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0117




 何かウォーハンマー片手に、あーでもない、こーでもないと言っているが、王様放っておいて良いのか? まぁ、王様の方も気にしてないっぽいが。



 「アダマンタイトを持ち出すなんて卑怯だぞっ!」


 「なぁ、アイツ等は頭がオカシイのか? それとも唯の異常者か?」


 「それはどちらでも異常者のような……」


 「同じ素材で勝負するべきだろう! そうでなければ腕前なぞ分かる筈が無い!」


 「そうだ! 我々には近衛騎士団に納品している剣がある。鉄製の物を持ってこい! それと勝負だ!」


 「ライブルさんよ。近衛の剣を3本持ってきてくれない?」


 「うむ。ここには12人居るから、3人剣を出せ!」



 俺は3本の内の2本を受け取り、念入りに調べる。結果、大した事がない、質の悪い剣だという事が分かった。俺は分解して鉄を一纏めに【融合】して【抽出】し純鉄に近づけた。


 まずは鉄を半分に分ける。その片方に、持っていた炭から炭素を【抽出】して【合成】する。純鉄と鋼を作り、鉄を鋼で挟むように刃を作っていく。出来たのはグラディウスの刀身だ。


 元々の近衛の剣の持ち手を付ければ、グラディウスの完成だ。即興で作ったにしては上手く出来たのではなかろうか?。



 「おお、あれほど簡単に剣を作るとは」


 「あんな訳のわからんやり方で、良い物が作れる事など無い!」


 「しかし、どうやって調べるか」


 「近衛の剣を立てて、俺の作った剣で切りつければ良いさ」



 俺は近衛の剣を地面に突き刺し、ライブルに俺が作った剣で斬らせた。その結果あっさりと近衛の普通の剣は斬れた。あんな質の悪い物では途中で止まる事も無かったな。



 「そんなバカな!? あの時に炭で何かしていた! あれが卑怯な事に違いない!」


 「そうだ! この期に及んで、まだ卑怯な事をするなぞ許せん! キサマなぞここで死ね!」



 鍛冶師の1人が持って来ていた剣で斬りつけて来るが、俺は十手で防いだ。あっさりと二股になった部分で止めたので、そこからスライドさせながら剣を弾いて相手の手を打つ。


 指に当たって痛かったのか、鍛冶師は剣を落とした。その後、即座に拘束。王様の前で人を斬りつけた罪で処刑されるそうだ。まぁ、王様の前で剣を抜く事自体が駄目なんだが。



 「成る程。あの武器はああやって使うのか」


 「私も初めて見ましたが、便利な物なんですね」


 「刃は付いておりませんので、御前にて狼藉者などを取り押さえるには丁度良いかもしれませんな」


 「元々十手は対人用の捕具だからな。つまり、暴れる者を取り押さえる為の道具だ」


 「元々そういう物なんですね」


 「他には刺股とかもあるな」


 「それは一体どういう物で?」


 「刺股は棒の先にU字の鉄が取り付けられていて、根元やU字部分にも鉄で出来た棘のような物が沢山付いている」


 「棘ですか? その棘で引っ掛けるのですかな?」


 「そういう事。押し付けてる時に暴れると微妙な怪我をするんだが、微妙な怪我の方が痛かったりするから大人しくなりやすいんだ」


 「色々な物があるのですなぁ」


 「他に何かありませんか?」


 「ありませんかと言われましても。私の武器はこのような物ですが……」


 「ほう、盾か。この盾も中々良さそうだが、この槍は……」


 「避け難そうですね。横の刃が怖いです」


 「ですな。こういう傷を受けやすい武器には、注意をせねばなりません」



 何か武器談義を楽しそうにやっているが、そろそろ帰っていいかな? バカな鍛冶師どもも捕まったし、アホ貴族どもは碌に動けない。今の内にこの場を脱出したいんだが……。



 「これで終わりのようであるな。では、余は執務に戻る」


 「「「「ハハーッ!」」」」


 「じゃあ、俺達もそろそろお暇しようか」


 「そうだね。アタシ達が居てもしょうがないしね」


 「そうですね。終わった以上は居る意味がありません」


 「やっと帰れるのね、緊張して疲れたわ」


 「ニャア!」 「グルゥ~」



 王女が来て、大金貨を報酬としてもらった、太っ腹なのか、この程度普通なのか。……報酬もらったんだから、さっさと帰ろう。


 来た時と同じく馬車に乗って帰る。それにしても面倒だったなー。あのバカどもは自分達が特権階級だとでも思ってたのかね? 意味が分からない程に偉そうな奴等だったな。


 出てきたバカどもが実際に現場で作っていたかは、正直に言って疑問がある。組織である以上は、上の人間は現場には来ないもんだ。上の人間がやる仕事じゃないしな。


 組織の上の方は、組織運営をやってくれなきゃ現場が困る。まぁ、鍛冶師組合がどうなろうが知った事じゃないが、2度と俺に関わって来るなと言いたい。


 面倒な事を考えていてもしょうがない、食堂に行って昼飯を食おう。食堂に行き大銅貨6枚を支払って昼食を食べる。昼食後、気になったのでギルドに行ってみる。


 ギルドに入って掲示板を見ていると、また話し掛けられた。こいつはギルマスの事を俺に聞いてきた奴か、何回聞いてくるつもりだ?。



 「済まない君達。ギルドマスターは見つかったかい?」


 「いや、見てないが……皆は?」


 「「「見てない」」」


 「そうか。済まない、邪魔したね」


 「あの男……ずっとギルマスを探してるのか? 幾ら何でも他人があんなに熱心に探すもんか?」


 「お前さん知らないのか? あいつはギルマスの隠し子って言われてる奴だぜ」


 「隠し子ねぇ……それでも何故って思うが………」


 「あのギルマスには隠し子が何人も居るらしいし、財産目当てじゃないかって言われてるな」


 「碌な奴じゃないな、あのギルマスは。……って、アンタ武器が壊れてないか?」


 「ん? ああ、これか。昨日折れちまってな。金はあるんだが、どうしようか迷っててなぁ」


 「迷ってる? 何で迷うんだ? 武器がなきゃ仕事が出来ないだろ?」


 「最近、鍛冶師組合の武器の質が落ちてきててなぁ。新しいのを買っても直ぐに折れそうなんだ」


 「ならメイスとかにすれば良いじゃないか」


 「それもアリかもな……。ずっと剣使ってきたから、剣を使いたいんだが」


 「仕方ないな。その剣、貸してみな」



 俺は受け取った剣を接合する。【錬金魔法】で簡単に直す事は出来るが、根本的な質の悪さは全く解決しない。俺が解決する事でもないし、鍛冶師組合が何とかする事だしな。



 「おぉーっ! ありがてぇ、感謝する! だが幾らぐらい払えば良いんだ?」


 「いや、別に要らないな。偶々、運が良かったで良いんじゃないか?」


 「本当か? 済まねぇ、助かる!」



 そう言って、男は去って行った。狩りにでも行くんだろうが、また折れそうな気がするな。チラチラこっち見てくる奴等が居るが、直してやる気は無いぞ。鍛冶師の所にでも行け。


 その鍛冶師が信用ならないんだろうが、俺には関係ない事だからな。こんな状態で戦争は大丈夫なのかねぇ? うん? もしかして……嫌な予感がするな。


 これも帝国が手を突っ込んできてるのか? それが事実なら、王国弱体化計画って相当な複合計画だな。その割には、それぞれの計画の歩調が合ってない気がするが……。


 そもそも帝国って何で攻めてくるんだろう? 他国に戦争を仕掛ける定番と言えば、領土や産物、あるいは技術や知識か? 技術や知識は無いな。既に帝国に奪われてると思う。


 少なくとも、王国側が随分と好き勝手にやられてるのは間違いない。本当に大丈夫なのか、この国? 滅びる前に逃げるべきだろうか……。でもなぁ、知り合った人も居るしな。


 そういう人達が酷い目に遭うのを見過ごすのか? って言われると、返す言葉が無い。それに、たぶん見過ごしたりはしないだろう、俺の性格的に。戦争に介入? それもなぁ……。


 何か違う感じがするんだよな。それじゃないって言うか、お前のする事は浄化だろ? って思うんだよ。



 ▽▽▽▽▽


 0117終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨14枚

 金貨50枚

 大銀貨38枚

 銀貨14枚

 大銅貨26枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 真っ黒な金砕棒

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 オリハルコンの苦無

 アダマンタイトの十手

 王角竜の分銅鎖

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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