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0118




 ギルドからの帰り道、3人に気になっていた事を聞く。帝国の侵略目的なんだが、イマイチ今持っている情報だと判断がつかないんだよな。戦争に介入とかはしないが、情報は持っておきたい。



 「3人は帝国が攻めてくる理由って知ってるか?」


 「帝国が攻めてくるのは、水が原因だって言われてるね」


 「昔からそうです。帝国の辺りは乾燥気味の場所が多くて、作物を育てるのが難しい所もありますから」


 「それだけではなくて、帝国の辺りでは鉄の産出が非常に少ないそうなの」


 「ああ、それも聞くね。代わりに帝国では青銅が使われる事が多いって」



 鉄か……それなら十分に侵略する理由になるな。”鉄は国家”なんていう言葉もあるが、それぐらい鉄は必要な金属だからな。釘や農具や工具、勿論武具にも必要だ。


 この世界には【錬金魔法】や【練成魔法】があるが、誰でも簡単に何度も使えるというものじゃない。むしろ使い熟すのは極めて難しく、俺と同じように使うのは無理だ。


 だからこそ、俺に武器の作成依頼をしてくるんだが。農具すら石と木で十二分に使える物を作り出せるのが、【錬金魔法】と【練成魔法】だ。


 ある意味では反則だからこそ、神様にでも教えてもらわない限り、使い熟す事は殆ど出来ない。神様いわく、天才が現れればその限りではないらしいが……。まあ、まず無理だろう。


 魔力の直接行使から始める必要があるし、センスが無ければ不可能だろうからな。俺みたいにセンスが無くても可能なのは、神様という”答え”に教えてもらったからだ。



 「帝国でも銅と錫は採れるんだろう? だったら、そこまで深刻じゃないと思うが……」


 「無いから欲しくなるのさ。あれば、そこまでなんだろうけどね」


 「まぁ、青銅で代用可能な物はあります。ですが、国家としては鉄が欲しいのでしょうね」


 「鉄は身近だからしょうがないわ。村でも、鉄製の道具や工具は多かったもの」


 「まぁ、それは分かるんだが……。ダンジョンから鉄が見つかったりしないのか?」


 「帝国には3つのダンジョンがあるけど、鉄が手に入るのは素材迷宮1つだけだったと思う」


 「それ以外のダンジョンでは、見つかっていないと言うより、深くまで潜れていないのでしょう」


 「普通は、あんなに早く攻略するのは不可能なのよね」


 「それにダンジョンだけじゃないしね。色んな所を探してるんじゃないかい?」


 「そもそも、何故帝国の事を聞いたんですか?」


 「いや、帝国との戦争が本当に起きそうだから、備えとして聞いておきたかったんだ」


 「そういう事ですか。いつも通り、辺境伯に止められて終わりだと思いますが……」


 「いつも通りかは知らないけど、色んな策で攻めてきてるのが引っ掛かるんだよ」


 「帝国が本気なんじゃないかって事だね?」


 「その可能性は十分にあると思うけれど、ルーデル村は無事でしょうね」


 「あの村は支配者が変わっても、大森林の壁ですからね」


 「そうか、村は問題ないのか。そこは安堵した。そういえば2人の故郷は大丈夫なのか?」


 「特に問題ないし、どうなろうが知った事じゃないね」


 「私の故郷は特に問題ないでしょう。山の麓ですし」


 「アルドには話した事が無かったけど、アタシとシュラの故郷は近いんだよ」


 「具体的には、ウエストアルムの更に西に魔眼族の里があって、その西にある山の麓に吸血鬼族の里があります」


 「初めて聞いたが、そんな近い所にあったのか。それでルーデル村に来たりしてたんだな」


 「えぇ。遠くはありませんので、それで確認に来ていたのでしょう。里に行きますか?」


 「浄化の旅としては、そうしたいんだが………」


 「ああ、アタシかい? 別に里に帰るのは問題ないよ。鬱陶しい奴等を潰しておく必要もあるしね」



 里帰りが問題ないなら行くか。……おっと、そんな話をしていたら夕方か。食堂に行って夕食を食べよう。大銅貨6枚を支払い、夕食を食べる。食後3人と2匹は酒を飲み始めた。


 呆れて見ていたら、ビキニアーマーズが隣の席に座り話し掛けてきた。仕事終わりなのか、それとも狩り終わりなのか、充実した顔をしているな。



 「昨日作ってもらった斧を早速試したんだけど、凄いね!」


 「私の槍も、とても扱いやすかったです」


 「上手く出来ていたみたいだな」


 「丁度良かったですね。アナタ達も付いて来なさい」


 「「えっ!?」」


 「王都から西に行く事になったのよ」


 「ああ。アタシ等の故郷に行くんですね」


 「成る程。案内をせよ、という事ですね」


 「そういう事です」


 「「分かりました」」



 話が終わったので部屋に戻り、再び飲み始める3人と2匹。酒は十分にあるから作る必要は無いな。旅をするなら要らない物を捨ててくるか。俺は宿を出て裏庭に行く。


 迷宮で収納した海産物やゴミなどを、穴を掘ってその中に捨てる。【破砕】し【粉砕】して穴を埋めておく。食べ物は竜の肉ぐらいしか入っていない。整理整頓はこれで終わりだ。


 部屋に戻ると、既に2匹は酔い潰れて寝ている。その所為か3人にベッドへ連行されてしまった。自分の修行も兼ねて【房中術】のみで返り討ちにする。


 いつものように浄化して、終わったら寝よう。今日も1日お疲れ様でした。



 <異世界63日目>



 おはようございます。今日から西に向かって出発し、2人の故郷に向かいます。浄化の旅なんだから、そろそろ新しい場所に行かないとね。王都の浄化は殆ど終わってるし。


 定期的に王城の近くまで行けたのが良かった。あれが無ければ、夜中に侵入して浄化しなくちゃいけないところだった。最後だから、念入りに丁寧に限界まで浄化しておこう。


 執拗に一切の汚れを許さない程に浄化していると、2匹が起きた。



 「おはよう。ダリア、カエデ」


 「ニャーン」 「グルーゥ」



 浄化すればするほど2匹の機嫌が良くなるのは何故なんだろうな? 未だによく分からないが、綺麗になって喜んでるだけだと思おう。部屋の中を十分に浄化した頃、3人が起きて来た。



 「「「チュッ! おはよう。アルド、ダリア、カエデ」」」


 「おはよう、3人とも」 「ニャ」 「ガゥ」


 「今日は西に向けて移動だね」


 「今の私達なら半日ぐらいでウエストアルムに着きますよ」


 「そんなものかしら。ただ、あの2人が付いて来れるかは分からないわね」


 「そこは調整するしかないな。あの2人も一緒に行くんだから」


 「半日だから、少し無理すれば済むと思うけどね」


 「急いでないんだから、そもそも無理する必要も無いけどな」



 部屋を出て、ラーファンさんに西へ行く事を説明し、大銅貨12枚を返してもらった。受け取っていると、ビキニアーマーズが来たので食堂へ一緒に行く。


 大銅貨8枚を支払い食堂で朝食を食べる。2人はタダ飯だからか喜んで食べてるな。


 2人に聞いたところ、どうやら1日毎に更新する宿泊方法だったようで特にするべき事は無いそうだ。


 このまま王都を出発出来そうなので、南門から出発する。王都には北門と南門しか入り口は無い。結局、王都には8日間しか滞在しなかったな、その分内容は濃かった気がするが。


 王都の西側へと歩いて行く。やはり俺達は早いらしく、2人を置いて行くところだった。ゆっくり進みながら、3人はビキニアーマーズに身体強化を教える様だ。


 2人も身体強化は使える様だが、動作と連動する使い方であって日常で使える訳では無い。なので3人は使い方を教えているのだが、3人の復習には丁度良い。


 身体強化を教えながら歩く事半日と少しで、ウエストアルムに到着した。サウスアルムと代わり映えしない町だ。まずは宿へ行き、大部屋と2人用の部屋で大銅貨6枚支払う。


 部屋を確認してから、昼食の為に1階に下りる。大銅貨8枚を支払って全員で昼食を食べよう。


 食後、この後の予定を話すも自由に過ごす事になった。俺はこの町の浄化だ。



 ▽▽▽▽▽


 0118終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨14枚

 金貨50枚

 大銀貨38枚

 銀貨14枚

 大銅貨10枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 真っ黒な金砕棒

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 オリハルコンの苦無

 アダマンタイトの十手

 王角竜の分銅鎖

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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