1204
ダナとディルは長恵の剣の振り方を見た後は、魔力と闘気の感じ方から始めている。そうそう、戦い方よりも先に始めなきゃいけない事は沢山あるからな。体を動かす以前にやらなきゃいけない。何より身体強化は必須だ。
他の皆は好きに過ごすようなので、俺はダンジョンに行く事にした。皆に一声掛けてから家を出てダンジョンへと向かう。中に入って木を伐ったら直ぐに出てくる。これは灰を作る為に伐ってきたんだが、3本あれば十分だろう。
家に戻った後はゆっくりしようと思ったのだが、何故かカサーラとメトムが来て料理の事を色々と聞いてきた。自分達で料理をしなければならなくなったが、見ていた手順では無理なので、自分達でも出来る方法を聞きに来たらしい。
言いたい事は分かるので、1つ1つ解説しながら教えていく。要点は何処にあるのか、元々はどういう料理だったのかを教えていく。別に俺が作る通りに作る必要は無い。料理にとって1番重要なのは、美味しいかどうかだ。
そんな事を教えていると夕方になっていたので、慌てて2人を帰して夕食作りを始める。今日の夕食はチャパティをメインに、味付けしたチーズ、ミンチ肉と野菜の炒め物、野菜とかす肉のスープだ。
チーズをつけて食べてもいいし、ミンチ肉と野菜の炒め物を挟んでもいい。久しぶりにガッツリとチーズが食べたくなったので、こういう献立になった。長恵には厳しいかもしれないが、我慢してもらおう。
ちょっと多めにチャパティを作り焼いたのだが、いつも通り残るかどうか疑問がある。というか、残らないんだろうなぁ。
「うんうん、チーズが美味しいねえ! やっぱりコレだ、太るとしてもコレなんだよ! いやぁ、美味しい。本当に美味しいよ。久しぶりだからか、幾らでも食べられそうだ!」
「ダナは毎回喜んでいますね。私としては美味しいですけど、そこまで喜ぶものかと疑問がありますけど。確かにたっぷりのチーズは贅沢品ではありますが、とはいえ私達の収入なら食べられたでしょうに」
「村にはチーズがあまり無かったからじゃないかしら? 村では牛や山羊の畜産なんてやってなかったし、なかなか入荷しない食べ物ではあったのよ。だから食べたくても、食べられない状態だったんじゃない?」
「まあ、美味しいから毎回言っているだけのような気もするけどね。確かに太りそうだけど、美味しいよ。たっぷりのチーズをチャパティにつけて食べると堪らないのは間違い無い。私も好きな料理の1つだから堪能しよう」
「今は太らないというか、太り難いから食べても問題ないが、かつての私なら食べたくても避けていた料理だな。太ると体の動きが鈍るし、暗殺にも支障が出たからな」
「確かに大変だよね。僕も仕事が仕事だから節制してたけど、元々太りやすい訳じゃなかったから、ディルよりはマシかなぁ……。それでも節制しないと大きくなっちゃうんだよね。男性の体だったし」
「そういえば、フォルさんは元男性だったんでしたね。骨とか筋肉とかが色々違うので女性とは別の大変さがありそうですけど、そういうのも含めて仕事としては維持しなければいけないんでしょう。それも大変ですね」
「まあ、そういう商売は見た目が第一だしね。見てくれが悪いと客も入ってくれないって聞くし、ある意味では大変な仕事だよ。話は変わるけど、両方乗せて挟んでも美味しいね。どっちも油で体に悪そうだけど」
「コレが大陸の西の料理ですか……。いやぁ、美味しいですね。これだけでも、弟子入り出来て良かったと思えますよ。本当に美味しい」
簡単に順応している様だが、チーズ類も問題なさそうだ。それはともかく、弟子入りを認めていないんだから、お前が勝手に居座っている状態なんだぞ? まあ、2人が教えるっていうから許可しているだけで、正式に認めた訳じゃないんだがな。
こうやって強引に弟子になるのも兵法か? なんか何処かから怒鳴り声がしそうなんで止めとこう。流石に怒られるだろうし。それよりも、今はやる事が無いからいいが、緊急に動く必要が出来たら困るな。
その時は藤に預けようか。預かるぐらいはしてくれるだろう。っと、今は食事に集中するか。ボーッとしていてもしょうがない。
夕食後、長恵に風呂に入ってくるように言い、俺は後片付けをする。長恵は手伝おうとしたものの、俺が権能で綺麗にしているのを見て手伝える事は無いと理解したんだろう、大人しく女性陣に連れて行かれていた。
連れて行った女性陣が戻ってきたが、どうやら長恵は風呂の入り方は知っていたみたいだ。九州の方にも温泉地はあるし、知っていても不思議じゃない。それよりも、今後どうするかの話し合いだ。
ダナやディルが弟子として鍛えるのは構わない。ただ、何処までの強さにするかによって、掛かる時間も責任も変わる。その辺りは明確にしておかなきゃいけない部分だからな。そう思ったら、それなりで済ませるそうだ。
全てが全て、手取り足取り教えてもらえる訳ではないし、教えたところで意味は無い。自分の体は自分で動かさなきゃいけないし、自分で研鑽する必要がある。結局、身体強化と基本を教えればいいだろうと思っているらしい。
まあ、俺もそれで良いと思うけど。……どうやら長恵が風呂から上がってきたようなので、今度は俺達が入るか。その前に、長恵に熊のきぐるみを渡し、ついでに神血を飲ませておく。
開花したら、どれほどの才能を見せてくれるかは興味があるので、俺の実験にも付き合ってもらおう。クニに関しては、<出雲の阿国>と同じようになれば良いなと思って飲ませただけだしな。実はあれ、実験でさえ無かったりする。
風呂から上がり、いつもと同じ縁側で涼んでから部屋に戻る。既に2匹は怪しい足取りだが、直ぐに寝そうだな。風呂で温まっている時から既に眠たそうにしていたから、そろそろ……っと寝たか。
2匹を布団に入れたら直ぐに襲われたが、丁寧に優しく撃沈していく。全員を布団に寝かせたら綺麗に【浄化】し、長恵の部屋と肉体も綺麗にしておいた。
<浄化の三道具>を使って吸引と【浄化】をしたら、隠密の4つの技を使って出発だ。今日は中規模の神殿に向かおう。木馬に乗って一気に走って行く。海の上を走り北伊勢に入ると、そのまま昨日聞いた神殿の場所へと移動する。
到着した俺は直ぐに木馬を降り、神殿の中へと侵入していく。この神殿はあまり溜め込んでいないのか、そこまで多くはなかった。規模もそこまで大きい訳ではないので、直ぐに終わり次の神殿へ。
2つ目の神殿からも、壺や甕を含めて根こそぎ回収した。北伊勢には大きな神殿が1つと、中規模な神殿が2つ。後は小さなものばかりだそうなので、残りは放っておこう。この2日で十分奪えたしな。
俺は木馬に乗ってさっさと帰り、温泉地の家に戻ったら自分を綺麗に【浄化】する。その後、部屋に戻った俺は奪ってきた金銭を数えていく。
白金貨2枚、大金貨39枚、金貨66枚、大銀貨187枚、銀貨111枚、大銅貨311枚、銅貨133枚あった。中規模の神殿とはいえ多くないが、白金貨を持ってやがる。どちらも神殿長の部屋に隠してあったんだ。
本当に碌な事をしていないのだろう。白金貨って1枚で金貨100枚だし、そもそも持っている事で箔がつく貨幣なんだ。それを神殿が持っているっていうのがなぁ……。本当に金儲けの事しか考えていないのが、よく分かる。
そうでなければ白金貨なんて持っていない。まあ、神殿の奴等がクズなのは、この星では昔からなんだけどさ。それにしたって限度があるだろう、そう思う事は何度もあるぞ。今回もだしな。
神様達がキレる理由はちゃんとあるんだって、嫌というほど分かる。俺もこの世界の事が分かってきたってところか。
ウダウダ考えていても仕方ない。明日も早いし、そろそろ寝よう。今日も一日お疲れ様でした。
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1204終了時点
大白金貨46枚
白金貨234枚
大金貨893枚
金貨933枚
大銀貨944枚
銀貨1128枚
大銅貨2296枚
銅貨249枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




