表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1236/1948

1235




 朝の話が終わった後で温泉地の外に出た俺は、木馬に乗って一気に移動する。京の都に行くうえに俺1人なので、伊勢のクワナを通って東海道を進む。一気にオオツまで進み、町に入って昼食を食べる。


 大銅貨1枚を支払って昼食を食べたら、町の外で木馬に乗り一気に京へ。都に入ると一直線に山科さんの屋敷へと行く。相変わらずだが、家人を呼んで話すと直ぐに中に入れてもらえるのは何故だろうな?。


 俺は山科さんに灰持酒を渡し、今回は朝廷から”お願い”があった事を話すと、急に渋い顔をしながら話し始めた。



 「おそらくは高位の方々でお決めになられたのであろう。残念ながら私の方には話が来ておらぬ。しかし……大陸の、しかも不老長寿の方に”お願い”など、我が国の汚点にならねばよいが……」


 「どのみち元管領は邪気、つまり<穢れ>を大量に吸収している。<穢れ者>と呼ばれている邪生は、邪気を吸収すればするほど強くなるからな。吸収した量によっては神官どもじゃ倒せないかもしれない」


 「なんと……。そこまでの状況かもしれぬ以上は、頼ってでも始末せねばならぬのは仕方なき事か」


 「その”お願い”の為に京の都に来た訳だが、話を何処に通していいか分からないから、ここに来たんだ。帝の屋敷にいきなり行っちゃ駄目なんだろう?」


 「それは当然じゃ。とはいえ、外国の方に言うても仕方ないか。とにかく直ぐに内裏に参内致してくるゆえ、いつものように平氏の屋敷で待っておってくれ」


 「了解」



 話を終えて山科邸を後にした俺は、平氏の屋敷に行き清常さんに入れてもらう。灰持酒を渡して事情を話すと、呆れながらも泊めてくれた。<穢れ者>になった理由も知っているので、余計に呆れているんだろう。


 そもそも暗殺者なんぞを嗾けてくるのが悪いんだし、俺は知らんよ。俺が悪いんじゃなくて、好き勝手しながら自分の悪行を欠片も理解しない阿呆が悪い。そう言うと、清常さんも苦笑いしている。


 辺りを見回すと清澄さんが居なかったので聞いてみると、どうやら上総に帰ったらしい。俺達は陸上を移動するが、関東からだと舟に乗って移動する者が殆どだそうだ。


 陸の近くなら魔物に襲われる事も滅多に無いようで、風を利用して一気に進める。俺達のように陸を移動する者も居るには居るが、急いで帰る必要もあり舟で帰ったらしい。この寒い時季にねぇ……大変だ。


 そんな話をしていると家人が戸を開けたらしく、帝が部屋の中に入ってきた。日本と違ってヤシマの国の帝はフットワークが軽い気がする。それはともかくとして、近衛と二条の当主も来たが山科さんが居ないな……。



 「申し訳ない。受けていただいて感謝する。朕から言える事は1つ、決して無理はされぬように……」


 「申し訳ない。後は我等がお話し致そう。面倒な事じゃが、細川に近い公卿や公家どもが勝手な事を喚いたのだ。不老長寿の所為で管領が<穢れ者>になったのだから、不老長寿に解決させろと言い出しおっての」


 「そもそも不老長寿がやった証なぞ無いのだから言い掛かりなのだが、あの愚か者どもは折れずに喚き続けおったのだ。とはいえ、管領を如何にかせねば民が喰われ続けてしまう。それに、越前も加賀も他人事のようにしておるだけで何もせぬ」


 「俺からは2つある。管領を始末するまでの間、俺の邪魔をした奴は排除しても構わないという許可を出してもらおう。それと越前と加賀の神殿から奪ってくるから、それは帝と折半だ。その2つを飲むなら引き受ける」


 「………うむ。朕はそれで構わぬ。というより、貰い過ぎな気がするのだが?」


 「どのみち腐った奴等が、腐った方法で集めた物だ。表に出して、日の光の下で使ってやった方がいい。腐った使われ方をすれば、銭も死ぬ」


 「それは、そうじゃの」


 「うむ。日の下に出してやった方が良い」



 公卿2人は神殿の金が手に入るからか乗り気だが、俺は”帝”と折半だと言ったんだが、理解してるのかね? まあ、朝廷には色々と儀式やら何やらがあるって聞いた事があるし、それらは帝の財から捻出するんだろう。


 そういった儀式やらが出来るのが楽しみなのかねぇ……。今の帝は後奈良帝だからなー。不要な儀式とか歌会とか減らしそうなんだけど、分かってなさそうだ。揉め事に巻き込まれても困るんで、指摘せずに放っとこう。


 この可能性も考えていたのか、既に紙や筆が用意されていたので、そこにサラサラと書いていく帝。達筆だけど綺麗な字だね。それでもアルメアよりは上手くないんだから、やっぱりアルメアの字は色々おかしい。


 そんな事を考えていると、気になったのか清常さんが聞いてきた。なので、アルメアの字は神様に鍛えられた俺よりも上手いと説明する。


 清常さんが家人に持ってこさせた紙に書いていくと、俺の字が綺麗なのが分かったのだろう、何とも言えない顔をしている。綺麗な字が書ける者はどうこうと言っているが、俺には聞こえない。綺麗な字と品行方正かは関係ないし。


 公卿の2人も俺の字を見て驚いているが、それよりも上だと言うアルメアの字に黙りこんでしまった。公卿や公家の家には、書が誇りである家があるからだろう。迂闊な事を言って、余計な揉め事が起きても困るだろうしな。


 穢れ者。細川晴元の浄化に際し、何人も邪魔をする事を許さず。


 要約すると、そう書いてある許可状を手に入れた。これで晴元を浄化するに辺り、邪魔をした者は全て始末できる。神殿の奴等とか邪魔してきそうだし。


 その後、帝と公卿は帰って行ったが、お土産に魔豊蜂のミードを渡しておいた。公卿2人で大きな樽を持ち上げていたが、大変そうだったなー。まあ、必死に持ち上げながらも笑顔だったから、きっと下賜されるんだろう。


 夕方に近かったので、台所を借りて夕食を作る。麦飯を土鍋で炊きながら銀牙の肉を角煮にし、台所の料理人にサラダ用のマヨネーズを量産してもらう。角煮が終わったら、キャベツ、玉葱、人参を千切りのように【分離】する。


 サラダ用の大きめの椀を用意してもらい、そこに【浄化】したサラダを入れて作ってもらったマヨネーズを掛ける。後は麦飯が炊けるまで待つだけだ。土鍋2つだが炊ける時間は一緒だから、ゆっくり待っててくれ。


 既に準備万端で待っている清常さんは、初めて会った時と随分変わったなぁ。そう思いながらも、麦飯が炊けたので料理人も含めて全員で食べる。恐縮していたが、冷えると美味しくなくなるから早く食べなさい。


 夕食後、宛がわれた部屋で1人ゆっくりとする。ダナと共に居るようになってから、必ず誰かは一緒に居たので1人っきりなのは久しぶりだ。こういう夜も悪くない。


 そう思える時間をダラダラして潰したので、そろそろ出発だ。俺は2度、3度と許す気は無いぞ? 覚悟しろよ。


 実は近衛と二条の当主からは、俺を使おうと喚いた公卿や公家を教えてもらっている。おそらくは自分達の派閥にとって都合の悪い者を教えたんだろうが、俺は関わった奴を全て殺す。無理矢理に口を割らせてな。


 ………あー、やっと終わった。今の時間は深夜2時くらいだろうか? 結構な公卿と公家が喚いていたらしく、随分無駄な時間が掛かってしまった。細川と関わりがあっても、動いていない家の者には何もしていない。


 そして細川の家と関わりが無くても、俺達を利用しようとした者は例外無く始末した。その後ダンジョンに入り、全ての死体は【分解】して終わりだ。かなりの魔力を消費したが、死体が消えて無くなる光景を見たよ。


 恐ろしい光景だったが、消費魔力も恐ろしいものだった。なので、この方法で死体を処理する事は2度と無いだろう。さて、平氏の屋敷に帰って寝よう。


 そういえば、俺に対して敵意や悪意を向けていた奴が大半だったな。酒呑童子の時は無視してやったというのに、結局こうなったか。バカは何処でも変わらんな。



 ▽▽▽▽▽


 1235終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨234枚

 大金貨893枚

 金貨933枚

 大銀貨938枚

 銀貨1125枚

 大銅貨2137枚

 銅貨50枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ