1226
朝食を終え、長恵と女性陣はダンジョンに行った。ついて行ったのはダナ、シュラ、ディル、フォルとなる。残って晴信を鍛えているのはリューとエリアだ。メルとアルメアは蓮に教えている。
俺は再びアジロのダンジョンへ行き、迷宮紋からダンジョンに入ると一気に21層まで走った。今は魔豊蜂を凍らせて始末しながらハチミツを乱獲している。呪いと邪気塗れのヤツが居なければ、簡単に勝てるので問題なし。
魔豊蜂の巣を手に入れてはハチミツを【抽出】してゲットいていく。ちなみに蜜蝋には興味が無いので捨てている。何に使えるか詳しくは知らないので、荷物になるものは置いていかないと際限無く物が溜まってしまう。
21層~23層で十分に手に入れたので、さっさと帰るか。今から戻ればギリギリ昼食の時間に間に合いそうだ。俺は急いで温泉地に戻り、家の台所に入ると昼食作りを始める。昼食は角煮まんでいいだろう。
小麦と玄米の全粒粉で生地を作り、その横でレッドカウの角煮を作っている。地味に角煮のタレにもハチミツって使ってるんだよな。そんな事を考えながら量産していると、家に残っている連中が集まり始めた。
といっても蓮達は台所に居たので、外の晴信組が中に入ってきただけだが。話しながら饅頭を蒸していると、晴信から別の名前で呼んでほしいと言われたので、面倒だから晴と呼ぶ事にした。
適当過ぎると言われたが、晴という名の女性は多い為、聞かれても問題ないだろうと言うと黙りこんだ。昼食の饅頭が蒸し上がったので、2回目の分をセットしてから食べる。それはいいが、千代女はまだ居るんだな。
「1度ナコヤに報告に行きました。そうしたら殿より武田様の身辺を警護せよと命じられましたので、戻ってきたんです。そこまで弱い方ではありませんが、まだ身体強化は私の方が上ですので」
「まあなあ。千代女に教えたのは去年だからな。それで晴に追い抜かされたら、流石に怠け過ぎだとしか言えないだろう。身体強化が出来るのと出来ないのとでは。天と地ほど違うからな」
「確かにそうですね。私も習っているので分かりますが、コレが出来るなら広忠殿に勝てぬのも道理でしょう。戦いの技だ経験だと言う以前の話ですからね」
そこから先が長いんだが、今の晴には言うまい。言ったところで先の苦しみにやる気が出なくなるだけだからな。それよりも、昼までの練習は上手くいったのか? ……リューとエリアが言うには、センスは悪くないそうだ。
まあ、1日や2日で簡単に戦えるようにはならないか。武田信玄の才能ならいけそうかなと思ったが、流石にそこは甘くないらしい。とはいえ、信玄がどこまで個人で強かったかは知らないしなぁ。
昼食後、ゆっくりしてから練習を再開するようだ。午後からは蓮も身体強化の練習か。俺は何をしようかな? そう思った時、玄関に藤達が来た。何かあったのかね? 考えながらも藤達を台所へ通して聞いてみた。
「いや、何かではなくてな。源氏の名門とも言える武田が、まさか戦で敗北して崩壊するとは思ってもみなかったのだ。織田家の屋敷から報せが来て仰天したので、慌てて駆けつけたのだが、まさか晴信しか残っておらんとは」
「お騒がせして申し訳ありません。何とか命からがら逃げ延びる事が出来ました。我が家から持ち出せたのは、<大量鞄>と<楯無>だけです」
「何と! 楯無を持ち出せたのか!! はっはっはっはっ、これは傑作だ。今ごろ、今川の者どもは血眼になって楯無を探しておろう。ところがだ、楯無は正統な所有者の元にあるのだからな。これが笑わずにいられようか!」
「楯無……ですか? ……ああ! 古くから名門に伝わる鎧なのですね。盾が無くてもいい程の堅牢な鎧。ゆえに<楯無>ですか。成る程、血眼になって探す筈です」
「その今川というのが何氏か知らないけれど、その源氏? というのより格下となれば、それは血眼になって探すでしょうね」
「我が足利家は清和源氏の一門である河内源氏の一門だが、武田も同じ清和源氏で河内源氏の氏族だ。だから我が足利と武田は血筋では対等なのだが、今川は違う。我が足利の分家が吉良であり、その吉良の分家が今川だ。我が足利からすれば分家の分家でしかない」
「武田さんと足利家が同じという事は、今川という家は家格が下という事ですか……。上の家格の家の家宝、手に入れようと思うのは当然でしょうね。僕でも分かります。箔が付きそうですし」
「そうねぇ。それに、その有名な8つの鎧も最後の1つしか残ってないんじゃ、余計に探すでしょう。それはもう必死にね。無くなっていたり、壊れていたりすれば、何を言われるか分からないでしょうし」
「うむ、その通りだ。<源氏八領>は<楯無>しか残っておらん。大昔の戦で失われてしまっているからな。だからこそ、源氏一門から厳しい目を向けられるであろう。それは隠しておいた方が良いな、その方が面白くなる」
「「「「「「………」」」」」」
「そもそも晴が生きているってバレたら、そこに楯無もあるってバレないかい? 殺すついでに要求してきそうだけどね」
「そんな事は気にせずとも良かろう。どのみち暗殺者を送り込んでくるであろうしな。私からすれば、手を出してアルド殿に暗殺されるまで見えるように分かるが? どうせ、そうなる」
「「「「「「「「………」」」」」」」」
全員が深く頷いている事に遺憾の意を表明したい。何故に蓮まで頷いているのかは気になるところだが、手を出してきた奴が悪いのだから俺は悪くないぞ? そもそも他人を殺そうとするから殺されるんだ。当たり前の事でしかない。
うん、だから深い溜息を吐くのは止めてくれないか? 暗殺者を送られたら反撃しなきゃ駄目だろう。じゃないと送った側は際限無く調子に乗るぞ。だからこそ、叩き潰してソイツのやった事を一族や家族に自覚させないといけない。
三雲を見てみろ、自覚できたからこそ平身低頭に謝罪してきただろう? アレも俺が反撃しなければ、間違いなく調子に乗り続けてた筈だ。そう言うと、皆は納得できたらしい。
まあ、何かするにしても、今川の奴等が手を出してきてからだ。俺からは何もしない。あくまでも武田と今川が戦をして、今川が勝っただけだからな。それだと俺が動く理由が無い。
「はるを、たすけてあげないの?」
「いや、助けはするよ。でも今川の暗殺まではしないって事さ。俺が今川に手を出す理由が無いんだ。晴を助ける理由は特に必要無いしな」
「うーん……むずかしい」
「まあ、蓮がもっと歳をとってからね。今は他に学ぶ事がいっぱいあるから、そっちが先よ。さ、身体強化の練習を始めましょう」
「は~い!」
そう言って蓮とメルは裏庭に行った。晴とリューとエリアも裏庭に行き、晴の現状が分かった藤達も自分の屋敷に戻って行った。さて、俺は何をしようかな? 結局、藤達が来て話していただけで、やる事は決まっていない。
そんな事を考えていると、勝家君がやってきた。何かあったのかと思うも、喫緊に問題となる事なんて無かったと思うが……。とにかく台所に上げて聞いてみる。
「すまん。少し話しておかねばならぬ事が出来た。実は、北伊勢の神殿が突如として中伊勢を攻め始めたのだ。理由はよく分かっておらん。ただ、いきなり訳の分からん戦を始めたので、殿がアルド殿が関わっておるのではないかと思われてな」
「いや、信秀さんは予想がついてるだろうに。まあ、いいけどさ。俺が北伊勢の大神殿と中規模の神殿2つから、根こそぎ奪ってきたからだろう。あそこの大神殿は、神殿内で奴隷売買をしていたんでな。容赦なく全て奪ってきた」
「なんと、まあ……。神殿の者どもが奴隷を売り買いするなど、いったい何を考えておるのか。アルド殿に銭を奪われたので、銭欲しさに中伊勢を攻めたのかもしれんな。中伊勢で最大の長野は北畠と争っておるし、余計か……」
しかし中伊勢って神戸とか関とか楠木とか、それなりに有力な家があったよな? そんな簡単にいくのかねぇ……?。
▽▽▽▽▽
1226終了時点
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銅貨50枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




