1201
「近江の事に話を戻すが、あそこはやはり苦しいな。北近江との骨肉の争いの原因になりかねん。何処かの時点で近江を1つに纏めねばならんのだろうが、苦労に苦労を重ねるであろう。流石に対立の原因が根深すぎる」
「見下しだったり、差別だったり。された側は忘れませんからね。それどころか、子供や孫に伝えていったりしているでしょう。同じ近江なのに、隣国のような関係になってしまっている様ですしね」
「オレもそう思います。尾張があのような国でなくて良かったとしか思えません。北の者には北の者の言い分があるのでしょうが、同じ国の者同士で争っても、周りの国につけ込まれるだけです」
それぐらい根深いんだよなー、地域的な対立って。古くからの事だから長い時間を掛けないと解決しないし。特に京の都に近い云々っていうのは、昔の人にとっては大きな意味を持つんだろう。……たぶん。
「後は勝家が伝えたそうだが、北伊勢も揉めておるな。六角は北近江の事で手が出せんので、余計に揉めておると言うべきか。統率がとれなくなっておるし、何より食う物が無い」
「そうなれば当然、恨みや憎しみは何処へ向くかと言えば武士だ。特に去年、今年と連続で負けておるからな。どうしたって武士の所為になる。勝っておれば文句は無いが、負ければ恨まれるものだ」
「更に、去年は無理な早植えをした所為で、今年は収穫量が少ない。そのうえで、また負けたからな。その責は武士がとらねばならんが、北伊勢の中での奪い合いという形になっておる。神殿は我関せずというところだ」
「少なくとも、裏に神殿が居たのは間違い無いのだがな。何故か神殿を誰も攻めんそうだ。まあ、返り討ちにされる可能性が高いだろうから、当然ではあるし納得はする。それでも合力すれば勝てると思うのだが……」
「おそらく裏で分断してるんだろう。金か食糧を与えてやって、決して纏まらないようにしているなら、誰も攻めないのは分かる。敵を分断するのは基本の1つだからな」
「まあ、北伊勢はそれだ。中伊勢と南伊勢は未だ争っておるな。北畠家は適度に攻めるという手に落ち着いたようで、散発的に攻めておるらしい。一気呵成に攻めても落とせぬのだろう」
「長野氏の城ですか……。獣どもなど蹴散らせばいいと言えば簡単ですが、実際には森になっている所の何処に潜んでおるか分かりませんからな。いきなり獣に襲われるとなれば簡単にはいかぬでしょう」
「まして仲間の兵が目の前で獣に喰われてみろ、士気など上がらぬ。結局は少しずつ獣を排除しながら攻めるしかない。本気で城攻め出来ぬ以上は、散発的な攻めにしかならん。長野にとっては余裕で対処できる程度だ」
「流石に魔物も倒されたり殺されたりしたら、その地から逃げ出したりするものですからね。そのうちに掃除は完了すると思いますよ? そこからが本番ですか。既に疲弊した兵を従えての城攻めかぁ……」
「とても上手くいくとは思えん。オレでも分かるくらいだが、なぜ北畠は同じやり方しかせんのだ? 上手くいく方法を編み出してから攻めるべきだと思うが……」
「さてな。それは向こうの事情だ。分からぬものは分からぬ。……おっと、すまん。だが、良いのか?」
「構いませんよ。そもそも西部さんの屋敷だろうが、この屋敷だろうが、引いている温泉は変わりませんしね」
吉法師と帰蝶を、ウチの女性陣が風呂に連れて行った。既に食事を終えて、後片付けをしながら話していたんだが、今の内に風呂に入れておかないと寝てしまいそうだったからな。まあ、ウチで1日ぐらい寝ていっても別に良いけど。
「近江、伊勢と話したが、問題は越前だ。入ってきた話では、管領殿が未だ暴れておるらしく、越前は地獄絵図と化しておるらしい。とにかく人を殺しては肉を貪っておるという。穢れ者が暴れると、ここまで酷くなるとはな……」
「オレも聞きましたが、村1つが管領に喰われたとか……尋常ではありません。京の都でも、穢れ者になった管領を討伐するものが現れぬかと噂しておるとか。とはいえ、いつもの公卿や公家らしいそうですが」
「噂をし、己らの思い通りにしたら褒めて持ち上げる。だが、銭も何も出さぬ。それが公卿や公家だからの。場合によっては、噂があるだけで知らぬと言われて終わりだ。だからこそ、公卿や公家の噂話には誰も耳を貸さん」
「自ら信用を失うやり方をし、誰も取り合わなくなったら文句を言う。そんな事ばかりやっているから、周りからまともな奴が居なくなるんだが、それにさえ気付いていないんだろうな。放っておくのが1番だ」
「まあ、係わり合いになる気など無いのだが……。しかし越前に関しては何とも言えんな。斯波家の因縁ある地とはいえ、穢れ者に喰われたと聞けば喜ぶ事など出来ぬ。加賀から来ておる者どもにも襲い掛かっておるのは良いのだが」
「細川晴元が暴れているのに、加賀の連中は帰ってないのか? バカな連中だな。越前が混乱しているから奪えるとでも思ったのかもしれないが……。まあ、上手くはいかないだろうなぁ」
そんな話をしていると、皆と一緒に吉法師と帰蝶が風呂から上がってきた。子供2人は既に舟を漕いでいて、今にも寝そうだ。平手さんと勝家君は、西部さんの屋敷に断りを入れてくると言って出て行った。
事前に、今日か明日に到着すると先触れを出しておいたそうなのだが、ウチに来た後で結構時間が経ってしまっていたらしい。元々、明日でも良かったうえ、ウチに来て説明するのも仕事だったようだ。
戻ってきた平手さんと勝家君は、早速とばかりに風呂に行った。まあ、好きにすればいいけどさ。自分達の布とか色々用意している時点で、2人も温泉を楽しみにしてたんだろう。こんな時代では贅沢だと言うし。
そんな事を考えていると皆が台所に来た。吉法師と帰蝶に布団を出してやったらしく、2人は布団に入って少ししたら寝てしまったらしい。子供はそれが1番良いだろう、長く起きていられても皆が困るだろうからさ。
平手さんと勝家君も上がってきたので、水気を取ってやり、吉法師と帰蝶の寝ている部屋に案内する。後は勝手に寝てくれといったところだ。とはいえ、2人とも俺が渡したきぐるみを着ているので寒さは大丈夫だろうけど。
風呂に入った俺は、今は上がって縁側で涼んでいる。ダリアやフヨウも一緒に神水を飲んでいるんだが、そろそろ戻らないと風邪をひくかもしれない。2匹に声を掛けた後、一緒に部屋へと戻る。
部屋では皆が酒を飲んでいたが、俺はスルーして布団を敷く。2匹は早速布団の中に入り、既に寝ようとしていた。ちょっと縁側に長く居すぎたかな? そう思いながら、酔っ払いをいなす。
そうしていると2匹が寝たので、酔っ払いを返り討ちにして寝かせた。最後に残ったディルはリクエスト通りにしたら大満足し過ぎてしまい、ちょっとアレなお顔をしている。綺麗に【浄化】してから寝かせよう。
他の皆も吉法師達も綺麗に【浄化】し、終わったら隠密の4つの技で外に出る。今まで面倒なので放っておいたのだが、そろそろ北伊勢の神殿には御仕置きをしに行こう。やはり面倒だからと放っておくのは良くない。
温泉地の外へ出て木馬に乗ると、南の港から一気に海を走って北伊勢に向かう。クワナを横目にしながら走り続け、大きな神殿を見つけた。クワナに近い方が実入りが大きいからなのか、それなりに近かったな。
木馬を降りて侵入し、壺や甕などの金が入っている物を手当たり次第に回収していく。徹底的に回収した後、神殿長が住んでいそうな屋敷に再度行き、【白痴】と【人形】を使ってから【覚醒】で起こす。
色々な事を聞きだすが、クズ過ぎて話にならなかった。ちなみにだが、本人が言うには公家の血筋らしい。俺にとっては極めてどうでもいい事だがな。他の神殿や神社の位置も聞いたし、【忘却】を強力に使い放置する。
何故って? この神殿が、この辺り一帯の奴隷売買の元締めだからだよ。
▽▽▽▽▽
1201終了時点
大白金貨46枚
白金貨219枚
大金貨737枚
金貨656枚
大銀貨522枚
銀貨538枚
大銅貨1539枚
銅貨25枚
ヒュドラーの毒ナイフ
山羊角の杭
キマイラの短剣
神金のヴァジュラ
神石の直刀
神木の浄化棍棒
神木の杵
神木石の錫杖
神木の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




