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 町を出て東の森へ行く。粘土のある場所は聞いているので簡単に見つかったのだが、回収しながら土鍋の大きさに困る。薪や炭を使う場合は1度で大量に炊ける方が良いだろうから、大きめの土鍋の方がいいと思う。


 とはいえ、大き過ぎては使い難いだろうし1升が炊けるぐらいだろうか? それでも十分な大きさだからなぁ……。うん、1升炊きと5合炊きの2つを作ろう。その大きさに必要な粘土を手に入れたら森を出る。


 まずは町の前の道で、【土魔法】を使っているフリをしながら【魔術】で小さなカマクラを作っておく。採取してきた粘土に少しの神水と岩硬竜の骨を【粉砕】して混ぜる。よく混ぜたら土鍋の形にしてカマクラの中に置き、カマクラを密封したら完了。


 中の空気をある程度抜き、【空間把握】と【加熱】を使って土鍋の温度をどんどんと上げていく。ある程度の温度になったらキープして焼いていき、十分に焼けたら魔法を解除する。


 前に作った時と同じく危険なので、ゆっくりと【冷却】を使いながら冷やし、出せる温度になったらカマクラの1部を壊す。それでも熱風が出てくるが、更に【冷却】を使い気温と変わらない温度まで落とした。


 本当なら割れている筈なのだが、今回の土鍋は割れていない。おそらく岩硬竜の骨を使った御蔭だと思うのだが、頑強すぎて逆にコレで良いのかという思いが出てきた。たぶん大丈夫だとは思うが……。


 塚原卜伝の作り話みたいに、蓋で相手の攻撃を防げそうだな。あの作り話では襲ってきたのは宮本武蔵だったっけ? 同じ時代に生きていないので完全に創作なんだが、面白い話だとは思う。


 土鍋の確認も終わったので回収し、カマクラを壊して更地に戻したら町へと戻る。ジッとこちらを見ていた犬人族の門番には呆れられたが、宿の旦那さんから土鍋作りを頼まれたんだと言って見せたら、盛大に溜息を吐かれた。


 鍋なんて鉄でいいだろうと言われたが、土鍋じゃないと出ない味という物もあるんだと言っておく。納得はされなかったが、こだわりの類だからしょうがない。俺は宿に戻り、玄関から中に入ると皆は食堂に居た。


 女将さんも居たので土鍋を渡し、俺も椅子に座ってゆっくりする事にした。朝から土鍋作りをするのもよく分からないが、終わったのだから頭から排除しよう。ボーッとしていると、蓮が書き取りをしているのが目に入った。


 相変わらず横でアルエルも書き取りをしているのだが、昨日と同じくエリアとシュラも書き取りをしている。このまま続けば良いんだが、どうかなー。エリアはともかく、シュラは途中で結局止めそうな気もする。


 そろそろ昼かな? と思う時間までダラダラしていたが、大銅貨12枚を女将さんに支払ってシャキっとする。昼食をゆっくりと待ちながら午後からの練習内容を話していたら、ヴェルが深刻そうな顔でやって来た。


 大銅貨1枚を女将さんに支払ってヴェルの昼食も注文しておく。それにしても、イムランとラブラブじゃなかったのか? もしかして……。



 「違いますよ! ラブラブに決まっているでしょう!! ……ゴホンッ! それは横に置いておいて下さい。それよりも魔鳥便で来たんですが、アルドの偽物が殺されたそうです。誰が殺したかは分かっていないそうですが……」


 「それを俺に言われてもなー。そもそも俺が雑魚にやられるなんてあり得ないし、そいつ俺と同じように大型のアイテムバッグを持ってるのかって話だ。挙句、誰に殺されたかも分からないんじゃ、どうにもならんな」


 「まあ、そうなんですけど……。とはいえ、偽物ですけど不老長寿を殺すって何があったんだろうと。余程の事が無ければ不老長寿を殺すって話にはならない筈なんですよね。早めに一報が入っただけなんで、何とも言えないのですが」


 「何だいソレは? 不確定な情報すぎるだろうに。もうちょっと確定してから持ってきな。……と言いたいところだけど、裏にヴェスティオンが居たら有耶無耶にされて終わりそうだねぇ」


 「何と言うか、アルドが居るという情報を手に入れて、慌てて殺したという感じにも受け取れなくはありません。ですが、そうすると動きが速すぎますね。となると……」


 「もともと潮時だったんだろう。でも殺されたという事は、最初から予定していた? もしくは偽物は偽物を続けたかったが、裏に居る者達は止めさせたかった。その事で対立したかな?」


 「アルメアの言っている事の可能性は高そうだな。私としては予定していたのだろうと思う。おそらく殺された偽者は知らされていなかったんだろうな。よくある手口なので、可能性は高いと思う」


 「切り捨てるなんて嫌な話さ。もしかしてアルドの悪評を撒き散らそうとしたんじゃないかい? 裏に居る奴等は。不老長寿の名を貶める為に。それなら殺した事で有耶無耶に出来るし、悪評だけが残るよ」


 「それも有りそうな話ですね。とはいえ、ヴェスティオンの奴等は命が惜しくないのでしょうか? 本当に国家が滅びかねない方を敵に回していると理解……してなさそうですね」


 「その話はそれだけです。それと……」



 ヴェルが食事をしている蓮を見ながら微妙な顔をしている。別に悪意を持って見ている訳じゃないので良いのだが、何でそんな微妙な顔をしているんだ? それより早く話さないとメルの機嫌が悪くなってるぞ?。



 「実はですね、次に馬鹿な事をやったら登録証を剥奪する傭兵が居たんですが……。そいつが片方の玉を小さな女の子に潰されたらしく……」


 「あー、そりゃ事実だ。俺がカエル跳びアッパーを教えたから、試し打ちをソイツでやらせたんだよ。身体強化をしたうえでの攻撃だったからな、片玉を完全に破壊してたぞ。もう片方は残っているんだから、男性の機能としては問題ないだろう」


 「あっ、そうなんですね。それは知りませんでした、私には無いので。ただ、そいつは潰されてから傭兵を辞めたらしく、今は男娼の研修を受けているそうです。受け専門になりたいそうですよ?」


 「蓮に潰された事で、おかしな性癖にでも目覚めたかな? たまに居るんだよねー、強烈な体験をして性癖が歪むヤツって。こんな時間の宿じゃ言えないけど、僕も色々知ってるから何とも言えないね」



 それ以前に、そんな事は聞きたくありませんのでスルーさせてもらいます。とはいえ、蓮に潰されたからって性癖が歪むか? ……潰れている以上は強烈な体験かー。間違ってはいないけど、そもそも喧嘩を売ってくんなと言いたい。



 「それで、ですね。大変言い難いんですが、蓮に2つ名というか渾名が付けられています。1つは<ナッツクラッシャー>で、もう1つは<無邪気な悪魔>と言われてますね」


 「………」



 メルが怒ってるなー。とはいえ、やった事がやった事なので、どうにもならない。ちなみに<カエル跳びアッパー>に関しては威力が高すぎるので、俺が許可を出した時しか使わないように言い含めてある。


 普通のアッパーなら悶絶する程度で済むので、アレなら問題ないだろう。女性にはあまり効かないが、それでも全く効かない訳ではないので有効だ。男だろうと女だろうと身構えていない場所なので、思っているより無防備なんだよ。


 結果として結構なダメージを与えられる。男なら悶絶だ。ただ、蓮には先制攻撃はやらないように言ってあるので、これからはいきなり攻撃したりはしないだろう。そもそも俺達が襲われていると感じた事による攻撃だからなぁ。



 「まあ、そうみたいですね。そもそも喧嘩を売って歩いているような馬鹿だったので自業自得なんですけど、片玉まで潰すのは流石にやり過ぎとしか言えませんから気を付けて下さい。そいつは何も言わずに去りましたけど、面倒な事を言ってくる者も居ますので」


 「分かってるさ。心配しなくても、そんな事を言い出したヤツとは”お話し”するから安心していい」


 「欠片も安心出来ない一言を、ありがとうございます。……まあ、私からお伝えするのはそれだけですが、何かお聞きになりたい事とかありますか?」



 メルの雰囲気が怖いから、急に丁寧になったなコイツ……。



 ▽▽▽▽▽


 1265終了時点


 大白金貨51枚

 白金貨305枚

 大金貨1154枚

 金貨1252枚

 大銀貨1319枚

 銀貨1638枚

 大銅貨2123枚

 銅貨50枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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