過去に不老長寿だった方と神々の面目を傷つける様なものですからね」


 「ああ、それは駄目ですね。絶対に相手を殺すしかなくなります。帝国には長く不老長寿の方が居ませんが、むしろ良かったと言えるかもしれません。不老長寿の方を中心に内戦が起こっていたでしょう」


 「……貴族主義か。アレを拗らせている者なら、平然と不老長寿の面目を傷つけるだろうな。そして国としても、そんな者を捨て置く訳にはいかない。たとえ公爵でも、潰すしか道は無いだろう」



 そんな話をしている横で、ダリアと蓮はリバーシをして遊んでいる。ダリアがさっきからチラチラ見ているのは、蓮が俺の太腿に座って打っているからだ。気になってしょうがないらしく、打つ手がブレまくっている。


 絶対にワザとやっているだろう、蓮。勝てないからって盤外戦術を使うのはどうかと思うぞ? 俺にもたれかかってきたって事は確信犯だな。ダリアが凄くイライラしている。……この状況だと、蓮の勝ちで終わりそうだな。


 現在ダリアさんは俺の胡坐の中で不貞寝しています。負けた後で盤外戦術に気付いたようだ。今は蓮とフヨウが対戦してるが、蓮は普通に座っている。それにしても盤外戦術を思いつく4歳って、ある意味凄いな。ある意味で。


 決して褒めはしないが、生き残る方に発揮できると強い力になる。それとも……いや、考えるのは止めよう。碌な事にならない。何と言うか、蓮って才能の塊みたいな子だったんだろう。


 4歳で神血を飲ませた結果、数多ある才能が開花してしまった。多分それが正しい蓮の見方だろう。それでも磨かないと意味は無いので、そこは俺達がどう指導していくかで幾らでも変わってしまう。とはいえ、子供はそんなものか。


 蓮が寝たのでベッドへ連れて行き、2匹を左右に入れて【昏睡】を使う。女性陣に連れて行かれたが、今日は【精気】のみで大満足させた。今はゆっくりと温めた神水を飲んでいる。


 <浄化の三道具>を使って周囲の邪気を吸い込んで【浄化】し、全員を綺麗にしたら眠たくなってきた。逆らわずに布団に寝転がって目を瞑る。今日も一日お疲れ様でした。



 <異世界623日目>



 おはようございます。今日は浄化所での労働5日目ですが、外は生憎の雨です。結構雨足が強いが、浄化所は屋根があるから行くしかない。朝の日課を終わらせた後、紅茶を淹れて飲む。


 いつもよりも早く起きた蓮が、トイレに行って戻ってきたので綺麗に【浄化】する。ハチミツとスプーンを出してやり、2人でまったりした時間を過ごす。蓮に【念話】を送るとビックリしていたが、何度も教える事で多少使えるようになった。


 この子どこまで才能があるんだ? と思うが、早く覚えるという才能の力なら同じか。【念術】を極める事が出来なくても、【念話】や【念動】くらいなら使えるからな。もちろん使い熟すのは難しいだろうが。


 たどたどしい【念話】で蓮と会話していると、皆が起きてきた。



 「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャ」 「………」 「おはよう!」


 「今日も朝から元気だねぇ。とはいえアタシ達より先に起きてるんだから当然か。アタシも紅茶飲むけど、他にいる人ー」


 「私は温かい神水の方が良いです」


 「私は欲しいわ」


 「私は神水の方が良いね。朝1番は体の中から浄化されたいし」


 「私は紅茶だな」


 「僕も紅茶かなぁ」


 「私は神水です」


 「あたしも紅茶飲もうか」


 「ニャー」 「………」


 「キミらは聞かずとも神水だろうに」



 雨音を聞きながら温めた神水を水皿に入れて出してやると、2匹は美味しそうに飲み始めた。



 ▽▽▽▽▽


 1278終了時点


 大白金貨51枚

 白金貨305枚

 大金貨1154枚

 金貨1252枚

 大銀貨1321枚

 銀貨1630枚

 大銅貨1814枚

 銅貨50枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ