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 「次は第六試合である! 第六試合は中条流とメルファラムの戦いである!! 双方前へ!!」



 メルは蓮の応援を受け、上機嫌で試合場へと出た。左手に木のカイトシールド、右手に木剣を持った形だ。メルはあまり使わないものの、別に剣が使えない訳ではない。なので、この装備で十分に勝てるだろう。


 と言うか、中条流の連中は多分メルの盾が突破出来ないと思われる。先鋒で出てきた者はよく分かってないのか、自信満々の顔で出てきているが……。


 試合内容としては、当然の結果としか言えないものだった。相手の剣を軽くいなしたメルは、首に剣先を突きつけて勝利。その後は順当に勝利し、大将でさえもメルの盾を抜く事は出来なかった。



 「次は第七試合である! 第七試合は念流とシュライアの戦いである!! 双方前へ!!」



 シュラは右手に棍棒を持って前に出る。京八流の連中は声を出して笑っているが、試合の開始位置に着いたシュラは棍棒を振って調子を確かめていた。「ボッ! ボッ!」という風切音を聞く度に、笑っていた連中の顔が段々青くなっていくのが面白い。


 先鋒で出てきた者の顔は完全に青くなっている。アレを叩きつけられたら木刀ごとカチ割られるからなぁ……。いや、本当にどうするんだろう? 殺してしまうのはマズいと思うんだが。


 試合が始まるとゆっくり歩いて近付いたシュラは、相手の攻撃をかわすと同時に相手の胴を払った。棍棒が直撃した訳だから、当然相手は悶絶する。その一撃でシュラの勝利となった。


 大した見せ場も無く、大将も現在悶絶している。シュラは面白くなさそうな顔をしながら礼をした後、こちらに戻ってきた。殴れなかったから仕方ないね。



 「次は第八試合である! 第八試合は鬼一流とディアーナの戦いである!! 双方前へ!!」



 ダナは両手に木刀を持って前へ出る。試合場へと着いたダナは自分の調子を確かめているようだが、相手の選手が出てこない。時間が掛かった後で出てきたのは、京の都の外に尾けてきていた奴だった。


 襲ってきた賊を山羊角の杭とキマイラの短剣で排除したが、その後に賊どもに近付いていた奴。そいつが先鋒として出てきたのだから、ちょっと驚いた。結局、コイツは何をしてたんだろうな? あの時は無視して帰ったからなぁ。


 おっと試合が始まる……まあ、あっさり勝つよね。相手の攻撃を左の剣でいなし、右手の剣を首に添えてダナの勝ち。非常にあっさりした試合だったが、実力差がある以上こんなものだ。


 悲しい事に見せ場も無く大将戦まで進み、大将戦も見せ場無く終わった。身体強化を使わなくとも勝てるが、帝のオーダーは京八流を凹ませることだからな。実力差を見せ付けないといけない。



 「次は最後の試合である! 最終試合は………良いのか? ……うぉっほん! 最終試合は京八流の当主全員とアルドゥラムの戦いである!! 双方前へ!!」



 俺は左手にカイトシールドと右手に木刀を持って試合場へと行く。まさかの8対1に戸惑っているようだが、俺だとこれでも簡単に勝ててしまう。流石に京八流の奴等も抗議しているが、帝は試合を始めるように言っているな。


 渋々出てくる者や、馬鹿にされたと怒り狂う者。8人にも色々いるが、俺は容赦をする気は無いぞ? 気合い入れろよ?。


 俺は「始め!」の合図と共に飛び出して、端の1人の鳩尾に木刀を突き込む。即座に反応した隣の相手の袈裟切りを、余裕を持って盾で流し後退する。1人が即座にやられた事で、相手も意識を切り替えたらしい。


 3人一緒に攻めてくる。おそらく逃げ道を塞ぐ為だろうが、左2人の攻撃を盾で受け止め、右の斬撃をかわして頭に攻撃を叩き込んだら後退。これで2人倒したが、予想以上に連携が良いぞ? 当主同士なのに不思議だな。


 今度は小柄な2人が接近してきた。鞍馬流と義経流の当主だったかな? 相手は小回りが効くが、俺は斬撃ごとシールドバッシュで弾き飛ばし、もう片方に最速の一撃を叩き込む。


 必死に起き上がってきた、吹き飛ばされた側にも攻撃を叩き込み終了。これで半数が消えた。残りの4人は一塊になってコソコソ話しているようだ。おそらくは連携して攻めてくるんだろうが、甘いな。


 俺は話している最中の相手に一気に接近し、右端の1人をシールドバッシュで吹き飛ばす。隣の奴は反応して攻撃してくるものの遅い。俺は円を描く様に動きながら、相手の攻撃を防ぐと同時に攻撃を叩き込む。


 そして吹き飛ばした相手に追撃を行い、残りを2人とした。既に相手には諦めムードが漂っているが、俺が容赦をする事は無い。【瞬閃】で近付き、胴を払ってやったら残りは1人。


 最後は正々堂々と正面から打ち込んできたが、回避しての一撃で京八流の全員を倒し終わった。これで帝のオーダーは達成だろう。俺は試合の開始位置に行き、一礼したら皆の下に歩いて戻る。


 爆発したような歓声が鳴り響いたが、俺にとったら五月蝿いだけだ。蓮が物凄く興奮しているが、メルがそれを見て嬉しそうにしている。いやいや、宥めようよ。うんうん、分かったから。一旦落ち着こうなー。


 興奮する蓮の相手をしていると、近衛家の当主が前に出てきて声を張り上げた。その瞬間、観客までもが静かになったのは流石だな。



 「帝が此度の試合を望まれたは、京八流に驕りが見えていたからである。今日の敗北を胸に、再び素晴らしき京八流に戻るようにとの仰せである! 以後、心身を新たにして励むように!!」



 そう言った後、帝が会場から去り、天覧試合は幕を閉じた。


 俺達はさっさと平氏の屋敷へと帰り昼食を食べる。そう、まさかの昼前での終了だったんだよ。皆があっさり勝つから試合時間が非常に短くなったんだ。


 俺の試合時間が1番長かったくらいだからなぁ。まあ、8対1だったんだからしょうがないけど。それより蓮も五月蝿かったが、清常さんも五月蝿いなー。そこまで興奮する事か?。


 長恵達は興奮も何もしていないだろうに。蓮は子供だから分からなくもないが、清常さんは大人だろう。少しは落ち着かないと恥を掻く事になるよ? そう言うと、幾分冷静になったらしい。



 「いや、すまん。まさか京八流の当主全員と戦い、あれほど鮮やかに勝利するとは思わなくてな。あの京八流が手も足も出んとは……今でも自分の見たものが信じられんよ」


 「そういえば長恵達は驚いていないけど、アンタ達は予想してたって訳かい? まあ、当然だとは思うけど、つまらないねぇ」


 「面白くしろと言われても困ります。私達は本物の身体強化を学んでいますし、あれが自由自在に使い熟せるなら京八流とて蹴散らせるでしょう。私達がその高みに届くかは別ですが……」


 「うむ、本当にそう思います。アレを自由自在に扱うのは、果たして人間種に届くものなのか。私としては疑問に感じます」


 「そもそも無理だと思っていますから、私にとっては目指すものではありません。武士じゃありませんし、剣士でもありませんからね、私は」



 3人娘は好き放題に言っているが、お前達も既にある程度はこっち側だぞ? もちろん俺達が居るのは遥か彼方だが、常人に比べればこっち側だと自覚を持てよ。そう言うと愕然としていた。………なんでだよ。


 そんな昼食を終えた後、俺達は何をしようかと悩んでいる。帝の頼みは終わった訳だし、これからは京八流も驕らずに励むだろう。逆恨みしてきたら始末すればいいだけだし、俺としてはどっちでもいい。


 午後からはいつも通りに過ごすとして、俺はダンジョンに行って金牙や銀牙を獲ってこよう。ついでに何か獲ってくる物あったかな? ……まあ、ダンジョンを進んでいたら、そのうち思い出すだろう。


 とりあえず昼食も食べ終わったので、ダンジョンに移動するか。



 ▽▽▽▽▽


 1247終了時点


 大白金貨51枚

 白金貨305枚

 大金貨1154枚

 金貨1259枚

 大銀貨1322枚

 銀貨1646枚

 大銅貨2527枚

 銅貨50枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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