0125
シュラのお姉さん、つまりアルメアさんには一旦屋敷で待ってもらう。その間に俺達は朝食を食べに食堂に来た。大銅貨6枚を支払い朝食を食べて、終わったら直ぐに屋敷に戻る。
アルメアさんは、屋敷の食堂で果実水を飲みながら優雅に待っていた様だ。ああいうのが似合う人と似合わない人が居るが、アルメアさんは物凄く似合っているな。
俺達はアルメアさんを連れて部屋に戻り、椅子に座って話し合いを始める。ちなみに俺は椅子に座っていない。ダリアやカエデと遊んでやる為だ。
「まずは私の事を話しておこう。私は女性関係を清算して戻ってきたので、その辺りの問題はもう無い」
「「女性関係!?」」
「あー。姉上は不老長寿の男性を見つけるまで、男性と関係を持つ気が無かったのです。だから関係があるのは女性だけですね」
「そうだ。それなりに関係のある者達は居たんだが、大体は寿命で亡くなっているよ。まあ、人数自体は多くはないし、遠い所の者達には会ってもいないが……」
「遠い場所の人達は、仕方ないんじゃないかねぇ……」
「次に会う可能性も低い方々なのでしょうか?」
「んー……。会う可能性と言うより、寿命で亡くなってると思うよ。他国に行く事は多くないし、情報を得る為の繋がりはあるからね」
「それでも、よく清算できましたね、姉上。人との関わりは、面倒な事が多いのが当たり前ですが……」
「一夜の関係だけだからね。それぞれの町に知り合いが居るけど、家庭を持つと自然に解消するから特に問題は起きないよ」
「それなら問題は無さそうですね。では、そろそろ契約しますか?」
「そうだね。主様が良いなら、私と契約をして頂きたい」
「俺の方は特に問題はありませんよ。アルメアさんが良いなら、契約をしましょうか」
「主様、私の事は呼び捨てでお願いします」
「俺も名前か愛称でお願いします」
「………分かりました」
何で葛藤するんだろうな。親指の腹を浅く切り、出てきた血を相手の唇に塗る。シュラと同じようにトリップしてるが、大丈夫なんだろうか? いや、何とか耐えたみたいだ。
「この血は危険だね。自分が自分で無くなりそうだ。早く契約をしないと。【眼前の者と愛の契約を】……チュッ///」
この後も姉妹変わらずだなぁ。契約は終わってる筈なんだが、キスが終わらない。トリップしながらキスしてくるんだが、血の味しかしないんだよ。我慢せざるを得ないのかね。
流石に650年の苦労を考えると、少しぐらいは受け入れようと思う。……思うんだが、何か妙に激しいな? 何故か異様に興奮してるが、どうしたんだろう?。
「姉上、姉上! 興奮し過ぎですよ、姉上! ちょっと怖いです」
「!? ……それは駄目だ、嫌われてしまう! 冷静に、冷静にならないと………」
そこまでか!? そこまで大変なのか? シュラはそこまでじゃなかったと思うんだが……そこまで想いが強かったって事なんだろう。今までずっと探し続けていた以上は、強くて当然か。
そこまでの想いがないと、650年もの間探し続けるのは不可能だろうな。その挙句、妹に取られたとなれば殺意も湧くか。
「ダナ、メル、部屋を出て時間を潰しましょうか。流石に私達が居ては集中できないでしょうし」
「分かった。初めてだし、その方が良いだろうね」
「そうね。男性は初めてなんだから、良い思い出にしてほしいわね」
「済まない、君達。ありがとう」
3人は2匹を連れて部屋を出ていった。アルメアはガチガチに緊張していたので、ゆっくり会話をしながら解し続けた。緊張もかなり解れたので、【房中術】と【喜昇】とを使う。
少し悩んだが、嫌な思い出にする訳にはいかないので使用した。キメてしまい、帰って来れなくした後で浄化したら寝かせておく。少なくとも悪い思い出にはなっていない筈だ。
皆は屋敷の食堂に居て酒を飲んでいたが、既に昼だったので昼食を食べに行く。大銅貨6枚を支払って昼食を食べた後、近くの森に散歩にでも行く事にした。酒を飲むより健全だし。
この森は里の東にあって実をつける木が多く、昔からよく人が来る森なんだと説明してくれた。この森も魔物の気配があまり感じられないが、吸血鬼族がよく来るなら魔物は逃げるか。
あまり意識しないが、吸血鬼族って色んな種族の中でも上位に入る強い種族なんだよな。その吸血鬼族が周辺で定期的に狩りをしてるんだから、魔物が少ないのは当然だった。
「この森は中々良い森だね。魔物が少なくて雰囲気が良いよ」
「そうね。気分が落ち着く、良い雰囲気と空気よ」
「それもあって里の者もよく来るんですよ。それでも魔物が居ない訳ではないので、注意しなければいけませんが」
「それは何処でもそうさ。気を抜き過ぎるのも問題だからね」
「若い子を教えるのに、丁度良さそうよ?」
「そういう使い方もされてますよ」
「やっぱり木の実なんかは食べられていて無いな。……ん? 自然薯か?」
何か地面の下に自然薯っぽい反応があるな。とりあえず【土魔法】を使って掘ろう。………掘れたんだが、日本と違って途中で折ってしまう事も全くなかった。
魔法を使う限り、そういう楽しみ方は出来ないんだろうな。魔法があるのにわざわざ手掘りする意味が無いし、時間の無駄になる。それに、そこまで楽しい事でもないし折れると腹が立つ。
こうやって魔法で簡単に掘り出すのが1番だ。ちょっと掘っただけで3本も手に入った。吸血鬼族は食べないのか、3メートル超えのサイズが結構ある。
「芋を掘ってたんですか? いきなり魔法を使うのでビックリしましたよ」
「あれ? 自然薯……っていうか、この芋食べるの?」
「ええ。里では普通に食べられてますが?」
「結構大きなのがあるから、てっきり食べないんだと思ってた」
「毎年それぐらいのサイズですから、それが普通のサイズだと思いますが……」
「これが普通かー。自然薯って、確かこのサイズになるのに数年掛かる筈。という事は、この芋は大きくなる品種なんだなぁ……」
「その芋は美味しいのかい? シュラは微妙そうな顔をしたけど」
「この芋だけで食べるよりも、擦り下ろして小麦粉に加えたりするんだよ。芋だけなら焼いて食べるぐらいかな?」
「里でも焼いて食べるぐらいですが、その芋はネチャネチャする上に痒くなるんですよね」
「まぁ、そういう成分が含まれてるからね」
その場で木を伐り、丸太に加工して圧縮する。地面の石を集めて1つに【融合】して浄化する。木ですり鉢を作り中に石を被覆して完成だ。
話しながら里へと戻る最中、ネイルラビットを2匹倒して浄化と解体を済ませる。里の食堂に行き、小麦粉と野菜を銀貨1枚で買い、大銅貨17枚を受け取る。
屋敷の部屋に戻るとアルメアは起きてボーッとしていた。刺激が強過ぎたんだろうか、シュラが呼びかけても反応が無い。あのまま放っておくのが1番良いと思う。
まずは芋を浄化して、すり鉢で擦る。十分に擦り終わったら、小麦粉と浄水を混ぜる。ダマが残っているぐらいで、野菜とネイルラビットの肉を入れて少し混ぜる。
フライパンでネイルラビットの肉を焼き、その上に生地を乗せて両面焼いたら出来上がり。色々足りないので本物とは明らかに違うが、お好み焼きの完成と言って良いと思う。
塩味オンリーだが具財の味は出てるな。だが、骨で出汁をとって混ぜた方が良かった。これでは流石に味が足りないし、感じるのは肉の味ぐらいだ。今回は失敗という事で。
「ふわふわで柔らかいけど」
「何か足りませんね」
「足りないわねー」
「本来なら生地に出汁を混ぜたり、焼き終わったらソース塗ったりマヨネーズ掛けたりするんだよ。かつお節も青のりも、他にも色々足りないから仕方ない」
流石にウスターソースの作り方とか知らないんだよ。知ってたら【錬金術】で、でっち上げるんだがなぁ……。
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0125終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨14枚
金貨50枚
大銀貨37枚
銀貨12枚
大銅貨18枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
真っ黒な金砕棒
剣熊の爪のサバイバルナイフ
オリハルコンの苦無
アダマンタイトの十手
王角竜の分銅鎖
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ