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 「この銭の量を見ると、我等摂家でさえ唖然としてしまうのも仕方あるまいな。何なのじゃ、コレは。あの腐れ神官どもめ、どれだけ貯め込んでおるのだ。吐き気がするわ!」


 「凄まじいの。幾らなんでも、ここまでだったとは。どうりで我等の言葉を聞いても、のらりくらりとしておる筈よ。こんなもの、表に出せまい。どれだけ腐っておるかの証のようなものぞ」


 「滅茶苦茶としか思えませんな。言葉巧みに民より集めた銭とはいえ、ここまでの量であったとは……。もちろん、国を乗っ取るような連中だからこそであろうが……」


 「一応、説明しておくんだけどさ。越前や加賀の神殿の分と、朝倉家の蔵から半分頂いてきたのも入ってるから。それらも含めた結果がコレだよ。ま、朝倉家の分は2割も無いんだけど」


 「あの越前を持つ朝倉の銭の半分が、2割に届かんというのか……。加賀の中央大神殿は、どれほどまでに腐っておったのやら。アルド殿は北伊勢の神殿は奴隷売買をしておったと言うし、神殿を毛嫌いするのもよく分かるな」


 「なんと……神殿が左様な事をしておるとは……。神の御名を汚す事ばかりしか、しておらぬではないか! 全くもって許せぬ者達よ!」


 「言いたい事は分かるけど、無理に何かをしない方が良い。腐ったものを正しくするには、腐った年月と同じだけ掛かる。そういう言葉もあるくらいだ、焦らずにやっていった方が良い」


 「我も左様に思いまする。大きく物事を動かせば、先祖が起こしてしまった事と同じように、大乱になるやもしれませぬ」


 「我も近衛と同じ思いにございまする。ここは焦らず、腰を据えねばなりませぬ。大乱となる事だけは、避けねばなりませぬ故に」


 「う……む。あい分かった。朕とて大乱なるは望んでおらぬ。致し方なき事なのであろう」



 銭を数え終わったので分配となる。平氏の屋敷の人たちにも手伝ってもらったので、そっちは俺から渡す。まずは全部で幾らあったかなんだが……。


 大白金貨が11枚、白金貨が143枚、大金貨が522枚、金貨が681枚、大銀貨が772枚、銀貨が1042枚、大銅貨が889枚、銅貨が411枚、これで全部だ。な? 滅茶苦茶だろう?。


 まずは半分ずつなので俺の取り分は、大白金貨5枚、白金貨71枚、大金貨261枚、金貨340枚、大銀貨386枚、銀貨521枚、大銅貨444枚、銅貨205枚となる。


 あまりの量なのでどうするのかと思ったら、アイテムバッグを持って来ているらしく、そこに詰め込んでいった。気になったので聞いてみると、皇家に伝わるアイテムバッグは小型の物らしい。


 なので中型のアイテムバッグを、また渡しておいた。前に貰っている帝は遠慮したが、俺が「7個も余っている」と言って残りを取り出して見せると、周りも含めて唖然としている。その隙に山科さんに押し付けて、残りを仕舞った。


 若干、呆れた視線を向けられたが、俺は一切気にしていない。諦めたように溜息を吐かれ、中型のアイテムバッグの中に貨幣を詰め込んでいく。清常さんと台所の人達には、御礼として金貨10枚を纏めて渡しておいた。


 清常さんは多過ぎると言ったが、「こんな泡銭はパーっと使ってしまえばいい。どうせ元は腐った金だ」。そう言うと、納得していた。日の光の下に出してやるという事は、とても重要だからな。


 銭を全て詰めた後、俺はここに居る全員の前で元管領の遺体を出した。先に説明しておいたので誰も驚いてはいないが、それでも面影がある人相だからだろう。何とも言えない顔をしている。


 元管領だと確認がとれたので、俺は隠密の4つの技を使い屋敷を出る。ダンジョンに入り、周囲に誰も居ない所で【浄炎】を使って遺体を焼いたら、【分解】で見えないほど小さくしてやった。さて……戻るか。


 屋敷の台所に行き夕食を作っていると、何故か帝も来たので仕方なくヘビーブルを出す。麦飯を炊きながら、台所の人達に貝と野菜の味噌汁とマヨネーズ作りを教えて作ってもらう。蒸らしに入ったので肉を焼くか。


 既にタレは作っておいたので、【念動】で浮かせながら【加熱】でじっくり焼いていく。中からじんわりと焼き、なるべく旨味の元である肉汁を零さないようにする。その光景を見て唖然としている連中は置いておき、ひたすら集中する。


 焼きあがった肉は即座に出し、新たに5枚焼いていく。………ようやく全員分を焼き終わったので、俺も食事にしよう。それじゃあ、いただきます。



 「うん、今回も上手くいったようだな。焼けているものの、しっかり旨味は閉じ込められてる。総じて言えば、素人の料理としてはこれ以上は無理だろう」


 「ここまで美味いというのに、まだ上があるのか!? これはもう肉とは思えぬほどに美味いというのに、これ以上が……」



 喋っているのは清常さんだけで、残りの人達は余韻に浸っているようだ。俺と台所の人達は食べている最中なので、あまり話せない。というか、台所の人達は食べるのに夢中で話を聞いてないな。


 俺達は食べていたが、帝はそろそろ戻らなければならないので帰っていった。清常さんが見送っていったが、俺達は食べているので仕方ない。食事が終わった後、後片付けの最中に清常さんは戻ってきた。


 どうやら帝が去る前に、今年の天覧試合の話をしたらしい。何だそれ? と思ったが、俺が知らないのを分かっていたのか説明してくれた。毎年行われている、京の都の八流派が揃う試合があるらしい。


 去年は先帝が崩御されたので行われておらず、今年は気合いの入った物達が多いそうだ。今日は水の季節28日だが、毎年水の季節の35日から行われている。俺が知らないだろうと思って教えてくれたのだが……。



 「何か35日って中途半端だな? 年越しの用意とかあるからかね?」


 「その通りだよ。水の季節は戦の季節とはいえ、それは風の季節の田植えや、土の季節の刈り入れなどがあるからだ。そして火の季節は暑く、天覧試合をやるのに向いておらぬ。だから水の季節になる」


 「成る程。それを俺に話すって事は、まさか……」


 「無理は言わぬ。無理は言わんが、帝はそなた達に出てほしいらしい。京八流も驕っておる。ここらで1つ、己等の力量がどの程度なのか自覚させたいようだな。奴等の目を覚まさせたいらしい」


 「ぬーん……。面倒な事に巻き込まれそうになったら、全力で帝にブン投げよう。それなら出ても良い」


 「お主……相変わらず無茶苦茶な事を考えるな。とはいえ、帝からの要請でもある。帝の前に公卿の方々が出張ってくるだろう。随分と風通しも良くなったようだしな」



 どうやら清常さんは、公卿や公家の当主が大量に居なくなったのを知っているらしい。その家の奴等が騒いだのかね? そう思っていると、殺された家の奴等は、軒並み官位と官職を与えられなかったんだと。


 その事で帝の怒りを知ったらしく、意気消沈しているんだそうだ。それに、周辺の公卿や公家はとばっちりを受けたくないのか黙っている。なので、俺に何かをしてくる事は無いらしい。


 いつまでも自分達の地位が安泰だと思ったら大間違いだ。帝が突きつけたのはそういう事であり、それに戦々恐々としている。それが今の公卿や公家の本心のようだ。


 元々下らない事をしていなかった家は怯える事も無いのだが、そんな家は10家ほどしかない。その希少な家が近衛と二条と山科な訳だ。帝が連れている時点で、それは重用されている家となる。


 まあ、九条と一条がアレだったしなぁ。鷹司家は今は無いので、実質四摂家だったのが二摂家まで減ったみたいなものだ。勝ち組として驕っていると足を掬われるので、山科さんは気をつけてほしい。あの人の家は羽林だし。


 話も終わったので、そろそろ部屋に戻って寝よう。明日は温泉地へと戻らなきゃならないし、その後は細々とした用意をして京の都まで来ないといけない。食べ物とかゲットしておかないと、こっちで食べる物に困る。


 部屋に入り、部屋の中の空気を温める。酒なんかも色々渡したので減ってるし、向こうに戻って作っておかないとな。思っているよりも沢山やる事があるので、京の都に来るのはギリギリになるかもしれない。


 まあ、とにかく明日帰ってからだな。<浄化の三道具>で周辺を【浄化】したので、そろそろ寝るか。


 今日も一日お疲れ様でした。



 ▽▽▽▽▽


 1238終了時点


 大白金貨51枚

 白金貨305枚

 大金貨1154枚

 金貨1263枚

 大銀貨1324枚

 銀貨1646枚

 大銅貨2580枚

 銅貨255枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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