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<異世界576日目>
おはようございます。昨夜遅くに地震があったようですが、それ以降起きていないという事は、体感出来る程の揺れは1回だけだったんでしょう。それにしても、元の世界の日本とは違うとはいえ、地震の事がすっかり頭から抜け落ちていたな。
日本に近い国ならば、地震や台風はあって当たり前だと思わなきゃいけない。朝の日課を終わらせて、台所に朝食を作りに行こう。台所に来て点検してみたが、異常と思しき事は無かった。揺れも小さかったしな。
今日の朝はプレーンの饅頭とスープ、後はたっぷりのチーズだな。小麦と玄米の全粒粉を、塩と神水を混ぜて捏ねていく。生地が出来たら【熟成】を使ってから寝かせ、かす肉と野菜のスープを作る。
そうしていると蓮が起きてトイレに行ったので、チーズ作りを任せようと思った。蓮が台所に戻ってきたので綺麗に【浄化】し、手伝いは皆が起きてきてからだと言って白湯を出してやる。
蓮はダリアとフヨウが居なくなっていたのが気になったらしいので、昨夜遅くに地震があった事を教えてやる。よく分かっていないみたいなので、ゆっくり丁寧に教えると地震が理解できたらしい。
ダリアとフヨウは怖がって俺の布団に入ってきたので、今も俺の布団で寝ていると言うと、蓮は「怖がりだ」と言って笑っている。俺としては笑える状況で良かったと胸を撫で下ろしたよ。
皆が起きてきたので朝の挨拶をするも、起きたら居なかったからかダリアが足をベシベシ叩いてくる。どうやらそんなに怖かったらしい。蓮が抱き上げてくれたので治まったようだが、そんなに納得がいかなかったのか?。
フヨウはそうでないみたいだが、違いは何だろうね? まあ、さっさと朝食を作ろう。饅頭を蒸しながら、横でチーズを溶かして味付けする蓮を見守る。結構熱いので注意してほしいのだが、蓮は楽しそうだ。
【念動】で助ける準備はしていたのだが、蓮が怪我する事は無かった。やれやれ、子供の経験の為とはいえ心臓に悪い。2回目の饅頭を蒸し始めたら朝食の開始だ。
「うわぁ、きょうのも良くのびるね! れんね、この伸びるのすき!」
「ええ、チーズは美味しいわね。ちょっと熱いけど、それもまた寒い時季には良いわ。スープも美味しいし、今日の朝はゆっくり楽しむ味付けね」
「食事中悪いんだが聞いてくれ。昨夜ふと起きてな、その後に体感できる地震が起きた。結局、揺れはその1回だけだったんだが、もしかしたら東か西で大きな地震があったのかもしれない」
「地震……ねぇ。滅多に起きない事だけど、起こると大惨事になるから怖ろしい事さ。それが昨日の夜に1回だけか……確かにアルドの言う通り、この辺りで起きた地震じゃ無いね」
「ですね。アルドが言う震源地、つまり地震の中心では、飛び起きるほど大きな揺れの場合もあります。私達が起きずに寝ていたという事は、思っているより揺れは小さかったという事でしょう」
「それは朗報だけど、震源地の詳細は分からないままだね。そこの揺れが小さければ良いんだけど、大きかった場合はどれだけの被害が出ているか……。こういう時に乱世だと困るね。情報が直ぐに入ってこない」
「それだけではない。攻められるかもしれないと思って、被害を隠す可能性もある。それに、弱っているからと攻める可能性もな。どこで地震が起きたか分かれば、ある程度分かるだろうが……」
結局、俺達では分からないので話は終わりとなり、朝食の後片付けをする。長恵達はダンジョンに、晴達は裏庭に行き、蓮達は台所で勉強だ。俺は片付けが終わった後、ツシマに行って小麦を買ってくると言って家を出た。
ゆっくりとツシマに行き、大橋さんの店で小麦を大銀貨1枚分購入して帰る。そういえばヤシマの国って普通に小麦を育ててるなぁ。魔物が居る所為で水田を作り難いからかね?。
日本と比べて粉物文化が発展しているのは、ちょっと不思議ではあるんだけど、それがヤシマの国と言ったらそれまでか。そう思いながらゆっくりと温泉地に帰る。
ダンジョンを過ぎた辺りで不審な2人の武士が居たので、隠密の4つの技で姿を隠したら【空間把握】で話を聞く。【天耳】だと風の音などで聞き取れない場合があるので、確実に聞けるのは【空間把握】となる。
「おい、どうする? 尾張に居る我等に命が下ったが、下手をすると我等が今川と通じている事が露見してしまうぞ」
「分かっておる。だからと言って命を無視する訳にもいかん。我等は最早一蓮托生としか言えんのだ。尾張を、武衛様を裏切った者の末路よ。それに、夜遅くに血だらけの女を温泉地で見たという報せもあった」
「そうか。ならば温泉地に潜伏しておるのであろう。あそこには温泉目当ての客を泊める宿もある。隠れる事はできるからな。とにかく、目立たずにさっさと始末せねば我等が疑われぇっ!?」
俺は【衝気】を使い2人の武士を気絶させ、手枷と足枷を嵌めたら肩に担いでナコヤに走る。那古野城に着いたので、門番に勝家君を呼んでくれと頼む。片方の門番が中に入り少しすると、直ぐに勝家君がやってきた。
その勝家君は俺が肩に担いでいるものを見るや、直ぐに信秀さんの居室に案内してくれた。俺は信秀さんの前に2人の武士を転がし、斯波家を裏切ったと言っていた事、今川の命を受け晴信を殺す気だった事を伝える。
信秀さんは大変イイ笑顔で家臣を呼ぶと、勝家君と共に拷問しに行った。俺はさっさと那古野城を出て温泉地へと帰る。走っているのは、そろそろ昼が近付いているからだ。流石に昼食に遅れるのはな。
自分の家に戻った後、台所で昼食を作った。今は居残り組と食べているが、その食事中に今川の命を受けた裏切り者を捕らえた話をしておく。晴にも危機感を持ってもらわないと困るので詳細に話す。
「やはり今川が私の命を狙ってきましたか。今川にとって私は雪斎の首を取った者ですからね。義元としては許せないでしょう。父の仇と思われているかもしれません。まあ、だからどうしたとしか言えない話ですが」
「まあ、貴女にとっても今川家は父と弟の仇ですからね。それに戦場での因縁は言ってもキリがありません。戦場で行うのは殺し合いです。つまり誰かが死ぬという事ですから、恨むのは筋違いとも言えます」
「近しい人が死ぬのが嫌なら、戦いに出してくるなって話だからね。戦いに出るって事はそういう事さ。あたしが元居た盗賊団でも騎士達に追われる事はあったし、その戦いで仲間が死んだりしてたよ。相手の騎士もね」
「今川義元の父親にも等しいのだろうが、他人から見ればそんな事は知った事じゃないしな。あくまでも敵の大将でしかない。そんなに死なせたくなければ、戦に出さなかったら良かっただけだ。編成の認可は当主が出すんだろうに」
「その通りさ。おそらくだけど、甘えてたんだろう。雪斎という者なら必ず帰ってくると。そんな事はあり得ないというのに……それを知る代償が、雪斎の命だっただけだよ。よくある事と言えば、それで終わる」
「今川とやらはどうでもいいのだけれど、それよりも未だ残る裏切り者が問題ね。地下に潜伏されたり、大人しく従いながらだと分かり難くてしょうがないわ。未だ内部から崩される可能性を孕んだままなのは……」
「確かに危険ですが、それは何処の領地にも国にもある事ですよ。見つけ次第、潰していくしかありません」
昼食時にする話じゃなかったな。蓮が退屈そうにしている。そう思った俺は話を替えようとしたが、そのタイミングで誰かがやってきた。って、この声は宗兄弟か。俺は2人を家の中に入れ、台所に連れて来た。
スープぐらいしか余っていなかったので出してやると、2人は喜んで食べている。ウチのスープは具が多いからな。
「ごちそうさまでした。実はですね、アルドさんが捕まえた者達は武田様の暗殺だけでなく、不老長寿の皆様の暗殺も命じられていたようです」
「去年の戦の折、大量に今川の武士を殺したのがアルドさんだとバレてしまったようで、今川の家臣筋が激怒したようです。それを受けて已む無く雪斎が命じたとの事ですが……。本当かどうかは分かりません」
「ふーん。今川の奴等はとことん殺されたいらしいな? 俺だけじゃなく皆もか……。とりあえず、今日の夜から始めるとしよう」
「「「「「「「「………」」」」」」」」
俺が本気だと理解した皆は呆れている。多分、今川に対して「馬鹿だなぁ」とでも思っているんだろう。俺もそう思うよ。
▽▽▽▽▽
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王角竜の剣帯
王角竜の脛当
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