0126
塩味のお好み焼きを食べながら反省していると、アルメアの意識が帰って来たらしく慌てている。俺の顔を見て真っ赤になってるな。思春期の小学生か中学生か? と思ってしまう。
アルメアだけが身長が低いので、何か可愛い。小動物がちょこちょこ動いてる感じがする。
しかし、姉妹の身長差が凄いな。170無い姉と、190越えの妹か……ついでに胸が大きいのも妹だ。
「お、お帰りなさいませ。主様///」
「えーと……。名前で呼んでくれるかな? 俺もアルメアと呼ぶから」
「も、申し訳御座いません! アルドゥラム様!」
「姉上、ちょっと落ち着きましょう。深呼吸してー、吸ってー、吐いてー」
「すーっ、ふーっ……。すーっ、ふーっ………」
「どうしたんだろうね? 妙な感じだけど……」
「んー? ……アルド、もしかして技を使いました?」
「えっ? 駄目だったか? 良い思い出にしてもらおうと思って使ったんだが……」
「幾らなんでも、刺激が強過ぎるでしょう……」
「あー……。まぁ、ああなるのは当然の事だね。ただ、悪い思い出にはならないだろうさ」
「刺激が強過ぎたのか。そこまで考えてなかった……」
「姉上も男性は初めてというだけですからね。女性相手だと経験はあるんですから、こうなるとは私も思いませんでした」
「ちょっと待ってくれ、あんな凄いのを受けた事がある訳がないだろう! あんな……あ、あんな///」
「アルメアさんもダメになったみたいだねぇ。まあ、アルドの技を受けたら誰でもダメになりそうだけど」
「確かに。ダメにならない女性が居るのでしょうか……?」
向こうの話しには加わらず、俺は残っている材料を全てお好み焼きモドキにしている。勿体ないし、あまり残ってもいないので、使い切る為に焼いている。
焼きあがったので皿に乗せると、2匹がフンフン匂いを嗅ぎにきた。食べる許可を出すと、2匹はあっさり全部食べてしまった。それなりに美味しかったのなら良いんだが。
「毎日アレを受けているのか。何て羨ましい……」
「羨ましいと言われても、姉上も今日から同じですよ?」
「そういえば、そうだったね。1人の時間が長過ぎたのか、なかなか感覚が切り替わらないな」
「アルメアは俺達の旅に付いて来るのか?」
「もちろんだよ、アルド。どこまでもついて行く、それが従者となった吸血鬼の在り方さ」
「従者ね。何かしら理由があるから、そういう言い方をするんだろうけど……?」
「吸血鬼は主従の契約をするけど、必ず従者の側なんだよ。主に対して愛情を持って尽くし、奉仕する。それが本当の主従の契約が出来る、私と妹の生き方なんだ」
「他の生き方があっても良いと思うんだが、それは許されないのか?」
「そんな事はないさ。ただ、シュライアもそうだと思うけど、母の生き方が今なら分かるんだ。愛の種族である事の悦びが」
「ええ、姉上の仰る通りです。主を得て、初めて分かる事なんですよね」
「その通りだよ、シュライア。私達はやっと知る事が出来たんだ。母が何故あそこまでだったのか、何故父を追ってしまったのか。今ならハッキリと分かる」
「ニャー!!」 「グルッ!!」
「お腹空いたのか? さっき食べたのに? ……しょうがないな」
真面目な雰囲気が2匹の所為で吹っ飛んだな。まぁ、アルメアもシュラも苦笑いしているだけで怒ってないから良いが。とりあえず食堂に行って、夕食を食べようか。
食堂で大銅貨7枚を支払い夕食をとる。食事後は部屋に戻ってベッドを1つ追加する。それが終わると4人は酒を飲み始めた。アルメアも酒は飲める方らしい。
俺が作った酒を飲んだ人が、「美味しい!」を連発するのはいつもの事だな。2匹も酒を舐めて楽しんでいる。まだ大丈夫だとは思うが、里で酒作りは難しいと思うんだよな。
酒の材料が手に入るかどうか分からないし、買えるかどうかも分からない。ここは沢山の人が来る場所じゃないから、里の人達との兼ね合いもあるからなー。
そういえば、シードルとミードの作り方を教えたけど、どうなったんだろう? こっちから聞きに行くのも変だし、手伝わされても困るから聞かないけど。
2匹が寝たな、という事は……今日はベッドに連れて行かれた。【房中術】のみを使い、細かな制御を行う。全員を優しく撃沈させて浄化を終えた。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界69日目>
おはようございます。今日は山の方に行こうと思います。ただ、アルメアの装備は大丈夫なんだろうか? 起きてから確認した方が良いな。……2匹が起きたか。
「おはよう。ダリア、カエデ」
「ニャウ」 「グル」
2匹は起きるなり、俺に全身を擦りつけてきた。偶にやるな、コレ。何か意味があるのか、2匹にとっては楽しいのか。機嫌は良さそうなんだよな。……おっと。4人が起きた様だ。
「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」 「ガウッ」
「今日はどうするの?」
「今日はムル山の浄化に行きたいんだが、アルメアの装備をどうするか?」
「あー、姉上の装備は普通ですからね。どうしましょう?」
「私の装備? 私は変な装備はしてないと思うけど……」
「そうじゃなくてね。アタシ達の装備は、アルドが作ってくれた強力な物なんだよ」
「私の短剣は、一応魔力金属で出来ている物だよ」
「私達の武器は希少金属なの。それで、どうしようか困ってるのよ」
「き、希少金属………」
「俺の余っている物を使えば良いんだが、量が多くないんだよな」
「そもそも、アルメアってどんな武器を使ってるんだい?」
「私が使っているのは短剣と鞭だよ。魔力金属なのは短剣だけだ」
「なら、俺の持ってる物と組み合わせて色々作るか。アルメア、装備一式を後で持ってきてくれ」
「分かった」
話は終わり、朝食を食べに食堂に行く。大銅貨7枚を支払い、朝食をとって屋敷に戻った。アルメアは、自分の屋敷に戻って装備を取ってくるので後で来る。
そう思いゆっくりしてたら、もう戻ってきた。短剣と鞭、革鎧と剣帯、脛当とブーツ。これがアルメアの装備一式だった。それなりの物ではあるんだが、その程度とも言える。
とりあえず、組み合わせていこう。鞭の持ち手を外し分銅鎖に取り付けて鎖鞭にする。短剣の持ち手を外して、オリハルコンの苦無を【変形】させて20センチのダガーにした。
フォレストベアの革鎧をアルメアに合わせて【変形】させ、短剣の刀身である魔銅を表面に被覆する。ちなみにアルメアはCに近いBの半球型だった。俺は当然ながら、何も言わない。
鞭は革で出来ていたので、ブーツや剣帯を厚くする為に流用した。脛当と半篭手と指貫グローブを首長の皮を革にして作り、表面に骨を被覆して終了だ。
「凄い装備だね。これ程の装備、本当に良いのかい?」
「良いも何も、アルメアの為に作った物だしな」
「アルド……ありがとう」
「姉上の装備も整いましたし、そろそろ出発しましょうか」
「そうだね。ムル山の浄化を終わらせないと」
「その後、どうするか決めるのでしたね」
「ま、終わってからだな」
出発するのだが、まずは食堂で全員の昼食を買っていく。銀貨1枚を支払って、大銅貨13枚を受け取り出発する。3人はアルメアに身体強化を教えているが、凄くセンスが良い。
アルメアはどんどん吸収していってるな。もしかしたら天才レベルかもしれない。まぁ、天才でも反復練習は絶対に必要だから、そこは頑張ってくれ。
やはり魔物が少ないな。浄化が済んでいる場所は無視して、どんどん進んで行こう。アルメアは2つの事を同時に別々に行うのは得意らしく、皆より上手く移動に使えている。
浄化する場所までやってきたので、さっそく浄化を始めよう。すると、邪生がこちらに向かって来ているのが分かった。全員に警戒を呼びかける。
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0126終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨14枚
金貨50枚
大銀貨37枚
銀貨11枚
大銅貨17枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
真っ黒な金砕棒
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ