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 <異世界566日目>



 おはようございます。今日はダンジョンに行きますが、米と一緒に錫を探してこなければいけません。昨日もそうだが、北伊勢の神殿は悪銭ビタ銭を大量に持っていたので、良銭に変えておく必要がある。


 まずは朝の日課を終わらせて、朝食を作りに台所へ行こう。台所に着くと、直ぐに土鍋を出して麦飯を炊き始める。デスボーアとシルバーバッファローの合い挽き肉を作りハンバーグの形に成形していく。


 寸胴鍋に塩と神水を入れ、野菜を入れたら旨味を【抽出】して煮込む。十分に【熟成】しながら煮込んだら、火を止めて放っておく。そうしていると皆が起きてきたので、朝の挨拶をしたらメルとフォルにも手伝ってもらう。


 メルにハンバーグを焼いてもらい、フォルには追加で野菜を入れた後で煮込んでもらっている。シャキシャキの野菜が欲しいので、煮込み過ぎないように注意してくれよ。フォルも慣れているから直ぐに理解してくれた。


 俺もハンバーグを焼いていき、焼きあがったら魚醤や灰持酒で味付けしたソースを作って上から掛ける。麦飯も炊けたので自分で入れていってもらい、先に食べていってもらう。ハンバーグは3つずつしか焼けないから仕方ない。


 長恵が起きてきたので挨拶し、彼女の分も自分で入れさせる。俺達の分も焼けたので、これでようやく朝食が食べられる。早速、いただきます。



 「今日は朝からハンバーグだったけど、何かあったのかい? アルドって朝は割と軽い物にしがちなのにさ。アタシは朝から肉で嬉しかったけど、珍しいね?」


 「肉を早めに減らしたかっただけで、それ以外の理由は無いよ。まだレッドカウもそうだけど、何より金牙と銀牙が余ってるんで、早めに肉類を減らしたいんだ。冷凍しているとは言っても、置いておく意味も無いし」


 「金牙と銀牙ってアレですか? ちょっと前に出てきたお肉ですよね。脂が甘いという不思議なお肉でしたけど、アレは美味しかったです。アレもまだ余っているんですか?」


 「ああ。アレも早く食べなきゃいけないんだが、ヘビーブルも余っていてな。どれも冷凍してあるから、これ以上味が落ちる事も腐る事も無いんだが、大きいタイプの魔物ばかりなんだよ」


 「食べるのに時間が掛かるって事ね。まあ、それは仕方がない事よ。その分だけ長く楽しめるって思えば悪い事ではないわ。それよりも、麦飯は問題ないみたいね?」


 「私ですか? 私の実家など雑穀の粥が主でしたから、白い米が入っているだけで贅沢なものです。肉を食べる事もよくありましたが、こんな良い匂いの物ではありません」


 「主様がいう、処理の良くない肉だね。ヤシマの国では未だにそれが普通なのか……。うん? もしかして、九州の方は昔から肉を食べてきているって事なのかな?」


 「え? ええ。実家の方では古くから肉を食べてきていますが、それに何かあるのですか? ………えっ!? こちらの方では大々的に食べられるようになったのは最近なんですね」


 「そういえば、そうだな。ヤシマの国では昔から肉が食われてきているが、そこまで肉食が普通ではない。将軍の料理人でさえ肉料理が下手なくらいだ。これは、どういう事なんだろうな?」


 「単に京の都に倣ってたからじゃないの? ほら、京の都の公卿や公家は肉を食べないって言ってたし。ここ最近は違うけど、肉を食べないのが正しいって上が決めてたら、下はなかなか難しいんじゃない?」


 「それで発展しなかったとか、本当にこの国の貴族は……。処理の仕方、料理の仕方が下手だから美味しくないとは思わなかったのでしょうね。その結果、肉料理を忌避していたと」


 「貴族なんて、そんなものじゃないの? 何処の国でも碌な事をしない代表が貴族だし、それ以外ってなったら神殿の奴等ぐらいしか居ないよ」


 「それで思い出したが、今日ダンジョンに行って錫を採ってくるから、ちょっと帰りは遅くなるかもしれない。それでも出来得る限り、昼には帰ってくるつもりだから」



 そう皆に言っておいて、後片付けを始める。長恵はダナとディルが鍛えるからどうでもいいとして、他のメンバーは魔法の書かれた紙束を欲しがったので渡しておく。どうやら魔法の練習のようだ。


 後片付けも終わったので、一声掛けてから出発する。ダンジョン街に入り、迷宮紋の前で順番を待つ。直ぐに順番が回ってきたので迷宮紋に乗り、ダンジョンの中へと入る。まずは2層の北東に行き、川から水を引き上げ神水にして補充しておこう。


 その後、米をスルーして19層に行き山の地形に着いた。ここで錫を探すのだが、深い層なので見つかるかどうか……って早速あったよ。俺は見つけた錫をどんどんとインゴットにして収納していく。


 ひたすら錫のみ集めていき、この層に錫が無くなったので20層へ。20層でも再び錫を集めていき、無くなるまで集めた。他に人が居ないからいいが、他の者が居たら絶対に怒られるな。そう思いながら21層へと進む。


 21層に着くと、西の方角から非常に強い邪気と呪いを感じた。直ぐに杵と錫杖をアイテムバッグから取り出して近付いていく。すると、今度は男の鬼が暴れていた。……って、アレは酒呑童子じゃないか!?。


 何でアイツがダンジョンに居るんだ? そのうえ、こっちを見つけてニヤニヤしてやがる。もしかして、あの時【浄化】した酒呑童子と同じなのか? よく分からないが、直線で突撃してきたので回避し、【浄化】を始める。


 前の女鬼と違い、直線でなくとも速く、流石は酒呑童子としか言えない強さだ。仕方なく銅鏡も出し、手当たり次第に吸い込んで【浄化】していく。こっちは回避を優先し、とにかく吸い込んで【浄化】し続けるしかない。


 にも関わらず、邪気を補充してやがる。幾らなんでも嫌がらせが過ぎませんかね、ダンジョンさんよ!! 際限無く邪気を供給するのかと思ったがそんな事は無く、段々と邪気の量が減ってきた。


 もしかしてダンジョン内の大半の邪気を吸い込んだんじゃなかろうか? そう思えるぐらい【浄化】したぞ。酒呑童子も動きが悪くなってきたが、それでも楽しそうに俺を追い掛け回している。


 呪いと邪気に塗れているのに、殺気と殺意が全く無い。子供が追いかけっこをしている純粋さを感じる。遂に動けなくなった酒呑童子を【集中】を使って全力で【浄化】していく。すると、気付いたら完全に消え去っており、紙が3枚残されていた。


 疑問に思うものの、その折り畳んである紙を拾い、開いてみたのだが……ここで新しい魔法とか、ちょっと勘弁してくれませんかね? 特に浄神さぁ、浄化魔法に高位魔法は無い筈だろ? アンタがそう規定したんだろうに。


 何だこの【神聖世界】って? 尋常じゃない程に難しいぞ、コレ。多分だけど、俺で何とか使えるレベルだと思う。高位魔法の中でもぶっちぎりで1番難易度が高い。何でこんなものをわざわざ作るかなー、教えなきゃいけないじゃん。


 他には【風魔法】の【風砲】と、【土魔法】の【土砲】だった。どちらも難易度としては中級だが、明らかに威力が高い。【風弾】と【土弾】の強化版だと思えば分かりやすいと思う。風神と土神は普通なのに、浄神ときたらコレだからなぁ……。


 まあ、とりあえず帰るか。それにしても、何で酒呑童子が出てきたんだろうな。そのうえ、殺気と殺意が一切無かったし。あんな事は初めてだが、何となくあの時【浄化】した酒呑童子と同じだと思う。ダンジョンに作られた奴じゃない。何故かそう思える。


 外に出て、急いで温泉地へと帰っていく。昼を過ぎている可能性に思い至ったんだ。あんな事があったんで、時間感覚が曖昧になってしまっている。なので、体感時間がアテにならない。帰ってみると、皆はまだ家の中に居た。


 慌てて謝ったが、皆には逆に心配された。まだ昼ではあるものの、俺が言っていた通りに帰ってこなかったからだ。


 申し訳ない事をしたと思いつつ、俺は昼食を作り始めた。



 ▽▽▽▽▽


 1205終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨234枚

 大金貨893枚

 金貨933枚

 大銀貨944枚

 銀貨1128枚

 大銅貨2296枚

 銅貨249枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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