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1203




 妙な連中を家に上げ、あまつさえ食事を与えようとする俺に対して、女性陣が疑問を持ったのか【念話】で聞いてくる。なので俺は、1番後ろに控えている女が1番強い事、その女が何故か隠れて此方を窺っている事などを皆に伝えた。


 皆も面白がって、何故こいつらが素性を隠して食べ物を乞うような真似をしているのか気になったらしい。俺達には遠く及ばないが、それでも1番後ろの女はそれなりの実力者であるとは言える。誰だろうね?。


 麦飯を炊き、アーマーベアの肉を【浄化】してから焼いたら、魚醤を中心に色々混ぜたソースを作って掛けていく。スープは野菜の味噌汁だ。麦飯が炊けるまで色々ウチの女性陣が聞いているが、はぐらかしているな。


 当たり障りの無い事だけを言っているが、1番後ろの女が九州からやってきたという部分は間違いじゃないとは思う。その辺りは偽ったところで得は無いし。しかしなぁ、九州の方って島津と大友くらいしか知らないんだよ。困ったな……。


 しかも島津も大友も、そこまで詳しい訳でも無いし。マイナーな人なんて全く分からないので、知らない名前を言われたら適当に放り出そう。今は大人しく食事をしているが、こいつらが何の目的を持ってウチに来たかは聞き出さないとな。


 食事後、後片付けをしながら本格的に皆が聞いていく。既に4人には【白痴】を使っているので嘘は一切吐けない。その事を皆に【念話】で説明し、質問していく。



 「お腹は満たされましたか? ところで貴女達はいったい何をしにウチに来たのですか? どう考えてもウチに来る事が目的で来ていますよね?」


 「我等はこの辺りに大陸の者が居ると聞き、どういった者か見に来たのです。その者は強いと噂されていたり、仲間の女を前に出すだけで何もしないと言われていたり、よく分からぬので調べてやろ……思……」



 皆が怒って殺気と殺意を出したが、止めてくれないかな? バカどもの下らない噂なんてそんなものだし、ここで怒っても意味は無いからさ。何より、1番後ろの女が逃げられるように腰を浮かしているじゃないか。



 「あー……皆、殺気と殺意を放つのは止めようか? こいつらが言っている訳じゃ無いんだしさ。それよりも、この中だと1番強い奴が逃げようとしているし、何が目的かまだ聞き出してないからな」



 俺がそう言うと、腰を浮かしていた奴が驚いて座り直した。俺にバレているのが分かったんだろう、諦めて素直に話し始める。今も【白痴】を使ったままなので、素直も何も本当の事を話すしか無いのだが。



 「私は丸目長恵と申します。肥後の国の者で相良様の家臣を父と共にしておりましたが、強くなりたく思い、上洛をして名のある方に師事しようと九州を出てきました。ところが京の都で、大陸の方が異常な強さをしておられると聞きまして……」


 「成る程ねえ、アルドに師事しにきたって訳かい。とはいえ大陸の者だ、本当に強いかどうか分からない。だから力を隠して1番後ろで観察してた……って事か。アルドには最初からバレてたけどねぇ」


 「「「えっ!?」」」 「………」


 「ほう。丸目とかいう貴女は分かっていたようですね。ちなみにですけども、暇潰しですよ? 素性を隠してこっちを観察しているので、泳がせて遊ばせていただけです。最初から分かったうえで、貴女達のお芝居に付き合っていたのですよ」


 「……はぁ、やはりそうでしたか。こちらを窺う様子でも態度に余裕がありすぎましたので、遊ばれているのでは? という思いはあったのですが……まさか、最初からだったとは」



 丸目長恵って、上泉信綱の弟子の1人だよな? しかも<タイ捨流>の創始者だった筈。この時代の人だっけ? 俺は兵法家とかってあんまり詳しくないんだよな。愛州移香斎とか新免無二とか知ってるけど、あくまでも少し知っている程度だ。



 「京の都に行ったのでしょう? 確か<京八流>とかいうのがある筈。何故そこに弟子入りしなかったの? わざわざ私達の所に来る理由が分からないわね。別にヤシマの国で、私達が教えを広めている訳でも無いし」


 「強いと聞きましたのと、他の者と同じものを学んでも強くはなれません。私は強くなりたいのであって、他の者と同じものが学びたい訳ではありませんし、それでは功は挙げられないでしょう」


 「でも九州って確か、島津というのが優勢じゃなかったかい? 大友というのがハタを手に入れたと聞いたけど、あそこの港を手に入れても、金銭面以外は力にならないだろうしね。島津というのが優勢のまま続くと思うけど」


 「実は相良様は島津家に何度も攻められているのです。私は剣の腕はそれなりにあるのですが、どうも兵法が駄目なようで……。策を提案したら却下されたのですが、私が強硬に主張していれば負けていたところだったんです。その事で相良様に怒られまして、それもあり肥後の国を出ました」


 「まあ、流石に負けるような策を言い出す者は、使えないと判断されても仕方あるまい。戦である以上は勝つのが先だ。家柄だとか面目だとか、そんなものは捨てて勝たなければ先は無いからな」



 なんか愚痴になってきたんで、俺は昨夜神殿から奪ってきた金を数えている。それなりにあるから大変なものの、時間は十分あるのでゆっくりすればいいだけか。それにしても、相変わらず神殿のクソどもは貯めこんでるなぁ。


 白金貨13枚、大金貨117枚、金貨211枚、大銀貨232枚、銀貨479枚、大銅貨446枚、銅貨91枚もあった。また白金貨を持ってやがるが、それが普通になりつつあるな。本当に碌でもない。クズどもだと、よく分かる。


 そんな金を無造作に床に置いて数えている俺に、丸目一行はビックリしているようだ。まあ、誰が驚いていようが、俺は気にしないけどね。それよりも丸目一行はこの後どうするんだろうな? 俺達に教えろとでも言う気か?。



 「丸目殿は分かりませんが、私達は上野の国に居られる上泉殿に弟子入りしようと思っています。なので、ここから更に東へと旅を続けて行きますよ。元々、私達3人の旅に丸目殿が同行しているようなものです」


 「ええ。ですが、この中で丸目殿が1番強かったなんて。手合わせなどはした事が無かったけれど、しておけば良かったかな?」


 「そうかもしれないわね。でも、知識や技を盗まれても困るし、難しいところよ?」



 この時代では当たり前なんだろうが、自分の知識や技を他人に見せたりはしない。そんな事をしているから、いつまで経っても大して強くならないんだよ。多くの者が、長い時間を掛けて研鑽しないと技は昇華しないっていうのに。


 結局、丸目長恵を置いて彼等は旅立っていった。それは良いんだが、俺は弟子入りを認めるとも何とも言ってないんだが? 当たり前のように残っているのは、いったいどういう事だ。


 そう思ったのだが、どうやらダナとディルが鍛えるつもりの様で、早速とばかりに裏庭に連れて行った。どうも暇潰しに、自分達が教え込んだら何処まで強くなるか知りたいらしい。好きにしてくれ。


 ただ、この世界で<タイ捨流>が生まれなくなっても困るので、そこは誘導していこうと思う。そもそも上泉信綱に学ばないんだから、生まれなかったりして……。今から気にしても駄目だな。成るように成るだろう、きっと。


 裏庭で早速修行をつけているのは良いんだが、最初から飛ばし過ぎないようにな。それにしても先ほどの3人のうち、女性2人は名前を聞いた事も無かったが、1番弱い男の名前が柳生宗厳とは驚いた。


 つまりアイツ、柳生石舟斎なんだよ。<柳生新陰流>を生み出した人物なんだが、ヤシマの国ではあんなに弱かったんだなー。それとも、これから強くなっていくのか? まだ弟子入り前だし、弱くても仕方ないのかもしれない。


 しかし……上洛していないのに、上泉信綱は有名なんだな。ちょっと不思議。



 ▽▽▽▽▽


 1203終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨232枚

 大金貨854枚

 金貨867枚

 大銀貨757枚

 銀貨1017枚

 大銅貨1985枚

 銅貨116枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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