表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1212/1948

1211




 「皆、お帰り。ところでメルが抱えている子供は何処の子なんだ? 千代女が一緒に居るって事は、何となくコウカの子なんだとは思うが……」


 「残念ながら違います。この子供は京の都に行っている父上の家臣達が預かったらしいのですが、父上もどうして良いか分からず、私に預けてきたんです。私に預けられても困るんですけどね」


 「どういう事なのか訳が分からないのだが、何でも公卿の家の庶子らしい。千代女から聞いた話では、先代の当主の最後の子らしいのだが……。その当主は2年前に亡くなっており、今代の当主は14日ほど前に病で亡くなったそうだ」


 「何でも血縁関係のある家には継げる者が居なくて、このまま絶家となるらしいよ。公卿や公家の家を庶子に継がせる事は出来るけど、流石に幼すぎて無理なんだってさ。この子、まだ4歳らしいから」


 「はい。土御門家の息女ですが、継いだ長男も15歳という若さで亡くなっています。何でも風邪だったらしいのですが、咳が止まらずにどんどん悪化したらしく、それが元で亡くなったと聞きました」


 「となると、最初は風邪だったが肺炎を併発したかな? それはともかくとして、その子は結局どうするんだ? 何故かメルが抱いているし、千代女は困惑しているみたいだし」


 「尾張に与えられている、コウカ組の家で養ってほしいと父上から頼まれまして……。コウカは裕福ではありませんので、食べる物もある尾張の方が遥かにマシだろうと。元々庶子の子ですから、家が絶家となれば……」


 「そうなると私よりも悲惨ですね。私も両親は若い頃に亡くなりましたが、それでも帝国軍の試験を受けられる12歳ではありましたから何とかなりました。しかし、4歳では……」


 「何というか、ある意味であたしと一緒かな? あたしも子供の頃に攫われて盗賊の親父に育てられたけど、本当の実家は公爵家らしいしさ。この子はちょっと他人事じゃないんだよね」


 「まあ、別に皆が引き取りたいって言うなら、それで良いんじゃないか? ただでさえ嫡子じゃないのに、家が無くなったとなれば悲惨な事にしかならないからな。俺達なら問題にはならないだろうし」


 「そう言って頂けると助かります! 私だって子供を育てた事なんて無いんです。父上が言っている事は無茶振りなんですよ。それなのに、私に何とかしろって言われても……」


 「愚痴は帰ってしてくれ。それよりも、この子の名前は? 庶子だからって別に家の名を名乗れない訳じゃないんだろ? ……だったら堂々と名乗ればいいさ。たとえ絶家となっても、自分の家は自分の家だ」


 「そういえば聞いていなかったけど、貴女のお名前は? 私の名前はメルファラム。皆はメルと呼ぶわ。貴女のお名前を教えてくれる?」


 「つちみかど、れん。すいれんっていう、きれいな、おはなのなまえ」


 「ああ、睡蓮からとったのか。睡蓮っていうのは水の中に生える草花でな。葉っぱが水面に浮かんでいて、その上に白い花を咲かせるんだが……。そういえば、この子の髪は真っ白だな?」


 「それは、この子が白狼族だからだと思いますよ。公卿や公家は希少な種族との間に子を為して、後を継がせる事が多かった時代があったそうですから。たぶんですけど、この子は先祖返りなんだろうと思います」


 「成る程。なんだかんだと言って、そういうところは強かだな。ところで何か嫌いな食べ物とかあるかい? あるなら先に言っておいてほしい」


 「……ない」


 「そうか。なら、そろそろ夕食の準備をするかね。メルとフォルは手伝ってくれ、それとリューとエリアは蓮の事を頼む。ディルはダナ達に、今日の練習はそろそろ切り上げるように言っておいてくれ」



 皆がそれぞれ動いていく。今日の夕食は無難にハンバーグでも作るか。あの子の歯は生え揃ってるから、食べる事に関しては問題無い。種族によって生え揃う時期は違うからさ、助かったよ。しかし父親が2年前で、兄は2週間前ってキツいなぁ。


 土御門家がどういう家かサッパリ分からないんだが、有名な家なのか? 何か聞いた事が無いんだけど、絶家となったと言っていたしな。元の世界の日本でも絶家になっていたら、俺じゃあサッパリ分からな……うん? 藤達か?。



 「すまぬな。今日クニの護衛をしてもらったと聞いて礼をしにきたのだが、ついでに夕食を……この童はどうしたのだ? 何というか3つか4つに見えるが、何処かから攫ってきたとは思えぬし。何かあったのか?」


 「この子は絶家となった公卿か公家の家の庶子らしいよ。土御門家っていうらしいけど、父親が2年前に、兄貴が14日前に亡くなったんだってさ。幼すぎるんで継がせる事も出来ないし、家が無くなるみたいだね」


 「ああ、成る程。……しかし土御門家か。清華家であり、久我家の庶流だな。確か、今の久我家の当主は近衛公の弟だった筈だ。その久我家の庶流が土御門家となる。村上源氏の嫡流が久我家で、その庶流となるのだが……」


 「それなりに上の家格の家って事? 台所の声は何となく聞こえてたから分かるけど、そんな家が無くなるっていうのも珍しいね。家格が上の家って、何とか残そうとするんじゃないのかい? 普通は」


 「そうですね。普通なら何処ぞの家の者を養子にして、時の王が後見して続けさせるのでは? もちろん嫡流の血筋では無くなりますが、そんな事はよくある事でしかありません。特に問題ないでしょう」


 「多分だが……先ほども言った通り、久我家の庶流だからだろう。帝は数多ある庶流を減らしたいのかもしれん。庶流ばかりなうえ、そういう家の所為で朝廷の財政も厳しいからな。家を減らして、かかる費えを減らしたいのだろう」


 「「「「「「「「あ~……」」」」」」」」



 流石に何処の国でも同じだな。なるべくコストは削りたいもんだが、貴族の家が力を持って反発する所為で、いつまで経ってもコストを削減出来ない。貴族どもも、今さら質素な暮らしなんて出来ないし見栄もある。抵抗は激しいだろう。


 歴史上よくある事と言えば終わる話ではあるんだが、放漫財政に頭を抱えている側からすれば、”よくある事”では済ませられない。無いものは無いんだから緊縮したいだろうが、馬鹿どもが見栄の為に反発する。本当に、碌なもんじゃないな。


 それでも京の都を見れば分かる通り、無い袖は振れないのだから、ある意味で強制的な緊縮にはなっていると思う。朝廷に余裕が出てきたら、また「寄越せ」と騒ぎ始めるのだろうが……。


 いや、既に騒いでいるか。金欲しさに俺にちょっかい掛けようとした、九条の夫婦と一条の前当主を潰したし。結局、金寄越せっていう阿呆しか居ないのかよ。そう言いたくなる程に酷いな。


 帝が絶家にする筈だ。幾らなんでも、こんな奴等を野放しにしていたら朝廷が滅んでしまう。いや、元の世界に朝廷が残ってない以上は滅んだんだ。歴史の中の遺産でしかないからな。


 おっと、そんな事を考えていたら夕食が出来た。とりあえず、先に藤達や蓮に食べさせよう。流石に小さな子供を待たせるのもアレだからな。蓮は戸惑っているようだが、ダナやシュラが食べ方とかを教えているので大丈夫か。


 メルが横でソワソワしているが、どうも蓮を構いたいらしい。子供を産んでいるのはメルだけだから、母性が溢れてきたんだろうか? まあ、気にしても無駄だな。俺だって子供を育てた事が無いから分からないし。


 全員分の食事が出来たので食べ始めようと思っていたら、既に蓮の食事は終わっていたようでメルがガッカリしている。食事は口にあったらしく美味しかったそうだ。まあ、子供の好きな料理だし、この時代でも問題は無いようで良かった。


 子供の健康を考えたら、麦飯と生野菜は欠かせないな。ドレッシングを色々工夫したりして、どうにかしよう。



 ▽▽▽▽▽


 1211終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨234枚

 大金貨893枚

 金貨933枚

 大銀貨943枚

 銀貨1128枚

 大銅貨2148枚

 銅貨50枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ