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 「渋い顔をしてどうしたんだ、藤? 米の選別と乾燥をしてたんじゃないのか? 昨夜、結構終わらせてたんだから、そこまで残ってなかったと思うが……」


 「乾燥に思っている以上の時間が掛かるようなのだ。私達が米を採ってきた場合、食べられるのはいつになるのかと思うとな。もちろん当然の事と言えばそれまでなのだが」


 「言いたい事は分かるが、絶対に必要な工程だしなぁ。そこを飛ばす事は出来ないから仕方ない。【錬金魔法】の【乾燥】をその為だけに覚えるのもどうかと思うし、覚えたてだと劣化させて食えない米にするだけだ」


 「やはりそうか……。仕方ない、何処かの場所を借りて干すしかないな。布の上に籾を広げて乾燥させるか。時間が掛かるが、これが本来のあり方だと言われれば、何も言い返せぬ」


 「まあな。俺は強引にやっているに過ぎないから、参考にするのも真似るのもオススメはしない」



 話をしながら昼食を作っていて、作り終わったので食べよう。昼食後、再び裏庭に行って特訓の開始だ。明日は休みにするので、今日は集中して頑張るようにな。口には出さないが、心の中で応援する。


 明日が休みだと知れば、たぶん集中出来なくなるので黙っておいたんだ。夕方まで集中して特訓させ、その後に話したら、早速酒の話をしているので間違い無いだろう。先に話さずに正解だった。


 台所に戻ると、縁側に米を干した事を言われたので了承しておく。風呂上りに涼んでいる場所とは違うので特に問題は無い。藤達の屋敷が出来たら、そちらでも出来るように考えておく必要があるからな。


 そういえば、藤達の屋敷はいつになったら完成するんだろう? それっぽい屋敷は作られている様だが、完成したとは聞かないしなぁ。足利家の家になるので、色々大変なんだろうか? それとも大工が足りてないのかな。


 尾張も色々な所で倉とか建てているらしいし、大工は暇が無い感じなんだよ。温泉地に俺達の屋敷を建ててもらう時は暇そうだったけど、ダンジョンを利用できるようにしたからか景気が良いし、その所為で色々足りなかったから余計に忙しいのだろう。


 ダンジョン前に建物が幾つも建ってるし、今も何かを建てていた。その所為で人手不足なら仕方のない事だ。俺達も藤も特に気にしていないので問題は無いしな。さて、夕食が出来たので食べようか。


 その夕食を食べながら、ふと米油の事を思い出した。確か米油って糠の中に含まれてるんじゃなかったか? ついでに米の栄養の殆どは糠と胚芽に含まれていた筈。やっぱり糠を有効利用しないといけないな。


 でもなー、玄米は炊きあがりまでに時間が掛かるんだよ。食事までに長い時間が掛かるのは宜しくない。糠には油分が含まれているんだから……小麦と混ぜるのは駄目か。でも、白米で食うと糠だけが溜まるし。


 んー……保留だな。考える事は考えるが、今は埋めるくらいしか出来ないし諦めよう。肥料になっていると思えば悪い事じゃないし、俺達は押し麦も食べてるから脚気になったりはしない。


 後片付けをしながらも、色々考えていると皆に聞かれたので素直に答える。皆は米の国ではないので有効な利用方法を思いつく筈も無かった。そんな事を話していると、風呂の順番が回ってきたので皆と一緒に入る。


 今日は何故かダリアが甘えてくるが、好きにさせた。途中からフヨウが参戦したが、特に興奮する事も無いので楽なもんだ。フヨウは俺の体を登って涼んだり、また風呂の中に入ったりを繰り返している。


 何だかサウナの入り方みたいな事をしていると思うが、好きにさせていると、ダリアも同じ事をし始めた。それ、楽しいのか?。


 風呂から上がり、いつもの縁側で神水を飲みながら涼んだ後、部屋へと戻る。皆は早速酒を飲みながら話をしている様だが、妙な内容の明日の過ごし方を話していた。聞くに堪えないので右から左に聞き流す。


 ダリアとフヨウの相手をしていると、2匹は直ぐに眠たくなったらしく電池が切れたようだ。布団に入れて寝かせてやると、皆に襲われたので返り討ちにした。2匹と同じく皆も布団に寝かせ、綺麗に【浄化】する。


 藤達の部屋は無理なので、<浄化の三道具>を使って吸引と【浄化】をしたら、おやすみなさい。



 <異世界562日目>



 おはようございます。今日はお休みの日ですが、驚くほど寒いです。本格的にきぐるみを着る必要があるぐらいに寒い。そういえばクニにはきぐるみを渡していないな。ダンジョンに行って熊の魔物を倒してくるか。


 俺達だけ温かい格好をしているのもどうかと思うし、クニだけに耐えさせるのもなぁ。俺達が嫌な思いをするんで、きぐるみを作ってやろう。加熱機の動いている部屋なら温かいだろうから、その間に獲ってくればいいか。


 朝の日課を終えて、台所で朝食を作る。皆も寒そうにしながら起きてきたが、クニも寒そうに台所に来た。なので、熊の魔物を1頭狩ってきぐるみを作ってやるから、それまで部屋に篭っているように言っておく。


 朝食後、俺はダンジョンへと出発し13層~15層で米を収穫する。その後、16層~18層を移動し19層へと踏み込むと、都合よく山の地形だった。尾張の北部は山だから、ダンンジョンにも山があって良い筈なんだよな。


 ここまで山が無かったから、ここには熊系の魔物が居るだろうと思っていたら、アーマーベアが早速居た。都合が良いなと思いながらも綺麗に倒し、血抜きをした後に中身を抜いていく。肉は残すが、内蔵は要らない。


 本来ならそれで終わりなんだが、もう1頭アーマーベアを倒して今度は皮と牙を入手しておく。これはクニのブーツの為だ。それ以外に必要な物は無いが、ついでなので20層と21層を見ていく事にする。


 最奥に行かなければ地形の変化も早々起きないので、20層と21層に進むのは問題ない。そう思い20層へと行くと、早速呪いと邪気を感じた。いや、近い近い。転移して直ぐに感じるとか、どうなってんの?。


 慌てて進むと真っ黒な熊が居た。体高は8メートルぐらいあり、どう考えても自重で潰れるだろうと思うが2本足で立っている。その後4つ足状態に移行するが、その瞬間には右腕を切り落としてやった。


 熊はビリビリくるような咆哮を挙げて痛がっているが、素早く左腕も切り落とす。この時点で熊の戦闘能力の8割は失われているのだが、熊は直ぐに邪気になり襲い掛かってきた。


 毎度のパターンなので慣れたものと、余裕を見せなくて良かった。呪いと邪気だった所為で簡単には【浄化】出来ず、逃げながら【浄化】する羽目になるとは……。本当に調子に乗ると碌な事がないと分かる出来事だったよ。


 警戒はしてたけど、それでもヒヤっとしたからな。そして熊が邪気に変わった場所には3つほど何かが落ちている……と。1つ目は琵琶だな。琵琶法師が持ってるような普通の琵琶だ。作ったのは神様だから良い音がするんだろう。


 2つ目は乾燥の魔道具だ。これ絶対に藤達に渡せって事だよな? 別にいいんだけど、タイムリーな物を渡すのもどうかと思うよ、俺は。そして3つ目が神木で出来た熊の乗り物だ。もうないと思っていたんだが、神様的にはまだ要るらしいな。


 そこはかとなく怖いが、嫌な予想をするのは止めよう。誰も得をしない。まだ20層なんだけど、既にどっと疲れたな。これで21層に行ったらどうなるか……ちょっと怖い気もするが、見ないで帰るのはもっと怖い。


 なので進むしかないのだが、気乗りしないなぁ。周りから襲ってくる熊を殺し、【浄炎】で燃やしながら進む。外なら無駄な殺生はなるべくしないが、ダンジョンの中は別だ。殺して邪気を減らした方が良い。


 そうやって目の前のダンジョンモンスターを処理しながら転移紋の前まで来た。深呼吸し、気合いを入れて転移紋に進む。とりあえず対処が可能だと信じるしかない。


 頼むよ、神様達! 対処不能は止めてくれ。



 ▽▽▽▽▽


 1197終了時点


 大白金貨46枚

 白金貨219枚

 大金貨737枚

 金貨656枚

 大銀貨524枚

 銀貨538枚

 大銅貨1539枚

 銅貨25枚


 ヒュドラーの毒ナイフ

 山羊角の杭

 キマイラの短剣

 神金のヴァジュラ

 神石の直刀

 神木の浄化棍棒

 神木の杵

 神木石の錫杖

 神木の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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