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 「メル。蓮が構えているし、メルと2匹は呆れているようだが何があったんだ? 蓮が構えて、そこの兵士が悶絶している事から、おそらくその兵士に蓮が何かやったんだと思うが……」


 「ああ、アルド。実はね、ドレスの女性がこちらに歩いて来ていたから私達は横にズレたのよ。でも足りなかったみたいでね、兵士が私を押し退けようとしたんだけど……蓮は私が襲われていると勘違いしちゃって」


 「それで股間を殴ったのか……。まあ、言葉で説明すれば済むのに、無理矢理に押し退けようとするからそうなるんだ。当然と言えば、当然の結果だろうさ。それよりも俺の方の買い物も終わったし、そろそろこの町を出ようか」


 「そうね。面倒な事に巻き込まれそうだし、さっさとこの町を出た方が良いわね。蓮、ダリア、フヨウ、もう行きましょうか?」


 「は~い」 「ニャー」 「………」



 そう言って離れようとすると、周りを他の兵士が囲み始めた。面倒な事になったと思うが、皆殺しにすれば済む話でもあるか。……最近ヤシマの国で殺しまくってたからか、何故か殺伐思考に陥ってるぞ? 反省しよう。



 「周りを囲むって事は、これから襲うと言っている様なものなんだが……理解しているのか? 囲まれた奴は力尽くで脱出するぞ。その際に誰か死んでも、囲んだ奴等が悪いよな?」


 「なにっ!?」



 周りを囲んでいる兵士達が殺気立つが、俺達には微風程度にすらならない。そんな下らないものには興味が無いが、ドレスの女はどうやら遠ざけられたらしい。騎士っぽいのが2人、前方に立って守っている。



 「で、どうするんだ? 殺し合いなら受けて立つから早く決めろ。そこまで殺されたいならな。それと周りの野次馬ども、逃げないと巻き込まれても知らんぞ」



 俺がそう言うと、周りに居た野次馬は一斉に逃げ出した。そんな中、怒りが限界だったのか1人の兵士が剣で切り込んできたが、回避して足を引っ掛けて倒す。足首を握ったら、ドレスの女の方へワザと投げつけてやった。


 騎士っぽいのが受け止めたものの、周りの連中が一斉に殺気立ち襲ってくる。しかしそれよりも速く、俺とメルは周囲に【土弾】を乱射して兵士を叩き潰した。遠巻きにしていた野次馬も、ドレスの女と騎士っぽいのも一言も発さない。


 俺達は驚いている奴等を尻目に、さっさとこの場を去る事にする。馬鹿の相手なんぞしていられないし、俺達はルーデル村に帰る道中で寄っただけだ。そもそも1人の兵士が子供に股間を殴られただけの話だろうに。



 「この国の連中も阿呆なのかね? 兵士がメルを押し退けようとして、子供である蓮に股間を殴られた。最初から恥を晒しているのに、今度は囲んで潰されるという更なる恥を晒す。それも、俺達不老長寿に対してだ。この国も馬鹿ばっかりだな」


 「本当ね。そもそも私は一度横にズレたのよ。にも関わらずだもの、呆れるわ。そんなにドレスの女性が大事なら、城から出さなければいいのに。こうやって面倒な事になるのだから、いちいち出てこなくていいのよね」


 「あ! あの、不老長寿の方というのは本当ですか!? 何か、何か証拠になるような物をお持ちですか!?」



 急にドレスの女が話し掛けてきたので、面倒臭いという顔を隠しもせず、俺は自分の傭兵登録証を見せてやる。


 元々俺達の傭兵登録証には、裏側に不老長寿だと認めるギルドマスターの署名がしてあるのだが、俺とリューの傭兵登録証には傭兵ギルドの総長と副長の署名も入っている。言うなれば、傭兵ギルドそのものが俺達を不老長寿と認めている訳だ。


 それを見たドレスの女は愕然としていて、騎士っぽいのも兵士どもも理解したんだろう、どうしていいか分からない顔をしている。俺は傭兵登録証を強引に取り戻し、さっさとこの場を去る事にした。


 後ろから何か聞こえるが俺達の知った事ではない。既に蓮を抱きかかえていたメルと一緒に町から出ようと歩いて進む。周りの野次馬も道を開けてくれたので、スムーズに歩けて助かる。


 そうやって歩いていると、皆を町の門の前で発見したので一緒に町を出た。王都ではあるが、こんな所は町で十分だ。歩いて離れながら、先ほどあった事を話していく。すると、皆は大笑いしている。


 特に、蓮が兵士の股間をアッパーで殴ったところで笑っているのだが、男としては笑えないんだよなぁ。まあ、その殴り方を教えたのは俺なんだけどさー。本当に笑えないのは、蓮が身体強化をして殴った事なんだよ。


 だからあの兵士が悶絶していたのは当然の事で、蓮は手加減をしなかっただろうから潰れていたかもしれない。実際、ずっと動かずに悶絶していたし……。大丈夫かとも思うが、あの兵士が原因だから何とも言えない。


 俺達は木像に乗り、西へと進んで行く。ジェブ、ヴィム、ウェウ、キュールの町で止まり、大銅貨12枚で昼食を食べた。昼食後、再び西へと移動していく。デウ、ドード、ウェスル、ディ、ソド、セルン。


 そして帝国の国境の町ヴィルメルに到着した。今日はここで宿をとるが、襲ってきたら殺す。ここの辺境伯は碌なもんじゃないからな。最初から殺す覚悟をしておくぐらいで丁度良い。


 俺達は門番に登録証を見せて中に入る。ちなみにだが、蓮は子供過ぎるので入町税などを払う必要は無い。保護者である俺達次第だが、その保護者である俺達は傭兵なので払う必要が無いんだ。それは2匹も変わらない。


 ペットでもお金を払う必要があるのは砂漠の東側の国だが、今回はカマクラの寝泊りでスルーしてきたからなぁ。ダルダン聖国とかブラギア王国では傭兵ギルドが無いし、入町税が取られない。何故かは知らないが、そうなってるんだよ。


 まあ、昔の名残とかそんな事なんだろうけどさ。おっと、下らない事を考えている間に大部屋の空いている宿が見つかったので、大銅貨10枚を支払って部屋を確保した。高いのは10人用の部屋だからだ。


 食堂に行き、大銅貨12枚を支払って夕食を食べる。蓮は町の中をキョロキョロ見ているが、あまり代わり映えしないからだろう、直ぐに飽きたようだ。宿の部屋に戻り、ゆっくりと寛ぐ。


 エルダ海洋国の王都は面倒だったと思いながら、ワインの半分をブランデーに、エールを全てウイスキーに変えておいた。ワインの半分は【熟成】して適当に渡す。メルも久しぶりにお酒が飲みたいらしく、蓮の書き取りは俺が見ている。


 紅茶を淹れてコップに注いでいると、蓮も欲しがったので一緒に飲む。やはり苦味というか渋味が厳しかったんだろう、ハチミツを少し入れて混ぜてやる。すると、美味しかったのか喜んで飲み始めた。


 ついでにディルも欲しがったので入れてあげた。当然だがハチミツ紅茶の方だ。ストレートは駄目ですか、そうですか。まあ、慣れてないから仕方ない。飲兵衛どもは久しぶりのワインとブランデーに喜んでるなぁ。


 気持ちは分からなくもないが、そこまでかと言いたくなる程に喜んでいて若干蓮が引いているぞ? ディルと一緒に書き取りを見ているが、そろそろインクが無くなりそうだな。何だかんだといって墨を買う必要はなかったのか?。


 とはいえ無くなってたら困るし、買った事自体は間違ってなかっただろう。それよりも、蓮はお手本が優秀だからか綺麗な字を書くなー。これはちょっと予想以上だぞ。まさかここまでだとは思わなかった。


 ヤシマの国なら右筆が出来るだろう事は間違い無いんじゃないかな。もちろん手紙の書き方とかマナーとか、覚えなきゃいけない事は多いだろうが。


 気付いたら酒飲みどもは撃沈しており、蓮もうつらうつらとしている。書き取りの道具をメルのアイテムバッグに入れ、蓮と2匹をベッドに寝かせて【昏睡】を使う。


 撃沈した酔っ払いどもをベッドに寝かせたら、ディルを満足させて寝かせた。全員の体を綺麗にしたら、<浄化の三道具>で周辺の邪気を【浄化】する。


 全て終わったのでやっと寝られるな。それじゃあ。おやすみなさい。



 ▽▽▽▽▽


 1255終了時点


 大白金貨51枚

 白金貨305枚

 大金貨1154枚

 金貨1252枚

 大銀貨1322枚

 銀貨1646枚

 大銅貨2250枚

 銅貨50枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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