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 結局メルが声をあげる事も無く、<触らぬ神に祟りなし>と言わんばかりにヴェルはそそくさと宿から出て行った。多分だけど、怒っているフリをしているだけだと思う。流石に片玉潰しはやり過ぎではあるからなぁ。


 傷は治したが、片玉が潰れている事には変わりが無いし。とはいえ、やらせたのは俺なので何とも言えない部分はあるんだよ。まあ、最悪は気付かれない様に治せばいいか。そんな事は無かったとすればいい。


 昼食が終わったので、ギルドの訓練場に行って蓮の練習をさせよう。宿を出て傭兵ギルドの建物まで歩いて行く。いつものドアを開くと、中に居る奴等が一斉にこちらを向き、一斉に目を逸らした。


 そんな中を俺達は堂々と訓練場のドアへ歩いて行き、ドアを開けて訓練場へと出る。……アレ? ジャン達が居て少年少女を鍛えてる? いったい何故なのかは知らないが、あれは長期の仕事なんだろう。きっと。


 俺達はスルーして昨日と同じ場所に行くと、蓮の練習を始める。基礎の基本でしかないが、コレの練度によって相当の差が出る事は間違い無い。大事な事なんだが、アルエル達も王女組も疎かにしてたみたいだし、今日も叩き込むか。


 昨日と同じように【集中】を使い、無理矢理に集中させられる大人組。蓮には使わなくても大丈夫なので、最初から使う気が無い。そうやって練習させていると、少年少女が何やらジャンに言っているようだ。


 騒がしくなってきた辺りで、仕方なくジャンが少年少女を連れて近付いてきた。……申し訳なさそうにしているのが気になるな。何かあったのか?。



 「すみません、昨日もお会いしたのに挨拶もせず。あのー……実はですね、僕達は子供達に練習をさせる仕事を請けていまして……。この子達は来年15歳になるんですよ。村、じゃなかった、町の子じゃない子供も混ざってまして」


 「……すまん、何が言いたいのかサッパリ分からん。もうちょっと分かりやすく、簡潔に話せ」


 「分かりやすく言うと、小さな子がここで練習しているのはおかしいと騒ぎ始めてな。そもそも傭兵の仕事をしている訳でもないのだから、誰が訓練場で訓練していても問題ないのだが……気に入らないらしい」


 「お前達が躾をすれば終わる話だろう? それも含めての仕事じゃないのか? 普通はそうだろうし、ビシっと躾ければ従うだろう。それでも聞かないなら放っておけ。そんな奴はすぐ死ぬ。死にたがりを治す薬は無いぞ?」


 「まあ、それはそうなのですが……。貴族の嫡子も居て面倒なんですよ。あまりにも酷いので、嫡子であるにも関わらず放り出されたみたいなんです」


 「それはまた、面倒臭いヤツ「おい!」だなぁ……」


 「キサマ! 私はオルガイゾ伯爵家の嫡子だぞ! 面倒臭いヤツとは何だ、口の利き方に気を付けろ!!」


 「ほーう………クソみたいな貴族の嫡男がどうしたぁ!!!」



 俺は魔力と闘気と念力の威圧を、ガキどもとジャン達に対して向ける。いちいち俺に面倒臭いガキの相手なんぞさせた罰だ、甘んじて受けろ。ガキどもは失神したが、更に強い威圧を与えて強制的に起こす。


 ジャン達も久々なうえ不意打ちに近かったので、モロに受けた様だ。それはそれで駄目なんだが……まあ、今はいい。ガキどもは気絶する事すら許されない中で、体から出るものを全部出していた。臭いなー、もう。



 「ガキども、傭兵の仕事は遊びじゃないんだ。相手をよく見ないと死ぬぞ?」



 そう言って威圧を解除してやると、少年少女は大泣きを始めた。ジャン達は諦め顔だが、「不老長寿の俺に喧嘩を売ってきたと言っておけ」と言うと納得していた。どうも鬱陶しい伯爵家のクソガキが、他のガキも調子に乗らせていたらしい。



 「すまん。本来なら私達が抑えねばならんのだが、ランクを7に上げる為には我慢せねばならず……。ああ、オルガイゾ伯爵家というのは、王都の東に領地を持つ貴族だ」


 「成る程。被害を受けていないから、いまだに調子に乗るゴミが居るのか……。潰すか?」


 「いや、それを僕達に言われても困りますよ。正直に言えば何とも言えません。それよりも、本当に名前を出しても良いんですか? その……僕達としては助かるのですが」


 「何なら私の名を出しても構いませんよ。少なくとも、傭兵であるとはいえ第三王女である事に変わりはありませんから。王太子殿下であれば、嬉々としてオルガイゾ伯爵家を潰すでしょう」


 「まあ、リンデリア王女の目の前で恥を晒している訳だしね。しかも他のバカな子供を扇動してだ。容赦なく潰すだろうさ。私は聖王国の王女、キューレは商業国の王妹、カイリは帝国の皇女。完全にアウトだよ」



 それを聞いた貴族のクソガキは泡を噴いて気絶した。しかし俺は許していない。威圧で無理矢理起こし、半狂乱になっているクソガキを【念動】で大の字に立たせ、蓮に普通のアッパーをやらせる。


 現在クソガキは股間を押さえて悶絶しているが、その程度で済ませてやるんだから感謝しろ。他のクソガキどもにも順に喰らわせていき、男も女も全員が悶絶しているが、どっちも痛いらしい。それでも女性の方がまだマシか。


 バカどもはそのまま放っておき、俺達は練習に戻る。アルエル達や王女組の【集中】を解除していたので再び使い、集中させながら練習を続けさせた。悶絶から立ち直った奴等は、誰1人としてこちらに喧嘩を売ってくる事は無かった。


 俺達から離れた後、ジャン達の言う事を素直に聞いているようだ。特に伯爵家のクズが1番素直に聞いている。伯爵家というブランドが木っ端微塵に砕かれたんだ、ここで真面目にやらないと家の者から殺されると悟ったんだろう。


 まあ、圧倒的な暴力と、圧倒的な権力を敵に回したんだ。1伯爵家でどうにかなる訳が無い。逆に伯爵家が潰されて終わる。そうならない為には……そこまで考えれば自ずと答えは出る。貴族ほど保身に長けている者も居ないからな。


 自分の首を差し出して、伯爵家が謝罪するに決まっている。それが分かれば真面目にやるだろう。「伯爵家への報告だけは許して下さい」と、そう頼むしかないからな。これでジャン達は大丈夫だろう。


 夕方まで訓練し、昨日よりはマシな奴等を引き連れて宿へと帰る。ジャン達いわく、今年から傭兵になる前の半季節で十分な訓練を受けさせる事になったらしい。その事で、ランクを上げるのに困っていたジャン達に白羽の矢が立った。


 だからこそ、今回はと思い必死に我慢していたらしい。まあ、そこの部分の査定はきっと有耶無耶になると思う。不老長寿に喧嘩を売って反撃されたって話だし。ただ、自分で従えられなかったところはマイナスかね?。


 大銅貨12枚を支払い、夕食を待ちながらそんな話をしていた。夕食はいつものメニューだが、何故かパンじゃなくて米だった。どうやら旦那さんが炊いたみたいだが、土鍋を渡したのは朝なのに早いなー。


 食べてみるものの、十分に合格点が出せる炊きあがりだった。それにしても、久しぶりに米のみを食べるが美味しいなぁ。皆もよく噛んで味わっている。気持ちは分かるが、体に良くないからウチは麦飯です。


 ガックリしているのは居ないので、皆も健康には気を使うようだ。まあ、ビタミン類とかが不足すると美容に良くないって聞くし。そう言った途端、超速度で反応したぞ。女将さんが。


 皆には教えていたので大した反応は無いが、女将さんにとっては大事だったようだ。俺は生のサラダ類と、肉類をバランス良く食べる事。それと全粒粉のパンで十分健康になれる筈だと伝える。


 肌のお手入れ方法は、むしろ女性の方が詳しいだろう。俺は碌に知らないし。女性陣の美容の話を聞き流しながら、久しぶりの銀シャリを堪能して食事を終える。蓮も満足したようだし、十分に出せますよ。


 横に居た旦那さんにそう言うと、旦那さんはしっかりと頷いた。ただ、薪の消費量が多い為、なかなか難しい部分もあるらしい。なので米粉の話もしておいた。色々な活用法があるので悩んでいるようだ。


 せめて厨房に行って悩んでくれませんか?。



 ▽▽▽▽▽


 1265終了時点


 大白金貨51枚

 白金貨305枚

 大金貨1154枚

 金貨1252枚

 大銀貨1319枚

 銀貨1638枚

 大銅貨2111枚

 銅貨50枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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