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夕日が出てきたので、少し早いが夕食にする。麦飯とヘビーブルのステーキに、目の前で獲れる新鮮な魚介類のスープだ。麦飯をエリアに任せ、俺は魚介類を獲っている。1食分なので多く獲る必要は無い。
獲ってきた魚介類を【浄化】し、捌いたら蓮に任せる。いつも通り横でメルが見ているから大丈夫だ。【粉砕】した椎茸も渡したので、出汁も上手く出るだろう。麦飯が炊けたらステーキを焼き始めるか。
全員分が焼けたのでようやく食べられる。それじゃあ、いただきます。
「きょうのすーぷ、すごくおいしい! いつもとちがってね、なんかおいしいの! たこもいっぱい!!」
「今日のスープは新鮮な物を使ってるからよ。アルドが冷凍すると味が落ちるって言っていたけれど、改めて考えるとやっぱり違うわね」
「仕方がないって言ってたけど、味が落ちるのは事実だよねぇ……。まあ、代わりに長い間保存できるから痛し痒しさ。食糧の少ないトコじゃ、味が落ちたところで保存できた方が良いって言うだろうし」
「それはそうでしょう。飢えるまではいかなくとも苦しい生活の所は多くあります。帝国にもそういう場所は多かったですが、そういった所はお腹いっぱい食べるのが先ですから、味は二の次ですよ」
まあ、当然の話だなぁ。お腹が十分に満たせるようになってからだろう、味の話になるのは。仕方がないとはいえ、田畑の収穫を増やすか、画期的な保存食でも作られない限りは難しいと思う。
夕食後、早々にカマクラに入ってゆっくりする事にした。外は寒いし。いつも通りに加熱機で温めていると、蓮が疑問を持ったのか聞いてきた。なので魔道具の基本を教えてやる。そこまで難しい物ではないが、何故か皆が聞いてるな。
簡単に言えば魔法陣を直接インクで描く、または魔法陣の形を物理的に作り出せばいい。後は魔力を流すだけで起動する。その程度の簡単な物なんだが、描いたり作ったりする際の術者の力量まで記録されるのが厄介な部分だ。
インクが定着するまでの間、魔力を流してアイドリング状態を続けなければいけないのだが、そこの技量によって出来上がりが左右される。ちなみに物理的に作った魔法陣はその限りでは無い。代わりに精密に作るのと素材を吟味する必要があるが。
俺が魔銀やマナリアを使う理由だな。魔力のロスが少なく、効率が良い素材の方が優秀なのは当たり前だ。どちらにしても魔法陣部分が壊れれば使えなくなるのは間違いないので、壊すのは簡単だったりする。
そんな事を話してやっているのだが、よく分からないようだ。噛み砕いて説明したんだが、これ以上は砕けないぞ? 困ったな……。そう思っていたら、蓮は舟を漕ぎ始めた。どうやら眠たくて、右から左に聞き流したらしい。
そのまま寝かせてやると、2匹も両サイドに陣取った。カマクラでは布団を敷かなくても温かいから、そのまま地面で寝られる。布団を出すなら、すのこを敷く必要があるが面倒臭い。
皆に連れて行かれたので返り討ちにし、体を綺麗にしたら一息吐く。<浄化の三道具>を使ったものの、あまり吸い込めなかった。周りは海だからしょうがない。終わったんだから、さっさと寝よう。
今日も一日お疲れ様でした。
<異世界603日目>
おはようございます。今日は大陸まで移動する日ですが、また半日ほど舟の上なので大変です。エコノミークラス症候群とまではいかないが、あまり体が動かせないからな。
前方からの風は皆が【風魔法】の【風壁】で守っているから、そこまで寒くはない。交代で練習のように使っているが、他のメンバーは【風砲】の練習をしていたりする。
朝の日課を終わらせたら外に出よう。……寒っ!! 久しぶりに身を切るような寒さだな。無人島だから余計に寒いんだろう。風を遮る物が殆ど無いし。とにかく、温まれる朝食を作ろう。誰かさんが絶対に五月蝿いだろうから。
麦飯を炊きつつ、小麦と米の全粒粉を神水と塩で練っていく。しまった、尾張のダンジョンで米を採ってきてないから、あまり残っていない。無くなったら素直に諦めよう。
生地が出来たら麺にして【熟成】を使い休ませる。銀牙の骨で出汁をとり、野菜を入れて煮込むと良い匂いがしてきた。ガツンとは来ないが、力強さを感じる香りが素晴らしい。金牙も銀牙もレベル高いなぁ。
蒲鉾や追加の野菜を用意していると、蓮が起きたが2度寝したようだ。今日はゆっくり寝かせてやろう。麦飯が炊けたので、ブラックリザードマンの肉をミンチにして魚醤と灰持酒などを合わせたタレで炒めていく。
出来たら麦飯と混ぜ合わせておき、薄焼き卵を作ったらおにぎりを包んでいく。これが今日の昼食だ。昼食作りが終わった段階で皆が起きてきたので挨拶すると、早速食べようとしたので昼食だと言ってアイテムバッグに仕舞う。
全く油断も隙も無いな。ダリアは起きて直ぐなのに、ブラックリザードマンの肉を嗅ぎ分けたんだろうか? まあ、それは横に置いといてうどんを作ろう。麺を茹でたら、温めておいた出汁の入った椀に入れていく。
最後に、かす肉や蒲鉾にネギを乗せれば完成だ。さっさと全員分作って食べよう。
朝食後、カマクラや焼き場を壊し、舟を浮かべたら皆を乗せて出発する。ひたすらに大陸を目指して進み、昼食に卵で巻いたおにぎりを食べる。ダリアが興奮しながら食べているが、何がそこまで琴線に触れるのやら。
必死に舟を走らせ、夕方前には港町のシャイランに辿り着いた。港に舟を上げ、4分割にした後で【乾燥】を使って水分をとる。その後、アイテムバッグに収納して町の方へ。
町の宿で大部屋を大銅貨8枚支払って確保したら、少し早いものの食堂に行って夕食を食べよう。大銅貨12枚で夕食を頼んだら、椅子に座って一息吐く。やっと大陸側に戻って来れたな。
蓮は珍しいのか辺りをキョロキョロしているが、子供の好奇心は旺盛だから仕方ない。それに迷惑を掛けるような大声をあげている訳でもないし。ヤシマの国から初めて出たんだし当然だろう。藤よりマシだ。
夕食後、宿の部屋に戻ってゆっくりするも、皆は魔法の練習をしている。蓮は書き取りをしていて、段々難しい字や言い回しを学んでいるようだ。そういえばアルメアは貴族の書く暗号を読めるんだった。それも、教えるの?。
いや、恥を掻かないようにっていうのは分かるんだけど……あっ、はい。分かりました。まあ、アルメアの言うとおり、将来傭兵になっても無駄にはならない知識だ。亡国の子供達にも教えたらしいけど、王の子供というのも大変だ。
書き取り最中に舟を漕ぎ始めた蓮を、メルがそっと布団に寝かせると2匹が横を陣取った。いつも通りに【昏睡】で寝かせたら、皆を【極幸】【至天】【法悦】でキメて寝かせる。
体を綺麗にしたら、<浄化の三道具>で吸引と【浄化】を行った。思っている以上に多くてビックリするが、そういえばこちらも乱世だったのを忘れていた。さっさと寝て、明日一気に通り過ぎてしまおう。
それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界604日目>
おはようございます。今日から西へと陸地を進んで行きます。とりあえず砂漠の手前までは一気に進んで行きたいところだ。乱世の国々を通るんだし、妙な揉め事や戦に巻き込まれても困る。
朝の日課を終わらせた後、皆を【覚醒】で起こし朝の挨拶をする。部屋を綺麗にしたら宿を出て、食堂に行き大銅貨12枚を支払って朝食を注文した。
朝食後、町の外に出て少し移動したら、木像に乗って一気に進む。ウェロン、アイウェン、チャンニ、ウルバイ、デイバから一気にフィキ山を駆け抜けて、サイロウ国に入った。
グワンバ村は近いが、この辺りで昼食にする。焼き場を作り焼き網を取り出したら、まずは麦飯を炊いていく。それまで暇だが仕方ない。麦飯が炊けたので、それまでに作っておいたタレでバーベキューだ。
イカとか蛸も出して焼いていると、そればかり蓮は食べているので野菜も食べさせる。蓮は野菜を嫌がらないので素直に食べ始めた。野菜を嫌がらないというより、タレの味が好きなんだろう。
美味しかった昼食も終わり、後片付けをしたら西へと進んで行く。今日は砂漠の手前で野営かな?。
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1252終了時点
大白金貨51枚
白金貨305枚
大金貨1154枚
金貨1259枚
大銀貨1322枚
銀貨1646枚
大銅貨2373枚
銅貨50枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




