1244
朝食後、俺は平氏の屋敷を出て山科さんの所に向かった。家人に話して屋敷に上げてもらい、帝の頼みで天覧試合に出る事と昨日到着した事を伝える。山科さんからは予選のようなものは免除されている事と、楽しみにしていると言われた。
灰持酒とミードを渡しておいたからか頗る機嫌が良かったな。あんまり飲み過ぎると早死にしかねないんだが……。まあ、本人に言ったところで聞かないだろうけど。俺は帰りに都の店に立ち寄り、色々購入していく。
大麦を金貨1枚分、小麦を大銀貨1枚分、濁酒を金貨3枚分、米酢を大銀貨1枚分。俺が大量購入するので商人はホクホク顔だったが、周りの客は唖然としていたな。悪意を向けてくる奴も居るので、襲ってきたら殺すか。
そう思いながら京の都の外に出る。すると、更に悪意が大きくなった。俺が素早く前に走り出すと、連中は慌てて追いかけてくる。ワザと連中が追いつける速度で走り、都から引き離したので反転。全員をヴァジュラで麻痺させた。
男が8人に女が6人。意外に多かったと言うべきかもしれないが、全員に手枷と足枷をしたら【白痴】で聞いていく。
……下らん。金目当てで襲ってきた賊かよ。俺は山羊角の杭とキマイラの短剣で傷付け、手枷と足枷を外して放置する。
阿呆は何処にでもいるが碌なもんじゃないな。そう思いながらも、1人遠くから監視している者は無視して戻る。そいつが嗾けたというより、たまたま目撃して後を尾けてきたと言った方が正しいだろう。
俺は気付いていないフリをしながら京の都に帰ると、隠れていた男は俺が放置した奴等に近寄っている。男といえども襲われる可能性は高いんだが、ケツを掘られても知らんぞ。そう思いながらも無視して帰った。
京の都に戻った俺はダンジョンに行き、余っている樽に大量の聖水を作っては入れていく。ついでに神水も作って補充したら、一旦平氏の屋敷に戻った。皆は平氏の屋敷の広い庭で練習をしているらしく、清常さんも稽古をしているようだ。
俺は買ってきた大麦を麦芽にし、それを【発酵】させてエールを作る。そこからアルコールと風味の原料のみ【抽出】し、強制的に【熟成】させればウイスキーの完成だ。今度は濁酒を全て焼酎にしていき、これも終わった。いやー、疲れたなぁ。
大量に不必要な物が出たが、これはダンジョンに行って捨てればいいや。ダンジョンに行った俺は、人の居ない適当な所に穴を掘り、捨てた後に埋めて屋敷へと帰る。丁度昼時だったので、昼食を作りながら清常さんに酒を渡しておいた。
もちろん皆の分もあるから、そんなに睨まない。酒の事になると目の色が変わる気がするなぁ。久しぶりのウイスキーだから仕方ないのかね? こっちはエールとかワインが売ってないから色々作れないんだよ。アルダを採ってくればシードルは作れるけど。
後は梅に似たオリムでオリム酒を作るぐらいか。これも時間が掛かるけど、大麦からウイスキーを作るよりはマシだな。出来た昼食を皆で食べながら、今日襲われた事と御仕置きの内容を伝えておく。
ウチの女性陣は「またか」という顔をしているが、長恵達はスルーした。男8の女6だったと言うと、「ご愁傷様……」という顔に変わったが。ちなみに清常さんはずっとスルーしている。関わりたくないらしい。
昼食後、午後からは俺も参加しての練習とした。別に俺達が練習する必要などないので、もっぱら3人娘と蓮の修行だ。流石に調子に乗れるほど強くないので、千代女も混ぜて修行をさせている。
夕方まで修行をさせて、俺は一足先に台所へと戻った。麦飯を炊きつつ、横の蓮に豚汁の作り方を教えていく。今日は結構苦戦しながらも頑張っているのだが、台所の料理人達がほっこりしているのはどうなんだろう?。
まあ、それは放っておいて、蒸らしに入ったので魚を焼いていく。中から【加熱】しているので直ぐに焼き終わり、身だけを取り出して集める。解した魚の身に、魚醤やハチミツ等で味付けしたタレを和えて麦飯と混ぜて完成だ。
具がたっぷりの豚汁と、魚の身の混ぜ御飯が今日の夕食となる。豚汁に関しては銀牙と竜のかす肉も入っているし、蒲鉾類も入っていて本当に具沢山だ。蓮が入れたい物をブチ込んだ結果とも言うが……。
「今日は種類が少ないけど、量が凄い……。特にこのスープ? どちらかと言うと汁が少なくて煮物みたいになってるけどさ。でも、味は美味しいね」
「それね、れんがつくったんだよ。いろんなの入れていいよって言われたから、すきなものをいっぱい入れてみたの」
「ああ、それでこうなったんだ。流石におかしな物はアルドかメルが止めただろうから問題ないけど、蛸がいっぱい入ってるのは完全に蓮の好みだね。あたしは嫌いじゃないけどさ」
「私も特にどうこうはありませんね。そもそも蛸が1番入っているのは蓮の椀ですし、私達の方にはちょこちょことあるだけなので」
「そうだね。それよりも魚の身の混ぜ御飯はいいね。コレだと骨を取ったりとかしなくていいし、麦飯も味が付いていると普通に美味しいよ。体に良いから食べてるけど、それで美味しいと言う事は無いね」
どちらも皆に好評だったので良かった。3人娘は我関せずと食べる事に集中しているんだけど、千代女もそうだが食事中に気配を消そうとするな。何と言うか、全力で味わっているので邪魔すんな。そういう声が聞こえてきそうだ。
夕食後、後片付けを終えたら部屋へと戻る。蓮は好きな蛸をいっぱい食べたからかテンションが高い。そんな蓮を宥めながらゆっくりした時間を過ごす。皆は今日作ったウイスキーを早速飲んでいるが、酔っ払って寝そうな勢いだ。
そんな皆を放っておき、俺は蓮に神経衰弱用の木札を作って渡す。蓮は戸惑っていたが、直ぐに理解したのか遊び始めた。ダリアやフヨウも参加して遊ぶが、俺はそれを眺めているだけだ。
【空間把握】を使えば答えが分かってしまう為、最初から参加をする気は無かった。別に使ったりはしないが、使えるという事が重要だ。卑怯な事が出来る者は入れるべきじゃない。
蓮と2匹が寝た時には、皆は酔っ払って撃沈していた。いつも通り酒を飲まないディルと、蓮と一緒に遊んでいたメルだけが起きている。皆を布団に寝かせた後、2人のリクエスト通りに撃沈しておく。
2人とも大変ダメな顔をしているが、幸せそうなのでスルーして俺も寝よう。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界595日目>
おはようございます。今日から天覧試合が始まります。3日ぐらい掛かるらしいので、俺達は見ているだけだ。この天覧試合は京の民衆も見れるので、毎年多くの人が見に来るらしい。
とりあえず朝の日課を終わらせて、台所に朝食を作りに行こう。今日の朝はチャパティと、かす肉と野菜のスープにする。とりあえずチャパティの生地と、かす肉と野菜のスープを作っておこう。
蓮が起きてトイレに行ったので、そろそろ用意をしておくか。戻ってきた蓮を綺麗に【浄化】したら、鍋でチーズを溶かしながら味付けさせる。
そうこうしていると皆が起きてきたので、朝の挨拶の後チャパティを焼いていく。隣の蓮はそろそろチーズの味付けが終わりそうだ。俺の方もチャパティが焼けたので、さっさと朝食を始めよう。
「今日から天覧試合だし私も見に行くのだが、1日目だから見る者もおらぬであろう。そなたらの出番はおそらく最後になる、だから3日目だな。それまでは退屈な試合を見続ける事になると思うが……」
「俺が言った上泉信綱ですか? あの人が何処まで勝つかによって変わると思うんだけど……。上泉信綱も最後の方なんじゃないかな?」
「おそらく、そうだろうな。愛州宗通殿や雲林院光秀殿、諸岡一羽殿や新免無二殿もおる。京八流とて簡単に勝てる訳ではないのだが……門弟が多いのでな。強い者と戦う際には疲れてしまっており、その所為で負けるのだ」
「それは帝が凹ませろと言う筈さ。弟子の数で勝ってるようなものじゃないか、情けない」
そういえば<巌流島の戦い>だって、実は門弟を連れた集団戦闘だったと言われていたなー。本当かどうかは知らないけど。
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1244終了時点
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大銅貨2527枚
銅貨50枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




