1245
京の都の外にある会場までやってきた。実際には会場なんていう程のものではなく、何となくここで試合をしますよーという場所だ。帝が来る場所は決まっているので、その正面で戦う事になる。
その帝の近くは護衛の意味もあり、京八流で固められているそうだ。良かった、良かった。俺達は遠く離れた場所でいい、余計な事になるのは御免だからな。俺達の居場所は四角形でいうところの右辺だ。
上辺に帝や公卿や公家に京八流。左辺と右辺に出場者。下辺に見物人となっている。そして中央が試合会場だ。清常さんは下辺の見物人の場所に家人と共に居る。人がどんどん集まっているが、未だに京八流は来ていない。
まあ、ゆっくり待っていれば良いだろう。俺は適当にダリアやフヨウと遊びつつ、蓮と皆の会話を聞いたりしていた。「ドォーン! ドォーン!」という太鼓の大きな音が鳴ると、帝が席に来たようだ。
その後、公卿が前に出て天覧試合の開始を宣言すると、大きな歓声と共に始まった。この寒い中、観客の熱気が凄いな。娯楽が少ない時代だから、こういう時に盛り上がって楽しむのかね?。
誰か知らない奴の名が呼ばれ、京八流の誰かが出て行きボコる。その繰り返しで、大して強い奴も見当たらない。そんな事を繰り返していたら昼になった。この国では昼を食うのは一般的ではないからか、このまま試合を続けるようだ。
どうしようかな? と思っていたら、食べ物を売る商人がウロウロしているのに気が付いた。買っている人は意外に多いようだ。とはいえ、俺達が買ってもなぁ……。そう思った俺は、堂々とその場に土鍋を出した。
中に米と麦と神水を入れて【加熱】で炊いていく。横に鍋を出して乾燥椎茸と冷凍松茸を【粉砕】して入れる。神水と野菜とかす肉、それと蒲鉾を入れたら後は蓮に任せる事にした。
土鍋2つで御飯を炊いているからか、周りの視線が鬱陶しいが俺達は気にせず料理をする。こういう時代の催しだから、椅子も無ければ地面に座っているだけだ。料理しながら試合を見るっていうのも、なかなか面白いものだと思う。
麦飯が炊けたので塩を振っておにぎりにし、皿にどんどんと乗せていく。流石にこの場では【念動】は使えないので、自分の手で握っているが【浄化】しているので許してほしい。まあ、握って皿に置くと、誰かに食べられている状況だが……。
味噌汁は椀に入れて食べているようだし、好きにしてもらって良いんだが、強い者も面白い者もいない試合が続くなー。もうちょっと何とかならんもんか。下らない試合ばかりで楽しくない。
結局、夕方まで盛り上がる試合は無かった。先鋒を倒す者は何人か居たがそれで終わりだったな。俺は何十人も倒す必要があるのかと思ったがそうじゃなかった。先鋒、次鋒、中堅、副将、大将の5人だけのようだ。
それでも大将以外は入れ替えられるので、常に体力のある者が粘り続けると挑戦者は不利になる。どのみち挑戦者側は1人だけなので、絶対的に不利なのは変わらない。そういうシステムというか、形が出来上がってしまっている。
平氏の屋敷に戻った俺は、そんな事を皆と話していた。横の蓮は理解していないので、話には参加せず料理をしているけどな。挑戦者が不利な事がおかしいのも分かるが、いちいち有象無象の相手をしたくない京八流の言い分も分かる。
そんな話をしながらの食事も終わり、部屋へと戻ってゆっくりと休む。蓮はよく分かっていなかったが、話に加われない事で臍を曲げる事は無かったので良かった。今はダリアのブラッシングをしているが、もう少し優しくしようか。そうそう。
フヨウは俺の首に巻きついたままだが、こちらは我関せずとダラーっとしている。ダリアをブラッシングしていた蓮も、されていたダリアも舟を漕ぎ始めたので布団に入れてやろう。するとフヨウも布団に滑り込んでいった。
俺は1人と2匹に【昏睡】を使った後、皆をキメて返り討ちにして寝かせる。皆の体を綺麗に【浄化】したら、おやすみなさい。
<異世界596日目>
おはようございます。今日は天覧試合2日目ですが、そろそろ見所のある人物が出てきてほしいですね。流石に有象無象なんて見ても楽しくない。今日は2日目だから、名の有る人物も流石に出てくると思うが……。
とりあえず朝の日課を終わらせて、朝食を作りに行こう。台所で土鍋2つを使いシルバーチキンの出汁をとったら、麦飯をシルバーチキンの肉と共に炊いていく。今日の朝はチャパティとスープなので、そちらの用意もしておくか。
途中で蓮が起きてきたので、戻ってきてから【浄化】し手伝ってもらう。といっても、生地を練るのとスープ作りだ。身体強化で頑張って練ってくれているが、夢中になり過ぎてスープの鍋がおざなりになっているぞ?。
ちょこちょこ注意しながらも、鳥の炊きこみ御飯でおにぎりを作り皿に乗せていく。途中で皆が起きてきたので挨拶をし、皆にも手伝ってもらって終わらせた。炊き込みのおにぎりは昼用だ。
清常さんも起きてきたので朝食にし、チーズとハチミツを出して好きに付けさせる。蓮はチーズの方が好きなのか、たっぷり付けてチャパティを食べている。清常さんは両方とも味わっているようだ。
俺は適当にダリアやフヨウのチャパティに付けてやって食べさせる。そんな朝食も終わり、天覧試合の会場へと移動をしていく。まだ2日目なので俺達は見ている事しか出来ないだろうし、暇だなー。
会場に着いたので昨日と同じ所に陣取ったのだが、周りがザワザワしたぞ? よく分からないが放っておこう。試合が始まるものの、読み上げられる名は知らない者ばかりだ。そいつ等は先鋒に負けて帰ったりしている。
強い者がいないまま昼になり、俺達は朝に作っておいたおにぎりを食べている。少し濃い目に作ったのだが、それが丁度良かったみたいだ。白湯を飲みながら美味しそうに食べているが、危なく落としそうになってもいた。
よくある事とはいえ危なかったな。そんな事を話しながら昼食を終えた。昼を過ぎて少しした時、諸岡一羽の名が読み上げられた。清常さんの言っていた人物だが、果たして……。
先鋒と次鋒に粘られたからだろう、中堅が相手の時には体力が無くなっていた。残念だが、もともと挑戦者の方が不利だからなぁ……まあ、仕方ない。この辺りから先鋒や次鋒が負ける事も増えてきた。
それでも中堅が強く牙城を崩せない。中堅に置かれているのは、基本的に師範代クラスのようだ。そりゃ簡単には勝てないだろう。ただでさえ体力を無くす為に粘ってくるんだ。その後での師範代クラスだからな。
新免無二も雲林院光秀も中堅に破れてしまった。上泉信綱と愛州宗通だけが副将までいったが、2人も敗れてしまっている。塚原さんが大将まで引き摺り出した事は、やはり凄い事なんだろうなぁ。
今日の試合も全て終わったみたいなので帰ろうかと思ったら、試合場に公卿が出てきたぞ?。
「今日をもって通常の試合は全て終わりである!! 明日は帝がお望みの、不老長寿の方々と京八流の試合のみとなっておる!! 双方共に本日は十分に休むように!!!」
おいおい、明日は俺達の試合のみかよ。なんつー日程を組むんだ。まあ、決めるのは向こうだし諦めるしかないな。俺達は平氏の屋敷にさっさと帰ってきたけど、清常さんからジト目が飛んできてるぞ?。
「確かにそなたらの試合は3日目であろうよ。ただ、3日目がそなたら専用の試合日だとは思わなんだ。流石に前代未聞だぞ? まあ、不老長寿なのだから分からなくもないが……」
「それを俺達に言われても困るんだよなー。日程を決めてるのは向こうだし、俺達が言って決まるものでもない。そもそも俺達は何も言う気なんてないしさ」
「まあ、そうなのだろうが……。何かしらの意図はあると考えるべきだろうな。それが何なのかよく分からないが」
俺達だって分からないよ。
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1245終了時点
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銅貨50枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




