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阿鼻叫喚の地獄絵図を作り出したが、殆どは殺したし一部は逃げたんでそろそろ鎮火するか。俺は魔法を解除した後、水魔法の【冷却】を使いゆっくりと冷やしていく。急激に冷やすと爆発するからな、気を付けないといけない。
5000度にした範囲は前方15メートル離れた所に奥行き5メートル、左右に20メートルぐらいだが、この範囲で十分なので意図的に抑えている。【烈風】を使って熱風を相手に叩きつけたので、呼吸すると肺が焼けるし、受ければ肌が火傷を負う。
目を開けていれば眼球が焼け、失明してしまう程なので、自爆攻撃になりかねない極めて危険な攻撃方法だった。まあ、俺の場合は完全制御しているのと、【烈風】を使い熱気を一切寄せ付けなかったので問題ない。
女性陣にも一切影響は出ていないので完勝と言えるだろう。ただし少し離れた所に藤達と帝、そして公卿や公家が居るので面倒な話し合いか何かがありそうだ。俺としては敵を殺しただけなんだがなー、そうはいかないか。
【獄炎】で作り出したフィールドが十分冷えたので、藤に【念話】を送るとこっちに歩いてきた。帝も共にこっちに歩いてくるのだが、その後ろを公卿や公家が慌ててついてくる。面倒臭そうだなー。
「アルド殿、無事かどうかを聞けば良いのだろうか? それとも、あの様な力を使った事を責めればいいのか? あの地獄絵図は、いったい何なのだ」
「あれは火魔法の高位魔法である【獄炎】だ。5000度以上の熱量の領域を作り出せる。分かりやすく言えば、骨まで溶ける熱地獄を生み出す魔法だな。いちいち戦うのが面倒な人数だったんで使った」
「確かに死体の数を見るとそうだろう。500には届かぬだろうが、相当の数の神官が居るからな。こやつらは都の各神殿の者達だろう、九条公が集めさせたに違いない。申し訳ない、私の所為だ」
「あん? 藤の所為ってどういう事だい? そもそも襲ってきた奴の首魁は九条って奴なんだろ? 何で藤の所為って事になるのさ」
「私は呼ばれたので内裏に参内していたのだが、そこで九条公が妻がおかしくなったとか言っていてな。私にまで疑いを向けてきたので、つい本当の事を言ってしまったのだ」
「ああ。クニがアルドを襲った事。その裏で監視していた者が居た事。その監視者は九条家の下人だった事ですね。その時点で極めて怪しいのですけども、なぜか汚い奴等は自分が悪い事を認めませんから」
「それだけじゃなく、アルドが夜中に忍び込んで聞いているみたいよ? 九条の当主は関わり無かった事。正妻が九条に罪を擦り付けるつもりでクニを嗾けた事。アルドに恩を売って、お金を出させようとした浅ましい計画とかね」
「そもそも主様は、相手に嘘を吐かせなくする技も使えるからね。公卿や公家からすれば敵対すると困ると思うんだけど……バカは何故か突っ掛かってくるんだよ。余程に暴かれたいのかな? 悪行を」
アルメアがそう言ったからか、周りに居た野次馬の様な公卿と公家が一斉に離れた。そもそも長く続く家など、10や20では済まない闇を抱えているもんだ。それを白日の下に晒されたくなければ、大人しくしていればいい。
俺から金を出させようなんていう卑しい事をするからこうなる。下らない事をするから反撃されるんだよ。反撃されたくなければ、最初から下らない事をするな。俺は周りのバカどもに、そう言っておく。
「九条公の正妻は一条家からでな。九条家としては一条家を味方に付けておきたかったのだろう。もしくは恩を売ろうとしたのかもしれん。しかし、その結果が地獄絵図ではな……」
「そんな事は知らないが、1番最初に殺してやったな。【獄炎】と【烈風】のコンボで死んだが、たぶん肺が焼けたんだろう。苦しんだうえで死んでいた。熱風が吹き付ける中で息を吸うと、肺に灼熱の熱風が入る。後は分かるだろ?」
「控えめに言っても地獄だね。喉が焼けたり、肺が焼けたり、息が出来なくなって死ぬしかない。それに死体を確認したら、体は大火傷だし眼球が焼けている。命が助かっても、まともには生きられないね。流石は高位魔法だよ、シャレにならない」
「ここまでの惨事となったのは不運だったと言うしかない。九条公に話した後すぐに帝に呼ばれた為、追いかける事が出来なんだ。その間に、都から集められるだけ神官を集めたのだろう」
「足利の娘よ。まるで帝が悪いかのように申すのは、いったいどういう事じゃ?」
「失せろ、ゴミが。今すぐ殺すぞ」
「………」
ケチをつけてきた公卿か公家かは知らんが、慌てて逃げるように下がっていった。今ここで嫌味を言うような空気の読めないカスなんぞ、生きている価値も無いだろう。こいつ等は、こんなところでもマウントをとろうとしているのだから、呆れるしかない。
「そもそもだ。九条とかいう奴も一条とかいう奴も、公卿の頂点である五摂家だろうが。そいつ等がこんな事をやらかしているっていうのに、自分達は関係ないとでも思っているのか? 1度死ななきゃ分からないなら、今すぐ殺してやるが……どうする?」
「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」
「朕の臣下が下らぬ事をした事、大変申し訳ない」
「「「「「「「「「「帝!?」」」」」」」」」」
「何が、帝!? だ。お前等が頭を下げさせたんだろうが。自分達の所為で、頂点にある方の頭を下げさせてしまったという自覚も無いとは。お前等は本当に臣下なのか?」
「「「「「「「「「「!!!」」」」」」」」」」
その後、口々に謝罪の言葉があったが聞き流して終わりだ。相手に言われてから謝ったんじゃ遅すぎる。そんな事は子供でも分かる事だ。そう言ってやったら悔しさで俯いていた。敵意と悪意もあったので、何家か消してから尾張に戻ろうかね?。
そんな事を考えていると、藤からジト目が飛んできた。おそらく俺の考えている事がバレたんだろうが、俺は気にしない。何度も言っているが、俺は反撃しかしていないからな。そもそも手を出してきた奴等が悪い。
そんな事を話していたからだろう。帝は頻りに頷いており、「争いを生み出すものが1番悪い」と言っていた。その周りで公卿や公家がバツの悪そうな顔をしている。どうやら内裏の中でも色々あるんだろう。
というより、内裏の中こそ主導権争いとか色々な争いをしている中心か。既に権力は無く、権威しかないのに下らない争いをしている。帝もいい加減、嫌にもなるわな。家臣が下らない争いばっかりしていたら。
そんな事を考えながら<浄化の三道具>を使って【浄化】していると、その光景をジッと帝が見ていた。俺は気にせず邪気を吸引し【浄化】した後で、皆に任せた死体の処理を手伝っていると、帝が話しかけてきた。
「あれ程の穢れを吸い込むのも凄いが、あれ程の濃密な穢れを全て浄化するなど、神の御業と言ってよいのではなかろうか。京の都が度々清浄になっていたのは、そなたの御蔭だったのだな」
そう言われてビックリした。どうやら帝は、<穢れ>こと邪気が見えるらしい。そうでなければ、俺が何をやっていたか分かる筈がないんだ。俺としても驚くしかないが、やはり神武帝の血筋には何かあるようだ。
元の世界では天照大御神の子孫と言われても、何も言えないし流すが、この世界のヤシマの国の帝には何かある。それが何なのか分からないが、神様関係だろうから首は突っ込まない。嫌な予感もするしな。
死体の処理も終わり、後は【粉砕】して埋めるだけだ。全てが終わったら見せ掛けだけだが、【神聖八重浄化】を使って清浄にしたように見せる。実際は【浄化】の権能を使っているので、都の中より綺麗なんだけどね。
そうしていると、何やら呪いに塗れた刀を持つ公卿か公家が現れた。何だ、コイツ?。
「我が娘を狂わせた妖め! 我が成敗してくれるわ!!」
「な!? アレは<童子切安綱>ではないか!! 何故アレがここにある!?」
アレが童子切ねぇ……。
▽▽▽▽▽
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王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
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