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 <異世界599日目>



 おはようございます。今日は何も無い日ですが、晴はどうなったんでしょうか。前向きな結論が出ていれば良いんだが、流石に1日じゃ難しいかな? 案外もともと結論は出ていて、後はキッカケ待ちだった可能性もあるけど。


 朝の日課を終わらせて、今は台所で麦飯を炊いている。俺にとっては今日の朝食をどうするかの方が悩みの種だ。結局、今日の朝は味付けした味噌で魚を煮る事にした。鯖味噌みたいなものだ。


 【浸透】と【熟成】を使いながら煮込んでいると、蓮が起きてきたので手伝いの用意をしておく。戻ってきたので綺麗に【浄化】し、今日は貝と野菜のスープを頼む。塩のみのシンプルな物だが、貝の旨味が利いた物にする。


 皆が起きてきたので朝の挨拶をし、麦飯が炊けたので食べていると3人娘も起きてきた。昨夜は遅くまで話し合いをしていたみたいだし、結論は出たのかね?。



 「いただきます。実はですね、私が甲斐に戻るのに合わせて長恵を家臣にと思いまして。それで、昨夜話し合っていたのです。甲斐武田家を終わらせるにしても、1度は当主の座に就く必要がありますので……」


 「かつて家臣に裏切られて逃げてきていますから、信用の出来る護衛が欲しいそうです。私は肥後の国を出てきていますので、特に誰かに仕えるのは問題ありませんし、今の甲斐の国ならば武功は稼げそうですから」


 「私も巻き込まれました。何故か尾張との連絡役をする羽目に……。まあ、甲斐の国にもダンジョンがありますから、双方のダンジョンの産物を売り買いするのは良い事だと思います。ですけど、一介のコウカ者にさせる事じゃないと思うんですけどね」


 「まあ、それを言われてもな。とにかく交易をするんならコレを渡しておこう、余ってて邪魔だったんでな。ついでに長恵にもやるよ。後は刀か……少々早いが甲斐に戻るんなら渡してもいいな」



 俺は千代女に交易用の中型のアイテムバッグ、長恵には小型のアイテムバッグを渡した。暴食竜の骨と牙で刀身と部品を作り、天覧試合で使った木の武器を持ち手や鞘に変えていく。長恵には打刀を晴には太刀を渡しておく。


 武器強化をして斬ると鎧兜ごと一刀両断にするので、気を付けて使うように説明する。2人は俺が嘘を言っているとは思っていないので唖然としているが、千代女が自分の薙刀を見せると理解したようだ。


 朝食後、全員でナコヤに移動する。身体強化を使っているので速いし、蓮は俺が背負っているので問題ない。さっさと那古野城前まで移動し、次郎君と蒼が門番に説明して中に入る。少し待たされた後、信秀さんの居る1室に通された。


 そこには武田家の家老が居て、晴信を見るなり泣いている。甲斐武田家は助かった。そんな事を呟いているが、晴は顔色を一切変えない。信秀さんが話を切り出すが、晴は1度甲斐の国に戻る事を言った。


 ただ、戻って後を継いだ場合は交易をお願いしたいとも言っている。千代女が借りたアイテムバッグなら少人数で素早く交易が可能な事と、甲斐のダンジョンでは鹿が多く出るのと金が出る可能性が高い事を話している。


 俺達にも聞くので、少なくともヤシマの国のダンジョンは地域性を反映している事は説明した。尾張は米、三河は綿、美濃は鉄、京は……何だろう? 少なくとも3国は地域性を反映している。そして甲斐と言えば金だ。


 鹿皮も色々な事に使える優秀な皮だし、肉も好みは分かれるが美味しいからな。交易の品としては間違っていない。それと【浄化】を進めて難易度を下げたいそうだ。流石に俺達に来てくれとまでは言わなかったな。偉い、偉い。


 信秀さんは、晴が当主の座に着いたら構わないと言った。流石に空手形を渡すような事はしないが、そんな事は当たり前の事なので問題なし。尾張としても金が手に入るのはありがたいだろう。大金貨が増やせる。


 その後、信秀さんは千代女に甲斐まで護衛をするようにと言い、千代女の顔が引き攣っていた。俺達は関係ないので後はご勝手にと思ったら、むしろ俺達には残ってほしいそうだ。何かあったのかね?。


 晴達が退出した後の部屋で、唐突に信秀さんが話し始めた。



 「次郎から聞いたのだが、今年の天覧試合に出て京八流に勝ったそうだな? それが本当の事なのかを聞いておきたい」


 「??? ……何故そんな事を聞くのか知らないけど、確かに京八流の奴等はボコったな。そもそも帝の要請でボコったんだから、どうこう言われても困るんだけどね」


 「何!? 帝からの頼みだったのか! どうりで面倒な事を嫌うそなたが天覧試合などに出る筈だ。尾張であっても、そなたの下で剣を習おうと有象無象が押し寄せるだろうが……」


 「げっ!?」


 「心底嫌そうな声が出たねぇ……気持ちは痛いほど分かるけどさ。どうするんだい、アルド? 今年は早くヤシマの国に来たし、早めにガイアルム王国に帰るかい?」


 「う~ん………そうだな、そうするか。帝にブン投げても解決しなさそうだしな。それに晴も長恵も千代女も居なくなるし、丁度いいと言えるタイミングだ」


 「久しぶりに戻りますか。王族組がどうなったか分かりませんし、リク達も1度南の大森林を越えて戻さねばなりませんしね。一応藤達にも話しておきましょう。おそらくヤシマの国に残るでしょうが」


 「だろうね。父親が傷を負ってるし、左腕が動かし難いそうだしね。何かがある可能性もあるし、あの子は残った方が良い。まあ、本人もそれは分かっているだろうけど」



 信秀さんが聞きたかったのは天覧試合のことだけだったらしい。俺は拍子抜けしたが、ヤシマの国にとっては非常に大事のようだ。京八流の当主全員で挑み、手も足も出なかったという事実は、俺が思っている以上に重いらしい。


 そんな事を聞いた後、俺達は温泉地へと戻った。別れの挨拶はしなくてもいいだろう、どうせ来年も会うだろうし。それにしても丸目長恵が武田信玄の家臣かー……。タイ捨流は生まれないかもしれないな。


 代わりに別の流派名で、自分の流派を興しそうな気はするけど。っと、温泉地に着いたな。まずは藤達の屋敷に行って話してくるか。訪ねるとカサーラしか居なかったので藤達の事を聞くと、ダンジョンに行ったらしい。


 なので、俺達は今日これからガイアルム王国に帰るから、藤達にはそう伝えておいてくれと頼む。一応事情を説明するとカサーラも理解してくれたらしく、「大変ですね」と言われた。


 自分達の屋敷に戻り、全て【浄化】して綺麗にしたら外に出る。ある程度の距離を離れたら、木像に乗って一気に進んで行く。鈴鹿峠の近くで遅い昼食を食べ、その後クサツまで来たので中に入る。


 宿の大部屋を大銅貨8枚でとったら、食堂に行って大銅貨12枚を支払い夕食を頼む。夕食後、宿の部屋に戻ってゆっくり休んでいると、ダリアが近くに来たのでブラッシングしてやる。


 相変わらず気持ち良いのか、うっとりしているな。それを見た蓮がやりたがり、優しくブラッシングをして遊ぶ。ダリアが気持ちよくなっているのが楽しいらしい。そんなもんかね?。


 ダリアが眠ってしまうと蓮も舟を漕ぎ始めたので、1人と2匹を布団に入れて【昏睡】を使って寝かせる。いつも通りに連れて行かれたので、大満足させてから皆も寝かせた。


 全員の体を綺麗にしたら、<浄化の三道具>で周辺を【浄化】して少しゆっくりとする。特に異常は無いが、何か気になるな。何かが起きそうな気がするんだが、気の所為かね?。


 悩んでても仕方ないから寝るか。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界600日目>



 おはようございます。昨日は妙な胸騒ぎっぽい事があったのですが、何もなかったようです。とはいえ、朝っぱらから町がザワザワしているのは気の所為じゃない。


 となると、何処かで何かがあったんだろうなぁ。



 ▽▽▽▽▽


 1250終了時点


 大白金貨51枚

 白金貨305枚

 大金貨1154枚

 金貨1259枚

 大銀貨1322枚

 銀貨1646枚

 大銅貨2507枚

 銅貨50枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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