1225
あれだけ文句を言って睨んでいた晴信も、今は美味しそうにヘビーブルのステーキを食べている。まあ、面倒臭い雰囲気が無くなったのなら良い。今日1日で無理矢理走れるようにしたが、これは最悪の時に逃げ出す為だ。
馬に乗った連中に追われて逃げ切るには、身体強化をして走る必要がある。なので、今日1日で走るところまで教えた訳だ。本当は2日ほど掛ける気だったのだが、思っている以上に晴信に才能があったので1日で教えようと思ったんだよ。
そんな事を話すとジト目を向けられたが、馬に追われても逃げ切れるというのが何となく分かるのだろう、先ほどのように睨んでくる事は無かった。それにしても、よく食うな。お腹空いてたのか?。
夕食後、長恵と晴信に千代女は風呂に入りに行った。またもや千代女が居るが、ここに晴信が居る事も報告しなきゃならんのだろう。色々な事を詳細に調べているという体で、食べたり風呂に入ったりしている。
そこまで間違った予想じゃないと思うが、図々しさは呆れるしかない。役得ぐらいにしか思っていないのだろうが、真面目に仕事をしないと怒られるんじゃないのか? 当主である父親か、その家臣に。
望月家としても、良い仕事先は確保しておきたいだろうが、そこで働いている娘が役得とばかりに遊んでいるんじゃ怒るだろう。そう言うと、風呂上りの千代女は激しく動揺し、長恵と晴信は呆れた様な視線を向けた。
そのまま動揺する千代女を放置して、俺達は風呂に入る。温泉と自分達の体を綺麗に【浄化】してから温泉に入る為、いつも温まる以外に意味は無い。それでも温泉の心地良さの為に風呂に入っている。
じっくりと温まり、風呂から上がった後は縁側で火照りを冷ます。その後、部屋に戻ってゆっくりとしているが、皆はどうやら酒を飲んでいるようだ。2匹もミードを欲しがったのであげたのだが、魔豊蜂のハチミツはどうしたんだ?。
「あの4樽なら均等に皆で分けたよ。半分ずつに分ければ良いだけなんで、特に難しくとも何とも無いしね。アタシは勿体ないから全く口にしてないよ。ああいうのは、たまに口にするから美味しいのであって、シュラみたいに貪ってもねえ」
「そんなに貪ってませんよ! ちょっと予想外に食べてしまいましたけど、そもそもハチミツばかりも飽きるものだと分かりました。なので、もう沢山食べたりしません」
「まあ、経験してみないと分からないとは言うけれど、ハチミツを貪るように食べるのはちょっと……」
「はちみつ?」
「うん? 蓮は俺が4つ樽を出したのを覚えてないか? それに前に食べた筈だけど……あれ? 食べて無かったか? 覚えてないな。まあ、明日の朝で良いだろう」
「そうだね。朝からハチミツかー。僕が子供の頃だと想像も出来ない朝食だね。まあ、自分達で手に入れた物だから、どうするも自分達の勝手なんだけど」
「そうですけど、昔の御馳走なんてもっと下の物ではありませんでしたか? 私は酸っぱくないパンが御馳走でしたね。周りも黄パンの家庭ばかりだったので、それが当たり前でしたから」
「あたしは肉かなぁ。盗賊なんて、いつ食べられなくなるか分からないから、腐るギリギリまで置いておくんだよ。でもさ、たまに焼いた肉がたっぷり皿に乗っててね。沢山食べても怒られない日があるんだ」
皆が昔の御馳走話を始めたんだが、既に蓮と2匹は舟を漕いでいる。【念動】を使って揺らさずそっと布団に入れてやり、2匹も蓮の横にスライドさせる。掛け布団を上から掛けると両腕をホールドされた。
連れて行かれたので全員をキメて寝かせ、部屋と体を綺麗にする。長恵達の部屋と体を綺麗にしたら、おやすみなさい。
<異世界575日目>
おはようございます。ここ最近、戦の季節なのに何もありません。前にも考えたが、何か嫌なモノがマグマのように溜まってなきゃいいんだけど……。一気に噴出して襲ってくるのは止めて頂きたい。
そんな嫌な予想は放り捨て、朝の日課を終わらせたら台所へ行こう。今日の朝食は目玉焼きとサラダにチャパティだ。昨夜、ハチミツを使う事が決まったので、シンプルに付けて食べる形にした。
全員分のサラダとチャパティを先に用意しておき、後で目玉焼きを焼けばいいか。小麦の全粒粉に塩と神水を混ぜて生地を作る。1人分まで薄く延ばしたら【熟成】してさっさと焼いていこう。
その横でサラダを作りながら、出来上がったらマヨネーズを作って上に掛けていく。全員分のチャパティが焼けた頃には蓮が起きてきたので、今日の手伝いは皆が起きてからだと言っておいた。
蓮がトイレから戻ってきたので、綺麗に【浄化】してやり神水の白湯を出してやる。2匹は珍しく眠っているらしいので蓮と2人だが、子供は朝から元気だなぁ。もしくは女の子だと言うべきか。
朝から蓮のマシンガントークで攻撃を受けています。子供の話だから微笑ましいが、これが成人女性のマシンガンならゾッとするところだ。相槌を打ったり頷いたりしていると皆が起きてきたので、朝の挨拶をする。
その後は目玉焼きを焼きながら、横の蓮に焼き方の指導をする。半熟や硬め、あるいは潰して両面焼きなど。これに関しては好みが幅広く存在するからな。俺は半熟か、潰して両面焼きのどちらかだ。
適当に半熟で焼いていくが、皆に好みを聞いても「よく分からない」という顔をされたので、全て半熟にする事にした。指定が面倒な事もあるが、指定されないのも面倒臭いもんだ。コレで良いか分からないからな。
蓮とエリアが手伝ってくれたので早く終わり、早速食事を始める。ハチミツは俺のアイテムバッグのを出しておいたからか、皆たっぷり付けて食べているらしい、別に好きにしていいんだけどな。それ、去年のだし。
「わっ!? あまい! おいしい!! これ、甘くておいしいね!」
「ええ、ハチミツは甘くて美味しいのよ。それにしても贅沢ねえ。何と言っても、魔豊蜂のハチミツをこれでもかと付けて食べるなんて……」
「小さな壺1つの最低価格が白金貨2枚だからねぇ。そう簡単に食べられるようなもんじゃないんだけどさ。アルドは普通に採ってくるから、そこまで価値のある物に見えなくなるんだよ」
「ある意味では、普通のハチミツより軽い扱いをしている気はします。どうせ無くなったらダンジョンに採りに行けばいい。おそらくですが、アルドにとってはその程度でしょう」
「まあ、それが主様にとっての事実なんだから、どうしようも無いけどね。ちょっと行ってパパッと採ってくれば、魔豊蜂のハチミツが手に入るんだよ。誰に言っても理解されないだろうけどね」
そう言いながらも他人の物だと思って、たっぷり付けて食べてるじゃないか。君等も無くなったらどうせ俺が採りに行くと思ってるんだろう? まあ、採りに行くんだけども。だからと言って、気にせず食べすぎじゃないか?。
そこまでハチミツを乗せたら、ハチミツの味しかしないだろうに。子供みたいな食べ方だな。それに関しては長恵達も全く変わってないが、女性は甘い物が好きだなぁ。俺は見ているだけでも厳しいわ。
最後はマヨネーズ付きのサラダで終わらせ、神水の白湯を飲みながら落ち着く。女性陣はチャパティを小さく千切りながら、たっぷりのハチミツを付けて食べている。あそこまで食べると、間違いなく食べすぎだな。
甘味は摂り過ぎると危険だからな、そろそろ食事を終わらせてほしいもんだ。どう見ても食事というよりハチミツを食べているだけでしかない。蓮でさえ既に食事を終えているというのに、この大人達は……。
そんな連中を、2人と2匹で呆れながら見ていた。子供に呆れられているという自覚はあるのかね? 俺には不思議でしょうがないし、周りが見えなくなる程か? と思う。
蓮でさえ、あそこまでハチミツに熱狂してないぞ?。
▽▽▽▽▽
1225終了時点
大白金貨46枚
白金貨234枚
大金貨893枚
金貨933枚
大銀貨941枚
銀貨1125枚
大銅貨2148枚
銅貨50枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




