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 「加賀の富は、中央大神殿に殆ど全て集められている。その富の大半を奪ってきたからな、おそらく相当の弱体化をしたと思う。腐った連中と、そのお零れに預かっていた奴等の殆どは始末できた筈だ」


 「まあ、この世から碌でもない連中が消えたのは良い事さ。それに火を着けていったって事は、木造の建物が多いヤシマの国なら、さぞかしよく燃えただろうとも思うよ」


 「行きで奪って行った分、帰りはスルー出来たんで楽だったな。そのまま京の都まで帰って、報告と折半をした後に元管領の遺体を見せた。その後、ダンジョンに持って行って【浄炎】で燃やし、【分解】で粉より小さくして終わりだ」


 「それで……結局、奴等はどれだけ持ってたんだい? その額を聞けば、どれだけ腐っていたかが分かるからねぇ」


 「ああ。でも全部纏めてだぞ? それでもいいなら言うが……確か、大白金貨が11枚に白金貨が140枚くらい、大金貨と金貨が500枚ぐらいで、大銀貨が700枚ほどで銀貨が1000枚、大銅貨と銅貨は500枚くらいだったかな?」


 「「「「「「「「「………」」」」」」」」」


 「「………」」


 「「「………」」」



 分かる。たとえ駿河の神殿の分が足されているとしても、明らかに金額がおかしい。ダリアとフヨウでさえ呆れているのが分かる程だ。そのうえ大白金貨とか白金貨なんて、そうそう手に入るもんじゃない。


 どうして加賀の中央大神殿が持っていたのか、首を傾げざるを得ない程の量だ。大白金貨に関しては、加賀の中央大神殿でしか見ていない。つまり、あそこに11枚あった訳だ。大白金貨1枚で白金貨5枚、つまり金貨500枚の価値だぞ。


 そう言うと、改めて理解したのか長恵と晴と千代女が唖然としている。大白金貨11枚で、金貨5500枚だ。ようやく馬鹿げた金額だと分かったんだろう。何で1神殿がここまでの大金を持ってるんだと、そう言いたくなるのも分かる量だ。


 さて、話も終わりだしそろそろ夕食を……と思ったら誰か来たな。とりあえず門を開ける前に【空間把握】で確認すると、2人の武士? が居た。1人は柳生宗厳だが、もう1人はおそらく上泉信綱だろう。


 俺は2人を上げ、さっさと台所へ案内する。皆ここに居るし、これから夕食の料理をしなきゃならない。話を聞くならここしかないんで、すまないが諦めてくれ。台所に案内されて戸惑っていたが、2人は納得したようだ。



 「突然お邪魔して申し訳ありません。某は上泉信綱と申します。こちらは皆様にお会いした事があるという、弟子の柳生宗厳でございます」


 「柳生宗厳でございます。丸目殿、お久しぶりですな」


 「そうですね、お久しぶりです。それにしても……あまり、お変わりないようで」


 「ええ、拙者は変わり無く元気ですぞ! ハハハハハ!」


 「「「「「………」」」」」



 言葉と意味が伝わっていないぞ? 長恵が言った「変わらない」は強くなってないって意味なのに、何故そのまま受け取るんだよ。ある意味最強だけど、ワザとか……? いや、こういう奴に腹芸は無理だ。となると、天然か。面倒な。



 「某どもは京の都で行われる天覧試合に出る為に上野を出てきたのですが、宗厳が外国の不老長寿の方にお会いしたとの事で、御挨拶に参りました」


 「成る程ね。まあ、泊めるのは構わないけど雑魚寝みたいになるのはいいか? それでもいいなら泊まっていけばいい。夕食も今作ってるところだし」


 「かたじけなく。感謝致します」


 「ありがとうございます!」


 「そういえば忘れてた。長恵と晴と千代女は都に連れて行くからなー。帝が天覧試合に出て、京八流の連中をボコってくれって頼んできたから。試合には出さないが、見る事も修行になるから強制だ」


 「「「えぇーっ!?」」」


 「面倒なのは分かるが決定事項だから覆せないぞ。文句なら頼んできた帝に言えよー」


 「そんな不敬な事が出来る訳ないでしょう! そもそも京八流をボコれってなんですか!? 何で帝がそんな事を頼むんです。おかしいでしょう!?」


 「そんな事を言われてもなぁ。清常さんいわく、京八流も驕っているらしくてな。ここらで1度ボコってもらって自覚させたいんだと。自分達の実力を」


 「あー……成る程。昔から優れた流派となって、それが当たり前になって驕ってると。で、帝はそんなバカどもに対して、圧倒的な力で捻じ伏せてほしい訳だ。目を覚まさせる為に」


 「それは分かりますけど、私の出番はありませんね。私は殴るか叩きつけるのが専門です。剣や刀を使う訳ではありませんので、試合に出ても意味がありません。殺し合いなら得意ですが……」



 客の2人はシュラが「殺し合いは得意」と言った瞬間に反応していたな。上泉信綱は臨戦態勢に、柳生宗厳はビックリしただけ。……この違いよ。お前さん、本当に上泉四天王の1人か? 怯えてどうする。


 その後、直ぐに落ち着いたが、上泉信綱は俺達の実力に気付いたんだろう。諦めにも似た表情をしている。別に何もする気は無いが、圧倒的なほど格上ばかりだと落ちつかないのかね? とにかく放っとこう。


 夕食が出来たので配膳していくが、小さなテーブルというか卓袱台がよく分からない2人に説明して食べていく。蓮は手伝って作ったと喜んでいて、メルが褒めるという会話を今日もやっている。


 ほっこり劇場は横に置いておき、今年の水の季節35日から始まるからギリギリだな。そう言うと2人に変な顔をされたので、美濃を経由して間に合うのか聞いたんだと説明したら、東海道で行く気だったらしい。


 そもそも尾張と北伊勢の戦の所為で、碌に舟で渡れないだろうと言うと、宗厳が「しまった!」という顔をし始めた。どうやら信綱には知らせていなかったらしい。現在、烈火の如く怒られている。当たり前だ。


 どうするかと困っているので、ツシマに行って大橋さんに訳を言えば乗せてくれるんじゃないかと言っておく。最悪、ここに戻ってくれば一緒に連れて行ってやると言うと安堵したようだ。俺達は木像があるからなぁ。


 夕食後、客の2人を先に風呂に入れている間、皆はゆっくりと食休みだ。俺は後片付けをしている。


 聞こえてくる会話では、蓮は文字を大分覚えたらしく、簡単な手紙なら書けるぐらいになったそうだ。


 子供の学習速度は速いなー、何て言うと思ったか! どう考えても<学習の三道具>だろ! 幾らなんでも覚えるのが早すぎる。知神はあの子をどうしたいんだ? もっと多くの事を教えろって事か? それとも……。


 あんまり怖い想像をしても仕方ないから、ここらで打ち切ろう。丁度2人が上がってきたので、次は長恵達だ。実は、待っている間に千代女には<防音の魔道具>を作って渡してある。使い方と効果を言ったら、赤面しながらも理解したよ。


 ちなみに晴はともかく、長恵の表情も全く変わらなかった。上の家の当主にはよくある事なので、気にもしていないそうだ。晴とは違って無理矢理な事も多いので、晴はまだマシなんだとさ。色々あったんだな、長恵も。


 マシと言われた晴は、長恵の一言で表情が変わったくらいに気にしていなかったらしい。「無理矢理は良くない……うん、大丈夫」と言っていたが、「さっさと風呂に行け」と言っておく。


 長恵達が上がった後、やっと俺達の風呂の番だ。客の2人は部屋に案内して酒を渡しておいたので、勝手に飲んで寝るだろう。お湯と湯船と体を綺麗に【浄化】したら、さっさと風呂に入って温まる。


 いつも通りに顎を縁に乗せるダリアと、沈んでいるフヨウを見ると安堵している自分が居た。なんだかんだと言って、多くの人を殺したことで多少のダメージはあったらしい。集中して自分を【浄化】しておこう。


 スッキリした気持ちになりながら風呂を上がり、縁側で涼んでから部屋に戻る。ダリアとフヨウは引っ付いてるものの、既に電池が切れかけている。それは蓮も同様で、舟を漕いでいて電池が切れかけてるのが分か……撃沈したな。


 1人と2匹を布団に入れてやり、全員を【精気】のみで大満足させた。今は皆を寝かせて綺麗に【浄化】している。強力に【精神浄化】と【魂魄浄化】を掛けてから寝よう。今回の事を考えて、それが良いと判断した。


 集中して皆を【浄化】したら、布団に入ってさっさと寝てしまおう。その前に客の2人を【浄化】して、<浄化の三道具>を使い周辺を全て綺麗にしておく。アイツ等は無理だから放っておけばいいや。


 今日も一日お疲れ様でした。



 ▽▽▽▽▽


 1240終了時点


 大白金貨51枚

 白金貨305枚

 大金貨1154枚

 金貨1263枚

 大銀貨1324枚

 銀貨1646枚

 大銅貨2580枚

 銅貨255枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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